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魔法少女リリカルなのはStrikerS~青年と機動六課物語~

作者:雪月花
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番外編
  EX1『少し昔の話し』

 
前書き
今回、第一部が終了したので番外編です。内容はカズマ、スバル、ティアナの出逢いのお話です。 

 
 新歴72年6月
 時空管理局武装隊ミッドチルダ北部第四陸士訓練校









教官「……試験をクリアし志をもって本校に入学した諸君らであるからして―――」


 今、ステージの上で教官が答辞を述べているのを『スバル・ナカジマ』は姿勢を正しくして聞いている。


男子訓練生「(はぁ~……めんどうくせ…)」


 そんな中、彼女の隣で小声で呟く男子訓練生、『カズマ・キサラギ』は頭を掻きながステージを見ている。そんな彼を横でスバルは不思議そうな顔をしながら眺める。

別に、一目惚れをしたわけではなくただこんな人もいるんだなぁ~的な珍しい物を見るような感じの眼差しだ。

 さらに、その少し後ろの方で真面目に話しを聞いているオレンジ色のツインテールをした少女『ティアナ・ランスター』。



 そう、これは後に腐れ縁と言う名の絆で結ばれる三人の出逢いのお話。









魔法少女リリカルなのはStrikerS~青年と機動六課物語~
EX0『少し昔の話し』









 side スバル・ナカジマ









教官「これから、共に過ごす事になるルームメイトと当面のパートナーだ。円滑に過ごせるように努力するように!」

スバル「え~と、私は…」


 教官の注意事項もそっちのけで私はモニタから自分の名前を探す。


スバル「あ、あった。32号室か…」


 自分の名前を見つけた。同じ枠にルームメイトの名前が載っていた。


スバル(ルームメイトはティアナ・ランスターさんか。どんな人なんだろう、優しい人だと良いなぁ)









 ◇◇◇◇◇









スバル「あ……」

女子訓練生「ん?」


 自分の部屋に向かっている途中一人の女の子に出会った。もしかして、この人が…。


女子訓練生「……あんた、もしかして32号室?」


スバル「あ、はい!そうです!私、スバル・ナカジマ、12歳です!」

ティア「ティアナ・ランスター、13歳。よろしく……」

スバル(この人がランスターさんか綺麗な人だな…)

ティア「なに?」

スバル「あ、いえ……その…」


 ランスターさんをジッと見ていると少し睨み付けながら尋ねてきた。
私は、少し慌ててしまい上手く言葉が出てこない。ランスターさんはそんな私に「落ち着きなさい…」と一言言ってくれるお陰で落ち着く事が出来た。


ティア「それで、何?」

スバル「えっと、今日からルームメイトでコンビですね!よろしくお願いしますっ!」

ティア「……まっ、正式な班とコンビ分けまでの仮コンビだけどね。それより、そろそろ行くわよ。早めに言って準備運動しっかりやりたいの」

スバル「あ、はい!」


 歩き出したランスターさんの後を急いで追いかける。


ティア「それと、別に敬語を使わなくてもいいわよ。ここでは、立場は対等なんだから」

スバル「はい……じゃなくて、うん」









 side カズマ・キサラギ









カズマ「……たく、人が多いな…」


 部屋割を見に来た俺、カズマ・キサラギは一言呟く。まあ、見なきゃ始まらないのでとりあえず、歩みを進めてなんとかモニタの前に着いた。


青髪の女子訓練生「あった、32号室か…」


 そう呟きモニタから離れる少女。
あいつは、確か式の時に俺の隣にいた奴だよな。


カズマ「まあ、いいか。それより俺は……っと、65号室か相方は……ラファール・エル・
ブロウか。どっかで聞いたことある名前だな……合えば解るか」


 そう呟き俺は、部屋に向かった。


 side スバル・ナカジマ









教官「―――では、1番から順番に訓練用デバイスを選択しろ。ミッド式は片手杖か長杖。近代ベルカ式はポールスピアのみだ」


 教官の言葉で他の訓練生が順番に取りに行く。
私は、自前のがあるから大丈夫だけど。


ティア「……スバルだっけ、あんたデバイスは?」

スバル「私、ベルカ式でちょっと変則的なんだ、だからこの『ローラーブーツ』と『リボルバーナックル』は自前で持ち込みなんだ」

ティア「格闘型……前衛なんだ」

スバル「うん!」


 ランスターさんは私のデバイスをまじまじとみてそう呟いた。それに、私は元気よく頷いた。


スバル「ランスターさんは?」

ティア「あたしも自前。ミッド式だけどカートリッジシステム使うから」


 ランスターさんはソケットから銃型のデバイスを取り出して辺りを見渡す。


ティア「どうやら、あたし達以外自前の持ち込みは居ないみたいね。なるほど、変則同士組まされたのね」


 そう呟くランスターさん私はデバイスを眺めているとちょうど私たちの方をジッと眺めてる人に気がついた。
やっぱり、こういうのって目立つのかな?
ランスターさんもその視線に気づきその人を睨み付けてから。


