インフィニット・ストラトス ~天才は天災を呼ぶ~
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第2話
それから数年、土曜日には必ずふーちゃんと意見を交わし合う間柄になった。
ふーちゃんは本当にすごい子だと思う。 束さんが現行の20年先を行く頭脳を持っていると仮定するならば、彼女は200年先は行ってるね。 束さんの頭の中でまだ構想段階しか纏まっていないような装備も、ふーちゃんの中では配備可能段階まで進んでいるなんてことはざらにあったし。
天才天才呼ばれているのが恥ずかしくなるぐらい、本当の天才は彼女だとおもうよ……。
「それでね、ISを発表したんだけどまったく相手にされなくてぇ。 どうしよう」
「まぁ、宇宙に進出できるなんて嘘としか思えないようなものですからね。 それに、白騎士でしたか? 宇宙に進出するだけならこんなにも武装はいらないですしね」
政府の人って頭固いよね、まったく。 だから技術の進歩とかがないんだよ。
「それで? ISをどうやって発表するんですか?」
「そうだねぇ、何かいい案はない?」
束さんはこういった発表系は強くないんだよねぇ。 興味ない人なんかどーでもいいし。
「そーですね。 どっちにしても知れ渡れば兵器として流用されると思いますけど、それでいいなら、
宇宙用としては、現在宇宙に上がっているスペースシャトルや、衛星などにちょっかいをかける。
軍事用なら、日本に世界中からミサイルを打ち込んで、ISで迎撃とかですかね?」
おぉ、いい案だね!! 宇宙進出を目指しているから宇宙用として発表したいけど、乗るのはちーちゃんだしなぁ。 ちーちゃんがちょっかいをかけているところって想像できないし……。 カッコイイちーちゃんが観たいっていう束さんの欲望も……ちょっとだよ?
うんうん、ここはひとつ『ハッキング』でもしますか!!!
「よ~し!!! ミサイルを国会議事堂にブチ込むよぉ!!! それを見事迎撃すれば一躍有名になるよね!!」
「そうですねぇ。 とりあえずたばさんが色々考えてる間に、既にミサイルの発射装置は押さえましたけど、どうします? 私としては大々的にテロリストを名乗ってミサイルをぶっぱなし、ISに迎撃させることで英雄として迎えられるように仕向けたほうがいいと思いますが?」
おぉ、話が早いね。 流石ふーちゃんだよ。
「よし!! ふーちゃん、後は任せたよ。 束さんはそういうの苦手だからね♪」
「はい、私も制作に関わった以上、ちゃんと本来の目的で使って欲しいですし。
では、テロリスト名乗って2000発ほど国会議事堂に向けてミサイルを発射します。 適当に太平洋側にあるミサイル発射基地からぶっぱなしますんで、そっち側で待ち構えて下さい。
2000発なんて数字のミサイルが発射されたとあれば政府は大混乱でしょうから、束さんの主張も通ると思いますよ?
迎撃後は確実に、世界中から軍事利用の話がくることは目に見えていますんで、そこで、「軍事利用なんかしたら全てのISを停止させる」とかなんとか言っちゃって下さい。 それで収まるはずですので」
ほうほう、流石ふーちゃん。 束さんには思いつかない事を考えてる!! そこにはシビれるけど憧れはしないよ。 それと、ふーちゃんはやっぱりどこか突き抜けてるよね。 普通、ミサイル2000発を自分の国にテロリストを名乗ってまで打ち込もうとは考えないよ……。 うん、興味が尽きないね。
そんなこんなを考えていると、てきぱきと何かを組み立てていくふーちゃん。 あ、ココはふーちゃんのおうちだよ。 ふーちゃんのお母さんに挨拶したけど、あの人も変わってるね。
束さんのうさみみをキラキラした目で見てるなぁと思ったら目にも止まらぬ速さで奪取。 返して貰おうと抗議の声をあげようとしたら、ピコピコと耳が動く仕様に改造されて返ってきたよ……。 「はぁぁ、やっぱりうさみみなら動かないとぉぉ」とか恍惚とした表情でつぶやいてたけど、束さんが抗議の声を上げるまでのわずかな時間で、只のうさみみの飾りを動く仕様に作り変えたのは最早驚愕としか言いようがないね。 ふーちゃんの一家には変わり者が多いのかな?
