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ヘタリア大帝国

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TURN59 大統領発狂その一

                  TURN59  大統領発狂
 USJの決戦で捕虜になったガメリカ軍の将兵達はある者は太平洋軍に加わりある者は参加を拒みそのまま捕虜になっていた。その中で。 
 ドワイトは軟禁状態になっている彼の前に来た東郷と話をしていた。彼はまずは挨拶からはじめた。
「あんたが日本の海軍長官だな」
「ああ、そうだ」
 東郷は日本、秋山と共にドワイトの前に来て彼と話している。
「俺が東郷毅だ」
「そうか、あんたがあの戦いでの司令官だな」
「如何にも」
 東郷はまたドワイトに答える。
「そしてここに来た理由は」
「俺をスカウトしに来たか」
「率直に言えばそうなる」
 東郷の返事は淡々とさえしている。
「貴官を太平洋軍に迎えたいが」
「一つ聞きたいことがあるんだが」
「何だ?」
「ガメリカ軍は質も量もそちらを圧倒していた」
 ドワイトは東郷にこのことを言う。
「提督の質も悪くない、しかしこうして敗れた」
「その理由が知りたいっていうんだな」
「敗れる要素はなかった」
 ドワイトはこのことを確信している、今もだ。
「確かにそちらには潜水艦があるがな」
「それだけでガメリカに勝てる筈もない」
 このことは東郷自身が最もよくわかっていることだ。
「潜水艦だけで勝てる相手とはこちらも思っていない」
「そうだな」
「ああ、だが俺達は勝った」
「それは何故かを知りたい」
 ドワイトは東郷のその目を見ながら東郷に告げた。
「そうしていいか」
「断るつもりはないさ」
「そうか、それならな」
「これから宜しく頼む」
「こちらこそな」 
 二人はお互いににやりと笑い合った。ドワイトも太平洋軍に加わることになった。
 彼が加わってから日本と秋山はこう東郷に話した。
「USJでの戦いは終わりましたし」
「ガメリカの戦力はかなり叩きました」
「ではいよいよ」
「講和でしょうか」
「そうだろうな」
 東郷もこの勝利は大きかった、そしてこう言うのだった。
「ガメリカも遂にな」
「講和を申し出てきますね」
「そうしてきますね」
「ああ、だが講和が成るまでは暫くここに留まろう」
「外交的圧力ですね」
 秋山が東郷のその言葉に応えて言う。
「その為にも」
「そういうことだ。とりあえず治安はこれだけの艦隊の数だとすぐに元に戻る」
 治安回復を得意とするハニートラップや古賀もいる、このことについての心配はなかった。
「それを傷付いている艦隊はアラスカやハワイに送り」
「あとゲイツランドにもですね」
「そういった場所の修理工場に入れよう」
「それがそのまま治安回復になりますね」
「だからそうする。だがダメージを受けていない艦隊はこのままだ」 
 USJに残し外交的圧力と治安回復に務めるというのだ。
「ではな」
「はい、それでは」
「勝って兜の緒を締めろだがこの勝利は大きい」
 東郷もUSJでの勝利は素直に喜んでいる。
「それではな」
「はい、では待ちましょう」
 日本も微笑んで東郷に応える。
「ガメリカからの使者が来ることも」
「そうするとしよう」
 彼等はガメリカからの講和の使者が来ることを確信していた、だが。
 その時ワシントンでは議論が難航していた、ルースは大統領官邸の会議室で難しい顔をしてハンナとクー、そして己の祖国達に言っていた。
「講和かね?」
「ええ、まさか敗れるとは思わなかったけれど」
「予定通りそうしましょう」
 ハンナとクーも暗い顔だ、だがそれでもこう言うのだった。
 
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