スーパーロボット大戦パーフェクト 完結篇
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第八十七話 降臨!!ジェネシックガオガイガー
第八十七話 降臨!!ジェネシックガオガイガー
降臨!!ジェネシックガオガイガー
闇の中でだ。凱は自問していた。
「何故だ」
こう。己にだ。
「何故戦う。もう戦う意味も」
己に対して問い掛けていく。
「勇気ある誓いも。全て失われたというのに」
「ううん、それはね」
「違うわ」
その彼にだ。二人が答えてきた。
「何も失われてはいないよ」
「凱、貴方は一人ではないわ」
「護、命」
彼等だった。凱に語り掛けてきたのは。
「俺は・・・・・・」
「思い出して、凱兄ちゃん」
「そうよ」
二人の言葉は何処までも優しい。
「あの日のことを」
「皆で誓いを立てたあの日々を」
「凱兄ちゃんの信じた誓いは」
護はそのことを凱荷は為す。
「皆と一緒に戦った時は」
「あの時間は」
「無意味なものなんかじゃないんだ」
そうだというのである。
「絶対に」
「しかしあのカインが」
凱は護のその言葉を否定しようとする。
「あのカインが。俺に生命の力を与えてくれたカインが」
「信じて」
護の言葉には切実さもあった。
「三重連太陽系が昇華された時」
「あの時か」
「Gストーンはもがきあがく生命の力として造られたんだ」
「護・・・・・・」
「私に生きる希望を与えてくれた人」
命もだった。
「凱、貴方よ」
「命・・・・・・」
「僕はね」
護はまた彼に語り掛ける。
「生命を護る為に生まれてきたから」
「俺は」
そして凱は。自分から言った。
「生命を奪うものと戦う為に生きてきた」
「その凱を助ける為に」
命が言うのはこのことだった。
「私も生き続ける」
「だから」
護は。また凱荷は為した。
「戦う、凱兄ちゃん」
「護・・・・・・」
「本当の勇気を見つける為に」
「本当の勇気・・・・・・」
「ええ、一緒に戦いましょう」
命も護に続く。
「真実を探しに行こう」
「俺をまだ」
凱はその二人の言葉を聞いて呟いた。
「凱兄ちゃんにしかできないことなんだよ」
「俺にしか」
「そうよ、だって凱は」
命も護もだ。二人で言った。
「勇者なんだから!」
「俺をまだ」
その凱はだ。まだ立ち上がっていなかった。
「勇者と呼んでくれるのか。複製とはいえ」
「あの時だね」
「あの時のことを」
「そうだ。仲間達を救えなかったこの俺を」
「皆が自分の生命を犠牲してでも護ろうと思ったもの」
「それはね」
「凱兄ちゃんがね」
「貴方が皆に教えてあげたものなのよ」
「それは」
「勇気よ」
その言葉を聞くとだった。凱の心が遂に動いた。
そうしてだ。彼は言った。
「帰りたい」
「そうなんだね」
「帰りたいんだね」
「俺のいるべき場所へ」
そこへだと。彼は確かに言った。
「そして取り返したい」
「うん、そして」
「それは
「勇気ある誓いを」
それをだと言った。そしてだ。
それを聞いた護がだ。笑顔で彼に話した。
「勇気さえあればね」
「勇気さえあれば」
「奇跡だって起こせるよ」
「絶対に」
「クーラティオ」
まずは護と命だった。
「テネリタース」
「セクティオ」
「サルース」
そしてだ。遂に凱も。
「コクトゥーラ」
この言葉と共にであった。彼等を光が包み込み。何かが語り掛けてきた。
「再生の力を止めるもの。それは」
まずはだ。こう三人に告げるのだった。
「それは破壊の力」
「それがか」
「破壊の力がなんだね」
「破壊は新たなゼロへの希望」
それはだ。こう言うのだった。
「無限なる可能性への挑戦」