そうそう、それでてきぱきと何かを組み立てていると思ったら、どこかの秘密基地みたいな物が完成した。 なになに? ここから世界中にミサイルの発射を宣言するって? うわぁ、本格的だぁ。 本当に悪のテロリスト集団の基地みたい。
ん? 向かい側にもう一つ席があるけど……。
あ、こっちは束さんがISで迎撃するための指令を出す席なんだね。 なるほど、直接政府に画像を届けると言ったところかな? 面白いねぇ。 どこまでムチャクチャを平気な顔でやるんだろう?
ただいま通常国会の真っ最中。 日本の政治家達が自分の思いを不毛にぶつけ合い、終の見えない論争を繰り広げるこの国会議事堂で、普段は使われることのない巨大スクリーンがひとりでに動き出した。
最初はひとりの議員が「あ、あれ?」と声をあげただけであったが、次第に広がっていくスクリーンに皆議論を止め、訝しげにそれを見ている。 熟年の議員などは、「誰だこんな無意味な演出をしておるのは……、野党か?」などと言い争いを始めるものまで出る始末。
スクリーンが完全に開き、あたりの照明が一段落ちる。 そこに映し出されたのは、どこかの基地のような場所で、真ん中に正体不明の人物がゆったりとソファのようなものに腰を落ち着けている映像であった。
顔は覆面で覆い隠しているので窺い知れないが、どうも友好的な感じではなさそうである。
呆然とスクリーンを見る私達。 その時、備え付けのスピーカーから、多分画面に写っているであろう人物からの言葉が飛び出した。
「キャハ☆ 皆さんこんにちは♪ 私は世界的テロリスト集団【破滅の音、新時代の風】の総督でっす☆ お集まりの皆さん、この放送は世界中の国々に放送されています♪ 今自宅でテレビを見ようとしているそこの君!! どこのチャンネルを回しても私が映るのでチャンネルはそのままで!!!」
その物々しい雰囲気とは違い、可愛らしい少女の声が聞こえた。 多分ボイスチェンジャーで声を変えているのであろうその半端に機械的な音声が若干我々を苛立たせる。
「何者だ! 貴様!!!」
気の短い議員の一人が声を荒げた。
「嫌だなぁ。 言ったじゃないですか、『世界的なテロリスト集団の総督でっす☆』って。 聞こえなかったのかなぁ? やっぱりおじいちゃんだけあって耳が遠いんだねぇ。 不毛な言い争いしかせずに無駄に時間を消費して、国民からお金を搾り取る事しか考えていない老害共が……」
「なに!!!!?」
「はいはい、そこのおじいちゃんは置いておいて、総理ぃ、いますぅ? 真鳥そぅうぉるぃ」
私を名指ししてくる『世界的テロリスト集団』の総督とやら。
「あぁ、総理は私だが、君は一体なにが目的かね?」
「あ、総理ぃそちらにおいででしたか。 いえいえ目的などとそんなたいそれたことはありませんよ……。 ただ、少し世界に危機感とやらを持っていただこうと思いましてねぇ」
「危機感だと?」
私の問いかけに対して、どうも不明瞭な返しを行う総督とやら。 言葉尻だけでは何が目的かまったくつかむことができない。
何度か、やりとりを繰り返すが、その度にはぐらかされる。 こちらを馬鹿にしたような発言も複数あることから、こちらを挑発していることも伺える。
「貴様、我々に向かってなんて物言いだ!!!」
気の短い人間たちは我慢が限界に近いようだ。 そろそろちゃんと目的を語ってもらわねば。
「それで、本当に何が目的なのかね?」
