転生とらぶる
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コードギアスR1
0145話
「それで、次元転移に成功したらすぐに戻って来るように言っておいたと思うんだけど、何でこんなに時間が掛かったのかしら?」
俺に迫ってくるレモンは相変わらずの美貌だが、その身体からは鬼すらも逃げ出すような迫力を醸し出していた。俺の心配をしてくれた為であろうが、なかなかに怖いものがある。
「落ちつけ。トリニティゲインのリンク装置が正常動作していなかったのが原因だ。エキドナから聞いているが、お前もその辺は予想していたんだろう?」
「あら、W16じゃなくてエキドナなのね」
「ああ。ラミアのように自我が確立されそうに見えるからな。それを促進しようと思ってこれからはエキドナと呼ぶ事にした」
「……まぁ、いいわ。W16……いいえ、エキドナに免じて今回は勘弁して上げる。まずは部屋を移しましょう、この広い転移区画で話していても落ち着かないわ」
そう言って転移区画を出て行くレモンの後を追う。転移区画からエアカーで移動する事十数分。辿り着いたのはブリーフィングルームではなく、レモンの部屋だった。しかも研究室ではなくプライベートルームの方。
「ホワイトスター内部の移動にエアカーとはな」
確かにホワイトスターは広い。なにせコロニー並の大きさがあるのだからそれはしょうがないのだが、俺がコードギアスの世界に転移する前には各自が適当に好きな乗り物を使っていた。中には量産型ゲシュペンストMk-Ⅱを使っていた馬鹿もいたくらいだ。それがこの部屋に来るまでに見た限りでは全員の移動手段がエアカーに統一されていた。
「アクセルが知ってるホワイトスターは私達がここに到着してから一ヶ月もないでしょ。あれからどのくらい時間が経ったと思ってるのよ。色々と変わっているわ」
……なるほど。確かに俺がこのホワイトスターにいた時間は一ヶ月あるかないかで、コードギアスの世界には半年近くいた。つまり俺はこのホワイトスターの黎明期にはいなかったという事か。
「それで、転移先はどこだったの? やっぱりヘリオスがいた世界?」
紅茶の入ったカップをテーブルの上に置き、尋ねてくる。俺はその言葉に黙って首を振る。
「あら? リュケイオスとヘリオスは繋がってるとばかり思っていたのだけど……そうなると私達の元の世界?」
「いや、それも違う。俺達とは全く関係のない世界だ」
「……へぇ。面白そうね。どんな世界だったの?」
「そうだな。まずあの世界ではブリタニアと呼ばれる国が世界の三分の一を支配している」
「ブリタニア? イギリス?」
「いや、俺もあちらの世界の歴史は詳しく分からないが、俺達の認識で言えばアメリカがブリタニアという名前になっているらしい」
そこから俺はコードギアスの世界の事を説明していく。ブリタニア、中華連邦、EUの三竦み状態。KMFとサクラダイト。日本とエリア11の関係。
全ての説明が終わったのは、2時間程経ってからだった。
「こうして聞いてみると私達の知ってる世界とは全く違うのね。それにしてもKMFねぇ。人型機動兵器を4~5m程度の大きさに纏めたのは凄いと思うけど、単機で空も飛べないとなると私達の世界よりは随分と技術的に遅れている世界のようね」
「まあな。一応最新鋭の実験機が空を飛ぶフロートユニットという装置の開発に成功したが、エネルギー消費が激しいらしい。それに基本的に宇宙に出る技術はないようだな」
「サクラダイトとかいうのにはちょっと興味あるけど……その世界固有の物らしいのが問題かしら。アクセル、そのKMFは持ってきていないの?」
「ブリタニア軍の物は管理が厳しくてちょっと無理だった。だが、中華連邦のガン・ルゥは何機か空間倉庫に収容してあるぞ。……ただ、このガン・ルゥはKMFというよりはKMFもどきと言った方が正しいような出来だが」