「まだ生きてるのね」
命が言った。その時だった。
「ガオオオン!」
「ギャレオン!?」
彼の咆哮が聞こえた。見れば彼もいた。
「ここは一体」
「Gクリスタル」
護が言う。
「ここは」
「Gクリスタル?」186
「かつて三重連太陽系が機界昇華された時」
話はそこにはじまるというのだ。
「緑の星の指導者カインは」
「カインが」
「あの人がなのね」
「最後の希望を託して遺産を遺していた。それが」
護はだ。こう二人に話した。
「ギャレオンなんだ」
「そうだったのね」
「ギャレオンもまた希望だったんだな」
「うん、それで」
護は二人にさらに話していく。
「機界昇華は終わり」
「そうして」
「あの連中がか」
「うん、三重連太陽系はソール十一遊星主による再生プログラムを始動したんだ」
ここで彼等の名前が出た。
「Zマスターに対してJ達、つまりソルダート師団率いるアーク艦隊があったように」
「そしてギャレオンも」
「あいつもまた」
「ギャレオンは遊星主に対するアンチプログラムなんだ」
このことをだ。護は今話した。
「そうだったんだ」
「Jと同じだったのか」
「うん」
凱にまた答えた。
「そうだったんだ」
「じゃあ」
ここで命も言う。
「ギャレオンは元々は」
「そうだよ」
「ゾンダー用に造られたのではなかったのね」
「Zマスターの侵攻が激しかったから」
護はまた話した。
「それで本来の目的とはね」
「違う使い方をしていたのね」
「そうだよ。だから」
それでだと。護の言葉は続く。
「僕達は呼ばれたんだよ」
「護君達が」
「ギャレオリア彗星の彼方にあるこの場所に」
今彼等が戦う。その戦場にだというのだ。
「そして」
「そして?」
「真実を知ったんだ」
「そうしてずっとだったのね」
命はここでまたあることがわかった。
「遊星主達と戦い続けていたのね」
「そうなんだ」
護はここでは申し訳なさそうな顔になった。
「ギャレオンを元のプログラムに戻す為に」
「護もか」
「うん、ここから動けなくて」
そしてだ。凱と命に謝るのだった。
「今まで御免なさい」
「いや、いい」
「それはね」
そしてだ。二人はその護を微笑んで許すのだった。そうしてだった。
「俺達はやっぱりな」
「間違ってなかったのね」
「間違ってなかったって?」
「護を信じて」
「それでね」
「凱兄ちゃん、命姉ちゃん・・・・・・」
護は今心から喜びを感じていた。最も信頼する二人にこう言われてだ。
それで感涙しそうになる。しかしだった。
「いや、間違いだ」
「!?」
「その声は!」
「外ではだ」
パルパレーパだった。彼が来て三人に言うのだった。
「貴様達の仲間がそろそろ最期を迎えようとしている」
「ソール十一遊星主!」
「こんなところまで!」
「僕を自由にしておいたのは」
護も厳しい顔になってパルパレーパに言う。
「この時の為だったんだね!」
「そうだ」
そしてだ。パルパレーパもその通りだというのだ。
「我等の原動力」
「それは」
「貴様等のGストーンを超えたラウドGストーン」
それだというのだ。
「その為だ」
「くっ、それで僕を」
「俺達をか!」
「だが」
しかしだった。ここでパルパレーパの言葉が変わった。
「唯一」
「唯一!?」
「というと一体」
「Gクリスタルの放つジェネシックオーラの前ではだ」
パルパレーパの言葉が続く。
「その力を失ってしまう」
「そうか、それでなんだ」
護はそこまで聞いて全てを理解した。
「Gクリスタルのエネルギーがギャレオンに充填される瞬間だけ」
「その時にか」
「そうなのね」
「うん、ジェネシックオーラの放出が止まる」
