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忍術と食を極めし者

作者:青空
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第6巻

 
前書き
2013/03/27/16:05編集しました。 

 
 
 
 グレートブリッジ戦から数日後、ノアの方舟内にある一室。方舟の中ではなく外なんじゃないかと認識してしまいそうな森、そこにアスカはいた。

 アスカの目の前には巨大な樹が一本そびえ立っている。旧世界は麻帆良にある世界樹が部屋の天上を突き破りそこに。

 戦争参加前に手にした新たな物ではなく計画を思いついた過去に彼が麻帆良を訪れて得た情報を使い木遁をベースに陰陽遁を使い生み出した〝魔力〟だけではなく〝チャクラ〟までも精製する樹。木遁だけでブック・オブ・ジ・エンド改から得た情報を使い生み出すのは簡単だった、が。彼は、それを良しとしなかった。

 計画では普通の世界樹では駄目だ。

 普通の世界樹でも計画を実行するかとは可能だろう、そう実行するだけなら。計画により生み出した後が問題になる。アスカの目的は魔法世界の崩壊阻止。

 だから樹を実行後も存在させ続けなければならない。その為には麻帆良にある樹と同じでは、人間の手により終わりを迎える可能性が高い。

 麻帆良の樹は大丈夫だろう。

 樹が生み出すは魔力による恩恵。

 その恩恵を受けた土地に住み、暮らす守護する学園の者たちが常に樹を護っている。ならアスカが樹を護ればいいのかもしれない。しかし、しかしだ。アスカがやろうとしているコトが実現した場合、それは不可能と言ってもいい。

 何故なら、彼が創りだそうと考えている樹の数は一本ではなく数本なのだから。

 多重木遁分身を使えば人員を増やし守護に充てることはできるにはできる。

 だが、彼は人間だ。術を維持続ければ精神が磨り減り、やがて術が解けてしまう。いくら強靭な精神を持っていようと10年、100年、1000年と若しくはそれ以上の月日は精神がもたない。

 だからこそ、魔力だけではなくチャクラを精製できるように施した。

 チャクラも生み出すなら計画発動時に忍術による術式を組み込むことが可能になる。

 つまりは世界樹それ事態に自衛手段を持たせるということだ。

 その自衛手段の〝鍵〟となるのが――


 「ヤッホー。キミが〝ボクたち〟の所に来たってことは、とうとう計画が発動されるのかい?」


 世界樹の根本から顔を出し一気に全体を出したソレは人の姿をしてはいるが、人とは呼べない異形。頭から爪先まで全身が眼までも真っ白な存在。


 「いや、計画はまだだ。だがもうじきではあるのは確かだ、ゼツ。700年かけて俺が戦場を駆け回り世界に血を刻み続けてきた、仕掛けも充分だろ。後は〝奴〟の計画の最終段階である儀式を待つ、それだけだ。」


 〝彼等〟の名前はアスカに呼ばれた通り〝ゼツ〟NARUTOの世界で『うちはマダラ』が外道魔像で千住柱間の細胞を培養し生み出した地の中を自在に動き回り、根をネットワークにできる千住柱間の劣化体。

 アスカは自身に備わる柱間の細胞をチャクラを精製できるように創った世界樹で培養し生み出してみせた。彼等を生み出す為にだけにチャクラを自製できるようによう世界樹を創っただけではない、生み出した彼等そのものが樹に自衛手段を持たせる為の〝鍵〟となる存在に。


 「フフフ、そっか! やっとボクたちの役目がくるんだね」

 「そうだな、だが。」

 「 ? 」

 「お前は、お前らゼツの中で一番できが良くつき合いが最も長い。お前には一足早く仕事をしてもらう」

 「オーケー。たまには外に出てキミがくれた〝眼〟を使いたいしね。それで、ボクは何をすればいいの?」

 
 ゼツの中で〝彼〟は一番できが良く、つき合いも一番長い。アスカはゼツの中で〝彼〟に最も信頼を寄せ、他の彼等より一段階上の能力をブック・オブ・ジ・エンド改によって三つも施している。

