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Muv-Luv Blood-stained fallen angel

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第零話 終わりと始まり。

 
前書き
書いたのを投稿してみました。
感想等有りましたらご気軽にどうぞ 

 
ライルの操る緑色の巨人は宇宙と言う暗い闇の中を疾走する。何かに惹かれる様に、何かに導かれる様に只々真っ直ぐに走り抜けていた。

目指す場所も目的も分かっている。

彼処に・・・ヴェーダに行けば必ず奴がいる。ライルから愛する家族を、尊敬する兄を奪ったあの男が必ず。

何故そう確信する事が出来たのかは分からない。ただ間違い無く奴があの場所に居る。そんな直感だけがライルを動かす。

巨大なハッチが見えてくる。ハッチは硬く閉ざされていて容易には開ける事は出来ないだろう。

だが、ライルにはそんな事は関係なかった。奴がこの扉の向こうに居る!それだけの思考がライルを突き動かしていた。

容易に開けられない。
だから何だと言うんだ。
開けられないなら壊せば良い。

緑色の巨人は二丁ビームピストルを構えるとハッチに向かい引き金を引いた。

するとビームピストルから桃色の閃光が放たれ、硬く閉ざされたハッチに当たる。

だが、それでは壊れない。ただハッチの表面を赤くするだけで留まってしまう。

然し、それだけでは緑色の巨人は止まらない。ライルはビームピストルのトリガーを引き続ける。それに合わせビームガンからは桃色の閃光が放たれ続ける。

撃たれ続けたハッチは次第に赤みが増していく。耐えられなくなったハッチが爆発音を上げながら崩壊して行った。




傭兵の操る巨人は唯そこに佇んで居た。何かを待って居るかの様にその場に佇む。

傭兵の名は、サーシェス。

サーシェスは何故それを待って居るのか、何故この場所なのかは分からない。ただ本能が此処だと、この場所でなければならないと訴えて居る。

だが、サーシェスにとっては十分だった。今まで培い、研ぎ済まれてきた本能に従う。今まで様々な修羅場を潜り抜けてきた彼にだから出来る行動。

「・・・ケッ、やっと来やがったか。」

サーシェスがそう呟く。

すると、目の前に在ったハッチの表面か赤くなっていく。次第に赤みが増していくと爆発音と共に崩壊していく。

目前を爆煙が立ち込める。立ち込めた爆煙により捉える事は出来ない。

・・・が、サーシェスは感じ取っていた。

彼処に居ると、爆煙の向こう。本能に従い待ち続けた存在が今目の前に居る。

爆煙の中にツインアイを捉えた。
次の瞬間、爆煙が二つに裂ける。
切り裂き現れたのは、緑の巨人だった。




緑の巨人の目の前には、四つの目に地面に届くで有ろう程の細長い腕。その細長い腕には似つかわしくない程巨大なバスターソードを持ち佇む。

背後からは紅い粒子を撒き散らし、まるで始めからくる事が分かっていたかの様に真紅の巨人は緑の巨人を見据えて居る。

その名は、アルケーガンダム。

アクタイオンの猟犬に与えた名を授けられし機体。だが、その姿は血に染まった悪魔の様だ。



もう一方は力天使の名を与えられし機体の後続機。

両手にはビームピストルが握られて居り、銃口はアルケーガンダムに向けられて居る。背後からは緑の粒子が舞い散る。その姿は機械天使の様だ。



「行けよっ、ファングゥ‼」

最初に動いたのはサーシェス。
アルケーのスカート部分からファングが放たれ、ファングは赤い粒子を放ちながらケルディムに襲い掛かる。

しかし、ケルディムは背中からシールドビットをファングに向かい放ち相殺する。

すると爆発した際の爆煙が忽ち周囲に立ち込める。僅かな静寂が周囲に流れる。

だが、次の瞬間、爆煙の中かからアルケーがケルディムに向かい一直線に飛び込む。

「しぶてぇんだよおっ、 ソレスタルなんたらぁっ!」

アルケーの手に有るバスターソードでケルディムのビームピストルを弾きそのまま両断しようと振り下ろす。

ライフルを弾かれるもケルディムはすかさず2丁ビームピストルを交差させて受け止めるがそのまま吹き飛ばされてしまう。

「クソッタレが!」

(貴様みたいなヤツに!)

