魔法少女リリカルなのは~その者の行く末は…………~
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Chapter-0 Introduction~The beginning of everything~
number-1 be troubled by a nightmore
前書き
悪夢。
「やめろっ!! 母さんを離せ!!」
何処か分からないところ。
まだ小学生にもなっていない少年が二人がかりで大人に抑えつけられている。
少年の視線の先には抵抗空しく何かの台に押し付けられ、鎖で拘束された。
そしてそのまま連れて行かれた。
少年は大人二人に腕を掴まれ、引きずられてある一室に連れて行かれた。
担がれて手術台に固定された。
「ううっ……――――! がああああぁぁぁぁ!!!!」
腕に何か刺されて流し込まれた。
それは少年の体を動き回り、あらゆる所へ異常を与える。
意識を保っていられない。
だが、意識を失うことは許されない。
どうやったのか気絶することはなかった。
何分もしないうちにまた何か刺されて、少年は苦しむ。
筋肉が脈動し、血管がはち切れ室内に血飛沫が飛ぶ。
周りにいる白衣の大人たちにも血が飛ぶ。
だが、それを意にも返さずにまた次の何かを流し込まれる。
悲痛な叫びをあげ、顔から血の色が消え、髪の色素が無くなっていく。
血管が盛り上がってまたはちきれそうなぐらい脈動している。
「うがああぁぁ……うぐっ……ああああ……ぐああああぁぁぁぁ――――!!!!」
ずっとそれの繰り返し。
いつもいつもいつもいつも……
四六時中何かを投与され、苦しむ。
◯
「ハアッハアッハアッ……」
暗い石畳の窓もない部屋。
明かりはろうそく一本。
鉄格子の中、碌な食事も与えられず腹も空かせてうち倒れていた。
遠くから何かを引きずる音と石畳に足音が響き渡る。
それは少年がいる鉄格子の前で止まった。
少年は痛む体に鞭打って顔を上げた。
そこには白衣に身を包んだ男とその男に引きずられてきた異形。
下半身は何かうねうねしたものに。
もう何か良く分からないものになっていた。
「――君。これが君のお母さんだ」
「――――えっ」
少年はその異形の者を見た。
人としての面影はない。
何かに例えるのであれば、ティアマトが一番近いだろう。
「…………――君なの……? おね…が……い……私を……――く…ん、の手で……殺して……!」
「ははははっ、泣かせるね。これが家族愛というものなのかい? 実に――――くだらない」
少年は色の無かった目に怒りの色を浮かべた。
力の入らなかった手に力が戻ってくるのを感じた。
「…………分かったよ、母さん。――――今すぐ殺して、楽にしてあげるから……」
少年の体から青い何か、炎のように揺らめいているが暑さは感じない。
白衣の男は口を歪め、笑っている。
「成功だ……! ようやく私の実験は実を結んだのだ!」
実験の成功を喜んでいるが、少年にとってそんなことはどうでもよかった。
ただ今は母さんを楽にして、目の前の憎いあいつを殺す。
それだけだった。
少年の両手から青い焔が輪郭を持ち、剣をかたどった。
腕を振ったと思ったら、白衣の男の体が消滅した。
声もなく、一瞬にして。
次に少年は自分の母親だった何かに向かった。
「かあ……さん……」
「は……や……く……おねが……い」
少年は躊躇いながら剣を振った。
何かを殺すには至らなかった。
少年に母親が何か言っている。
「――君。……もう…………前、の名前は……捨て……なさい…………これか、らは……三つの、桜……凛として、夜のように大きな人……に…………三桜……燐……夜、そういきな……さ……い」
少年に新しい名前を託して逝った。
少年――――三桜燐夜は涙を流すことはなかった。
別れはつらい。
だが、それはいずれ迎える物だ。
それが燐夜にとって早かっただけなのだ。
燐夜は、目を瞑って母親との思い出を思い出していた。
どんな些細なことでも思い出す。
でも、それは全て記憶の片隅に追いやる。
父親は知らない。だが、母親との思い出はなくしたくない。
だからこそ記憶の片隅に追いやる。そこで封印するのだ。
以前の名前は捨てた。
これからは三桜燐夜だ。
――――まだやることがある。
こんな実験をしていたこの研究所を潰さなければならない。
あの憎い実験をしたあの男に言われたこと。
力を抑えつけている制御を解除するためにこの言葉を叫ぶ。
――――
叫んだ途端、爆ぜる。
黒い龍に化け、力が体の奥底から湧き上がってくる。
眩い青い焔と一緒に黒龍の両手から剣が出来る。
その龍の大きさとほとんど変わらない大きさの剣を。
「ガアアアアアッ!!!!」
咆哮を辺りに轟かせ、剣を振り回す。
大地を割り、空を切り裂き、すべてをなくす。
「ガアアアアアッ!!!!」
再び咆哮。
両手の青い剣を一つに。それを地面に突き刺す。
その惑星は消滅した。
◯
「――――っは! ハアッハアッハアッ……夢か……」
少年はカーテンを閉め切った暗い部屋の中で目を覚ました。
悪夢に魘されていたのか、汗をかいていた。
気を変えようと起き上がり、カーテンを開いて部屋の中に光を取り込む。
何を見ていたのか何もわからない。
ただ何か悪い夢を見ていたのは確かだ。
「ちっ……」
もう登校時間だ。
私立校ならではの制服。小学校では珍しいがそれに腕を通す。
真っ白な服に。
三桜燐夜。
私立聖祥大付属小学校5年生。11歳。
だが、燐夜には5歳以前の記憶がない――――
後書き
あ、グダグダ感が半端ないかもしれない……
そんな私が書くなのはですが、リリカルマジカル頑張りますのでよろしくお願いします!
ちなみにこの話は主人公が幼いころに起こったことを書いてみました。
一応短編としておきますが、一定のリクエストがあったら連載します。
でも、緋弾のアリアが先になりますかね。でも、明日アリアを投稿するんですが、その時にお知らせがあります。
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