こうだ。凱と命に話した。
「だから」
「まさに今がだ」
パルパレーパが構えに入った。そして。
「Gクリスタル陥落の時だ!」
「くっ!」
「ソールウェーブ発射!」
その攻撃が放たれた。
「命!護!」
「凱!護君!」
「二人共ここは!」
三人はその衝撃に耐えながら言い合う。
「僕から離れちゃ駄目だよ!」
「ああ!」
「ここは!」
彼等も戦っていた。そしてだ。
ベースのあった宙域から後方に撤退したロンド=ベルはだ。追撃してきたレプリジンの大軍と対峙していた。その彼等の状況は。
「ちっ、何とかエネルギーとか弾薬は確保できたけれどな」
「ある程度以上持って来れたけれどね」
ビーチャとエルが話している。当然彼等も出撃している。
「これだけの数が相手だとな」
「ちょっと以上に辛いわね」
「何か正念場ばかりで」
「精神的にも辛いね」
モンドとイーノは疲れを感じてきていた。
「そろそろ終わりにしないと」
「もうもたないよ」
「ええ、それに」
ルーも今は眉を顰めさせている。
「凱さんのことも気になるし」
「信じるしかないだろ」
こう言ったのはジュドーだった。
「あの人がそう簡単に死ぬかよ」
「ああ、Gクリスタルもあるんだ」
見ればだ。それもあった。ルネが言ったのだ。何とか持って来られたのだ。
「まだ。やれるよ」
「いや、これは」
だが。Jがこう言うとだった。
「まさか」
「!?」
「これは!」
そのGクリスタルにだった。爆発が起こったのだ。
「Gクリスタルが!」
「くっ、やはり」
Jがその爆発を見て歯噛みする。
「遊星主に侵入されていたか」
「あら」
その彼らを見てだ。ピルナスが言うのだった。
「あちらを気にするなんて」
「そうですね」
アベルが応える。
「まだ余裕があるようね」
「流石はソルダート師団の生き残りです」
「貴様等・・・・・・」
「しかし貴方達はもう後がなく」
アベルの言葉には絶対のものが既にあった。
「一方の我々は無傷です」
「だからかよ」
「勝つっていうのね」
「そうです」
まさにそうだとだ。ロンド=ベルの面々にも答えるのだった。
「遠慮なく止めを刺して差し上げましょう」
「まだだ!」
「そうだ、まだだ!」
しかしだった。彼等は戦おうとする。無論J。
「トモロ!いいな!」
「了解」
「全砲門開け!」
こう命じるのだった。
「反撃するぞ!」
「そうはさせません」
しかしだった。アベルはここでまた言うのだった。
「アルマ、Jジュエル凍結コマンド」
「・・・・・・・・・」
捕らえている戒道に告げるとだった。それでだった。
Gストーンが輝きだ。Jの戦艦は。
「何だ!?何が起きているんだ!?」
「Jジュエルのパワーが失われていく」
「何だって!?」
「まさか、奴等」
ジェイアークの動きが止まる。それを見てだ。
「ではピア=デケム」
「とどめだよ!」
ピア=デケムがアベルとピルナスの言葉に応えて戦艦を動かしだ。ジェイアークを撃つのだった。
「くっ!」
「まずい、このままじゃ!」
「赤の星の主である私に本気で勝てると思っていたのですか、J002?」
アベルはこう重傷を負ったJに告げた。
「アルマの調整に時間を要しましたが」
「アルマのか」
「はい、ジェイジュエルを制御した事でプロテクトも解除しました」
「くっ、アルマをよくも」
「さあ、ジェイアーク」
アベルは今度はトモロを見ていた。
「トモロ0117を改造し御前を我等の戦力に加えてあげましょう」
だがここでだ。そもトモロが言うのだった。
「J]
「どうした、トモロ」
「Gクリスタルより」
彼もまたダメージを受けながらも言っていた。
「Gパワー」
「Gパワーが!?」