ティア「……並ぶわよ」

スバル「う、うん……」


 ソケットにデバイスを納めながら歩き出した。









 side カズマ・キサラギ









カズマ「あ~……いきなり睨むからびびっちまったよ。相変わらず怖いな、ランスターの奴……」

ラファール「おい!キサラギ!さっさと、デバイスを選べよ!いつまで、僕を待たせる気だ!」

カズマ「あ~はいはい」


 ランスター達の方を眺めていると俺の相方(コンビ)のラファール・エル・ブロウ。どこかで聞いたことある名前だと思ったらあの資産家のブロウ家御曹司様なのだ。


カズマ(やっかいな、奴と組まされたよなぁ俺…)


 こいつは見た目もそうだが性格もかなり偉そうなので面倒くさいんだよなぁ。


ラファール「準備はできたのか!それならいくぞ!」

カズマ「はいはい、ラファール」

ラファール「ラファール様だ!」

カズマ「はいはい……」


 本当に面倒くさい……。
神が許すならこいつをこの場で消し炭にしてやりたい…。









 side サヤ・キサラギ









サヤ「良い天気ね~」

ソウマ「そうだな」

サヤ「それに、紅茶も美味しい」

ソウマ「サヤが入れたのだから当然だろ」


 私、サヤ・キサラギは夫のソウマ・キサラギと一緒に紅茶を飲みながらまったりとした午後を満喫している。


サヤ「ふふふ、お世辞を言っても出るのは私からのキスだけですよ……ちゅ」


 ソウくんの頬に軽くキスをする。



ソウマ「おいおい、昼間っから大胆だな今日のサヤは、はっはっはっ」


 照れ笑いをするソウくん、ご覧の通り私と夫は今でもラブラブです♪


サヤ「そう言えば、ソウくん」

ソウマ「ん、なんだ?サヤ」

サヤ「今頃、カズくんは訓練を頑張っている頃よね」

ソウマ「そう言えば、そうだな」

サヤ「真面目にやっているのかしら…」

ソウマ「なに、あいつは頭の回転は良い、上手くやれるさ」

サヤ「それもそうね」


 それに、あの子は強い子だもの…。









 sideカズマ・キサラギ








ラファール「なぜ、僕が初日からこんな事しなくてはいけないんだ!」

カズマ「………」


 現在俺達は訓練で危険行為をしたとして反省掃除をしている。


スバル「ランスターさん。こっちは終わったよ」

ティア「了解。キサラギ、そっちは?」


 ちなみに、俺とラファール(バカ)だけでなく、ランスターとナカジマの32号室組も一緒に掃除をしていた。


カズマ「ああ、ちょうど終わったとこ」


ティア「そ、それじゃあ片付けて、教官に反省の旨を伝えにいきましょ」

スバル「うん!」

カズマ「あいよ」










 ◇◇◇◇◇









 それから、早くも数日が過ぎた。現在、昼休みで俺は一人昼食を取っている。
普通はパートナーと一緒に食べるのだがどうも俺とラファールは馬が合わないので未だに必要最低限の会話しかしない。