「あぁ、そうですね。 総理ぃ以外の方たちはもう顔が茹で上がったタコみたいに真っ赤になっていますし、気を付けないと高血圧でポックリ逝ってしまいそうですからねぇ。 え~では、こほん。 今まで地下活動を行ってきたのですが、もうこの地球はダメですね。 各地で汚染等があり、各民族は自分の主張ばかり……。 森を焼き、山を削る……、自然を奪う活動しか行わない。 さらには、民族、宗教の違いなどから争いが発展。 ついには核などと言う最悪の兵器まで生み出す始末。 小競り合いも無意味に続け、地球を破壊していく一方になるでしょう。 ならば、一度すべてを無に還し、世界を一つにまとめ、この私が主導となり、素晴らしい世に導いていけばいいのだと気がついたんですよ!!! いや~、私っていい人ですよね♪」
「……何を言っている?」
「えぇ、えぇ、わからないでしょう。 不安でしょう。 ならば言ってあげましょう。 まずは世界各国の首脳陣、その全てを粉砕します。 その後、核開発施設等を全て破壊し尽くし、文化レベルを産業革命以前まで後退させます。 その為の手段など片手では収まらないぐらい存在しますのでね。 その先駆けとして選ばれたのが、あなたたち日本国首脳陣です。 いや~名誉なことですねぇ。 地球が再生するための一番目の尊い犠牲になれるのですから。 国民の皆様の為に自らの体を使って仕事ができるんです。 政治家という職業にとってこれほど喜ばしいことは無いでしょう? そうそう、あなたがたをどうやって新世界の礎にするのかでしたね?
ただいま世界中の制御システムにハッキングを行い、ミサイルの発射権を奪いました。 私の手元にあるスイッチを押せば、そこ、国会議事堂に向けて約2000発のミサイルが発射されます。 世界中の人々も見ておいてくださいね。 日本の国会議事堂はこのボタン一つで木っ端微塵になるのですから……、さぞ素晴らしい新時代の幕開けを告げる花火となるでしょう。 汚い老害共ばかりを巻き添えにしますので、汚い花火にはなりそうですが……。
あぁ、それと、国会議事堂の入口は全て塞がせていただきました。 あなたがたにはそこで残り数時間の余生を過ごしていただきたいと思います。 心配しなくても、歴史の教科書には『新時代の幕開けのために散った偉人達』として掲載する予定ですので、ご安心ください。
最も、産業革命以前まで文化レベルを後退させますので、教科書なんて高度なものができるのはいつになることやら……。
それから、各国の首脳陣の方々。 日本の国会議事堂が済めば次はあなた達ですのでご了解下さい。
あぁ、それと、核開発施設を吹き飛ばすことについてはご心配なく。 流れ出る汚染物質など我々の開発した浄化装置を以てすれば無害なものに早変わりですから♪」
何ともふざけたもの言いだな。 そんな訳があるはず無いだろう? と、言いたいところであったが、現にこうしてスクリーン等を無断で使用している事も加味すればあながち嘘とは言えんな。
となると、この状況はかなりマズイな。
「何をふざけた事を!!! そんなことができるはず無かろうが!!!」
あぁ、またもや気の短い議員が声を荒げた。 もう少し、会話をしなければいけないのに。
「ふむ、やはり老害に何を言っても無駄でしたか。 それではさようなら。 唯一残念なのは、あなたたちがこれからの新時代を見ることがかなわないといったところでしょうか? でわ」
ポチッ! っと気の抜けた音と共におされたミサイル発射装置とされたそのボタン。
だからと言って何かが変わった訳では無い。 ミサイルが発射されたのだとしたら、まだ飛んでくるまでに時間があるはずなので皆落ち着いている。
それ以前に、あの様なたいそれた物言いが信じられる訳もないのであろう。
総帥とやらがボタンを押すと同時に画面は消え、議場の照明も元の明るさを取り戻していた。
「……これは、どういった余興ですかな? 真鳥総理?」
