スーパーロボット大戦パーフェクト 完結篇
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第百二十一話 出航!銀河中心殴り込み艦隊
第百二十一話 出航!銀河中心殴り込み艦隊
運動会はミサトの提案通りエクセリヲンの中で行われた。しかしだ。
ブルマはいなかった。それは誰もだった。
「皆半ズボンなんだね」
「当たり前でしょ、そんなの」
アスカが怒った顔でシンジに言い返す。当然彼女もブルマではなく黒の半ズボンだ。その格好でだ。シンジに対して言い返すのである。
「今時ブルマなんてないから」
「そうだよね。もうなくなっちゃったんだね」
「そう、今は半ズボンよ」
その半ズボン姿での言葉だ。
「動きやすいしね」
「だよね。動きやすいよね」
「それによ」
さらに言うアスカだった。
「ほら、ブルマってあれじゃない」
「あれって?」
「下手したらはみ出るのよ」
アスカは無意識のうちに無防備になって話すのだった。
「お尻とかショーツがね」
「ああ、アスカ今白だね」
「そうそう。白がね・・・・・・って」
ここで自分で言ってしまったのだった。
「何言わせるのよあんた」
「自分で言ったじゃない」
「っていうか何で今日のあたしのショーツの色知ってるのよ」
「だって今朝ね」
「今朝って!?」
「皆で朝まで飲んで」
やはり飲むことは忘れない彼等だった。それも祝いだったのだ。
「その時アスカ酔い潰れてたじゃない」
「ええと、ビール大ジョッキで十杯までは覚えてるけれど」
「それでスカートお臍のところまで捲り上げて寝ていて」
「そんなはしたない格好だったの!?」
「それからシャワーも浴びないで体操服に着替えただけだよね」
「それはそうだけれど」
「だからだよ」
つまりだ。その時の下着のままだからだというのだ。
「それだと思ったけれどね」
「半ズボンから見えたわけじゃないのね」
「ああ、それはないから」
それは否定するシンジだった。
「安心していいから」
「わかったわ。それにしてもあんた」
「何?今度は」
「あたしのショーツ見たのね」
顔を顰めさせてだ。シンジに言うのだった。
「高いわよ。今晩ビール飲み放題ね」
「っていつも飲んでるじゃない」
「いいのよ、それでも」
「ううん、何かブルマーと話が変わってきてるし」
「そうそう。それよ」
話は強引に戻った。戻ってしまった。
「それよ。ブルマーはね」
「ブルマーは?」
「お尻やショーツがはみ出る危険があるのよ」
それを言うのだった。
「そういうこともあるから」
「だからブルマーは嫌なんだね」
「それよりもやっぱり半ズボンよ」
笑顔で言うアスカだった。
「大体男はジャージで女の子がブルマーって何なのよ」
「そんなの僕に言われても」
「まあ脚でも見なさい」
アスカはシンジに自分の足を誇らしげに見せてきた。
「ほらほら、見たい放題よ」
「別に今更そんなの見ても」
「何よ、嫌なの?」
「これまでいつも見てきたから」
それでだ。今更だというのだ。
「別にさ」
「面白くないわね、それって」
「っていうかよ、アスカよ」
「御前脚どころかショーツだっていつもだしな」
「今更脚位じゃな」
ケーンにタップ、ライトがそのアスカに突っ込みを入れる。
「誰も見てどうかって思わないよ」
「あとたまにノーブラでいるけれどな」
「それは止めた方がいいな」
「酒飲んで脱ぐの止めろよ」
「あと暴れるのはな」
「酒癖悪過ぎないか?」
「うっ、何かぼろくそに言われてるけれど」
忽ちのうちにだ。劣勢になってしまうアスカだった。
だがそれでもだ。彼女は逆襲に出るのであった。
「つまりあんた達あたしの脚やショーツいつも見てるのね」
「自分で見せてるんじゃねえのか?」
「色気も何もねえな」
「酒癖が悪いとそれだけで損をするんだな」
「お酒はドイツ人の永遠の友よ」
強引にそう言ってしまうのだった。
「特にビールわね」
「けれどアスカさん、それって」
ルカがそのアスカに突っ込みを入れた。今度は彼だった。
「病気になりますよ」
「病気なのね」
「はい、痛風になります」
ビールといえばだ。やはりそれだった。
「あとビールってカロリーが」
「太るのね」
「それは気をつけて下さいね」
「そういえばドイツって」
アスカはそのドイツ人についても話すのだった。
「結構以上に痛風と肥満が多いのよね」
「あれはかなり深刻ですね」
ジョルジュはフランス人から見て述べた。
「それと髪の毛が」
「そうそう、ドイツってそっちも深刻なのよ」