「どうした!?」
Jだけでなくルネも問う。
「一体」
「何が」
「反応あり」
「何っ!?」
「それは!?」
するとだった。戦場にだ。176
緑の光の球がだ。出たのだった。
「あの緑の光は!?」
「護!?」
「無事だったのかよ!」
皆彼も出て来たのを見て思わず叫んだ。
「心配したんだぞ!」
「今まで一体何処に」
「話は後で!」
今はその余裕はないというのだった。
「それよりもあの光は」
「・・・・・・・・・」
「あれは!?」
カインだった。その中にいたのは。
「父さん!?いや、違う!」
「行け!」
そしてだ。パルパレーパも出て来たのだった。
「その力我等のものに!」
「手前またかよ!」
「今度は何しようっていうの!」
「フュージョンだ!」
今度はギャレオンを出してだ。命じるのだった。
「そして今こそだ!あの者達を全て!」
「くっ!ガオファイガーでかよ!」
「私達を!」
「さあ、死ぬのだ!」
彼もまた自分達の勝利を口にした。しかしだった。
その時。勇者が現れた。
「そうはさせない!」
「むうっ!?」
「あれは」
その彼はだ。まさしく。
「凱!」
「やっぱり生きていたのかよ!」
「本当に!」
「ああ、皆済まなかった」
その凱がだ。今戦場に現れたのだ。既にあの黄金の鎧を身にまとっている。
「だが俺はもう!」
「よし!凱が戻って来たぞ!」
「もうこれで勝った!」
「凱が戻ってきて」
「もう負ける筈がない!」
「ギャレオンは知ってるんだ!」
護もこで叫んだ。
「本当の勇者を!」
「馬鹿な!」
ここで叫んだのはパルパレーパだった。
「ケミカルボルトから開放される肉体なぞ」
「そうだね、これは」
「一体」
「有り得ない!」
「勇気ある誓いがだ!」
凱は驚くパルパレーパ達に対して言い返す。
「肉体の常識を超えたんだ!」
「凱・・・・・・」
「凱兄ちゃん・・・・・・」
「命、護」
凱は二人に対しても言った。
「有り難う」
「いいえ、私の方こそ」
「よく戻って来てくれたよ」
二人にとってもだ。こう言うべきことであった。
「凱、よく本当に」
「また」
「もう大丈夫だ!」
凱はまた叫んだ。そうしてだった。
「ジェネシックオーラ!」
「!!」
「光が!」
Jとルネがそれを見て叫んだ。
「何が起こる」
「一体」
「うおおおおおおおっ!!」
光が放たれだった。カインの緑の球を退けたのだった。
その凱にだ。Jが言ってきた。
「獅子王凱よ」
「Jか」
「うむ、復活したようだな」
「ああ、俺はもう迷わない」
こう彼に返す凱だった。
「敵が何であろうと」
「ソール十一遊星主であろうともだな」
「俺がエヴォリューダーであることが」
それこそがだと。彼は言うのだった。
「勇気そのものの証なのだから」
「やはり」
ここでだ。パルパレーパが言った。
「創造主と破壊神は相容れぬ運命」
「自分達が神様だってのか」
「そう言うのね」
「そうだ」
パルパレーパはこうロンド=ベルの面々に返した。
「我々は神だ」
「この言葉また聞いたな」
「っていうか何度目だよ」
「自分を神だっていう奴」
「シャピロといいポセイダルといい」
「もう幾らでもいるよな」
「全く」
彼等にとってはだ。まさに聞き飽きた言葉だった。
しかしだ。パルパレーパは傲然とした言い切るのだった。
「神だけが創造を行うことができる。我等の太陽系もだ」
「違う!」
凱もまた。そのパルパレーパに対して言い返した。
「それは傲慢だ!」
「傲慢だというのか」
「そうだ。自分達のエゴを優先させ」
こうパルパレーパにまた言う。
「そしてだ!」
「そしてだというのか」
