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ヘタリア大帝国

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TURN59 大統領発狂その五

「これではどうしようもありませぬ」
「戦争は続きますね」
「はい」 
 宇垣は帝に頭を垂れ答える。
「おそらくはワシントンを陥落させるまで」
「そうですか」
「全軍既に修理を終えています」 
 東郷が帝に答える。
「すぐにUSJからアメリカ東部に向かいます」
「そしてですね」
「シカゴ、テキサス、そしてニューヨークを陥落させます」
 まずはその三つの星系だった。
「そしてそのうえで」
「ワシントンもですね」
「その予定です」
「御安心下さい、吉報をお届けします」
 山下も帝に述べる。
「この戦いは」
「そうですか。ですが」 
 帝は浮かない顔のまま言う。
「戦いは続くのですね」
「申し訳ありません」
「いえ、山下が謝ることではありません」
 そうしたことではないというのだ。
「ですが戦いが続くことが」
「帝、それもまた致し方ないことです」 
 宇垣は浮かない顔の帝にあえて告げた。
「ですから」
「そうですね。私がしっかりしなくてはなりませんね」
「お言葉ですが」
 その通りだと告げる宇垣だった。
「ここは戦い続けるしかありません」
「そうですね」
「ワシントン攻略を念頭に置いていきます」
 東郷も言う。
「お任せ下さい」
「では頼みますよ、東郷」
 帝は覚悟を決めた顔で東郷に告げた。
「ガメリカとの戦い、貴方達に任せます」
「それでは」
「では今から前線に戻ります」
 東郷達を御前会議に連れてきた日本も帝に告げる。
「そのうえで再び」
「はい、それでは」
 日本達はUSJに戻った、その上で今度はシカゴ、テキサスへの進撃の用意に入った。東郷はUSJに戻るとすぐにこう日本に話した。
「シカゴとテキサス、それにだ」
「ニューヨークですね」
「特にニューヨークだ」
 その星系を手に入れるというのだ。
「あの星系はガメリカの経済の中心地だ」
「世界最大の工業地帯でもありますね」
「あの星系を手に入れればガメリカは完全に終わる」
「はい、ワシントンは首都でしかありません」
 つまりワシントン自体の資源や工業力は大したものではないのだ。
「ニューヨークに比べれば遥かに」
「だからまずはだ」
「はい、シカゴとテキサスもかなりの星系ですし」
 どちらも経済規模はかなりのものなのだ。それこそUSJに匹敵するまでに。
「だからだ」
「必ずですね」
「ニューヨークまで進めよう」
「わかりました、それでは」
 太平洋軍はUSJからガメリカ中部、そして東部に向かうことにした。戦いはまだ続くことになったのだった。 
 その太平洋軍が攻撃目標の一つに定めたテキサスのホテルの一室にだった。
 キャロルがいぶかしむ顔でこうハンナとクー、そしてアメリカ兄妹に言った。
「また何でこんなところに呼んだのよ」
「理由はわかると思うけれど」
 ハンナはそのキャロルを鋭い目で見て言った。
 
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