自由の灯り
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第六話
「せい!てやぁ!虎牙破斬!!」
時刻は朝の7時を過ぎ、ほとんどのメンバーが目覚める中、ディアは今日の勝負に備え特訓をしていた。
特訓をしていたディアの元にまだ眠そうに目を擦っているカノンノとアンジュが甲板に入ってきた。
「ふぁ~~ディアおはよう~~~」
「早いわね、一人で特訓?」
ディアは一旦動きを止めて昨日の話をすると、二人は驚きながらディアを見た。
「僕は絶対に負けられないんだ!」
「・・・わかったわ、何人かに特訓を手伝うよう連絡するね、必ず勝ってね」
ディアの意思を感じたアンジュはアドリビトムのメンバーに協力を頼むため甲板を出ると、カノンノはディアの特訓を手伝うため、甲板に残った。
二人が特訓を始めてから、1時間が経つとエミルとルカ、イリアがお弁当を持って甲板に入ってきた。
「話はアンジュさんから聞いたよ、僕じゃ力になれないかもしれないけど手伝うよ」
「僕も手伝うよ」
「はぁ~~だるいけど手伝うわ、そのかわり今度何かおごりなさい」
ディアは三人にお礼を言うと、五人で特訓を始めた。
「おらぁ!もっと間合いを詰めろ!一対一じゃ仲間は頼れねえぞ!」
「離れたら、接近されないうちに魔術を放つんだ」
エミルとルカとの戦闘を繰り広げるディアを見ていたイリアが一言。
「ていうか、あんたも銃を使ってみない?結構便利よ」
「危ないと思うけど、ディアなら大丈夫だよ」
イリアは余っている拳銃を二丁ディアに渡すと、ディアたちはまず拳銃の使い方から始めた。
午後2時になり、拳銃と双剣の特訓を終えたディアたちはヴェントが待つコンフェイト大森林に向かった。
「・・・来たか」
ヴェントは拳に装備を付け戦闘態勢をとると、ディアも鞘から双剣を抜き戦闘態勢をとる。
「魔神剣!!」
「おせえよ!魔神拳!」
ヴェントはディアの魔神剣をサイドステップでかわすと、拳を振るいディアの魔神剣よりも数段速く威力がある衝撃波を放ち、ディアを吹き飛ばす。
「うわぁぁ!」
「ディア!!」
カノンノが飛び出そうとするのを三人が止めてカノンノは両手を握りながらディアを見守った。
吹き飛ばされたディアは素早く起き上がると、双剣を鞘にしまい双銃を取りだす。
「ていや!」
「っち!!」」
「逃がさない!ツインバレット!セッシブバレット!スライディングバレット!!」
「ぐ!!」
素早い切り替えに、ヴェントは反応が遅れると、ディアは弾丸を何発も撃ち込む連携を放ち、ヴェントを捕らえると、怯んだ隙に拳銃を一丁空中に投げ空いた手に剣を持つ。
「吹き飛べ!獅子戦吼!!」
「ぐはぁぁぁ!」
ディアは剣を地面に突き刺し、ヴェントに向かって膝蹴りを放つと、獅子の闘気が現れヴェントを後方に吹き飛ばすと、空中に投げた拳銃をキャッチする。
しかしヴェントは空中で回転すると地面に着地し魔術の詠唱に入る。
「鋭き風よ・・・ウインドカッター!」
ディアは素早く風の刃をかわすと先ほどまで目の前の場所に居たヴェントがいなくなっていたので、ヴェントを探す。
「だから遅いっていってるだろ、速さで俺は誰にも負けたことが無いんだよ」
ヴェントはいつの間にかディアの後ろに回り込んでおり、ディアの腹を殴るとそのまま連撃を繰り出す。
「三散華!連牙弾!」
ディアはそのまま吹き飛ばされると、ヴェントが追い打ちをかけるため空中に高く跳躍すると、そのままディアに向かって急降下する。
「飛天翔駆!!」
「うぐぁぁあ!!!」
ヴェントはディアから離れると、ディアを見ながら言う
「これでわかったろ、お前じゃ俺を倒せねえ、諦め「まだだ!」・・・っ」