 そんな彼に与えられる仕事とは……





 ▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽ 





 夜。ビル街でありながら暗闇にて輝きを出さないとあるマフィア組織のビルオフィス。


 「わ、わかった! 話す、話すから……!! お前が知りたいのは〝彼等〟の情報だろ?!」


 薄暗い部屋、他に人がいない中。部屋には影が二つ。

 片方は何かに恐怖でも感じたのか脅え切った様子で壁に寄りかかっているが、腰が抜けて上手く立てずに尻が床に付いてしまいそう。

 もう片方の影。情けなく脅えている男に恐怖を与えたのだろう、男を見下すかのように上から見下ろしている。右目の覗き穴しか開いていない面で顔を隠し表情が見えない。流れるような赤い雲が描かれている黒装束を纏う男。それに伴い謎めいた怖さを一層醸し出しているかのよう。


 「……勘違いをするな」

 「うぐっ!」


 胸ぐらを掴みマフィアの男を無理矢理立たせては自分の目の前に引き寄せる面の男。


 「俺は、お前らから情報を聞き出しに来たのではない。引き出しに来たんだ」


 面にある唯一の覗き穴からマフィアの男の瞳を覗きこむ。覗きこむ穴の先には暗闇に光る赤い瞳が。


 ― 幻術・写輪眼!!


 それは忍の世にて三大瞳術と呼ばれる最強の瞳が一つ『写輪眼』。


 「あ! あがが……あ、あ、あ、あ!?」

 「さあ、知っていることを全て吐いてもらおうか」


 写輪を宿すその瞳に射ぬかれ精神を捕まれた者は抗うことは許されない、心を覗き見透かされ己のが五感を全て支配される。

 並みの人間では写輪眼が持つ瞳力から抜け出すことなど不可能だ。写輪眼を破るには、写輪眼に対抗するには写輪眼が必用必須。目には目を、歯には歯を、写輪眼には写輪眼を。並みの人間が写輪眼を持つ熟練者と相対すれば道は二択のみ、逃げるか死か。それだけだ。

 もし写輪眼による瞳力に抗い抜け出せたとしても、待っているのは精神の崩壊による廃人化か脳の負荷による植物人間化のどちらかの結果が待っているだろう。どのみち、最後は術者により手がくだされ死ぬ末路。





 その後、マフィアの全ての人間から情報を抜き出し仕事を終えた黒装束姿の面の男はオフィスビルの屋上で一息ついていた。


 「ふぅ、今日のノルマがやっと終わったよ。」


 面を外し素顔を晒し出てきた顔は白。

 外す前は赤い短髪だった髪の色は顔と同じく白い短髪に、着ていた赤い雲が描かれていた黒装束は面の中に消え去った。面の男の正体はアスカではなく彼が生み出した植物生物のゼツ。

 アスカが彼に任せた仕事とは、アスカの代わりにトビを演じ彼の代わりに『完全なる世界』に関わりがある者たちから情報を収集すること。仕事をスムーズに行えるよう授けた物は二つ。

 まずは面。アスカがトビを演じていた時に使っていた物だが、トビに渡す際にブック・オブ・ジ・エンド改で改竄し能力を加えている。面を着けるだけでトビの姿を再現するように細工された特別製。

 髪が赤から白に、服が面に消えた秘密はそこに。

 そして、二つ目の能力はアスカの瞳であり最強の忍具である〝写輪眼〟。

 もっとも写輪眼に関しては『万華鏡写輪眼』を含め永遠の光と共に仕事を任さるより以前から授かっていた訳だが。

 今までは、右目だけ通常の写輪眼かな永遠の万華鏡写輪眼の『神威』『天照』の三つだったが、今回の件で左目にも瞳を授けられた。天照により生み出される燃やした対象を燃やし尽きるまで決して消えることがない黒炎を唯一自在に操ることが可能とする瞳力『炎遁・加具土命』を。


 「それじゃあ帰ろうかな。疲れてお腹すいたし」


 そう言い、アスカから許可されているゼツは方舟のゲートを呼び出し、その奥に消えていった。





 ▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽ 





 自身が任せた仕事を終えノアの方舟に戻りゼツが食事を取っているころゼツに仕事を任せたアスカはというと――


 ― まさか俺が、あのじゃじゃ馬姫を救出する役目の任務を担うとはな。


 傭兵として帝国から担った仕事をこなす為、ある場所を目指し走っていた。

 帝国から任された任務とは、アスカが言うじゃじゃ馬姫こと、ヘラス帝国第三皇女であるテオドラ姫。数週間前にオスティア国ウェスペルタティア王女アリカ・アナルキア・エンテオフュシアとの会談以降行方不明になっている彼女の行方が判明したことによる救出。

