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スーパーロボット大戦パーフェクト 完結篇

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第百十七話 まつろわぬ神

                  第百十七話 まつろわぬ神
 シヴァーは言う。
「さあ来るのだ」
「来るってのか!」
「またあいつが!」
「ゲベルよ!」
 シヴァーがその名を呼ぶとであった。再びだった。
 ゲベル=ガンエデンが姿を現した。そのうえであった。
 シヴァーは入り込む様にその中に入りだ。そうして言うのだった。
「では。新たな世界のはじまりだ」
「ああ、今度こそな!」
「バルマーとの戦いも終わりだ!」
「遂にね!」
「しかし。どうしてなのかしら」
 セツコがここでこう言った。
「彼には念動力はない筈なのに」
「そのことだが」
 シヴァーはそのセツコの言葉に答える。
「ユーゼス=ゴッツォのデータによってだ」
「あいつかよ!」
「手前のクローン!」
「あの糞野郎か!」
 ユーゼスを知る者達が忌々しげに言う。
「あいつと!」
「関係あるってのかよ!」
「奴の残したデータの中にだ」
 それが何かというのである。
「強念者を制御する方法もあったのだ」
「それで」
 ウッソはここで気付いた。
「貴方はアルマナ姫を」
「そうだ。アルマナはだ」
 今どうなっているかというとだった。
「今ゲベルを制御するコアとなっているのだ」
「やっぱりな!」
「それであの姫様をか!」
「捕まえてそして!」
「利用してるってのか!」
「この強念の力によって」
 それによってだというのだ。
「因果律を操り運命さえ統べ」
「そしてかよ!」
「手前はなるのか!」
「神に!」
「そうだ、この世界の神」
 まさにだ。それだというのだ。
「私はそれになるのだ!」
「ガンエデンはだ」
 今告げたのはキョウスケだった。
「戦うことを悔いた俺達の祖先達がだ!」
「そうだというのだ」
「平和への祈りを込めて造ったものだ」
「それを貴方は!」
「己の覇道の為に使うというのですね!」
 ラトゥーニとシャインはそのことを責める。
「それは絶対に」
「間違っています!」
「そう、平和の為にだ」
 だがシヴァーはまだ言う。
「このガンエデンを駆るのだ」
「いい加減屁理屈だな」
「全くだね」
 アハマドとシモーヌが忌々しげに言い捨てた。
「何を言われてもだ」
「己を曲げなくなっているわね」
「何もかもが同じだな」
「そうだな」
 刹那の言葉に宗介が頷く。
「あの男とな」
「霊帝とだ」
「力と平和と繁栄を手に入れるのだ!」
「ああ、もう飽きる程聞いたぜ!」
 今叫んだのはエドだった。
「遺言はもういいな!」
「これで終わらせます」
 デメクサも今は怒りを見せている。
「貴方は。ここで」
「総員攻撃開始です」
 エレが告げた。
「攻撃目標は」
「あのガンエデンですね」
 リムルも意を決している。
「そしてアルマナ王女を救い出しましょう」
「いいな!絶対に助け出すぞ!」
 霧生が言った。
「あの姫様を!」
「そして。いいわね」
 プロフェッサーも意を決していた。
「自分達の力でアポカリュプシスに向かうわ」
「貴方は間違えたのです」
 ラクスは悲しい声で彼に告げた。
「目的の為に人の心を失いました」
「僕達は戦う!」
 キラも言った。
「自分達の力で!」
「御前ともアポカリュプシスともな!」
 アルトも決めていた。
「そして勝つ!」
「では来るのだ、ロンド=ベルよ」
 シヴァーは圧倒的な気を発しながら告げた。
「そして雌雄を決するのだ」
「何度も言うが遺言は聞いた」
 テムジンは一言だった。
「その機能を停止させてやる」
「見てろ、手前を倒してな!」
 リュウセイが燃え上がっている。
「アルマナ姫を救い出してやる!」
「そうしたければ来い・・・・・・!」
「ああ、行ってやらあ!」
 こうしてだ。ガンエデンとの戦いが再びはじまった。早速だった。
 激しい死闘が展開された。ロンド=ベルは全軍で向かう。しかしだ。ガンエデンの強さは。
 炎を吐き光を発してだ。彼等を全く寄せ付けない。それは。
「なっ、この強さ!」
「霊帝の時以上!」
「何て強さだ!」
「こんなに強いなんて!」
「私が戦う理由はだ」
 何かというのをだ。シヴァーは戦いながら話す。