ケルディムは直ぐに体制を立て直すとビームピストルをアルケーに向け乱射する。

「兄さんたちはぁっ!」

だがアルケーはバスターソードで巧みに弾丸を弾くと流れる動きでケルディムの右足を切断した。

その流れる様な動きは、正しく絶技。

「てめぇ、あの男の弟かっ!?」

アルケーが跳び掛かかるが、ケルディムのビームピストルで迎撃されアルケーは右腕を吹き飛ばされる。

「それがどうした!」

だが気に留める事なくつま先のビームサーベルで胴体を切り裂こうと蹴り上げる。

「殺しがいがあるぜぇ!」

ケルディムはビームサーベルを間一髪で避ける。避ける瞬間にケルディムが放ったビームがアルケーの目を撃ち抜く。

「何なんだ貴様はっ⁉」

「俺は、俺だぁ!」

だが、サーシェスは止まらない。
体制が崩れたケルディムをアルケーは長い手でケルディムの頭を掴むと壁に叩きつけた。

強い衝撃がライルを襲った。一瞬意識が遠のきそうに成る。

(だが、こんな所で意識を失ってる場合じゃねぇ!)

「ブっつぶす!」

アルケーはバスターソードを構えるとコックピットに向かい突き立て様とする。




しかし、ここで異変が起きた。
ケルディムを貫こうとしていたアルケーの腕が止まり、そのまま機能が停止してしまう。

「何がどうなってやがる⁉」

何をしても動かない機体に対してサーシェスは苛立ちの声を上げた。

「クソッ、動けってんだよ!」

動かないアルケーを好機と見たライルは、ビームピストルをかまえるとビームを容赦なく乱射する。

アルケーは機体を撃ち抜かれる毎に至る所から爆煙を上げた。

( 俺が負ける⁉ こんな所で、俺がぁぁ⁉・・・認めねぇ‼)

ビームの雨が止むと、サーシェスは機体から飛び出し狭い通路に逃げ込んだ。

「まてよ、てめぇ!」

それをケルディムから飛び出したライルが追いかけ拳銃を発砲するが障害物に阻まれ当たらない。

サーシェスは機体が破損した時に飛んで来たモニターの破片で負傷して仕舞った脇腹を抑えて逃げている

と、後ろから追いかけて来たライルが銃を構え発砲する。そして、その放たれた弾丸はサーシェスの肩を撃ち抜いた。

「ぐぅっ!」

「そこまでだ ‼」

サーシェスは銃を自分の近くに浮かべると手を上げる。

「こいつが・・こいつが父さんも母さんも、エイミーも・・!」

ライルの中では怒りが、憎悪が、憎しみが、渦巻き声を荒げさせる。

「兄さんも・・!」

ライルは引き金に掛かった指に力を込める。そして絶体絶命の状況下で研ぎ澄まされたサーシェスの耳にも引き金の引かれる音が聞こえる


「・・・、ッ!」

引き金の音が止みライルは数秒の間の静寂が包み込む。そして暫くするとライルは銃を下げ後ろを振り返り歩き出す。

「馬鹿がっ!!」

サーシェスは隙を見計らい浮いて居る銃を掴み構え撃とうとする。ライルも咄嗟の事で動揺し僅かな隙を作ってしまう。

(この距離ならヤレる!テメェの負けだ!)

引き金が引かれ様としたその時、

(・・・アリー‼)

何処からともなく少女の声がサーシェスの頭に響き渡る。

サ「 、ッ⁉」

サーシェスは愚かにも致命的な失敗をしてしまう。【動きを止める】という致命的な失敗を・・・

そして、気付いた時にはライルの弾丸がサーシェスの脳を撃ち抜いていた。

(くっ・・・、そガァ。)

サーシェスは意識を手放した。ライルは其れを確認する事なくその場を去って行く。

(アリー・・・早く来て・・アリー・アル・サーシェス‼)

そして少女の呼び掛けと共に、宙を漂っていたサーシェスの身体は突如光を放つと世界から姿を消した。



 
 

 
後書き
誤字脱字が有るかもしれませんが、少しづつ修正して行きたいと思います(( _ _ ))..zzzZZ 
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