魔法少女リリカルなのは ~優しき仮面をつけし破壊者~
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プロローグ:破壊者、転生す
前書き
はじめまして、ライデンです!よろしくお願いします!
いきなりだが、俺はこの世界の人間じゃない。
何言ってんだ、こいつ。とか思った人は正常だと思う。いや、逆に平然としていられる人がいるかもと思うと、怖い。
で、何でこんな話を始めたかというと、今俺が置かれている状況を説明するのに必要不可欠だからだ。
この世界の人間じゃない。つまり、ネット上の小説でよくある「転生」を体験したのだ、俺は。
転生前の記憶はほとんどないが、転生するときの記憶ははっきりある。実際は逆のほうがよかったのだが……
そのときの状況は………
『突然だけど、君死んじゃったから転生してね』
『…………はぁ!?』
……こんなんだった。
正直、俺もこの現象を夢だと思いたかった。だけど、自分が死んだと断定できるほどの記憶が、そのときの俺にはあった。その記憶も、鮮明に覚えている。
目の前に迫るトラックという鉄の塊。気づいたときには俺の体は回りながら宙に浮き、重力にしたがって落ちていく。そしてそのままアスファルトが俺の目の前まで来て……
俺の視界はブラックアウトした。
そして気づいたら、一面真っ白な世界だった。
そしたらそこにいるんだよ。どこかで見たような…見た目からして女神っていう人が。
結果、俺は別世界、まぁ物語の世界ってことになってるんだが、そこに転生することを余儀なくされた。ちなみに、その世界の物語は俺の知らないものだ。
いや、決して元の世界に戻りたくないってわけではない。ていうか、できれば戻りたかった。だが、それはいくら女神でもできないらしい。
てなわけで、俺は女神にいくつかお願いをしてこの世界に転生した。
まぁ、お願いって言っても、女神から特典という形でやってもらった。
その一つが、「生きていて飽きない世界」。
転生して、物語の世界に行くんだから、何もしないで気ままに生きるのはちょっとつまらない。戦闘の一つや二つあったほうがいいなと。ので、このお願いをした。
そう、確かに「生きていて飽きない世界」と言ったが………
「……こんな修羅場は望んでいない…」
「すぅ…すぅ…すぅ…」
俺の横で可愛い寝息を立てて寝ている少女を見ながらそうつぶやいた。
おそらく、俺が寝た後でこっそり入り込んできたんだろう。
この少女、「高町 なのは」は。
俺が今住んでいるのは高町家という、大きな道場を持つ家だ。
その家の主である、この子、なのはの父親の「高町 士郎」さん。前はボディーガードをしていたけど、今はもう引退し、喫茶店「翠屋」のマスターだ。
その士郎さんの妻で、なのはの母親の「高町 桃子」さん。士郎さんと一緒に「翠屋」で働いている。
そして、なのはの兄の「高町 恭也」さんと、姉の「高町 美由希」さん。なのはを加えた五人が、高町家の全員だ。
俺?俺は高町家に居候という形で住んでいる「門寺 士(かどでら つかさ)」だ。俺が産まれてすぐ、俺の両親が事故にあい、俺はお隣さんの高町家に引き取られた。というのが俺の経歴だ。まぁ、俺自身親の顔も見てないし、俺はほぼ高町家は家族として認識してるし、高町家の全員も俺を家族の一員として見ている。
「まぁ、隣で寝るぐらい時々あるからいいんだけどさ……」
〈そうは言いますが、これから先大変ですよ?大きくなってもこの調子だったら〉
「だよなぁ…」
と俺は突然聞こえた声に俺は答えた。その声は、俺の部屋にある机の上にある赤い宝石の声だ。
また何言ってんだ?と思うだろ。俺も最初はそう思ったよ。だけど、これが現実なんだよ。
こいつの名は「トリックスター」。自称魔法使いには欠かせない「デバイス」というものらしい。俺はいつも「トリス」と呼んでいる。
「にしても、平和だなぁ」
〈まだ何も起きませんもんね〉
「そうだなぁ…」
だらけながら俺は答える。
俺が女神に頼んだお願いの二つ目と三つ目。それは「前世及び転生に関する記憶を、ある程度の年齢になるまで消しといてくれ」と、「記憶が戻ったとき、その世界を生きるのに必要なものを届けてくれ」というものだ。
おかげで、俺は小さいときに前世や転生の記憶で難しく考えることはなかった。それに、ちゃんとした部屋を確保した後で、このトリスを受け取れたので、別にトリスの存在が他人にばれることもなかった。
「さてと、そろそろ起こすか。トリス、静かにしとけよ」
〈わかってますとも〉
「んじゃ、おいなのは、起きろ。起きねぇと士郎さんに怒られるぞ」
「ん、ん~…」
俺はなのはの体を揺らし、なのはを起こす。こいつは本当に起きるのが遅い。だから困る。
「…おはよう、士君」
「あぁ、おはよう。だが、俺はお前を怒らなければならない」
「?なんで…?」
「お前が勝手に俺の部屋に入り、いつの間にか俺の隣で寝ていたからだ」
「…前は素直に寝てくれたのに」
「前は前だ。今は違う」
俺はそう告げて部屋を出ようとする。すると突然、なのはが俺の服をつかむ。
「…おいなのは。飯が食えないだろ」
「…もう少し寝てたい」
「わがまま言ってないで、いくぞ。学校に遅れる」
「むぅ~~!」
そして、なのはは明らかに嫌そうに布団から出る。
「ほれ、いくぞ」
「…うん」
これが、俺のとある日の朝だった。
後書き
いかがでしょうか。今回はプロローグということで、ここまでです。
感想など、よろしくお願いします。
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