野党最大勢力のドンである、『大沢威一郎』が余裕たっぷりの表情で聞いてきた。 大凡、私の代で起こった重なる不祥事と、今回の件で政権交代でも狙っているのであろう。 というよりも、あのテロリストに声を荒げていたのは野党の人間しかいなかったのだが……。 お前たちがもう少しおとなしくしていれば、テロリストの会話ももっと長引かせることができたはずであろう。
大沢は先ほどのテロリストの言葉などまったく信じていない人間の一人のようで、余裕綽々の表情でこちらをニヤニヤと眺めている。 その他の野党議員もだ。
そんなイライラの時間は、ほかならぬ大沢自身の手で終了した。
なにも答えない私に、勝利を確信したのか「今日はこれまでと致しますか」等と勝手なことをほざきながら、職務放棄も甚だしく議場を出ていこうとする大沢。
しかし、扉を開こうとしても一向に開く気配が無い。 押しても引いてもウンともスンとも言わない扉に、皆の顔にも焦りの表情がうまれた。
「なんだこれは!!! どういうことだ、真鳥!!! さっさと開けんか!!」
「うぷぷ、さっき扉締めたよぉって言ったのに、何おバカさんな事をしているのかな♪」
今にも詰め寄らんばかりの大沢の言葉に、返事を返したのは私ではなく、可愛らしいがどこか苛立たせる声であった。
うわぁ、えげつないねぇ。
国会議事堂に向かって飛んでいる2000発のミサイルの映像や、各国首脳陣の慌ただしく動く映像を見せて動揺を誘い、あと一時間で国会議事堂にミサイルが到達することを宣言。
それに対して国会議事堂内は大慌て、大沢とかいう大物らしい政治家を筆頭に、ふーちゃんに命乞いを始める始末。
汚いねぇ、おっさんの鼻水まで垂らしたな泣き顔を見るのは。 いくら他人に興味がない束さんでも汚いものは汚いものと言っちゃうよ。
でも、あの真鳥とか言う総理は落ち着いてるね。 どーでもいいけど。
そろそろ、頃合だね。 ちーちゃんなら何の心配もいらないだろうけど……。
「ちょ~っと待った!!! ミサイルは全て破壊させてもらうよ!!」
「……おや? あなたは一体何者ですか?」
「へっへ~ん。 束さんは束さんだよ!!! そこの議員の人たちがどうなろうと私には関係がないからいいけど、日本を混乱に陥れるっていうのは聞き捨てならないね。 一応、日本には束さんが住んでいるんだから。 その生活を壊されると困っちゃうね!!」
どうだい? このふーちゃんと考えた口上は!! これならミサイル迎撃に何の違和感もないはずだよね。
「ほう、この私に対してさらにハッキングを返して来るとは、あなた中々やりますね」
「どうだい!! ふふ~ん、天才の束さんにしてみればハッキングの仕返しなんて簡単簡単!! 一部のミサイル発射装置は取り返したゼィ。 そして、飛んでいるミサイルなんて束さんに掛かればちょちょいのジョイやで!!!」
「ふむ、どうやって迎撃するのですか? あと、52分39秒で国会議事堂に到達するミサイルを」
「それはねぇ……、こうするのさ!!!!」
パッと画面を切り替える。 そこには全身甲冑を身につけたちーちゃんが映っている。 顔はバイザーに隠れて見えないけどね。
「なんです? あのコスプレさんは?」
「ふっふっふ、君もコスプレっぽいけどまぁいいでしょう。 お教えしましょう!! あれこそ私が開発した宇宙進出用のマルチフォームパワードスーツ『IS(インフィニット・ストラトス)』だ!!!」
「ほう、宇宙進出用ね。 それでは何もできないのでは?」
「宇宙での作業用として、ブレードなんかの武装が入っているから、ミサイルごときは余裕で破壊できるんだよ!!! さぁ、白騎士!!! ミサイルをぶった切っちゃって!!!」
私の言葉と同時に、ちーちゃんが飛び出す。 流石ちーちゃん。 家の剣術道場で剣を習っているだけはあるね。 スパスパとミサイルを切っていくよ。 カックイイ!!!