スバル「キサラギくん、相席いいかな?」


呼ばれたので視線を上に上げるとナカジマとランスターがいた。


カズマ「ああ、別にいいよ」


 そう、返事を返すてから二人は席に着いて食べ始めた。
すでにほとんど食べ終えている俺は、ナカジマのトレイを見て驚いた。


カズマ「なあ、ナカジマ。お前そんなに喰うのか?食い過ぎじゃないか?」

スバル「そうかな?いつも。これぐらい普通だけど」


 そう言いながらパクパクと食べ続ける。それを隣にいるランスターは「もう、慣れたわ」と呟く。


カズマ「……そう言えば、お前等は仲が良いよな」

スバル「そうかなぁ」


 ナカジマはフォークを咥えながら首をかしげる。


ティア「そう言えば、ラファールはどうしたの?パートナーなのにあまり一緒に居ないわよね」

カズマ「どうも、あいつとは馬が合わなくてな」

スバル「ラファールくんって私も少し苦手。どこか偉そうだし…」

ティア「まあ、仕方がないんじゃない。ブロウ家って言ったらミッドでも有数の資産家だもの。その家のご子息だから尚更ね」

カズマ「そうだよな…」


 仮コンビ解消まで苦労しそうだな…。









◇◇◇◇◇









 それから、俺とナカジマ達はよく一緒に居ることが多くなった。夜の特訓にも一緒に参加したりもしてナカジマからSA(シューティングアーツ)の基本などを教えてもらったりもした。

そして、訓練成績の発表の日が来た。









 sideスバル・ナカジマ









スバル「ふぇ~、こんなにあるんだぁ」

ティア「そりゃあ、あるわよ。訓練校の中でも競争はあるんだから」

スバル「私たちはどれくらいかな?」

ティア「どっかの誰かさんのせいでスタートが出遅れたけど最近はほとんど叱られなくなったしそんなに悪くはないと思うんだけど…」

スバル「うっ…痛いことをいうね、ランスターさん」

ティア「本当の事でしょ。それより、ここからじゃよく見えないわね」

スバル「大丈夫、私目はいいからここからでも見えるよ、え~と…」


 少し背伸びをして番号を下から順に見ていくそして…


スバル「あ……」

ティア「どうしたのよ。まさか、悪かったの?」

スバル「32号室ナカジマ&ランスター、総合3位!」

ティア「ほんと!?……ほんとだ…」

スバル「やったね…すごいね!」

ティア「ええ、これならトップも狙える!」

スバル(あ!笑った!ランスターさんが初めて笑った!)


 ランスターさんは本当に眩しい位の笑顔をしていた。


カズマ「お、その顔は…どうやら、相当成績が良かったみたいだな」

スバル「あ、キサラギくん」


 二人で喜んでいると、キサラギくんが声を掛けてきた。


スバル「キサラギくんはどうだった?」

カズマ「はははぁ…俺は下から数えた方が少し早いかな。二人は?」

スバル「総合3位!」

カズマ「お、すごいな、おめでとう。まあ、あんだけ努力しているお前等なら当然かな」

ティア「がんばったかいがあったわ。あんたも良かったわね。キサラギ、あんたはもう少し頑張りなさい」

スバル「うん!」

カズマ「へいへい」


声1「……あの子……ランスターって子士官学校も空隊も落ちてるんでしょ?」

声2「相方もコネ入局の士官のお嬢だし…格下の陸士部隊ならトップ取れるとおもってんじゃない?」

声3「恥ずかしくないのかしらねー」

ティア「………」










 sideカズマ・キサラギ










声3「恥ずかしくないのましらねー」

ティア「………っ」


 下唇をかんでその非難の声を耐える。それをいいことになかなか収まらない。
さすがの俺も、なんかムカムカしてきた。まあ、競争社会だこういったことは少なからずあるのは当然の事だろう。
だけど―――俺はこういう事が大っ嫌いなんだ!

カズマ「おい!お前ら、いい加減に―――」

スバル「キサラギくん、いいから一緒に休憩にはいろ。ランスターさんも…」

カズマ「あ……ああ…」


 ナカジマに静止され3人揃ってその場を後にした。









 ◇◇◇◇◇








カズマ「まったく、あれでいいのかよ、ナカジマ」


 発表会場を後にした俺達は外のベンチに腰掛けていた。


スバル「別にいいよ。だって、さっきのって軽口とかちょっとした憎まれ口でしょ。だから、気にしなければ大丈夫」

カズマ「まあ、そうだけどよ。お前は良くてもランスターが…」

ティア「……確かにキサラギの言った通り間違った事を言われたら正さなきゃいけない……けど口で言うのは簡単だけど根本的な解決にはならないわ。なら、あたしはあっちが認めるまで今以上の成績を取ってみせるわ!それに、士官も空隊も落第した事は事実……。だけど、あたしは今いるここを卑下するほど腐ってもいないわ、まずは一流の陸士になっていつか空に上がってみせる」