「他の者達の存在を消し去る!それこそが傲慢だ!」
「やはり貴様は」
パルパレーパはその凱の言葉を受けてまた言った。
「破壊神なのか」
「違う!俺は神じゃない!」
凱はだ。それを否定した。
「俺はだ!」
「何だというのだ」
「今それを見せてやる!」
こう叫んでだ。そうして。
「ギャレオーーーーーーーーン!!」
「ガオオオオオオン!」
彼を呼び。そして。
「フュゥゥゥジョォォォォン!!」
「ガオファイガーか!?」
「いや、違う!」
「あれは!」
「ガイガァァァァァァッ!!」
様々なものが凱の周りを取り囲み台風の如く動き回りだ。そうして。
全てが合体した時。そこにあったのは。
「ガオファイガーじゃないぞ」
「あれは一体」
「何だ、あれは」
「今度の凱は」
「凱兄ちゃんは」
護がここで驚くロンド=ベルの面々に話した。
「勇者はGクリスタルのエネルギーを得た」
「そのエネルギーを得て」
「そうしてなのか」
「あの姿に」
「新生ギャレオンとフュージョンして」
どうなったのかを。今話すのだった。
「新たなる能力を秘めた」
「それは!?」
「その存在が」
「あれか!」
「そう、ジェネシックガイガー!」
黒と金の。まさに獣の中の獣を思わせる姿のその新たな姿を見ての言葉だった。
「それになったんだ!」
「ジェネシックガイガー」
「あれが」
「何か凄いオーラ」
「ああ、感じるな」
「凄いな、これは」
実際に凱もこう言うのだった。
「エネルギーが身体中にみなぎるぜ」
「新しいガイガーだな」
「それこそが」
「そう、そして」
護はまた彼等に言う。
「あれが本物のガイガーなんだ!」
「護!」
その凱が護に言ってきた。
「命を頼んだぞ!」
「うん!」
「よかった、凱・・・・・・」
命は涙さえ流していた。彼の今を見てだ。
そうしてだった。護は命を連れて後ろに下がっていく。また戦いがはじまろうとしていた。
「おのれ!」
「命、いいか」
「ええ、凱」
彼は今は自分に迫るアベル、赤い球体を見ながら命と話していた。
「後でゆっくりと話がしたい」
「後でね」
「そう、後でだ」
必ず帰って来るというのである。
「待っていてくれ」
「うん、それじゃあ」
「よし!それなら!」
「うおおおおおおおおおっ!」
その拳を赤い球体に繰り出す。すると。
「うっ!」
「これまでとは違う!」
こうアベルに言う凱だった。
「俺はもう!」
「何という強さか」
「蘇ったようだな」
ここでJも言った。
「貴様等の天敵が」
「そうだね」
Jの言葉にルネが頷く。
「熱いね」
「熱いか」
「ああ、身体も心も」
彼女は笑顔になっていた。凱の復活と新生がそうさせていたのだ。
そしてだ。アベルは。
「ここは」
「どうするのだ」
「ソールウェーブを集中させるのです」
こうパルパレーパに告げるのだった。
「出力はこちらが上です」
「わかった、それではだ」
「御願いします」
「ケミカルフュージョン!」
彼も変身した。あの姿にだ。
「パルパレーパ」
「来たか!」
「ソールウェーブ発射!」
彼はすぐにそれを放った。そうしてだ。
ジェネシックガイガーを撃つ。今度は凱が退いた。
「くっ!」
「凱!」
「大丈夫か!」
仲間達が彼に叫んだ。
「いけるか」
「どうなんだ!?」
「再生の力を止めるもの」
ここでだ。何処からか声がしてきた。
「それは破壊の力」
「!?この声は」
「一体」
「今度は誰だ!?」
「誰なんだ?」
「破壊は新たなゼロへの希望」
声はだ。驚くロンド=ベルの面々をよそに言い続けてきた。
「無限なる可能性への挑戦」
「そう、それなら」
そこまで聞いてだ。命が言った。
「私も」
「命姉ちゃん!?」