 神は戦場を舞う。そうしてロンド=ベルの面々を圧倒しながらの言葉だった。
「民に平和と反映をもたらす為にだ」
「その為にどれだけの人が死んだ!」
 コウは攻撃を浴びせながら糾弾した。
「これからもその人達を増やすのか!」
「すべては新しいバルマーの為」
 シヴァーの言葉は変わらない。
「彼等も浮かばれよう」
「その歪んだ考えこそだ!」
「あんたは統治者失格っていう何よりも証なんだよ!」
 カミーユとジュドーが責める。
「シヴァー=ゴッツォ!貴様は!」
「何もかわっていねえんだよ!」
「力こそがだ」
 だがシヴァーは彼等に炎、竜の口からの炎を浴びせながら言う。
「摂理だ。それがわからないのか」
「何度言ってもわからぬか!」
 バランがそのガンエデンにハンマーを振り下ろす。
「シヴァー、貴様は!」
「私と御前は同じ志だったな」
 そのバランを見てだ。シヴァーは言うのだった。
「しかし進むべき道が違ったな」
「貴様が誤ったのだ!」
「結果として御前は異星人と手を結び」
 シヴァーは彼に話す。
「私は偽神ルアフを倒す道を選んだ」
「シヴァー、御主」
「それだけのことだな」
「何故だ、何故道を誤ったのだ」
 バランは表情を咎めるものにして。シヴァーに問うた。
「御主は何故」
「話は終わりだ。バランよ」
 その鉄球を受けながら。バランに言うのだった。
「貴様もバルマーの平和を願うならばだ」
「それならばというか!」
「そうだ、己を貫くのだ」
 まさにだ。そうしろというのである。
「あの若き日の様にだ」
「ならばシヴァーよ!」
 再び鉄球を構えてだ。バランは叫ぶ。
「このバルマーの為に砕け散るがいい!」
「来るのだ。友よ」
 シヴァーも退かない。
「貴様が正しいのならだ」
「御主を倒せというのか!」
「そうだ、そうして示すのだ」
 これがシヴァーの今の言葉だった。
「そのことをだ」
「よかろう!」
 バランも受けて立つ。
「では見せようぞ!わしが正しいか!」
「私が正しいか」
「今それを見せる!」
 こう言い合いだった。彼等も戦う。そしてだ。
 リュウセイもだった。シヴァーに対して言うのだった。
「シヴァー!」
「リュウセイ=ダテか」
「ハザルはな!」
 彼のことをだ。シヴァーに言うのである。
「最後まで手前を信じてたんだぞ!」
「そうだ、そしてだ!」
 ライもそれを言う。
「そのうえで最後まで戦った!」
「確かにあいつは最低の野郎だった!」
 そのことは否定しなかった。
「だがそれでもな!」
「あいつは最後の最後までその信念の下に戦った」
「それについて何も思わねえのか!」
「あの男も唯の駒だったというのか!」
「如何にも」
 その通りだと答えるシヴァーだった。
「あの男を造ったのは私だ」
「我が子と偽ってか!」
 バランもそのことを責める。
「あの坊を最初からそれと見なしていたのか!」
「所詮はその程度だったのだ」 
 彼等と戦いながらだ。シヴァーは言うのである。
「あの男もまた、だ」
「エイスもか!」
 マイは彼について問うた。
「そして他のゴラー=ゴレムもか!」
「全て同じだ」
 やはりこう言う彼だった。
「私の駒に過ぎなかったのだ!」
「その考え!」
 アヤがその考えをだ。全て否定した。
「その考えこそが!」
「傲慢!」
 ゼンガーはそれだと断定した。
「それ以外の何ものでもあらず!」
「ああ、ハザルはハザルで必死に戦ったんだ!」
「その信じるものの為に!」
 アラドとゼオラもそのことを言う。
「そのあいつを裏切り!」
「そのうえで使い捨てにした貴女は!」
「許せねえ!」
「何があっても!」
 こう話してだった。彼等もだ。
 ガンエデンに攻撃を浴びせる。まさに集中攻撃だった。
 その攻撃を浴びせる中でだった。シヴァーは。
 次第にダメージを受けていった。それを見てだ。
 リーがだ。鋭い目で言った。
「効いているな」
「効果ありですか?」
「確かに」
「そうだ、出ている」
 それはだ。間違いないというのだ。
「ガンエデンとて絶対ではないのだ」
「じゃあこのまま」
「倒せる?」
「あのガンエデンもまた」
「倒せる」
「ここで」
「ああ、やれる!」
 今度はリュウセイが叫ぶ。
「このままな!」
「よいかリュウセイよ!」
 バランが彼に言う。
「ここでだ」
「ああ、わかってるさ」
「次の一撃で決めるのだ」
 こう言うのである。
