万華鏡
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第二十一話 夏休みのはじまりその十七
「色々なアニメのキャラも出てるしね」
「だからなのね」
「そうなの。それでね」
母はさらに言う。
「声優さん、実際に声を当てていた人達が殆どっていうのがね」
「余計にいいのね」
「ニュータイプでもね」
その声をあてていた人達がだというのだ。
「そのまま出て喋るのよ。それがいいのよ」
「マニア心をくすぐるとか?」
「そう、だからいいのよ」
こうゲームをしながら娘に話す。
「余計にね」
「ゲームで声優さんって大事よね」
「相当大事よ」
実際そうだというのだ。
「最近だとオンラインゲームとかモバイルのゲームでも声優さん出るから」
「まず声優さんなのね」
「声があるとないとで大違いよ」
ゲームもそうなっている、進化したのだ。
「もうそれこそね」
「確かに。声が出ないゲームって」
「もう考えられないでしょ」
「多分かなり詰まらなく感じるわね」
「それだけ声って大事なのよ」
実際にゲームから聞こえてくる声を楽しみながら娘に話す。
「ゲームを作る位にね」
「面白さの柱の一つになってるわよね」
「ちょっといやらしいゲームでも」
実際はいやらしいどころではない。
「声優さんがいるといないのとで違うから」
「そういうゲームは知らないけれど」
「十八になったらわかるわ」
随分とオープンな母娘の会話だ、この母娘の特徴であろうか。
「実際にやってみたらね」
「その時にわかるのね」
「声がないと」
こうしたゲームも昔は声がなかった。今は昔のことだ。
だが今は、だった。
「あるともうね」
「全然違うわよね」
「琴乃ちゃん声が出るゲームしか知らないでしょ」
「そうかも」
言われてみればそうだ、琴乃が遊ぶゲームではだ。
「実際にね」
「お母さんの若い頃は違うから」
「声が出ないゲーム」
「そういう手のゲームもね」
また成人ゲームの話にもなる。
「今思うと素っ気無いわ」
「というかお母さんもそうしたゲームしてるの?」
「全年齢版ね、プレステで出てる」
それをしているというのだ。
「パソコンではしたことないけれど」
「だといいけれど」
「プレイステーションはそれ考えたらいいわね」
「十八禁のゲームも普通に出来るから」
「いやらしいシーンとか声抜きでね」
本来はそうした場面が売りだが母はそれを望んではいないのだ、そしてそれはこうしたことには潔癖らしい彩夏もだった。
彩夏は真面目な顔でテーブルに座って前のソファーにいる母に言った。
「そうしたゲームをすることは否定しないけれど」
「男の子なら誰でもだから?」
「ええ、けれどね」
「彩夏ちゃんがするにはなのね」
「絶対にしないから」
そうだというのだ。
「見るのも嫌よ」
「お母さんはそこまで極端じゃないけれどね。ただ面白いわよ」
「どう面白いのよ」
「普通に有名な声優さんが一杯出てるから」
「そうしたゲームに?」
「そう、出てるのよ」
母は娘にこの事情も話す。
「名前を変えてね」
「スパロボに出てる声優さんでも?」
「出てる人は出てるわよ」
そうだというのだ。
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