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ヘタリア大帝国

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TURN59 大統領発狂その四

「ハンナ、クー、こっちよ!」
「この道は」
「あの」
「脱出ルートよ!ワシントンさんが密かに用意してたね!」
 廊下に出て脇の壁を押してそこをこじ開け中に入ってだった。
 そこから暗い道に入りそしてそこから秘密の空港に向かう。そこから宇宙まで出てアメリカの乗艦に乗りテキサスに向かうのだった。
 ガメリカは一変した、ルースは全権を握り徹底抗戦を主張しだした。日米の講和はなくなってしまった。
 だがこのことにシュウ皇帝も重慶において戸惑いを隠せない顔でこう中国達に対して玉座から言うのだった。
「我が国にとっていいことだが」
「それでもあるな」
「そうだ、USJで勝負はあった」
 皇帝から見てもこれは確かなことだ。
「これ以上の戦闘はガメリカにとってもよくない」
「その通りある」
 中国もこう皇帝に答える。
「だからこれで講和になると思ったあるが」
「そして我が国もな」
「正直ガメリカが日本に勝ってくれないと手を出せないある」
 中帝国単独ではもう日本の相手はできなくなっているのだ。
「それに向こうからも講和の話がきているある」
「そうだな。講和の条件は朕も見たが」
「どうあるか?」
「日本、太平洋側が占領している全ての領土の返還」
「捕虜もある」
「賠償金はない、太平洋経済圏への加入か」
「悪い条件ではないある」
 むしろ敗戦国に対するとは思えない程の寛大な条件だ、ガメリカに対するのと全く同じ条件を提示されているのだ。
「だから乗るべきあるが」
「ガメリカが敗れた場合は受けるつもりだった」
 皇帝もそうなっては戦えないと思ってだ。
「そうするつもりだったが」
「それでもあるな」
「ガメリカがまだ戦うなら別だ」
 皇帝はこう判断した。
「もう暫く待とう」
「講和は先送りあるな」
「うむ、そうする」
 皇帝は確かな声で中国に答えた。だがそれと共に。
 難しい顔でこう中国と彼の妹に述べた。
「しかしルース大統領の急変は何だ?」
「そのことあるが」
 今度は中国妹が答える。
「先程アメリカ妹から連絡があったあるが」
「うむ、どうなっている」
「講和を言うと急に切れたそうある」
「急に?」
「そう、急にある」
「徹底抗戦を主張してか」
「その通りある」
 中国妹は皇帝に話す。
「そうなったそうあるよ」
「大体わかったがあの大統領は大人しい人物と思っていたがな」
「大人しい人程ある」
 中国妹は逆説的なものを皇帝に話す。
「切れた時は怖いあるよ」
「それか」
「多分そうある。だから今のあの人は」
「ああなったのだな」
「その様ある」
「危ういぞ、今のガメリカは」
 遠い重慶にいてもわかることだった。
「あの政権は四人の長官が柱になっていたが」
「それが今は四人共ある」
「中枢にはいないあるよ」
「そして暴走する大統領だけか、何時どうなってもおかしくないないな」
 皇帝はガメリカの状況に危惧を覚えながら述べた。とにかく今のガメリカはこれまでとは一変し大統領が暴走していた。
 宇垣もこう帝に述べる。
「申し訳ありませんが」
「ガメリカ側はですか」
「はい、講和どころか」
 徹底抗戦を通告してきたというのだ。
 
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