スバル「うん!それでこそランスターさんだよ!」

カズマ「……だな」


 ナカジマと顔を見合わせて共に笑い合う。なんか、こいつらと一緒に居ると飽きが来ないな……ホント。









 ◇◇◇◇◇









 sideティアナ・ランスター









 あたし、ティアナ・ランスターが陸士訓練校に入校してはや三ヶ月が過ぎようとしていた。急ぎ足で基本と応用を詰め込んでいく訓練。
ミッドとベルカの個別でのトレーニングも増えていきあたしはひととき例のズッコケ娘から解放されて訓練に集中できる……はずだった。


教官「こらー!65番何度やればまともに出来るんだ!!」

カズマ「す、すいません…」


 こいつのせいで、その安らぎも半減、てかなんであたしがこいつの心配してるのかしらパートナーでもないのに…。









◇◇◇◇◇









スバル「―――を希望します…と」

ティア「あら、あんたもうアンケート書いてるんだ」


 訓練を終えて部屋に戻ると何かノリノリで進路アンケートを書いていた。


スバル「あ、ランスターさん。おかえりー」

ティア「提出は来週でしょ?」

スバル「んーなんか、早く出した方が通りやすそうかなーって」

ティア「……まあ、どうせ出さなきゃいけないし。あたしも、書こうかな」


 机に座りペンを持って書き始める。

スバル「………ジ~」

ティア「あんたなに見ようとしてるのよ!」

スバル「いや、ルームメイトとして気になるって言うかなんと言うか…」

ティア「あんたには関係ないでしょ。それより、あんたはナニ志望なの?」


 あたしは、素早くあの娘の紙を取って眺める。


ティア「え~と、なになに……備考欄『在学中はティアナ・ランスター訓練生とのコンビ継続を希望します』?やめてよねぞっとしない。卒業後の配属希望は災害担当将来的には救助隊……?ふ~ん、あんたも災害担当希望なのね」

スバル「ランスターさんも!?」

ティア「まあね、陸士部隊の中では門戸が広いわりに昇進機会が多いからね」

スバル「ゆくゆくは執務官試験を受けるんだよね」

スバル「それをあんたにうっかり、漏らしたのはあたしの大失敗よ。……それより、あんたがあたしとコンビ継続を希望してるみたいだけどそれ多分難しいと思うわよ」

スバル「え!?なんで!?」

ティア「ほら、キサラギとラファール。あの二人未だに仲悪いでしょ?だから、ほぼ確実にあの二人は離れるでしょうね。だから、自動的に全体のメンバー構成を変えなくちゃいけない」