「凱を、護君を、皆を!」
彼女がだ。ボタンにその拳を叩き付けた。
「ジェネシックドラーーーーイブ!」
「来た!」
「それが!」
「今こそ!」
そうしてだった、凱のその周りにエネルギーが広がり。
さらに多くのものが合わさってだ。さらに雄雄しく猛々しい姿になりだ。それは。
「あれは!?」
「あれこそが」
「そう、あれは」
ここでまた言う護だった。
「最強の破壊神」
「あれがか」
「あれがなのか」
「その最強の破壊神」
「あれこそが」
「勇気の究極なる姿」
それだとだ。護はロンド=ベルの面々に話していく。
「僕達が辿り着いた大いなる遺産」
「それか」
「あれが今の」
「そう、その名は」
名前をだ。護が叫んだ。
「ジェネシックガオガイガー!!」
「うおおおおおおおっ!!」
凱がだ。今ソール十一遊星主に叫んでだ。
攻撃を繰り出し。そうして言った。
「俺は貴様等を破壊する!」
「そうなれば」
アベルも彼の言葉を受けて言う。
「我々もです」
「どうするってんだ、今度は!」
「姑息な手ばかり使って!」
ロンド=ベルの面々が彼に言う。
「だがな、もうな!」
「負けないからな!」
「暗黒物質の回収に使っていた」
それをだというアベルだった。
「パスキューマシンの力を使わなければ」
「パスキューマシン!?」
「それは何だってんだ?」
「止められないようですね」
こう言ってだった。アベルは。
「ジェネシック!」
こう叫んだ。そしてだ。
「ピサノール!」
「・・・・・・・・・」
「その力を我等の為に解放しなさい!」
「!?ピサノール!?」
「ピサノールって何だ!?」
「一体」
ロンド=ベルの面々がいぶかしむとだった。不意に。
太陽がだ。急に熱と輝きを強くしたのであった。
「太陽が!?」
「ルネ、違う!」
Jがそのルネに言う。
「あれは太陽ではない」
「何だって!?」
「あれこそがだ」
そしてだ。彼はこう話すのだった。
「再生マシン、ピサノールの本体だ!」
「再生マシン!?」
「そうさ」
ピルナスが妖しい笑みで話してきた。
「ピサノールの光ある限り」
「何だってんだ!?」
「それで」
「私達は死なないのさ」
こう言うのだった。そしてだ。
光の中でだ。これまで以上の大軍が出て来たのだった。
「数にして一千万です」
「それだけいマス」
命とスワンが言ってきた。
「おそらく。あれだけじゃないです」
「他にも来マス」
「いや、大丈夫だ」
しかし凱はこう言った。
「無限に再生されるならだ」
「そうだよな」
「幾ら蘇ってきても」
「俺達は」
ロンド=ベルの面々も言う。
「それでもだよ」
「構うものか!」
「もうな!」
「ここまで来たら!」
「俺達はそれを破壊し続けるだけだ!」
凱がまた叫んだ。
「幾らでもな!」
「無駄なことを」
「無駄なんかじゃない!」
護がそのアベルに返した。
「絶対にやれるんだ!今の凱兄ちゃん達なら!」
「ジェネシックオーラの無限波動は」
また言う凱だった。
「貴様等の存在を許しはしない!」
「現実を直視するのです」
だがアベルの言葉は冷たいものだった。
「ジェネシックよ」
「限りある生命しか持たぬ者達よ」
そしてパルパレーパもまた。
「不死身の我等とどう戦う?」
「勝利をこの手に掴むまで!」
だが凱も皆もだった。
「俺の勇気は死なない!」
「俺達だってな!」
「何があってもな!」
「死ぬものか!」
「絶対に!」
「悲しき破壊神」
凱のことに他ならない。
「無駄なことを」
「無駄ではない!」
「何っ!?」
大河の声だった。そうしてだ。
パピヨンもだ。モニターに出て来て言うのだった。
「間に合いましたね」
