八条学園怪異譚
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第二十二話 雪男の一家その一
第二十二話 雪男の一家
愛実と聖花は今は家庭科の授業で料理を作っていた、その料理はマカロニだった。
マカロニを茹でてその上から自分達で作ったソースをかけてスパゲティやフェットチーネの様にして食べる、それを今作っているのだ。
愛実と聖花も調理の中にいる、まずはだった。
ソースの元の野菜を切る、トマトにセロリにマッシュルーム、それにだった。
「大蒜って美味しいけれどね」
「それに食べると力がつくけれどね」
「それでもね、やっぱり」
「匂いがね、後の」
「クラスに戻ったら男連中もいるから」
「大蒜の匂いさせるとね」
「ちょっとね」
女の子達は三角布と割烹着の姿で苦笑いを浮かべていた、そのうえで調理をしているのだ。
愛実はその中で大蒜を切っている、そうしながら女の子達にこう言った。
「それなら簡単よ」
「大蒜の匂いをどうするのか?」
「そのこと?」
「私達が牛乳を飲むか」
まずはこれだった。
「それかあれよ、男の子にも食べさせるのよ」
「この大蒜をなのね」
「そうするのね」
「そう、お互いに食べればそれで終わりよ」
これが愛実の言うもう一つの解決法だった。
「そのどっちかよ」
「ああ、そうね。それいいわね」
「向こうも大蒜の匂いしてればいいのよね」
「お互い様ならね」
「それでいけるわね」
「牛乳もあるし。まあうちのお店では大蒜はあまり使わないけれどね」
愛実の家の食堂ではそうだった。
「最近だと大蒜の匂いさせてる人もかなり多いし」
「お昼からね」
「そういう人いるわよね」
「食堂でも最近あれじゃない」
愛実は大蒜を実に細かく切り続けながら学校の食堂の話もする、包丁捌きは相変わらず見事なものである。
「大蒜使ったメニューあるじゃない」
「そうね、確かに」
「スパゲティにも使ってるし」
「韓国料理とかスペイン料理には絶対に入ってるし」
「だからね。まあ大蒜はね」
それでだというのだ。
「もうそんなに気にしなくてもいいんじゃないかしら
「そうなのね」
「結構気になったけれど」
「匂いをするのはお互い様だから」
「じゃあまずは美味しいお料理にすることね」
「それなのね」
「そう、大蒜はパスタには絶対に必要よ」
愛実は強い声で断言した。
「入れないと味がもう全然違うから」
「入れると味、確かに変わるわよね」
「もうぐん、って味がよくなって」
「それこそ大蒜を入れないパスタなんてね」
「全く駄目よね」
「そう、言うなら天かすを入れないお好み焼きや焼きそばよ」
それが大蒜を入れないパスタだというのだ。
「焼きそばに天かすを入れると味がぐんとあがるのよ」
「流石食堂の娘、わかってるわね」
「うちでも焼きそばあるしね」
お好み焼きは流石に専門的になるがそれはあるのだ。
「おソースもかけて」
「塩焼きそばは?」
「あるわよ、そっちも」
愛実の家にはこちらの焼きそばもあった。
「人気があるのよね、最近」
「焼きそばって手頃だしね」
「安いしね」
早い、それに安いだった。
「あとこれは腕次第だけれど」
「美味しいね」
「その辺りは牛丼と同じなのよね」
「牛丼ね、そういえばね」
「牛丼がどうかしたの?」
「牛丼は愛実ちゃんのお店にもあるじゃない」
それはちゃんと売られている、これも人気メニューの一つだ。
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