インフィニット・ストラトス~二人の白の騎士~
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第1話 『平和の終わり』
前書き
はじめまして,トータスです。
今回は初めて各作品なのでどうかご意見やご感想があればよろしくお願いします。
今後の参考にさせていただきます。
広い青空のなかにフロートユニットを装備した多くの所属不明のナイトメアが浮遊している。
『ナイトメア』・・・ブリタニア軍による日本侵攻の際,本土上陸以降の陸上における作戦行動において初めて実戦初投入を果たした人型兵器だ。
全高が4~5メートルと小柄に出来ており,設計で重要視されたのが『局地的状況における生命保持を主眼に置いたサバイバルコックピット機構』というものであった。
ブリタニア製ナイトメアフレームには開発段階に応じて世代が区分されていおり,確認されているだけでも第九世代まで開発されている。
そして,今僕が搭乗しているナイトメアは第十世代目になるものだ。
特徴として,動力源に『フレイヤ』を用いたエネルギー供給を行っている。
従来の動力源は『ユグドラシルドライブ』と呼ばれる機関で,液体の満たされた空間にサクラダイトでできた『コアルミナス』と呼ばれるキューブ状のパーツが浮かんでおり,稼動時にはそれが高速で回転し『エナジーフィラー』というエネルギーパックを使用しエネルギーが切れたらこれを交換して補充する方法を取っていた。
だが,『フレイヤ』の莫大なエネルギーを新たな原動力とすることで『 エナジーフィラー』を交換することがなく長時間の作戦行動を可能とした。
その他にも情報収集用カメラ『ファクトスフィア』,地上での高速移動の他,建造物の間もよじ登る事が可能なホイール『ランドスピナー』,移動や牽引,攻撃など多数の用途を持つワイヤー式アンカー『スラッシュハーケン』の出力も増大した。
もちろん,セシルさんが考案しキャメロットで開発された翼前縁部フレームからブレイズルミナスを応用し巨大なエネルギー翼が展開される機構の『エナジーウイング』の出力もそれまでのフロートシステムを遥かに凌駕するほどの超高速飛行と旋回性能を実現し,これを装備したこのナイトメアフレーム『エスペランサ』は空中においては絶対的な制空権を獲得しウイングそのものによる対象の斬撃やエネルギー翼による機体の防御なども行う事ができ最強のKMFとなった。
この機体には残念なことに問題が2つある。
まず1つが,この機体を操作できるパイロットが限られてしまうことだ。
KMFは車やバイクと違い操縦が難しい。更にそこに驚異的なスピードが加わってしまえばなおさらだ。乗りこなせない者がこれに乗り誤射を起こしてはたまったもんじゃない。操縦者への負荷も半端なもではない。
そして,もう1つが動力源に使用されている『フレイヤ』だ。
本来この『フレイヤ』は存在してはいけないものなのだ。何故なら国際条約でフレイヤの製造,使用を硬く禁じられている。
その訳は,戦争のあり方を変える『新型核兵器』だからだ。
現在では戦争という戦争は起こっていない。
世界は平和への一歩を踏み出したのだ。
悪逆皇帝ルルーシュの帝国崩壊から三ヵ月後に長年に亘るブリタニアの戦争で最も荒れ果てていた日本において,歴史的会談が行われた。
元ブリタニア皇女,ナナリー・ヴィ・ブリタニアと新生日本の黒の騎士団支部代表に選ばれたライ,さらに,世界の救世の英雄ゼロ。この3者を中心にしたブリタニア,日本の国交正常化交渉が始まった。
世界は新たな道を歩み始める――――。
◆
だが,日本の領空には多くの所属不明のナイトメアが飛行していた。
黒の騎士団日本支部は速やかにナイトメア部隊を展開し防衛線を強いた。
「所属不明の艦隊及びナイトメア群に告ぐ。貴官らは新日本国領空に接近中だただちに武装解除し貴官らの所属,識別信号を教えられたし,なおこれに従わなければ攻撃する」
オープンチャンネルで呼びかけを続けているがいまだに返答はない。
いったい何処からこいつらは現れた。世界中で我々黒の騎士団が監視をしているが特に大きな動きは確認されていなかった。
突然現れた大群――――――。
相手の出方次第だな。
《所属不明艦に強力なエネルギー反応を確認!!》
「全隊回避行動!!」
アラームが鳴り出した瞬間に味方に指示を出す。ナイトメア部隊はすぐさま回避行動を行うが所属不明間艦から発射されたビーム兵器はわずかに回避行動が遅れた右翼の浮遊航空艦『有明』がビームにのみこまれる。
浮遊航空艦『有明』及び現在我々が保有している全ての浮遊航空艦にはブレイズルミナスが備えられておりちょっとやそっとでは落ちない。だが相手のビーム兵器に意図も簡単にブレイズルミナスが破られた。
《『有明』消滅!! 生存者確認できません!》
「全隊レッドアラート,迎撃しろ! なお,敵のビーム兵器は強力だ射線に注意しろ」
なぜ争いを起こそうとするんだ。
あれほど争ったのにまだ足りないのか。
エスペランサで敵ナイトメア部隊に突撃をかける。敵ナイトメアからはビーム兵器による射撃が行われる。
僕は最小限の動きでそれを回避する。
「ビーム兵器!」
確かにこちらにもビーム兵器を搭載したナイトメアは存在するが全てではない現在でも実弾兵器はハンドガン,バズーカと多くの物がいまだ健在だ。
これほどの物量を揃えられるのは今現在この世界に存在しないはずだ。
「浮遊航空艦は艦首拡散ハドロン重砲で敵浮遊航空艦を叩け。これ以上あのビーム兵器を使わせるな!」
《了解!》
ハドロン重砲の収束に利用しているゲフィオンコントロールを調節することで,収束・拡散の切り替えが可能となっている。
《艦首,拡散ハドロン重砲システム同調。ゲフィオンコントロール正常に起動》
「撃て!」
艦首拡散ハドロン重砲は敵部隊を巻き込み敵浮遊航空艦に直撃する。
「やったか・・・・・?」
敵ナイトメアは排除することができたが敵浮遊航空艦はまったくの無傷だった。
「くっ!」
ハドロン重砲が効かないのか。
敵浮遊航空艦にまたも強力なエネルギー反応を察知する。
このままでは浮遊航空艦が落とされる。
させない。これ以上は!
「うおぉぉぉぉ!!」
エスペランサで敵浮遊航空艦に凄まじいスピードで向かう。
凄まじいGが僕の体をシートに押し付けてくる。体を強化されていなかったらこのGに耐えられなかっただろう。
敵浮遊航空艦にはブレイズルミナスより強力なシールドが備わっているようだがこのエスペランサの至近距離でのスーパーヴァリスなら。
『スーパーヴァリス』は通常砲身が2連装化され,実弾のほかハドロン砲の発射も可能となったヴァリスの強化型だ。ノーマルモード,ハドロンモード,フルバーストモードの3形態を使い分けることができる。
MVSを突き出す。
敵浮遊航空艦の強力なシールドに阻まれるがそこにフルバーストモードでスーパーヴァリスを打ち込む。至近距離からフルバーストモードでスーパーヴァリスをMVSで突いた場所に吸い込まれる。
「抜けろ!!」
なんとかシールドを突破した。
「これで!」
僕は再びスーパーヴァリスをフルバーストモードを発射する。敵浮遊航空艦のビーム砲が発射されたのはほぼ同時だった。
一瞬目の前が真っ白になったかと思うと暗闇の中にいた。
後書き
いかがでしたか?
お楽しみいただいたなら幸いです。
次の話は1か月後を予定しています。
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