「パピヨン!」
「凱さん、よくぞ」
「ああ、パピヨンもだな」
「はい、それでは皆さん」
「はい!」
ボルフォッグだった。彼が最初だった。
「復活です!」
「遅れてすいません!」
「けれど何とか!」
「まだはじまっていないか」
「本当にぎりぎりだったようだな」
氷竜に炎竜、風龍に雷龍だった。
「そうね」
「よかったです」
光竜に闇竜だった。
「もう許さないもんねーーーーーーーー!!」
「これまでの借り返してやるぜ!」
マイクとゴルディマーグもいた。全員であった。
「GGG全員復活です!」
「ああ、よく戻ってきてくれた!」
凱がボルフォッグに笑顔で応える。
「これで完全に勝てる!」
「我々は」
ここで大河がアベル達に言ってきた。
「君達にだ」
「私達に」
「何だというのだ」
「その勇気を試された」
そうだというのである。
「パレッス粒子で神経を侵され」
「あれで終わる筈だった」
パルパレーパの言葉だ。
「完全にだ」
「平和を望む心を利用された」
大河の言葉はまだ続いていた。
「戦うことだけが勇気ではない」
そうだとも言う。
「だが」
「だが、ですか」
「そこでさらに言うのか」
「そうだ、戦わざることも」
こう言うのであった。
「勇気とは言えない!」
「ああ、そうだ!」
「それがわかっているから!」
「俺達も!」
「ここに!」
「諸君!」
声をあげたロンド=ベルの面々にも話していた。
「今ここに宣言しよう!」
「ああ!」
「今こそな!」
「それを!」
「我々は戦う!」
これが大河の宣言だった。
「それが我々の信じた勇気の誓いである以上」
「それ以上はな!」
「絶対にな!」
「戦う!」
「何があっても!」
「そうだ!」
その通りだと言ってだった。最後の言葉は。
「生命ある限り!」
「おい、いいな!」
火麻もいた。いつもの彼だった。
「最強勇者ロボ軍団!」
「はい!」
「行くんだな!」
「ああ、そうだ!」
こう彼等に言ってだった。
「出撃!」
「全軍攻撃開始!」
「攻撃目標ソール十一遊星主!」
こうロンド=ベルの面々も次々に言っていく。
「そしてだ!」
「勝利を我が手に!」
こうしてであった。遂に決戦がはじまるのだった。
ロンド=ベルは全軍でその一千万の大軍に向かう。パルパレーパがその彼等を見てだ。これまで通りの態度でこう言うのだった。
「そうだ、それでいい」
「そうですね」
アベルもそれに応える。
「弱過ぎてはです」
「倒すに値しない」
「ではここは」
アベルが同胞達に告げてきた。
「まずは様子を見ましょう」
「うむ、それではな」
「今はね」
こうしてだった。ソール十一遊星主達は今は姿を隠したのだった。
戦いがはじまろうとしていた。その中でだ。
「行くぞ、女」
「ああ」
ルネがだ。ジェイアークの中でJに応えていた。
「この船でね」
「無理ならばだ」
Jはこうルネに言うのだった。
「ジェイアークから降りるよ」
「いや、いけるよ」
「大丈夫なのか」
「あんたと同じだよ」
不敵に笑ってだ。こう彼に言うのであった。
「J、あんたとね」
「そう言うのか」
「そうさ。だからね」
「女、いやルネよ」
「行くよ」
ルネの方からの言葉だった。
「あたし達はまだ負けちゃいないよ」
「うむ、その通りだ」
「無駄な真似を」
ここでまた言うアベルだった。
「アルマによってJジュエルの力を凍結した今」
「そのことか」
「そうです。何が出来るのです?」
「簡単なことだ」
「簡単だと」
「そうだ、御前達を倒しだ」
こうアベルに返すJだった。
「そのうえでJジュエルの凍結を解き」
「そうして?」
「アルマを取り返すだけだ」