「よいな、それではだ」
「ああ、ライ!」
「わかっている!」
「マイ!」
「決めるぞリュウ!」
「アヤ!」
「そうね、これで!」
 三人もリュウセイに応える。そしてだ。
 ヴィレッタもだ。リュウセイに対して言うのだった。
「いいな、今はだ」
「五人で」
「そうだ、私達五人の力で終わらせる」
 そうするというのだ。
「この戦いをだ」
「わかった!それならあれか!」
「そうだ、今こそだ!」
「あれで決めてやる!」
「行くぞ!」
 R-GUNが文字通り銃になった。そしてだ。
 その銃がバンプレイオスに持たれ。そうして。
「撃て!」
「ああ、撃つさ!」
 こう返すリュウセイだった。そしてだ。
 シヴァーのガンエデンに照準を定めた。そのうえで。
「終わりだシヴァー=ゴッツォ!」
「この一撃で!」
「終わらせる!」
「地球とバルマーの戦い!」
「その戦いがだ!」
 五人が同時に叫びだった。そのうえでだ。
 リュウセイはそのトリガーに指を置きだ。引きながら叫んだ。
「天上天下一撃必殺砲!受けろーーーーーーーーーーっ!!」
 今まさにその一撃が放たれだ。そうしてだった。
 ガンエデンを貫いた。その一撃を受けてだ。
 遂に神は動きを止めた。この神もだ。
「よし、やった!」
「これで!」
「終わった!」
「シヴァー、手前の野望も!」
「バルマーの戦いの歴史も!」
「終わったんだ!」
 誰もが叫ぶ。今その勝利を確信した。
 しかしだ。その時だった。
 不意にだ。聖堂がだ。大きく揺れだしたのだ。
「自身!?」
「まさかと思うが」
「いや、自爆か!?」
「何だ?」
「地上からですね」
 ここでシュウが言った。
「おそらくこれは」
「隕石雨ね」
 それだとセニアが話す。
「これは」
「そうです。それもこれまでになく大量のものです」
「どうやらだ」
 ガンエデンは墜ちていた。その中からだ。
 シヴァーが言うのだった。その仮面は割れだ。
 素顔が見えていた。白髪の初老の男だった。理知を窺わせる顔だ。
 その彼がだ。こう言うのだった。
「間に合わなかったな」
「シヴァー、御主素顔を」
 バランはその顔を見て驚きの声をあげた。
「出すのか」
「そうだ。それはだ」
「何故仮面をしていた」
 バランはそのこと自体から尋ねた。
「そもそもだ」
「我が大願」
 シヴァーもバランに対して話す。
「それを果たすまでは偽りの仮面を被り続けるつもりだった」
「バルマーを救うことか」
「そうだ、そうするつもりだった」
 こう友に話すのだった。
「だがそれももう終わりだ」
「シヴァー、御主」
「第一始祖民族の意思にはこの崇高な戦いもだ」
「イデか!」
 コスモがそれを聞いて言った。
「あの意思がか!」
「そうだ、あの意思はだ」
 どうかというのだ。
「この崇高な戦いも唯の醜い争いにしか映らなかったのだろう」
「随分とロマンチストだな。あんたは」
「全くよね」
 真吾とレミーが今のシヴァーの言葉に話す。
「戦争に崇高だの醜いだのってな」
「キザって言うかね」
「そんなこと言っても結局はな」
 キリーも言う。
「命の取り合いだからな」
「貴様程の男なら」
 ジェイも告げた。
「戦い以外の手段でこの星を導けた筈だ」
「そうやもな。しかしだ」
「しかしか」
「それももう遅い」
 こう言うシヴァーだった。
「最早な。そしてだ」
「そして。何だ」
「最早戦いは終わった」
 こう言ってだ。墜ちたガンエデンからだ。
 アルマナを出しだ。ルリアに送ったのだった。
 アルマナは光に包まれその中で眠っている。その彼女を受け取りだ。
「姫様、御無事で」
「行くがいい、バルマーの巫女よ」
 シヴァーはアルマナに対して告げた。
「その力、銀河の為に」
「シヴァー殿、貴女は」
「そして願わくばバルマーの民にもその加護を」
 こう告げたのを聞いてだ。バサラは言った。
「あんたの歌、確かに聴いたぜ」
「美だ」
 ガビルもだ。今はそれしか言えなかった。
「まさに美だった」
「シヴァー、御主は」
「さらばだ、バラン」
 友への最後の言葉だった。
「後は頼んだ」
「うむ、それではな」
「貴殿はこの星を救えたかも知れない」
 レーツェルも言葉を出した。
「だが。それでもだ」
「心無き力、それは」
 ゼンガーも言う。
「暴力でしかないのだ」
「共に生きる想いがあれば」
 ダイテツも今は沈痛な声だ。
「違う結末だっただろう」