「国が明るいって話じゃねえな」
ジェリドも来た。
「それ言ったら絶対にぶん殴ってくるからな、連中」
「普通はそうなるぜ」
ヤザンがジェリドに忠告した。
「ドイツ人に痛風と肥満と禿は禁句なんだよ」
「そういう御前も言ってるじゃねえかよ」
「それで喧嘩になったから言うんだよ」
そういう事情だった。
「本当に怒るからな、奴等」
「俺もそれはわかる」
カクリコンが出て来て話す。
「髪の毛のことは特にだ」
「何か話が深刻になってきているな」
今度はマイヨだった。
「私はロシア人だがドイツは私から見てもな」
「ううん、痛風と肥満と禿ね」
アスカも遂に自分でも言った。
「それってやばいのよね」
「だから運動するんじゃないかな」
シンジは正論を述べた。
「そういうことを防ぐ為にも」
「そういえばそうね」
「そうそう。今日は汗を流して頑張ろう」
「何かあんたに言われるなんて癪だけれどね」
とか言いながらもだった。アスカはだ。
競技で活躍した。運動神経は見事だ。
ロンド=ベルの面々は爽やかに汗を流していく。その中でだ。
モトクロスバイクではだ。ショウがダントツだった。
「やったね、ショウ」
「ああ、バイクならな」
ショウは笑顔でだ。チャムに応えて話すのだった。
「自信があるからな」
「昔やってたんだよね」
「バイストンウェルに来るまではな」
「それの選手だったの?」
「そうさ。それでなんだ」
自信があるというのだ。
「あの時はこういうこととか空手しかすることがなかったしな」
「その頃のショウって寂しかったんだね」
「否定はしないさ」
家庭を顧みなかった両親のことをだ。思い出しての言葉だった。
「そのこともな」
「そうなんだ」
「ああ。それでな」
「それで?」
「チャムはどの競技に出るんだ?」
彼女に問うのはこのことだった。
「チャムも出るんだろう?何か」
「うん、一応は」
「じゃあ一体何の競技になんだい?」
「遠距離飛行よ」
その競技だというのだ。
「長く飛んで。誰が一番速く着くのかをね」
「それを見る競技なんだな」
「そう、それなの」
チャムが出る競技はだ。それだというのだ。
「それに出るから」
「ああ、じゃあ頑張れよ」
「うん、私頑張るから」
笑顔で応えるチャムだった。そうしてだった。
実際にその競技を頑張る彼女だった。競技は楽しく行われていく。
その中でだ。サンドマンは。
爽やかに半ズボン姿でだ。暴れ回っている。そのうえで言うのだった。
「ははは、汗を流すのは気持ちがいいな」
「何か。サンドマンさんが活躍すると」
「そうだな」
マックスとバーンがそれぞれ言うのだった。
「僕達も嬉しいですけれど」
「微妙な感情を抱いてしまうな」
「僕自身がそうしているみたいな」
「そう思ってしまうな」
「全くですね」
「そう思ってしまうことを否定できない」
「それっていいことじゃないんですな」
ルナがそんな二人に突っ込みを入れた。彼女も今は半ズボン姿だ。
「あたしなんて一人もいないんですよ」
「まあそれを言ったら」
クスハがその彼女を慰めに来た。
「仕方ないから」
「わかってるけれどね」
「それよりもはい、これ」
さりげなくだ。クスハはあるものを差し出してきた。それは。
不気味な青い色をしてだ。ごぽごぽとなっているジュースだった。
そのジュースを見てだ。ルナはその顔を青くさせて言うのであった。
「これってまさか」
「そう、私のジュースだけれど」
「遠慮するわ」
即答だった。
「悪いけれどね」
「そうなの」
「あたしはこれがあるから」
言いながら丁度傍にあった水道の水をごくごくと飲むルナだった。
「それじゃあね」
「ううん、お水でいいの」
「そうそう、お水が一番」
ルナは強引にそういうことにしてしまう。
「コミネラルウォーターだからいいのよ」
「じゃあこのジュースは」
「うむ、貰おう」
マラソンから帰って来たサンドマンがだ。爽やかな笑顔と共に出て来て言う。
「そのジュースをな」
「はい、どうぞ」
「それではだ」
こうしてサンドマンはそのジュースを飲む。一気にだ。
しかし彼はだ。全く平気だった。
「美味いな」
「有り難うございます」
「生き返った」
平気そのものの顔である。
「さて。では次の競技に赴こう」
「頑張って下さいね」
こうしてだった。彼は平気だった。そしてだ。
アズラエルもだ。クスハのジュースを平気な顔で飲んで言うのであった。
「スポーツの後の美味しい飲み物は最高ですね」
「あんた、本当に何ともないんだな」
シローが唖然としてその彼に言う。