そのあとは、白騎士の独壇場だった。 2000発のミサイルを全て切り落とし、悠々と立ち去る。 その圧倒的な性能に、たまたま近くで合同演習中だった世界各国からの艦隊が押し寄せ、白騎士を取り押さえようと必死になってたけど、軍艦二隻を航行不能まで追い込んだら追ってこなくなった。 あ、沈めたワケじゃないので勘違いしないように。
そこからは、劇的だった。
日本政府は私から提出されたISの資料をシュレッダーの中から引っ張り出し、つなぎ合わせ、なんとか読めるように復元。 その圧倒的な性能をなんとか物にしようと躍起になった。 しかし、ふーちゃんと練に練ってわざと解読をしがたくなるようにこねくり回して作り上げた、『IS基礎理論』は少し難しすぎたみたい。 解読を諦めた日本政府は、私の元に是非協力して欲しいとの要請まで行ってきた。
全て無視してやりましたとも。
それでもIS自体の発表はしておきたかったので、コアを限定数のみ渡す。 政府関係者は物凄く嬉しそうだったとだけ言っておこう。
世界も黙ってはいない。 ミサイル2000本を単騎で全て撃墜し、しかもその後、各国の連合艦隊すらも手玉とってしまう兵器を日本だけが独占したとあれば、世界の情勢が変わる。 日本の台頭をよく思わない各国首脳陣はなんとか日本と交渉し、協定を結んだ。 技術の独占をしないなど様々なことが盛り込まれているらしい。
そこから、あれよあれよと言う間に、ISの軍事利用化が進められたが、私が一言、「ISを全て停止させるぞ?」といったことがきっかけで一旦戦争などへの利用はなくなった。
流石ふーちゃん。 ココまで予測どうりだと逆に怖いね。
ISコアの製造方法はブラックボックスであるため、現在製作できるのは私のみ。 そして束さんは一定数以上作らないと世界に宣言。
まぁこれを考えたのもふーちゃんだけどね。
そのおかげで束さんの要望はほとんど聞き入れられるんだよぉ。
ISの軍事使用がなくなった訳ではないが、それでも現在はスポーツとして扱われることが多くなった。 各種様々な兵器を操っての戦いの模様が放送されていたりもする。 世界大会まで開かれる始末だ。
まぁ、世界最強の座についているのは当たり前だけどちーちゃん。 そりゃあIS登場当初からずっとISに乗り続けているちーちゃんが最強に決まってるじゃない。
そして、もう一つ。
ISが女性にしか乗ることができないということがわかった。 もともとちーちゃんの為に作ったものだから、別に性別なんて女性だけが乗れるようなもので良かったしぃ。
そう思って放置していたら、世界が反転。 今まで男尊女卑の世界だったのに、女尊男卑の世界に早変わり。
今や街中には、どこともしれぬ男に荷物持ちをさせる女性や、ぐちゃぐちゃにした洋服の整理を命じる女性など、今まで溜めてきた鬱憤を吐き出すかのような光景がいくつも広がっている。
ちょっと調子に乗りすぎだね。 お前らのようなクズの為にISを開発したんじゃないんだよ。 束さんは!!!
それと政府の人間がかなり鬱陶しくなってきた。 ISを認めだした当初は、下手に出まくって居たはずなのに、ちょっと装備が整い出すと、途端に命令口調に変化し始めた。
なにが『世界中の脅威から守ってやる』……だ、『その代わり技術を寄こせ、守ってやる駄賃がわりだ』って馬鹿にしてるよねぇ。
ウゼェ……、束さんまじで切れちゃうよ(怒)
とりあえず身を隠すことをちーちゃん、ふーちゃんにつげ、雲隠れする。 束さんを見つけることはふーちゃんぐらいしか無理になったよ。
毎日が退屈な隠れんぼ生活も飽きてきはじめた頃、
「そろそろ、私も動きます」
と、ふーちゃんから連絡があった。 おや、これはこれは……。 世界的テロリスト集団(団員1名)の団長が動くとは……。
ふっふ~ん。 これから世界がどう動いていくのか、ちょっと興味がわいてきたかもね。
後書き
ネタ解説
そこにはシビれるけど~:何代にもわたり頭に突き刺さる仮面を追う一族のお話より。
チャンネルはそのままで:テレビでよくある引っ張り。
汚い花火~:確か何かのネタだった気がします。よく覚えてません。スマン
大沢威一郎:言わなくても判ってしまいそうですね。
ちょちょいのジョイやで:しゃべる洗剤です。
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