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ハイスクールG×D 黄金に導かれし龍

作者:ユキアン
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第1話



「あ~~、おっぱい揉みてぇ~」

「兵藤一誠君に同意」

「言うな……虚しくなる」

「お前達はそれしか言うことが無いのか。というか態々私の近くで言うんじゃない。私まで変態に見られる」

作業の手を止めて顔を上げる。そこにあるのは出会った頃から成長した少年、兵藤一誠とその親友である松田と元浜の顔だ。

「そもそもだ。お前達は、なぜこの学校に入学したんだ」

「我が私立駒王学園は女子校から共学になって間もない学校だ」

「よって、圧倒的に女子の数が多く、海外からの美人留学生も多い」

「その為、男子は稀少である。つまりは黙っていてもモテモテ、まさに入れ食い!!」

「「「これすなわちハーレム」」」

堂々とクラス全員に聞こえる位の大声で答える三人を見て溜息をつく。

「お前達がそんな奴らだという情報は入学前から出回り、かつ、中学時代よりも酷くなっている。学内に堂々とエロ本やDVDを持ち込んでいるのだからな。そして、頭の方は何故合格したのか分からない位に低空飛行中で、運動はそこそこ出来るが特に部活に所属する事も無い。さて、何処にお前らがモテる要素がある」

「そこまでストレートに言われるとちょっと傷付くからもう少しオブラートに包んでくれよ双葉」

「イッセー、お前とは長い付き合いだし、親友だとも思っている。それなりにフォローもしてやるが、限界というのは存在する。これまでも矯正してきたし、出会いも用意してやった。それを全て台無しにしてきたのは何処のどいつだ」

「ごめんなさい」

土下座するイッセーを見て再び溜息をつく。

「神代君は居るかな?」

入り口の方で私を呼ぶ声が聞こえたのでそちらの方を見る。クラスの女子が黄色い声をあげている。となると相手は木場か。

「私ならここに居るぞ。何か用か、木場」

「うん、この前の話なんだけど」

「悪いな。私は他にもやる事が有ってな。そちらの方が空けば誘いを受けよう」

「分かったよ。部長の方にもそう伝えておくよ」

教室から去って行く木場を見送ってから再び作業を再開する。

「そういえば双葉、今度は何のバイトしてるんだ」

「今回のは北欧神話にまつわる遺跡の壁画と文字の解読だ。状態は綺麗なんだが、今までの物とはまったく違う種類の文字らしく全く解読出来てないらしい。私はなんとか読めると言った所だな」

私も聖戦の時に軽く見ただけなのであまり解読が芳しくないが、気になる点が幾つか見つかっている。所々に小宇宙と聖衣らしき記述が載っているのだ。つまり、この世界にも聖闘士が居たということだ。だが、私がこの世界に産まれ落ちてから青銅クラスと思われる小宇宙すら感じた事が無い。最初は輪廻転生して未来に産まれ落ちたと思ったのだが、文明のレベルからいえば過去である。しかし、小宇宙を全く感じないという事は過去という訳でもない。つまりは平行世界だと考えていたのだが、ここに来て小宇宙の存在が明らかになった。謎は深まるばかりだが、小宇宙を感じない限り大丈夫だろうと思う事にする。それに今の私は聖闘士ではないし、聖衣も持っていない。私は自由に生きると決めたのだ。この解読も生活の為にやっている事だ。

(それにしてもペガサス、ドラゴン、アンドロメダ、キグナス、フェニックス、どれもが青銅聖衣にも関わらず5人でオーディン達を倒しただと。途中で黄金聖衣を纏ったようだが、それでも5人で倒すとは。私の時代に彼らが居れば少しは楽だったのに)

思い出すは前世、ハーデス軍の前に行なわれたオーディン軍に対する聖戦。既に疲弊していた我らは黄金聖闘士が7名、白銀聖闘士21名、青銅聖闘士12名で戦いを挑み、オーディンを滅ぼした時には青銅聖闘士は全滅、白銀聖闘士も3名を残し死亡、黄金聖闘士も2名が死亡した。それをこの5人は誰一人欠ける事無く戦い抜いている。おそらくは私と同等の小宇宙を秘めている。一度、戦ってみたかったな。







授業も終わりイッセーと共に帰宅している。解読もある程度終わったのでコレを郵送すれば纏まった金が手に入る。たまにはイッセーに何かを奢ってやるかと商店街の方に向かおうとする。

「……あの」

そんな時、後ろから声を掛けられて二人して振り返る。黒髪を腰まで伸ばし、小柄ながらも出る所はしっかりと出ている女の子が話しかけてきた。それにしても若干だが小宇宙のような物を感じるな。

「双葉、知り合いか?」

「いや」

「あの、兵藤一誠君、ですよね?駒王学園の」

イッセーに用事があるのか。だが、少し気になるな。イッセーの反応からイッセーは彼女の事を知らないようだ。それなのに相手は知っている。まあ、悪名では知られているらしいがな。

「ああ、そうだけど、君は?」

「はい、天野夕麻って言います。お話があって、少しお時間いいですか?」

そう言いながらこちらをチラチラと見てくる。ここは気を利かせるか。

「イッセー、私は先に帰らせてもらう。またな」

「え、ああ、また明日」

イッセーと別れ、近くの建物の屋上に飛び移り様子を伺う。唇の動きからしてどうやら告白しているようだな。イッセーはそれに対してOKを出した。まあ、そうだろうな。イッセーの好みに合っているからな。そのまま二人で少し歩いてから別れていた。私の思い過ごしだったか?邪な小宇宙だったと思ったのだが。まあ今日の所は良いだろう。アナザー・ディメンションを使い、自宅へと戻る。誰もいないそこは私が一人暮らしをしているマンションの部屋だ。私は中学の卒業と同時に家を出た。両親の私を見る目がまるで化け物を見る様な目が気に食わなかったからだ。金は遺跡の解読などを行なっている教授と偶々知り合えた事で依頼を受けて稼いでいる。長期休暇には海外まで足を運び、裏社会で荒稼ぎをしている。おかげで金には困っていない。













翌日、登校中にイッセーが天野を私達に紹介してきた。やはりどこか違和感を感じる。注意する必要があるな。数日間、イッセーを隠れながら護衛を続け、週末にデートをするというので星見で予知を行なってみる。結果はイッセーの死。

「誰がそんな事をさせるものか。イッセーは私に生きる希望を与えてくれた存在だ。それを私から奪おうとするのなら、殺すまでだ」
 
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