「そんなものを飲んでも」
「はい、平気です」
実際に何ともない彼だった。
「僕にとっては実に美味しいものです」
「コーディネイター以上だな」
シローはそのアズラエルをこう評した。
「まさにな」
「まさに?」
「変態だな」
ついだ。こう言ってしまうのだった。
「あんた、やっぱり変態だな」
「そうでしょうか」
「ああ、違うよ」
こう言うのだった。
「常人とは思えねえ」
「昔から言われています」
「自覚はしてるんだな」
「個性です」
平然とこう言うのだった。
「僕の個性ですから」
「それがか」
「超能力や念動力はないですが」
「あっても驚かないさ」
シローは真顔で返した。
「あんたの場合はな」
「おやおや、買い被りではないですか?」
「だからあんた本当にまともな人間か?」
そもそもそのこと自体が怪しいというのだ。
「サイボーグとかじゃねえよな、本当に」
「ですから普通の人間ですが」
「全然信じられねえ」
こう言うしかないシローだった。
「一体何者なんだよ」
「まあまあそう仰らずに」
「少なくとも敵じゃなくてよかったぜ」
そのことはいいというシローだった。
「あんたが敵だったらな」
「厄介だと仰るのですね」
「ああ、それは本当に思うな」
「俺もだな」
凱も出て来て言う。
「アズラエルさんとは戦わなくてよかったよ」
「味方で本当によかったな」
「全くだよ」
こんな話も為されるのだった。そうしてだ。
そうしたやり取りをしながら運動会の楽しい時間を過ごした。それで一日終わった。
その最後にだ。アルマナが笑顔でルリアに話す。二人も半ズボン姿だ。
「楽しかったですね」
「はい、これが運動会ですか」
「バルマーにはなかったですね」
「こうした催しはとても」
なかったとだ。ルリアも言う。
「思いも寄らないものです」
「バルマーの文化ではとても」
「これもまた地球の文化なのですね」
「そうですね。いいものです」
その半ズボン姿での言葉だ。
そしてだ。その半ズボンを見てだった。アルマナはまた言った。
「それにです」
「それに?」
「この体操服というものですが」
「かつてはブルマーもありましたね」
「ブルマーですか」
「はい、そうしたものもあったそうです」
ルリアはアルマナに応えてそのブルマーの話もするのだった。
「今は殆んどないそうですが」
「ブルマーとは」
「何でも。下着の様なものだとか」
こうアルマナに話すのだった。
「かつてはそれを穿いて運動をしていたとか」
「下着とは」
それを聞いてだ。アルマナはだ。
微妙な顔になってだ。こうルリアに話した。
「猥褻ではないですか?」
「そうですね。下着とは」
「下着については」
アルマナはその微妙になった顔で話していく。
「私達の下着も同じですが」
「地球のものと」
「では。猥褻です」
それがアルマナの見たところだった。
「ブルマーというものは」
「ですがかつてはそれを穿いて運動をしていました」
「わからないですね、地球の文化は」
「そうしたところはですね」
「本当に」
そうした話をしてであった。二人も楽しんでいた。そしてだ。
次の日だ。彼等のところにだ。まずはシュウが来て話すのだった。
「実は私は私だけで来たのではありません」
「何か持って来たな」
マサキがすぐに察して言って来た。
「そうなんだな」
「その通りです。私が持って来たのはです」
「ああ、それで何だ?」
「爆弾です」
まずはだ。それだというのだった。
「それを持って来ました」
「爆弾!?」
「爆弾っていうと」
「一体何の爆弾?」
「それじゃあ」
「はい、それはです」
その爆弾がだ。何かというとだった。シュウも話すのだった。
「木星クラスの惑星を内臓しブラックホールにしたもので」
「木星をか」
「ブラックホールにした」
「そういう爆弾をか」
「持って来たって」
「その爆弾を宇宙怪獣の巣に撃ちこむのです」
シュウはこう話した。
「それを持って来ました」
「それで宇宙怪獣を叩き潰すってことか」
「それでどうでしょうか」
シュウはマサキに対して問うた。
「ただ戦っても埒が空かない相手ですし」
「そうだな」
マサキはシュウのその言葉に頷いて返した。
「あの数だからな」
「ならば。答えはです」
「爆弾で一気に吹き飛ばす、だな」
「彼等の巣ごとです」
「なら作戦は決まりね」
セニアが右目をウィンクさせて述べた。
「宇宙怪獣ね、最初に倒すのは」
「そうなるね。問題はその宇宙怪獣の巣だけれど」
それが何処かとだ。セリウスは話す。
「何処にあるのかな、それで」