ガン・ルゥに関してはキュウシュウ戦役の時にちょろまかしたものだ。コーネリアもギルフォードも戦後処理で忙しく、時間だけはたっぷりあったからな。
「そう……まぁ、研究材料にはなるかも知れないから後で技術班に渡して頂戴。それであちらの世界の事は大体分かったけど、アクセルはあっちの世界で何をしていたの?」
「転移した先が日本の山で地元のテロリスト……いや、この場合はレジスタンスと言ってもいいのか。とにかくそいつらにトリニティゲインを見られてな。おまけに俺はこの通りどう見ても日本人顔ではない。つまりブリタニア軍の軍人だと勘違いされて攻撃を受けた。そのまま撃退して、トリニティゲインの目撃者がいるそいつらの本拠地を潰そうとしたらブリタニア軍と遭遇。取りあえず傭兵という事にして、その部隊の指揮官でもあった皇女に直属として雇って貰った」
「えーと……」
俺の話を聞いているうちに、いつのまにか顔を手で覆ってしまうレモン。何やら唸っていたがすぐに深呼吸を一度して気を取り直す。
「取りあえず色々と突っ込みたい事はあるんだけど……アクセルが持っている兵器はPTやAM。その他にしてもあちらの世界のKMFに比べるとどれも大きいのよね?」
「そうだな。その時に使ったランドリオンにしても20m近いしな」
「……そんな、あからさまに未知の兵器を良く見逃してくれたわね」
「一応雇用条件にランドリオンの解析というのがあったが、テスラ・ドライブが装備されている訳でもないし問題無いと判断した」
「それにしても装甲の材質とかOS、そして核融合ジェネレーターがあるでしょう?」
レモンにそう言われて初めて気が付く。確かにこの時期のKMFは空を飛ばないからテスラ・ドライブにだけ注意をしていたが、今レモンが上げた技術については全く警戒していなかった。ただ、原子力の研究に関してはまだ確立されている訳ではなく、アッシュフォード学園に通っているニーナが趣味でやっている程度の筈だ。その研究が実を結ぶのはR2に入った後のフレイヤまで待たないといけない。
「基本電気エネルギーがメインだからな。原子力関係はまだ全然発達していない筈だ」
「それでも誰が研究しているか分からないでしょうに……まぁ、いいわ。どうせもう行く事のない世界でしょうし」
……しまった。その辺の事をまだ言ってなかったな。
「悪い。明日にでももう一度あっちの世界に向かう予定なんだが」
「……なんですって?」
ギロッとでも表現できそうな目でこっちを睨みつけてくるレモンだが、俺としてもここを譲る訳にはいかない。
「俺の知識が正しければ、もうすぐ大虐殺が起きる。最低限それは止めたい」
「知識、ですって? ちょっと待って。それはつまり……」
「ああ。お察しの通りだ」
前世の俺が知っていた物語だと気が付いたのだろう。レモンは呆れたように溜息を吐く。
「レモン……」
「いえ、分かってるわ。アクセルを止めたとしても無駄って事よね」
リュケイオスの実験を迫った時と同じ事になると判断したのだろう。苦笑を浮かべつつ俺にしなだれかかってくる。
「分かったわよ。明日もう一度リュケイオスであちらの世界に送るわ。そういう風に言うからには、エキドナに持たせたマーカーはあちらの世界に置いてきたのでしょう?」
「ああ、ホワイトスターに転移する直前に近くに設置していたな」
「なら大丈夫。問題無く転移が出来るわ。それよりも久しぶりに会ったんだし恋人らしい一時を過ごしましょう」
翌日、俺の姿は転移区画にあった。前回転移した時とは違い、グロウセイヴァーやトリニティゲイン等に乗っている訳ではない。マーカーがあるおかげで転移先が固定されているからだ。ちなみに、トリニティゲインが空間倉庫に入っているのにリンク装置が正常に動作している事については結局レモンでも原因不明のままだったが、最終的には転生特典だからの言葉で納得してしまった。まぁ、俺に不都合のある事象じゃないので問題が無いというのもあったし。
「じゃあ、転移を開始するわよ。準備はいい?」
俺の顔を見ながらレモンがそう話し掛けてくる。
