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スーパーロボット大戦パーフェクト 完結篇

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第一話 新たな敵軍

                 第一話 新たな敵軍

バルマー帝国銀河辺境方面軍壊滅の話はすぐに帝国本土にも届いた。霊帝ルアフはそれを宰相であるシヴァー=ゴッツォから聞いていた。
「そう、マーグもロゼも」
「地球人に投降しました」
シヴァーはこのこともルアフに報告した。
「そしてロンド=ベルに入りました」
「そうか」
「そして処罰は」
「ああ、いいよ」
それはいいというマーグだった。
「彼等の一族やギシン家に対してだね」
「はい、それは」
「それについては不問にするよ」
こう言うのだった。
「彼等には何の興味もないからね」
「左様ですか」
「うん。それでだけれど」
「はい、それでは」
「地球には別の軍を送るとしようか」
「ではどの軍にしますか」
「そうだね。地球に近いし」
まずはそこから述べるルアフだった。
「外銀河方面軍にしようかな」
「彼等にですか」
「うん、君の息子に行ってもらうよ」
ここで思わせぶりにシヴァーの仮面を見てきた。
「それでどうかな」
「わかりました、それでは」
「そうしよう。それでね」
「すぐにですか」
「そう、すぐに向かわせよう」
ルアフは決定は迅速だった。
「そういうことでね」
「はい、それでは」
「そして後は」
ルアフの言葉は続く。
「反乱を起こしたボアザンやキャンベラには」
「兵を向けますか」
「そうだね、彼等にも兵を送ることを考えておこう」
「わかりました、そして」
「バックフランも来ているし宇宙怪獣もいる」
そうした勢力のことも頭の中に入れていた。
「彼等に対してはこの帝都の護りを固めたうえで」
「本土防衛軍をですね」
「彼等を集結させとしよう」
「わかりました」
「敵が増えたね」
ルアフはまた言った。
「ここに来て」
「宇宙怪獣は元からですが」
「うん、問題はバックフランだ」
「あの者達は他の銀河から来ております」
「彼等はこの帝星に迫ろうとしているけれど」
「引きつけますか」
「そうするとするかな」
何処か他人事の言葉だった。
「その方が確実だね」
「それでは」
「さて、それじゃあね」
ルアフは軽い調子での言葉を続けていく。
「僕はまた瞑想に入るよ」
「それでは」
こうして彼等の話は終わった。そして地球では。ロンド=ベルはセダンに戻り休息を楽しんでいたのであった。
その中でだ。皆プールの中にいた。そこにはロゼもいる。
「うわ、ロゼさんって」
「スタイルもかなり」
「いいんですね」
「そ、そうですか?」
それを言われて困った顔になるロゼだった。見れば彼女はダークブルーの競泳水着である。シンプルだが体型ははっきりと出ている。
「そんなに」
「いいって」
「そうよね」
「それもかなりね」
これが彼等の感想だった。
「スタイルいいし」
「背も高めたし」
「おまけに凄い美人」
皆でロゼを褒める。
「それじゃあ本当にね」
「マーグさんが羨ましいっていうか」
「確かに」
「いや、私の方こそ」
ここでマーグも出て来て皆に話してきた。
「ロゼが傍にいてくれて本当に勿体無いと思っている」
「私の方こそです」
負けずといった感じでロゼも言うのだった。
「司令、いえマーグ様が一緒にいてくれるだけで」
「うわ、顔が真っ赤」
「そこまで嬉しいんだ」
「本当に」
皆それを聞いて言うのだった。
「これはもう入る隙がないっていうか」
「それは」
「確かに」
こう言うしかなかった。誰もがだ。
「マーグさんとロゼさんってね」
「色々あって結ばれたし」
「幸せになって欲しいし」
「そうよね」
「私は今とても幸せだよ」
そして今言ったのはやはりマーグだった。
「本当に。ロゼもいてくれてマーズもいてくれて」
「何時の間にかロゼさんが第一に来てるし」
「そうよね」
「もうおのろけ」
「いいではないか」
ナタルも来た。彼女は黒のワンピースだ。腰にはパレオがある。パレオも水着と同じ黒でありガードは固い感じだ。
「それは」
「いいんですか?」
「あのままで」
「純愛はいい」
そのナタルの言葉である。
「だからだ。いいのだ」
「それでなんですか」
「いいんですね」
「そうだ、いい」
また言うのであった。
「とにかくだ。誰もが幸せになればいい」
「何かナタルさんって最近優しくなった?」
「そうよね、それもかなり」
「何でかしら」
「私も変わったのだ」
そうだというのである。
