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万華鏡

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第二十一話 夏休みのはじまりその二

「で、夏そっちにも行くわ」
「ふうん、江田島ねえ」
「どんな場所かしら」
「牡蠣が美味しいらしいのよ」
 琴乃は広島名物のそれも話に出した。
「あと馬刺しをよく食べるみたいね」
「あれっ、馬刺しなの」
「それも多いの」
「そうみたい」
 この話もするのだった。
「江田島はね」
「牡蠣に馬刺しと。お酒になるのね」
「あっちじゃ」
「そうみたいなのよ」
 行ったことはまだないのでよくわからない、そうした口調だった。
「あと飲み屋が多いみたい」
「まあ自衛隊の町だからね」
「それは多いわよね」
「とにかくお酒はよく飲むみたい」
 このことも推定の口調だった。
「あそこはね」
「広島ってお酒よく飲むのよね」
「大阪とか神戸よりもね」
「日本酒よね」
「そう、そっちが多いみたい」
 広島の酒事情もここで話される。
「そうみたいなのよ」
「そういえば琴乃ちゃん最近日本酒結構飲んでないい?」
「そうなってない?」
 クラスメイト達はここでこう言った。
「入学の時はワイン派だったみたいだけれど」
「最近日本酒も飲んでるわよね」
「やっぱり部活の関係?」
「プラネッツから?」
「そうなの、景子ちゃんのお家神社だからね」
 この辺りの事情も話す琴乃だった。
「神社の御神酒って日本酒じゃない」
「伝統的にそうだけれどね」
「それでなのね」
「そうなの、それで他のお酒もね」
 よく飲む様になったのは日本酒だけではない、他の酒もだというのだ。
「飲む様になったわ」
「ビールとかも」
「そうなの」
「焼酎多くなったわ」
 どちらかというとそれだというのだ。
「美優ちゃんの影響でね」
「ああ、あの娘沖縄の娘だから」
「それでなのね」
「地酒も飲んだわ」
 これも沖縄の酒である。
「それもね」
「地酒って強いわよね」
「それで癖も強いわよね」
 クラスメイト達はこのことを言う。
「それも飲む様になったの」
「お酒のバリエーション増えたのね」
「うん、それでも飲む量は多くても」
 それでもだというのだ。
「休肝日は置いてるし、っていうか次の日学校があると飲まない様に心掛けてるから」
「心掛けてる、ね」
「絶対じゃないじゃない」
「まあそうだけれどね」
 この辺りは笑って誤魔化して言うのだった。
「週五日は飲まない様にしてるから」
「健康には問題ない」
「そうしてるのね」
「そうなの、飲み過ぎると太るし」
 アルコールにはカロリーもある、酒はただ飲んで酔うだけのものではないのだ。様々なリスクや考慮すべきことも多くその中にはカロリーの問題もあるのだ。
「だからね」
「うん、いい心掛けよ」
「日本酒だって飲み過ぎると糖尿になるからね」
「糖尿になったら厄介よ」
「あれ死ぬから」
 糖尿病の怖さの話にもなる。 
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