「それはわかっておる」
ここでバランが出て来て話す。
「宇宙怪獣の巣は銀河の中心にあるのだ」
「銀河の中心にか」
「奴等はいるのか」
「そうだったのね」
「左様、かなりの数がおる」
バランはその数についても話した。
「あまりに多く我等も迂闊に手出しはできなかったのだ」
「しかしだ」
ここで言ったのはだ。ヒイロだった。
彼は落ち着いてだ。こう話すのだった。
「今はやらなければならない」
「その通りだな。今宇宙怪獣を滅ぼさなくてはだ」
「破滅するのは私達」
ロジャーとドロシーも話す。
「だからだ。宇宙怪獣がどれだけいても」
「戦うしかないわ」
「その通りだな」
ブライトはロジャー達のその言葉を受け入れた。
そうして頷いてからだ。彼も言うのだった。
「では。まずは宇宙怪獣だ」
「連中をか」
「連中を倒してそのうえでか」
「バッフ=クラン」
「連中とも戦う」
「そういうことか」
「そうだ。そうする」
実際いその通りだと述べるブライトだった。
「バッフ=クランとはまだ話が可能だが」
「宇宙怪獣はできないですからね」
「連中はそもそも」
「それすらも」
「宇宙怪獣にあるものはだ」
ブライトはそれが何かも話す。
「本能のみだ」
「知能はないですよね」
「戦闘力は高いですけれど原始的な存在」
「それですよね」
「それに脅威としてバッフ=クランよりさらに脅威だ」
そうだとも話すブライトだった。
「だからこそだ」
「まずは宇宙怪獣ですか」
「連中を倒して」
「そのうえで、なのですね」
「そうするとしよう」
「では作戦は決まりだな」
大河が言った。
「まずは銀河中央に向かいだ」
「宇宙怪獣ですね」
「連中を退ける」
「それですね」
「そうだ。では今よりだ」
銀河中央への進撃を命じようとする。しかしだった。
「よお、久し振りだな」
「あれっ、あんたは確か」
ロウが彼の顔を見てだ。すぐに声をあげた。それは。
メキボスだった。急にモニターに出て来たのだ。
そしてそのうえでだ。こうロンド=ベルの面々に話すのだった。
「いきなり何だ?」
「ああ、助っ人に来たんだ」
それだというのだ。
「俺達ゾヴォークもな」
「ゾヴォークってことは」
「インスペクターだけじゃなくて」
「ゲストもか」
「あんた達全員でか」
「来てくれたのか」
「その通りだ」
今度はロフが出て来て話す。
「我々は銀河の為に戦わせてもらおう」
「そういうことさ」
メキボスがここでまた話す。
「俺達もな。だからここに来たんだよ」
「話はわかったよ」
万丈がそのメキボスに応える。
「それで僕達と合流したいんだね」
「そういうことだ」
「ゲストもインスペクターも」
「ゾヴォーク自体がな」
「問題になる連中はもういないからな」
イルムはこう言った。
「ウェンドロとかゼゼーナンはな」
「お蔭でこちらもまともになった」
また話すメキボスだった。
「それでこうしてそっちに協力を願い出ることができるようになった」
「そういうことだな」
「ああ、それでだ」
話は元に戻った。
「じゃあいいな」
「その申し出受けさせてもらいたい」
大河がメキボスに応える。
「喜んでだ」
「ああ、それじゃあな」
「それにだ」
今度はだ。ジュデッカ=ゴッツォだった。
彼もだ。こうロンド=ベルの面々に言ってきた。
「我がバルマー軍もだ」
「あんた達もか」
「協力してくれるってのか」
「俺達の戦いに」
「貴殿等に救ってもらった」
だからだと話すジュデッカ=ゴッツォだった。
「それならばだ」
「それでっていうのか」
「俺達と一緒に戦うのかよ」
「あんた達が」
「我等とて考えが変わった」
ジュデッカ=ゴッツォは言うのだった。
「やはりだ。我等も銀河の一員だ」
「何か凄い変わったよな」
「そうだよね」
ロンド=ベルの面々も驚きを隠せなかった。
「あのバルマーの人間がこんなこと言うなんてな」
「本当にな」
「しかしだ」
ここでバランが言った。そのバルマー人のだ。
「それが正しいのだ」
「そうですね」
アルマナもバランのその言葉に頷く。
「私達は今まで間違っていました」
「ガンエデンに頼るあまり」
「はい、自分達のことしか考えなくなっていました」
「それは誤りだった」
バランは確かに言った。
「そうではなかったのだ」
「その通りです」
「だからこそです」
「我等もです」
「共にです」
こうだ。ラオデキア達も出て来て言う。
「アポカリュプシスに向かいます」
「そして勝ちましょう」
「この銀河の脅威に対して」
「そういうことだ」
