久遠の神話
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第四十話 同盟結成その三
「それは無理です」
「無理なんですか」
「確かにあちらにとっても有り難い申し出ですが」
「それでもですか」
「お二人だけでは決められません」
「剣士で戦う人達なのにですか」
「お二人は政府の意向で動いています」
そのうえでだ。戦いを終わらせようとしているというのだ。
「ですから。こうした協力の約束もです」
「そうしたこともなんですか」
「命令がなければ決められません」
「あっ、作戦だからですね」
「その通りです。作戦ですから」
だからだ。それ故にだというのだ。
「作戦の責任者の命令がなければです」
「決められないんですね」
「その判断があってからです」
「正式になんですか」
「流石に総理大臣が決めたことでも作戦の指揮は執っていないです」
それはだ。ないというのだ。
「おそらくは自衛官か警察官の然るべき地位の方がです」
「作戦の責任者ですか」
「はい、そうなっていると思います」
「じゃあお二人がその責任者の人にお話して」
「はい、それからです」
あくまでだ。それからだというのだ。
「お二人が私達に協力してくれるのは」
「何か手間がかかるんですね」
「作戦というものはですか」
「何か思ったより動きが悪いというか」
「それはです」
「それは?」
「戦術のことなら現場を預かるお二人に全てが委ねられます」
剣士として実際に戦うだ。工藤と高橋にだというのだ。
「しかしです」
「こうしたことはですか」
「これは戦術ではなく戦略の話です」
「僕達と協力するということはですか」
「はい、そうしたことになります」
だからこそだとだ。大石は話した。
「戦略の話は指揮官の話になります」
「指揮官の人が決めて」
「それからです。お二人が私達に伝えてくれます」
「そうなるんですか」
「はい、そうです」
大石は車を出して運転しながら話す。その中でだ。
彼はここでだ。こうも言ったのである。
「あっ、忘れてはならないことは」
「はい?」
「シートベルトはしていますか」
「はい、もう」
この問いにはだ。すぐに答えた上城だった。観れば実際にだ。
彼はもうシートベルトをしていた。それは大石もだった。」大石はその彼を見て微笑んで述べた。
「はい、シートベルトはです」
「絶対にですよね」
「しないといけません」
その通りだというのだ。
「さもなければです」
「事故になった時にですね」
「死ぬ場合もありますので」
「そうでなくても怪我しますよね」
「シートベルトは何の為にあるのか」
そのこともだ。大石は話した。
「守る為です」
「自分の命をですね」
「だから必ずです。しておくべきです」
「そうですよね、絶対に」
「それにエチケットですから」
この言葉も出す大石だった。
ページ上へ戻る