「ここにいる間にだ」
「ロンド=ベルにいてですか」
「それでなんですか」
「そうだ。確かに私はだ」
自分で自分のことを言う。
「堅苦しい女だが」
「最近それも変わりましたよ」
「かなり」
このことにも突込みが入る。
「柔らかくなったし」
「可愛くなった?それに」
「そうだよな」
「可愛いというのか」
ナタルはこの言葉には意外な顔になった。
「私がか」
「性格がですね」
「可愛いですよ」
「そうそう」
「可愛いと言われたのはここに入ってからだった」
彼女にしてもそうだったのである。
「意外だ。だが」
「だが?」
「それで」
「悪い気はしないな」
微笑んでの言葉だった。
「そう言われてもな」
「そうなんですか」
「やっぱり変わりましたよ」
「もう最初の頃なんか凄く厳しい感じで」
「未沙さん二号って感じで」
「おい、待て」
柿崎がここで皆に言う。
「本人がいたらな」
「いないですよ」
マックスがここで彼に言ってきた。
「今日はミリアと街に出ています」
「そうなのか」
「ええ、ミリアはお供で」
「旦那の御前はここか」
「本当はミリアと来たかったんですけれどね」
ここでは苦い笑顔になるマックスだった。
「それがですね」
「早瀬大尉って押しも強いしなあ」
「あの人だけは変わらないし」
「もうミス生真面目」
ここまで言われるのだった。
「鉄の女っていうか」
「そんな人がまた来たかって思ったら」
「それが違うから」
「よかったよかった」
「だから私も変わった」
そうだというのである。
「ここに来てからだ」
「そっくりな人も多いですしね」
「ナタルさんは特に」
「ミスマル大佐にしても」
彼女がまず挙げられた。
「あとフィルちゃんにフレイちゃんにステラちゃん」
「もう何人でも」
「そういう相手がいるのも有難い」
ナタルもそのことはまんざらではなかった。
「実際な」
「そうだな。やっぱり似ている相手がいるのは嬉しいことだ」
アムロは微笑みながら話しつつ述べた。
「そういえばロゼは何か」
「はい?」
「フラウに雰囲気が似てるな」
「そういえばそうだな」
ブライトも彼のその言葉に応えた。
「思い出すな、彼女を」
「っていうか雰囲気とか感じがな」
「そっくりだよね」
カイとハヤトも言う。
「それにどうも」
「ファーラ姫にも」
「そうですね」
白いビキニのファーラまで出て来た。彼女も立派なプロポーションである。
「私もそう思います」
「私達って確かに」
ロゼもまたファーラに応える。
「似ていますよね」
「そういう方が入られて私も嬉しいです」
実際にそのことを喜んでいるファーラだった。
「これからも宜しく御願いします」
「はい、それでは」
二人の間に友情ができた。それは友情をさらに超えたものがあった。それだけ深い絆をもう作り上げてしまったのである。
そしてだ。数日後だった。もう来たのであった。
「あの刻印からか」
「そうです」
セイラがリュウに応える。
「来ました、遂にです」
「バルマーも素早いな」
「ああ。じゃあ行くか」
それを聞いてまず動いたのはスレッガーだった。
「迎撃にな」
「よし、それではだ」
「総員出撃だな」
アポリーとロベルトも言う。
「刻印に向かってだ」
「すぐに行かなければな」
「用意しておいて何よりだったな」
その中でギュネイはこう言った。
「もう来るってわかっていたしな」
「そうね」
クェスが彼のその言葉に応える。
「あたしもヤクト=ドーガの整備忘れていなかったし」
「なあクェス」
「何?」
「御前ずっとあの赤いヤクトドーガでいくのか?」
こう彼女に問うギュネイだった。
「これからもよ」
「そうよ。それがどうかしたの?」
「御前にはアルパ=アジールも合うんじゃないのか?」
「あのでかいの?」
「ああ。あっちはどうだ?」
「あれもいいけれどね」
一応こう言いはするクェスだった。しかしである。
「けれどあれって地上とかじゃ使えないわよね」
「宇宙戦専用だからな」
「だからいいわ」
それが理由だった。
「ビグザムとかもね」
「だからいいのかよ」
「大きいとそれだけ動きも鈍いし」
もう一つ理由があった。
「だからいいわ」
「そうか。考えてみればそうだな」
「ほら、フォウさんだってロザミアさんだって」
クェスは彼女達のことも話に出した。
「プルツーだってそうじゃない。サイコガンダムから今はリ=ガズイとかキュベレイマークツーに乗ってるわよね」
「そっちの方がいいからか」
「動きやすいのよ」
とにかくそこに理由があるのだという。
「だからね。それでね」
「そうか。要塞みたいで言いかと思ったんだがな」
「身軽に動けるのが一番よ」
何につけてもそれだという。