息を切らしながら、立ち上がるディアを見たヴェントは舌打ちをすると、急に赤い闘気がヴェントの回りを囲むと叫ぶ。
「何なんだよ!お前は!!あいつみたいに諦めないのが、一番気にくわないんだよ!・・・このレディアント・ドライブで完全に叩きのめす!」
レディアント・ドライブを発動させたヴェントを前にディアは怯まず、双剣で攻撃をする。
「瞬刃剣!」
「ふん、おらぁ!」
「ごふぅ!!」
ヴェントは今までとは桁違いに強くディアの腹を殴ると、ディアの頭を掴み木に向かって投げ飛ばす。
ディアは空中では身動きがとれず背中を強打すると、ヴェントは魔術の詠唱を始める。
「サイクロン!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
魔術の詠唱を始めたと思ったら無詠唱で放った上級魔術をディアはかわすこともできず、吹き飛ばされる。
「ウインドカッター!!ウインドエッジ!!!」
「ぐぅぅぅ!!」
「ディア!ディア!!」
あまりにも圧倒的力の差でディアはヴェントの攻撃を喰らっていると、ついに体に力が入らなくなりそれにあわせるかのようにヴェントのレディアント・ドライブも消える。
「終わりだ・・・」
(もう駄目だ・・・・力・・・が入ら・ない)
ディアは動けずこのまま気絶しそうになるとカノンノがディアに向かって叫ぶ。
「ディア!諦めないで!皆で一緒に特訓したのを思い出して!」
カノンノの叫びでディアの体に再び力が宿り、エミルとルカ、イリアそしてカノンノとの特訓が脳裏に浮かばれると、再び立ち上がりヴェントは驚きながらディアを見た。
「そ・・そうだ・ここで負けたら・・・皆の思いが無駄になっちゃう・・・そんなの・・・そんなの駄目だぁぁ!!」
ディアの体に青色の闘気が現れると、ディアは自分の力が何倍になも膨れ上がるのを感じた。
「ヴェント・・・君は逃げてるんだよ!」
「!俺が・・・・逃げてる」
「そうだよ!!」
「だ、黙れ!!!魔神拳!!」
ヴェントは叫ぶと、ディアに向かって魔神拳を放つが、ディアはヴェントの魔神拳をかわさず体で受け止める。
「君は親友の死が受け入れることができないって理由を作って、皆から逃げてるだけだよ!!」
「黙れって言ってんだよ!!」
「黙らないよ!君の親友は本当にそんな君を望んでるの!!!」
ディアの叫びにヴェントは歯をギリッと噛むと、そのままディアに向かって突進する。
「うあぁぁぁぁ!!」
「そんなに悲しそうな君を見たら、きっと君の親友は君を助けるよ、僕ならそうする!だから僕が君を助ける、絶対に!」
「!!ルシフェル・・・」
ヴェントは動きを止めてディアを見ると、ディアはヴェントに微笑み、剣を一本にすると目を瞑り両手で剣を持つ。
ディアの構えを見たエミルは微笑みディアに向かって叫ぶ。
「ディア!君なら必ず使える!だから絶対に勝って!!」
「(この力があれば使える!)ここで決める!そして君を助ける!ヴェント!!」
ディアは目を開くと、ヴェントに突撃し目にも見えない速さでヴェントを斬りつける。
「これで止めだ!魔王獄炎波!!!」
「うぐぁぁぁぁぁぁぁ!!」
止めにヴェントの後ろに回り込むとディアは地面に向かって剣を叩き紅蓮の炎の柱がヴェントを包み込み、ヴェントは意識を失った。
ディアの青色の闘気も消えると、ディアの体力が一気に無くなり、地面に倒れる。
「はぁ・・・・はぁ・か・・勝った」
そう呟くとディアの意識も闇の中に落ちた。
続く
後書き
ついにヴェント戦が終わった~前回の話を合わせて考えるのに一週間かかりました
これからもよろしくお願いします
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