あらためて話すジュデッカ=ゴッツォだった。
「我等もだ」
「凄いな、これはよ」
リュウセイもだ。驚くしかなかった。
「まさかバルマーまで加わるなんてな」
「そうだな。しかしこれはだ」
「非常に大きいわ」
ライとアヤがそのリュウセイに話す。
「バルマーの戦力は今も尚かなり大きい」
「その彼等が加わってくれるのだから」
「崩壊はしたがだ」
ジュデッカ=ゴッツォはまた話してきた。
「五つの方面軍を集結させればかなりの規模になる」
「その軍を全て合流させる」
「それでいいだろうか」
ラオデキア達も言ってくる。
「そのうえで諸君等と共に戦う」
「同じ銀河の者として」
「わかった」
サンドマンが彼等の言葉に応える。
「それではだ。諸君等は今から我々の仲間だ」
「うむ、それではだ」
「共に戦おう」
こうしてバルマー軍も加わった。それに加えてだ。
今度はハイネルとリヒテルが来た。そのうえでだった。
「我々もだ」
「協力させてもらいたい」
「ハイネル兄さん」
「それにリヒテルも」
健一と一矢が二人に応える。
「力を貸してくれるのか」
「俺達に」
「無論、我等もアポカリュプシスに向かおう」
「共に銀河に生きる者として」
二人もだ。同じであった。
「この戦い、共にだ」
「戦わせてもらいたい」
「ボアザンにバームもか」
「俺達と一緒に戦ってくれる」
「そうしてくれるって」
「無茶苦茶凄いぜ」
最早だ。誰もが唖然となっていた。
「何かもう敵はないか?」
「だよな」
「いえ、我々もです」
キャンベルのだ。ゼウスだった。
「我等キャンベルもまた宜しければ」
「えっ、キャンベル星からも!?」
「何か凄いぞおい!」
「まさに銀河単位じゃないか!」
「ここまで来てくれるなんて!」
「我等も目的は同じです」
デウスはだ。静かにこう話すのだった。
「この銀河の為に」
「キャンベルも変わったな」
豹馬が驚きと共に言った。
「もう女帝ジャネラの時じゃないんだな」
「その通りです」
デウスは豹馬のその言葉に答えた。
「最早あの時代は終わりました」
「じゃあ今のキャンベルは」
「あの時代の過ちを忘れず生まれ変わったのです」
そのキャンベルだというのだ。
「それが今の我々です」
「そうか。それじゃあな」
「我等も共に戦って宜しいでしょうか」
「ああ、喜んでな!」
豹馬は笑顔で応えた。
「頼りにしてるぜ!」
「有り難うございます。それでは」
「そしてだ」
今度はだ。ブリタイだった。
「我等ゼントラーディとメルトランディもだ」
「なっ、何だ?」
「この数ってまさか」
「ゼントラーディとメルトランディの全軍!?」
「これだけいるって」
「まさか」
「そうだ、全軍だ」
その通りだとだ。ブリタイは答えた。
「これが銀河にいる我等の全軍だ」
「ええと、どれだけいるんだ?」
「何か滅茶苦茶な数だけれど」
「こんなにいたんだ」
「すげえ・・・・・・」
「滅茶苦茶な数だよな」
「全くだよ」
誰もが唖然となる程だった。しかもだ。
ブリタイはだ。さらに驚くべきことを言った。
「我等は皆この戦いの後でだ」
「この戦いの後で?」
「っていうと?」
「戦いを捨てる」
そうするというのだ。
「そしてプロトカルチャーの中に生きるのだ」
「それがあんた達の選択なんだな」
「そうだ」
その通りだとだ。ブリタイはイサムに答えた。
「我々は全てだ。選んだのだ」
「凄い話だな」
ガルドもだ。感情を完全に抑えられなくなっていた。言葉にそれが出ていた。
「まさかゼントラーディとメルトランディの全てがとはな」
「けれどこれは」
「ああ、大きい」
フォッカーは輝に述べた。
「プロトカルチャーがそこまで広まったということだからな」
「そして人類はそれにより一つになろうとしている」
「音楽の力だ」
それだとだ。フォッカーは言った。
「それが今こうして俺達をだ」
「一つにしているんですね」
「そうなる」
「音楽、アニマスピリチュア」
「コオオオオオオ!」
シビルはゲペルニッチを観て声をあげた。
「ゲペル!来テクレタ!」
「我等も同じなのだ」
そのゲペルニッチがだ。ロンド=ベルの面々に話す。
「銀河の為に。共に」
「歌ウ!戦ウ!」
「そうさせてもらおう」
「ああ、わかったぜ!」
バサラが彼のその言葉に応える。
そのうえでギターをかき鳴らしながら。ゲペルニッチに話す。
「その心、受け取ったからな!」
「熱気バサラ」
ゲペルニッチは微笑んでそのバサラに言った。
「また共に歌おう」
「ああ、派手なコンサートだ!」
まさにだ。バサラにとってはそれだった。