 会談当日に完全なる世界の一派に誘拐されることは知っていたが、下手に手を出し原作が変わり計画に支障がしょうじないようあえてほっといた。なのに、まさか自分が救出することになるとは思いもしなかった。それもそうだろう。何人もいる娘の皇女一人を救出させる為に傭兵とはいえ帝国最強のマダラに命をくだすなど任を受けた本人も含め誰も思いもしなかったのだから。

 そりゃあまあ、テオドラに他の皇女と皇子たち以上に政治の才が有るのは認める。だが最強の兵であるマダラを戦時中だというのに向かわせるとかどんだけ親馬鹿なんだヘラス皇帝。

 計画発動まで帝国に身を寄せておきたい為、しぶしぶ了承したのは良いが正直めんどくさい任務だ。潜入と救出の為、方舟は使えない。なのでこうして目的地まで走り続けている。

 テオドラを拐った者たちは完全なる世界の者たち、彼等が見張りなら大幹部に方舟を使った場合、方舟の情報が漏れる可能性がある。方舟は若しもの場合に切り札として使いたいので情報を今、アーウェルンクたちに渡す訳にはいかない。だから方舟は使えない。ゲートを出せば、其処らいったいを光が照らすため嫌でも目立つ。

 エンペラークロウ等のグルメ動物たちは巨体が救出任務には目立ち過ぎるため乗って移動できない。


 「……ようやく着いたか」


 ヘラス帝国本国にて皇帝から直々に命を受けてから走り続け、ようやく目的地であるテオドラ姫が幽閉されている夜の迷宮に到着。疲れてはいないが地味にキツい何かがある。


 「…………?」


 着いた途端に迷宮内から爆音。どおやら先着が迷宮内で暴れ回っているようだ。

 見えた爆発には雷が視認できた。つまり先着者たちはテオドラ姫とアリカ姫が誘拐されると同時に賞金首に成り下がった紅き翼の面目たち。見えた雷はリーダーであるナギ・スプリングフィールドが得意とする雷属性の魔法。

 気配を探ってみればジャック・ラカンも一緒になって暴れ回っているのがわかる。姫救出のため見張りを倒す必用があるのは分かるが、難航なダンジョンで老朽化した遺跡でもある迷宮内で魔法と気をばんばん放ち暴れ回るとは、やはりバカだ。まあ、迷宮が崩壊しようとも最後にはギャグ補正的な何かに守られピンピンした状態で無事に生き残るんだろうが。震動が伝わり先に二人の姫が幽閉されている部屋が崩れてしまうかもしれないと考えないんだろうか。いやバカだから考えていないな。

 ムッツリ眼鏡の剣士兼鍋将軍と変態ロリコンの古本を上手くコントロールし、先を進んでいるに違いない。地味に匠なゼクトもいることだし。


 「ふむ……どうする、か」


 今の今まで、あえて紅き翼の前には顔を出さずに避け続けてきた。夜の迷宮に来た理由はテオドラ救出の任を果すため、今回は今までのようにはいかない。向こうは戦場に出るたびマダラと相対するため探し回っていたのだ、出会えば戦闘になるのは必須。テオドラ救出以外に無駄な労力を使いたくない。

 帝国本土に帰還するまでじゃじゃ馬姫の相手をしなければならないのだ、全力でバカ二人の相手など御免である。


 「よし……」


 出会ってしまった場合どうするか考えた結果、出てきた案は――


 ― ナギとラカンのバカ二人を動けなくなるまで痛めつけて潰す。


 何とも物騒な案だった。全力出さずとも可能なのは間違いではないが。

 その場にアリカ姫がいれば馬鹿二名を止めに入るだろう。しかし、簡単にはヒートアップした二名は止まらない。止まらない二人に業を煮したアリカ姫が王家の魔力を使って強制的に止めに入るまで待ってらない。

 方針も決まったことだし早速、迷宮内に向かうアスカ。潜入は神威を使えば楽に済む。いるかもしれない上位精霊や罠は、先に侵入した紅き翼が処理しているであろうし。


 天然チート、努力チートと神工努力チートの相対までもう少し。

 









  
 

 
後書き
 
更新が遅れました。すみません。
しかも文字数が少なく短いです。
遅れた理由は、なんとなく買ったドラクエ6をプレイしていたから(おい

ゼツを出して見ました。
台詞が多いようで少ないキャラなので動かしやすいけど書きにくいです。
あと写輪眼を持たせてみました、不必要ですかね?

やっと次回でアスカと紅き翼の御対面ですが、どうなることやら……


  
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