スバル「そ、それなら、私とランスターさんとキサラギくんの三人で組めばいいよ!」

ティア「なに言ってんの、そんな都合の良い事があるわけ――――――」








◇◇◇◇◇









ティア「……あったわね……」

教官「ん?なにか言ったか?」

ティア「いえ、何も。お話中に失礼しました」

教官「ふむ、まあ先ほど話したとおりこれからは三人で組んでもらうからな。キサラギ、部屋は隣を使うように」

カズマ「はい、わかりました」

教官「それでは、解散だ」

3人「はい!失礼します!」


 敬礼をして教官室を出たあたし達。


カズマ「てな訳で、これからよろしくな。ナカジマ、ランスター」

スバル「うん!よろしくね、キサラギくん」

ティア「はぁ~……なんで、あたしはこんな貧乏くじばっかり…」

カズマ「ん、どうしたんだ?溜息なんてついて疲れてるのか?」

ティア「だれの、せいだと思ってんのよ。全く…」


 そう呟いてあたしは再び溜息をついた。


スバル「ねぇねぇ、二人とも今度、おねーちゃんと遊ぶ約束してるんだけど二人もどうかな」

カズマ「ん~……俺は別にいいけど」

スバル「じゃあ、ランスターさんは?」

ティア「あんた、馴れ合う気はないって何度も言ってるでしょ」


 当然の事ながらあたしは断る。


スバル「でもでも、おねーちゃん。ランスターさんにぜひ合ってみたいって…ね?」

カズマ「そこまで、言われたら行くしかないだろ?ランスター」

ティア「……あんたのお姉さんには悪いけどお断りするわ……」









 ◇◇◇◇◇










 sideカズマ・キサラギ









翌日、第四陸士訓練校寮玄関前



カズマ「……ナカジマのやつ遅いな。いつまで準備してるんだ?」


 集合時間を少し過ぎたが当の本人は未だに出てきていない。


スバル「ごめ~ん、キサラギくん。おまたせ~」


 そうこう言っている間にナカジマが出てきた。
しかも、ランスターを連れて。


カズマ「おう、遅いぞナカジマ、ランスター」

スバル「ごめんね、それじゃあ早速いこうか」










◇◇◇◇◇



ミッドチルダ東部12区内『パークロード』






カズマ「そういえば、結局きたのな」

ティア「あの子に無理矢理ね。ま、挨拶だけしたら帰るわ」


 ランスターの隣を歩きながら尋ねると少し呆れた声で返してきた


カズマ「ふ~ん」

ティア「あんたも遠慮しなさいよ。せっかくの姉妹水入らずなんんだから」

カズマ「解ってるよ、実際俺も挨拶だけしたら別行動する予定だったし」

ティア「っそ、それならいいけど」

カズマ「ところで、ナカジマ。お前の姉さんって人は何処にいるんだよ」

スバル「え~っと………あっいた!おーい!ギン姉!」

ギンガ「あ、スバル!」


 どうやら、見つけたようだ……ん?今、ギン姉って言ってたよな。もしかして、ナカジマの姉ちゃんって……。


スバル「ギン姉、こちらがランスターさん」

ギンガ「初めまして、スバルがいつもお世話になってます」

スバル「そしてこっちが―――」

ギンガ「あら、もしかしてカズマくん?」


 ああ、やっぱりギンガだったか…。こいつとはあまり逢いたくなかったんだよなぁ

カズマ「……よぉ」

スバル「あれ……二人って知り合いだったの?」

ギンガ「ええ、カズマくんのご両親とお父さんとお母さんは知り合いなの特にお母さんと彼の母親サヤさんは同期だったのよ。小さい頃はよく一緒に遊んでたのよ」

スバル「へぇ~そうだったんだ」

カズマ「そう言えばそんなこともあったな……」

ティア「ちょ!ちょっと待ちなさいよ!」


 三人で思い出に浸っているとランスターが驚いたように声を荒げていた。
どうしたんだ?ランスターの奴…?


カズマ「どうしたんだ?ランスター」

ティア「今、あんたの母親の名前、サヤってもしかして『烈火の悪魔』『サヤ・キサラギ』一等陸尉のこと!?」


カズマ「ああ、そうだけど。それがどうかしたのか?」

ティア「どうかしたかって……あんた普通ならエリート中のエリートってこてじゃない!それなのに、なんであんなに普通の成績なのよ!」

カズマ「いや、別に母さんが凄いからって俺が凄い訳がないだろ?俺は俺って事だよ」

ギンガ「カズマくん、昔からサヤさんと比べられるのが嫌いだったよね」

カズマ「うるせぇよ、ギンガ。昔の事だ」

ギンガ「ふふふ、カズマくんも少し大人になったてことかな」


 そう言いながらギンガは俺の頬をツンツンと突く。


カズマ「やめろって……ったく、そうやってすぐ俺を子ども扱いしやがって同い年のくせに」

ギンガ「精神年齢の差です。それに、私はもう社会人として立派に働いていますから」


 くそー、いつかぎゃふんと言わせてやるから覚えとけよ!
それから、ナカジマがアイスを買いに行っている間にランスターの生い立ちなどを聞いた。こいつもこいつで苦労していたのだと思った。

その後はショッピングなどして過ごした。結局俺もランスターも最後まで一緒にいてしまった。










◇◇◇◇◇









 翌朝訓練場にて相変わらず騒いでいる相方達が居た。


カズマ「なに朝っぱらから騒いでんだよ、お前等…」

スバル「あ、キサラギくん。あのねあのね!ティアが私のことスバルって呼んでくれたんだよ!」

カズマ「ああ、なるほどね。それじゃあ、俺もお前の事スバルって呼ばせてもらうよ。そんで、ランスターのことはティアって呼ぼう。と言うわけで改めてよろしくなスバル、ティア」

スバル「うん!よろしく、カズマ!ほら、ティアも」

ティア「うっ……よ、よろしく……カ……カズ……マ…」

カズマ「おう!そんじゃあ今日の訓練も頑張りますか!」

スバル「お~う!!」






 やっと、チームになれた俺達。まあ、この時の俺はこの二人と組むのは訓練校の間だけだと思っていた……がこの後も長い付き合いになるとは思いもしなかった。
 
 

 
後書き
いかがだったでしょうか、楽しんでいただけましたか?


今後も、思い立ったら載せていきますので楽しみにしていて下さい。 
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