「最初から最後までクライマックスだぜ!」
「クライマックスは人が違うわよ」
ミレーヌがそのバサラに突っ込みを入れる。
「だから何でそうなるのよ」
「まあな。ノリでな」
「ノリでって」
「気にするなよ。大したことじゃないからよ」
バサラにとってはだ。そうでしかなかった。
「まあとにかくだ。ここまで揃ったらな」
「そうね。もう宇宙怪獣でもね」
「簡単には負けねえぜ。やれるぜ」
「そうだな。ここまでの面子が揃えばだ」
タシロも言う。
「我等はだ。必ず勝てる」
「その通りですね。それで艦長」
副長が彼に対して問う。
「この艦隊の名前はどうしますか」
「艦隊の名前か」
「はい、この大連合艦隊の名前は」
「一ついいものがある」
こうだ。タシロは言った。
「それでいいだろうか」
「どういったものでしょうか」
「銀河中心殴り込み艦隊」
タシロは言った。
「これでどうだろうか」
「銀河中心殴り込み艦隊ですか」
「そうだ、宇宙怪獣の巣に殴り込みだ」
そうしてだというのだ。
「勝つ。その艦隊だ」
「成程、それではです」
「諸君等の意見を聞きたい」
タシロは真剣な顔で話す。
「この名前でどうだろうか」
「異議なし」
「それでいいと思います」
「宇宙怪獣を倒すには」
「いい名前だよな」
「そうだよな」
これがだ。彼等の返答だった。
「なら行くか」
「この銀河殴り込み艦隊で」
「宇宙怪獣を倒して」
「そしてアポカリュプシスも終わらせる」
「そうしようぜ」
こうしてだった。彼等は集結した。
そのうえでその銀河中心に向かう。その中でだ。
ロンド=ベルはだ。一つ別任務があった。
「まずは先遣で、ですか」
「艦隊の先に向かって」
「そうしてそのうえで」
「切り込むんですね」
「その通りだ」
タシロが彼等に話す。
「ワープで先に向かいだ」
「そのうえで宇宙怪獣を叩いて」
「そうするんですね」
「俺達は」
「そしてあわよくばだ」
どうするかともいうのだ。
「あの爆弾を撃ち込む」
「宇宙怪獣の巣に」
「そこに」
「そうしてすぐに決める」
短期決戦だというのだ。
「そうするぞ」
「わかりました」
「それでは俺達はまずですね」
「宇宙怪獣の巣に殴り込んで」
「それで勝負を決めましょう」
「本軍の出撃はまだ先だ」
それはだ。まだ先だというのだ。
「我々は先遣なのだからだ」
「それで先にですか」
「先に出撃して」
「それで敵の本拠地を先に潰しておくんですね」
「その為にワープする」
それもだ。するというのだ。
「いいな。そうするぞ」
「じゃあいきますか」
笑顔で言ったのはだ。アラドだった。
「長い戦いがこれでまた一つ終わりますね」
「そうね。宇宙怪獣との戦いもね」
ゼオラもだ。期待する目で話した。
「終わるのね」
「俺達が戦うのは戦いを終わらせる為だ」
クォヴレーも話す。
「そういうことだな」
「その通りですね。では」
最後のレフィーナが話す。そのうえでだった。
彼等は出撃した。ワープを使ってだ。
しかしだった。ワープを使い超空間に入るとだ。
彼等の目の前に。思わぬ相手がいた。
「宇宙怪獣!?」
「まさか!?」
「どういうことだよ、これって!」
何とだ。宇宙怪獣の大群がだ。超空間にいたのだ。
「俺達を待ち伏せしていた!?」
「ひょっとして」
「そうしてたってのか!?」
「どうやらそうみたいね」
カズミが目を鋭くさせて述べた。
「これは」
「まさか。私達の動きを察して」
「ええ、それでね」
カズミはこうユングにも話した。
「それで超空間で待っていたのよ」
「そんな、この連中にそんな知能があったの!?」
「知能があるかどうかはわからないけれど」
それでもだというのだ。
「どうやら。本能的にね」
「本能ね」
「多分宇宙怪獣に知能はないわ」
カズミもそう読んでいた。
「だから本能でね」
「私達の動きを察してそのうえで」
「ここにいたのだと思うわ」
「やるわね」
ユングは歯噛みしてこう言った。
「相手もね」
「そうね。けれど」
それでもだとだ。カズミは言うのだった。
「ここでまず戦わないといけないわね」
「ええ、それはね」
ユングも苦い顔で応える。
「思わぬ展開だけれどね」
「そうするしかないわね」
「止むを得ん」
タシロもここで決断を下した。
「諸君、まずはこの連中を倒そう」
「そうですね。全く」
「こんなところで戦うなんて」
「思わなかったけれど」
「それでも」
歯噛みしながらもだ。ロンド=ベルの面々もだ。
戦闘態勢に入る。しかしだった。
ここでだ。シュウが仲間達に話した。