「ああ。あちらでの厄介事が片付いたらさっさと戻って来るから心配するな」
「ええ。それと念の為にエキドナにも一緒に行って貰うけど構わないわよね?」
レモンの言葉を聞いたエキドナが俺の隣へと進み出る。
「いや、それは構わないが……機体はどうする?」
「隊長の倉庫に入っているのを何か適当に使わせて貰えれば」
ふむ、倉庫に入っている機体か。俺と同じガーリオンでも使わせるか? あるいは俺の趣味じゃなかったから使わなかったが、VC系の機体でもいいかもしれないな。
「分かった。それじゃあ早速準備を頼む」
俺の言葉を聞いたレモンがコンピュータへと位置情報等を入力していく。
「転移先座標、マーカーとのリンク接続……接続固定。転移先座標への座標軸固定完了。転移フィールド生成開始……生成完了。じゃあ、行ってらっしゃい。転移開始」
レモンのその声と共に周囲は眩い光で埋められ、気が付いた時には既に俺とエキドナはコードギアスの世界へと転移を完了していた。周囲には生い茂っている木々だけという完全に森の中だ。俺がホワイトスターへ転移した場所に間違いはないだろう。近くにはエキドナがマーカーを隠蔽した草や木の枝等も見える。
「エキドナ、マーカーを」
「はい」
俺の言葉に頷いたエキドナが、草や木の枝をどかしてマーカーをその手に取る。
「お前が持っているよりは、俺の倉庫に入れておいた方が安全だろう」
「そうですね。お願いします隊長」
渡されたマーカーを空間倉庫の中へと入れ、取りあえずの準備は完了する。
「さて、じゃあトウキョウ租界へと戻るか。今回の目標は特区日本の式典会場で行われるかもしれない虐殺の阻止だが、その手段がゼロに対するギアスの暴走を注意する事しか考えつかない。……ギアス等の知識は?」
「レモン様よりこの世界の事は概ね圧縮情報として頂いておりますので問題ありません」
以前にも何度か思ったが、こういう時のWナンバーズは非常に羨ましいな。情報を頭の中に圧縮して送り込めば大抵の事は何とかなるのだから。
「分かった。では行こうか、起こる必要の無い虐殺を止める為に」
電車に乗る事3時間。ようやくトウキョウ租界へと辿り着く。このコードギアスの世界へと戻ってきたのが朝早くだったが、既に昼近くになっている。コーネリアに会いに行く前に腹ごしらえでも……そう思い、街中を見渡してみるとどこか普段とは違う賑やかさがある。ブリタニア人もイレブンも、周囲の人と何かを熱心に話し合っている。耳を傾けると『ゼロが』とか『ユーフェミア様』『特区日本』と言った単語が聞こえてくる。どうやら俺が昨日ホワイトスターに帰っている間にアッシュフォード学園の学園祭でユーフェミアが無事特区日本の構想を発表したらしい。
これでまたコーネリアとユーフェミアの仲が悪くなるな。そんな俺の思いは街頭モニタを見た瞬間に木っ端微塵に砕け散る。
街頭モニタ。そこに映し出されていたのは何かの式典の様子だろう。そして、そこには見覚えのある人物。ユーフェミアだ。
俺のゾクリとした感覚を無視するかのように、ユーフェミアが口を開く。
「日本人を名乗る皆さん、お願いがあります。死んでいただけないでしょうか?」
「馬鹿なっ!?」
……その言葉を聞いた時、俺は思わずそう吐き捨てて頭が真っ白になった。
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:35
PP:330
格闘:246
射撃:264
技量:256
防御:253
回避:281
命中:303
SP:422
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:B
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
???
???
???
???
???
撃墜数:223
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