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SAOもう一人の聖騎士

作者:ビビック
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追想~緋い剣豪と業火の巫女~

 
前書き
サラマンダーのオリキャラリューナさんとクラインとを絡ませます。書きたかったんだよね、この二人。 

 
「おおっと・・・・・・・」

陸に上がって来た小型の海龍二体の攻撃を同時に受け止めた・・・・・・・と思った瞬間、海龍の爪の方が断ち斬られた。その時、緋い侍は既に刀を鞘へ完全に納めていて・・・・・・・

「<抜刀術>、『黄泉道篁』(ヨミミチタカムラ)」

横一文字に振るわれた緋い刀は、海龍を上下に分断していた。

「嘘でしょう・・・・・・・・」

私が見つけた新たなるユニークスキル使い。彼の名は・・・・・・・・『紅の剣豪』クライン。

「お、誰かと思えばリューナじゃねーか。危ない危ない、後方部隊は?」

「ええっと、ユージーン将軍の火妖精大隊とアスナさんが対応しているわ、一応大丈夫そうよ」

「そうか・・・・・・・じゃあ、俺が守るのはお前かな」

クラインはにやりと笑いながら居合の構えをとると現れる群に切り込んでいった。生憎私達は孤立している。まず第一に他の部隊と合流しなければならない。一瞬迷った後、私はクラインの後に続いた。

途端に襲い掛かる海龍達。その殆どをクラインが倒しているが、自分の身くらいは自分で守らなくてはならない。ちょっとした短剣くらいある牙や爪の一撃を避け、受け流し、押し返す。逆に攻撃した後の隙を突いて斬り裂く。薙刀単発技<榊>(サカキ)。腹を斬り裂かれくずおれる海龍を踏み台にして跳躍。翅を広げ空中に逃れると、薙刀の切っ先で複雑な魔法陣を描く。

(ルーンを一文字書くのに一秒フラット。なら・・・・・・・!)

「世界を構築する五大元素の一つ、闇を灼く審判の業火よ!」

追加詠唱。紋章を描くスピードを一切緩めずに火属性の魔法を相乗させ、攻撃に特化した術式に再構築する。切っ先が最後の一文字を描き終わり、魔法が発動、紋章が紅く、緋く輝いて・・・・・・・・

「行っけぇぇぇぇぇえええええ!」

巨大な火矢の雨が降り注いだ。

「あ、やば・・・・・・・」

クラインが完全に離脱したか見ていなかった。一緒に消し飛ばしてしまったかも・・・・・・・!?

「あぶねぇな、俺も一緒に炙る気か!?」

良かった。生きてた。って、そうじゃなくて!?群に大穴が空いた今の内に離脱しないと、また囲まれてしまう。と、急ぐ私とクラインにまたも大型の海龍が現れた。・・・・・・・・神様。貴方私の事嫌いでしょう。

「リューナ下がってな、巻き込まねぇ自信がねぇ」

クラインの真剣な顔に押され、頷きながら後ろへ退く。彼は、自らの緋い刀に手を掛けた。ニヤリと獰猛な笑み。全てを無に帰す漆黒の輝きが海龍を切り裂こうと疾駆して・・・・・・・・切り裂きはしなかった。

「「なっ!」」

海龍がその鈎爪で漆黒の剣戟があっさりと受け止めた様に、二人揃って狼狽の声を上げる。

「ぐああ!」

海龍の爪がクラインを吹き飛ばす。何とか空中で体勢を立て直したけれど・・・・・・・どのみちこいつを倒せなければ他の個体に囲まれて終わり。だけど、どうすれば・・・・・・・記憶を探る。打つ手は・・・・・・・・何か打つ手は無いの!?

何かある。自分はそれを見ている。思い出せないだけなのだ。自らの中に、それは存在する・・・・・・・!

私が海龍の群を倒した時に使った技、魔法。クラインの台詞、『俺も一緒に炙る気か!?』炙る・・・・・・・・熱する。それが意味する事は・・・・・・・・

「クライン!海を狙って!」

火属性の魔法を大型種に叩き込み、足止めをする。が、それももう持ちそうに無い。が、それでいい。それでいいのだ。海龍が炎の弾幕を突破して私に腕を伸ばす。が、その腕は私に届かない。何故ならば・・・・・・・

「クライン!今!」

「任せとけ!」

小型の海龍を倒した時に使用したソードスキル<黄泉道篁>(ヨミミチタカムラ)横薙ぎの一撃が海を削ぎ取るように放たれて・・・・・・・・海龍に大量の水が叩き付けられた。

ビシィ!

クラインの、ユニークスキルの一撃でも傷一つ付かなかった鱗に罅が入る。恐らく、こうしなければ攻撃が通らないのだろう。私の脳にアドレナリンでも仮想世界でも嫌にゆっくりと見える。クラインが刀を鞘に納めて・・・・・・・・

「クライン!その魔法陣の中を通って!」

火属性の魔法陣が幾重にも描かれ、一つの道になる。その道を駆け抜ける紅い剣豪(クライン)。鞘から抜き放たれる刀が凄まじい輝きを放つ深紅の一撃が鱗を叩き割り、海龍を両断した。

「や、やった・・・・・・・」

信じられなかった。

たが、事実だった。

「やああああったああああああ!」

クラディール君が歓声を上げる。続いてキリト君が、次々と歓声が拡がる。

今年の海龍型Mob大発生イベント『海龍祭』は、私と、『紅い剣豪』の活躍によって幕を閉じた。
 
 

 
後書き
な、長かった・・・・・・・次回は後日談です。リアルのリューナさんが明らかに・・・・・・・!? 
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