「いえ、皆さんここはです」
「手前が一人で戦うっていうんだな」
「はい、そうします」
こうマサキに応えるのだった。
「皆さんは先に行って下さい」
「格好つけるって訳じゃねえな」
「私にとってはこの程度の相手は」
そのだ。宇宙怪獣の大群を見ての言葉だった。
「どうということはありません」
「そのネオ=グランゾンにはだな」
「その通りです。皆さんは先にどうぞ」
こう話してだった。早速だった。
シュウのネオ=グランゾンは敵の大群の中に入った。その彼にだ。
チカがだ。こう問うのだった。
「それじゃあ御主人様」
「はい、数はわかりますね」
「一千万ってところですかね」
チカはその数をあっさりと述べた。
「軽い相手ですか」
「ネオ=グランゾンの前には」
所詮だ。その程度でしかないとだ。シュウも言う。
「宇宙怪獣一千万もです」
「ですね。じゃあ早速」
「はい。グラビトロンカノン発射!」
いきなりだった。グラビトロンカノンを放った。するとだ。
ネオ=グランゾンから重力波が放たれだ。そしてだった。
宇宙怪獣達が次々と押し潰されそのうえで爆発していく。そして次には。
「さて、次はです」
「今度はあれですね」
「はい、ビッグバンウェーブです」
「わかりました。それじゃあ」
「発射!」
今度はそれを放った。その攻撃でもだった。
宇宙怪獣達を潰していく。その数を瞬く間に減らさせるのだった。
そうして宇宙怪獣達を倒しながらだった。シュウは仲間達に言った。
「では皆さん今のうちに」
「ああ、先に行けってことだな」
「はい、どうぞ行って下さい」
こうマサキにも話す。
「そうして下さい」
「わかったぜ。それじゃあな」
こうしてだった。ロンド=ベルはだ。
シュウに向かう宇宙怪獣達を通り抜けてだ。先に進むのだった。
宇宙怪獣達はシュウに向かう間にだ。彼等の通過を許したのだった。彼等の目論見は失敗した。
それを見届けてだ。シュウも。
「さて、私達もです」
「ロンド=ベルを追うんですね」
「はい、そうしましょう」
今回も素っ気無く話すシュウだった。
「彼等を通過させることはできましたし」
「この連中は全滅させないんですね」
「相手をしていればきりがありません」
だからだ。いいというのである。
「ですから」
「わかりました。それじゃあ」
「はい、それでは」
こう話してであった。シュウとチカもだった。
彼等も撤退する。また瞬時に移動してだ。
こうして超空間での戦いは終わった。しかしだった。
ロンド=ベルに合流したシュウはだ。こんなことを言うのだった。
「戦いは済みましたが」
「何だ?」
「何かあるの?」
「はい、思わぬ影響が出るようです」
こうヤンロンとリューネにも話した。
「申し訳ありませんが」
「思わぬ影響というと」
「ワープの出口が変わるとか?」
「はい、その通りです」
リューネの言う通りだとだ。シュウも答えた。
「宇宙怪獣の巣ではなくです」
「だとすると一体」
「何処なのでしょうか」
ティアンとデメクサがそのことを問題にする。当然ながらだった。
「まさかと思うがな」
「バッフクラン軍の陣地の前とかはないですよね」
「いえ、どうやらその様です」
今度はデメクサの予想が当たった。シュウがその通りだというのだ。
「バッフクラン軍の主力の場所に向かってますね」
「何ていうかねえ」
「御約束の展開ね」
ベッキーもシモーヌもシュウの話に苦笑いになった。
「そうすんなりといけないってことね」
「宇宙怪獣との戦いも」
「まあそれはそれやったらや」
「バッフクランと戦うまで!」
ロドニーとエリスはそこに話を持って行った。
「バッフクランと決着や!」
「そこに行くのならな」
「ふむ、確かにな」
「そうした方がいいわね」
今度はジノとロザリーが話す。
「どちらにしろバッフクラン軍との話も終わらせなければならない」
「それなら。かえって好都合ね」
「時間が問題だが」
「それは」
ファングとプレシアはそれを問題にする。
「宇宙怪獣との決戦には間に合うか」
「それはどうなんでしょう」
「御心配なく。すぐに終わらせれば済むことです」
シュウはあえて簡潔に話した。
「それだけです」
「またあっさりと言うわね」
「バッフクラン軍もかなりの数なのよ」
ミオとテュッティはそのシュウに言う。
「そこのところ一気にってのは面白いけれど」
「そう上手くいくかしら」
「はい、本軍が宇宙怪獣の巣まで向かうにはまだまだ時間があります」
シュウは本軍のことを話した。
「ですからその間にです」