「さらば、最後のガンエデン」
 ヴィレッタが告げる。
「これで完全に終わった」
「俺達はこれからは」
 リュウセイもだ。まるで鎮魂するかの如き顔だった。
「俺達の力で未来を切り開くんだ」
「その前に何があろうとも」
 トウマも言う。
「そうしていくんだ」
「では皆さん」
 シュウが最後に言う。
「この聖堂から去りましょう」
「ああ、それじゃあ」
「俺達はこれで」
「バルマーからも」
 こうしてだ。彼等は聖堂から去るのだった。そしてだ。
 その壊れゆく聖堂の中でだった。彼が出て来たのだ。
「どうやら」
 彼は言うのだった。龍の頭上から。
「僕のアシストも少しは役に立ったかな」
 こう言ってだ。そしてだった。
「霊帝ルアフ、それにシヴァー=ゴッツォ」
 彼等の名前も出す。
「まつろわぬ神は君達を見捨てた様だね」
 こう言ってだ。彼もそこから消えるのだった。
 そしてだ。地上に出たロンド=ベルは。
 隕石雨の中にいた。その状況は。
「だ、駄目だ!」
「このままではこの星が」
「持たないぞ!」
「早く脱出だ!」
「待って下さい!」
 ここでラクスが言う。
「まだこの星の人達が」
「えっ、いるのか!?」
「まさか」
「どうやら」
 このことにだ。ラクスは気付いたのだ。
「まだ残っているようです」
「くっ、ならばだ!」
 ベスがそれを聞いてすぐに言った。
「彼等も助けないと!」
「けれどこのままじゃ!」
「こっちも!」
「しかし、それでもだ!」
 ベスは既に決意していた。
「助けを必要とする人達は」
「その通りだ」
 大文字も言う、
「彼等を放っておくことは許されない!」
「各艦発進!」
 ブライトも指示を出した。
「可能な限りの人々を収容する!」
「了解です!」
「わかりました!」
 皆ブライトのその言葉に頷く。
「それならすぐに」
「できるだけ多くの人達を」
「その後の離脱は」
 ブライトはそのことも話した。
「各艦の判断に任せる!」
「よし!全員助けるぞ!」
「急げ!」
 皆それに動こうとする。だがここでだった。
 突如としてだ。何かが来た。それは。
「帝国軍!」
「くっ、こんなところで!」
「しかし!」
 それでもだった。今はだ。
「連中とことを構えている余裕はない!」
「それなら今は!」
「早くバルマーの市民達を!」
「助けるんだ!」
「応答を願う」
 その彼等にだった。
 ジュデッカ=ゴッツォの声だった。彼が言ってきたのだ。
「地球人達を」
「ジュデッカ=ゴッツォ、一体」
「何の用だ!」
「バルマーの民だが」
 彼等について話すのだった。
「こちらでも今収容中だ」
「えっ、まさか」
「じゃあ俺達とは」
「戦わない!?」
「何故我が同胞達を救う者達と戦う」
 これがジュデッカ=ゴッツォの言葉だった。見ればだ。
 七隻のヘルモーズもある。そして残っていたバルマーの軍もだ。
「その様な者はいない」
「じゃああんた達は」
「もう俺達とは」
「戦わない?」
「そうだ。戦いは終わった」
 こう言うのだった。
「全てはシヴァーの、いや宰相殿の考え通りだ」
「シヴァー=ゴッツォ、そんなことまで」
「あらかじめ手を打っていたっていうのか」
「あいつは」
「確かに道を誤った」
 バランが友のことを語る。
「だが。あ奴は純粋にだ」
「バルマーのことを考えていたんだな」
「そうしていたのか」
「そうだ。ではシヴァーの心受け取ろう」
 バランは確かな声で言った。
「そしてだ」
「残されたバルマーの人達を皆収容して」
「そのうえで」
「その間隕石雨は私が引き受けましょう」
 シュウが言った。
「このネオ=グランゾンで」
「やるっていうんだな」
「はい。戦いは終わりました」
 マサキはシュウにも応えて話す。
「それならです」
「じゃあその間にな」
「収容が終わりましたら」
 それならばだというのだ。
「また」
「また。何だ?」
「一つの運命が決するでしょう」 
 何故かこう言うシュウだった。その彼が隕石雨を止めている間にだ。バルマーの人たちは収容されだ。また一つの戦いが終わるのだった。バルマー帝国との戦いはだ。ここに完全に終わったのだった。


第百十七話   完


                                   2011・4・27  
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