「言葉では簡単ですが」
「そうしてみせる!」
「あたし達がね!」
Jとルネが今炎になった。そうしてだった。
「一斉射撃!」
「了解」
トモロが応える。そのうえで一斉射撃が繰り出される。
それが合図となってだ。両軍の戦いがはじまったのだった。
戦いがはじまってだ。一時間程した時だった。
「随分減らしたよな」
「ああ、もうな」
「十分の一位にまではやったな」
ケーンにタップとライトが話す。
「派手にやったからなあ」
「そうだな。俺達頑張ったな」
「ああ、しかしここでなんだよなあ」
「その通りです」
ルリが出て来て三人に言ってきた。
「レーダーに反応です」
「よし来た!」
「来たけれど全然嬉しくないぜ!」
「全くだね、こりゃ」
三人は呆れながら言う。
「しかしそれでも」
「ここはな」
「踏ん張りどころだね」
「はい、御願いします」
そしてだ。ルリはこう言った。
「根性です」
「根性って」
「ルリルリがその言葉出すのね」
メグミとハルカが今のルリの言葉に少し驚いていた。
「何か変わりましたね、ルリちゃんも」
「それもかなりね」
「皆さんのお陰です」
ルリは微笑んでこう言うのだった。
「だからです」
「今は凱さんを見て」
「それでなのね」
「あの人は絶対にやってくれます」
彼への信頼をだ。ここで見せてだった。そのうえでだった。ユリカに言うのであった。
「では艦長」
「はい、ナデシコもですね」
「前に出ましょう」
「わかりました。それなら」
「総攻撃です」
敵がどれだけようともだった。彼等も引かない。そしてだった。
「ドリルニーーーーーーーーーーーーッ!!」
凱がだ。その攻撃をパルパレーパに直撃させた。それでだ。
パルパレーパは爆発しながら大きく吹き飛んだ。それを見てだった。
「やったか!?」
「これで!」
皆勝ったかと思った。しかしであった。
「まだだ!」
「くそっ、まだ死なねえか!」
「しぶとい!」
「パルパレーパ=プラジュナー!」
こう叫んでだった。彼は復元するのだった。
「まさか」
それを見てだ。凱も言う。
「さらにパワーアップしたのか!?」
「教えてやろう」
パルパレーパがだ。凱荷言うのである。
「貴様等には生きる資格なぞないことを!」
「黙れ!」
「そんな台詞これまで飽きるまで聞いたぜ!」
「理屈もな!」
誰もがすぐに言い返す。
「手前如きにな!」
「俺達の命についてとやかくな!」
「言われてたまるか!」
「俺達はだ!」
そしてだ。彼等は言うのであった。
「今この瞬間も生きている!」
「それを誰かが認めない!」
「そんなのはね!」
「間違ってるのよ!」
「生きる資格」
そして凱であった。
「それはもがきあがくことでだ」
「どうだというのだ、それで」
「勝ち取るものだ!」
そうしたものだというのである。
「それが生きる資格だ!」
「ならばだ」
パルパレーパは何を言われても変わらない。
「創造主たる我々が」
「神がか!」
「そうだ。神がだ」
まさしくだ。己をそれだと言ってであった。
「それを教えてやろう!」
「また倒してやる!パルパレーパ!」
「破壊神よ」
その凱に他ならない。
「いや滅びを呼ぶ悪魔よ!」
「悪魔か!この俺が!」
「神に逆らう者こそが悪魔」
それでだというのだ。
「その悪魔こそが貴様だ!」
「上等だ!」
凱はその誹りを正面から受け下がらなかった。
「ならこの悪魔が神を倒す!」
「去れ!」
戦いはまだ続く。それはさらに激しくなっていくのであった。
第八十七話 完
2011・1・4
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