「バッフクラン軍を何とかする時間はある」
「そういうことか」
「まあね。少なくともバッフクラン軍と戦うのならね」
それならばだとだ。セニアも言う。
「腹括って戦うしかないわね」
「そうだね。じゃあ気持ちを切り替えてね」
「御仕置きの相手を変えますわよ」
テリウスとサフィーネはそれぞれ正反対の言葉だった。
「そうしようか」
「さて、バッフクランの悪い子犬ちゃん達を折檻ね」
「だからサフィーネ、それは」
「止めた方がいいわよ」
遥とプレセアが彼女を止めに入った。
「誤解を招く言い方だから」
「なるべくなら」
「いいのでして。何故ならあたくしは金星」
今度はこんなことを言うサフィーネだった。
「美とはそういうものなのでしてよ」
「話はわかるけれどね」
「私もね」
遥とプレセアは一応頷きはした。
「私は水星になるし」
「私は木星で」
「なら私は火星か」
エリスも出て来た。
「そうなるな」
「それであたしとね」
「わたしくが土星にならなかったりしないのですね」
セニアとモニカもだった。
「ううん、何かこうして話すと」
「惑星も面白くなかったりしないという訳ではないですね」
「あの、モニカさんの言ってることってわかる人います?」
「残念だけれど」
ダイアンがシンジに応える。
「海王星の力じゃ無理みたい」
「天王星でもですね」
この二人はそれなのだった。そしてだ。
ひかるはマリューに話した。
「艦長は月になりますよね」
「ひかるちゃんが冥王星よね」
「惑星じゃないことになりましたけれど」
「まあまあ。気にしない気にしない」
マリューは笑いながらひかるに話す。そうした話をしているうちにだ。
ワープから出た。するとそこは。
宇宙空間だった。しかしそこは。
「宇宙怪獣の反応はありません」
「一匹もいません」
「彼等はです」
こう報告があがった。
「やっぱり。ここは」
「バッフクランですね」
「彼等が近くにいますね」
「そうだろう」
タシロもその言葉に頷く。
「宇宙怪獣達は我々に本能的に向かっているのだからな」
「それで今はここにはいないんですね」
「まあバッフクランも宇宙怪獣と戦ってるでしょうし」
「殲滅するでしょうし」
その意味でだ。彼等とバッフクランは同じだった。宇宙怪獣を敵とする意味ではだ。
「じゃあ艦長」
「ここはバッフクラン軍を探して」
「そうしてですね」
「できることなら話し合いで終わらせたい」
これはだ。タシロだけの願いではなかった。
「バッフクラン軍との戦いも無意味なのだからな」
「一つわかったことは」
加持が話す。
「彼等は戦いが好きでも野蛮でもない」
「そうね」
シェリルも加持のその言葉に頷く。
「カララやギジェを見てもわかることね」
「今我々と共にいる彼等だけでなくだ」
クワトロも話す。
「敵である彼等もだ」
「どちらかというと理知的で」
「冷静だよな」
「しかも人間的で」
つまりだ。結論としてはだ。
「俺達と同じだよな」
「同じ人間だよな」
「住んでいる場所が違うだけで」
「そうですね。何も変わりません」
八雲もこう結論付ける。
「僕達と彼等は」
「それが些細なことからこうなってしまった」
キムも言う。
「そういうことですね」
「なら話し合いで終わればいいわね」
エルフィも言った。
「本当にね」
「まさかだ」
ギジェも話す。
「地球の文化で白旗が話し合いを意味するとはな」
「それはだったんですか」
「思わなかったんですか」
「あくまで我々の文化で考えていた」
そのだ。バッフクランのものでだというのだ。
「そんなことは想像もしなかった」
「私も。このことはです」
カララも話す。
「本当に驚きましたから」
「あの時俺達は話し合いをするつもりだった」
コスモもだ。あの時のことを思い出して話す。
「けれど。バッフクランで白旗が宣戦布告の宣言だったなんてな」
「全然思わなかったわよね」
「信じられなかった」
カーシャとモエラもだった。
「そんな些細な違いで」
「彼等とここまで戦うなんてな」
「これがイデの意志なのだろうか」
ベスは考える顔で言った。
「まさか」
「だとすればイデの真意は一体」
「何なんだ?」
「俺達をあえて戦わせて」
「どういうつもりなんだ」
それがどうしてもわからないのだった。彼等はそうした話をしながらだ。バッフクラン軍の前に向かうのだった。彼等と決着をつける為に。
第百十一話 完
2011・5・16
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