「デンドロビウムとかノイエ=ジールは敏捷性もあるけれどね」
「でかいとどうしても鈍くなるからな」
「だからあたしはあのヤクト=ドーガでいいわ」
またこう言うのだった。
「このままね」
「そうか、わかった」
「ギュネイ、それはあんたもでしょ?」
クェスは彼にも問うのだった。
「やっぱりヤクト=ドーガでいいわよね」
「ああ、俺もな」
実際彼もそうだった。
「あれが一番合ってるな」
「相性もあるからね」
「少なくとも乗り心地はいいな」
こうも言うギュネイだった。
「もっとも俺の他にも乗れる奴はいるけれどな」
「大介さんとか?」
「あいつはグレンダイザーだろうが」
「ああ、そうだったわね」
「声や雰囲気が似てるだけだろ?俺がグレンダイザーに近付いたら撃たれるぞ」
「やっぱり大介さんとマリアちゃんだけなのね」
「あれに近付けるのはな」
そうした意味で非常に特別なグレンダイザーだった。
「まあそれでな」
「ええ、それじゃあね」
「行くか」
「そうね」
こうして彼等は刻印に向かって出撃した。その前に来るとだった。
「やあ、ようこそ」
「貴方は」
「また御前なのか」
クスハとブリットが彼の姿とマシンを見てそれぞれ言った。
「孫光龍、また」
「俺達の前に」
「暫く振りだね」
その男孫光龍は真龍王機から二人に応えてきた。
「どうやらマーグ君は君達のところに入ったみたいだね」
「そうだ」
そのマーグからの返答である。
「私はこれからバルマーの正しい未来を手に入れる為に戦う」
「おやおや」
孫は今のマーグの言葉には肩をすくめて返すのだった。
「それはまた頑張ってるねえ」
「馬鹿にしているのか?」
「生憎僕はそうした理想主義とは無縁でね」
「それでは貴方は一体」
「何の為に戦っているんだ?」
クスハとブリットがそのことについて問う。
「何故地球人なのにバルマーについているのですか」
「最初は地球にいたというのに」
「僕は神の僕さ」
そうだというだけの孫だった。
「それだけだよ」
「それだけだっていうんですか」
「それでなのか」
「そうだよ。さて」
また言う孫だった。
「それじゃあまた戦うとしようかな」
「孫光龍よ」
「先に来ていたのか」
その彼の後ろにキャリコとスペクトラが出て来た。
「何を考えているのかわからないが」
「今は外銀河方面軍に入るのだな」
「そういうことだよ」
こう二人に返しもするのだった。
「それでだけれどね」
「うむ、わかっている」
「それはだ」
二人の返答はもう既に決まっていた。
「我々はまずはここに足場を作り」
「ハザル様をお迎えする」
「いやいや、それには及ばないよ」
孫は二人に対して軽く返した。
「それはね」
「どういうことだ?それは」
「どうするつもりだというのだ」
「別にここで戦う必要はないんだよ」
そうだというのである。
「だからね」
「だから?」
「それで何がしたいのだ」
「だからだよ。地球はどうでもいいんだよ」
これが孫ォ考えだった。
「とりあえずはね」
「相変わらず何を考えているのかわからない奴だが」
「ハザル様はもうすぐ来られるのだぞ」
「それはわかっているよ」
「わかっているならだ」
「何をしたいのだ?」
二人はそれを聞いてまた首を傾げさせた。
「わからぬが」
「我等は我等の任を果たさせてもらう」
「それでいいな」
「貴様の任務はわからないが」
「任務?何だったかな」
今度はうそぶいてきた。
「僕の任務は」
「とぼけるつもりか。まあいい」
「今はだ」
二人は二人の任務を果たすことにした。そうしてだった。
刻印から次々に出て来た。その彼等がロンド=ベルに向かって来た。
「へっ、またかよ!」
「何かどんどん攻めて来たな!」
「相変わらず数で来るね」
ケーンとタップ、ライトがそのバルマー軍を見てそれぞれ言う。
「じゃあここはまたな」
「戦うしかないな」
「お決まりの展開だ」
「では全軍」
大文字も指示を出す。
「このまま迎撃する」
「了解!」
「それじゃな!」
全員で向かう。そのうえで一気に向かう。バルマー軍との激しい戦いが再び幕を開けた。
そのうえで派手な攻撃を繰り出し合う。ロンド=ベルはその中でだ。
ユリカが戦局を見ている。そのうえでだ。
「敵を引きつけます」
「引きつけるのですね」
「そうです、まずはです」
こうルリの言葉に応えるのだった。
「引きつけてです」
「それからは」
「グラビティブラストの用意を御願いします」
それをだというのだ。
「引きつけてそのうえで」
「それを撃つのですね」
「そうです」
まさにそれだというのだ。
「それでいいですね」
「はい、わかりました」
それに頷くユリカだった。そうしてだった。
バルマー軍を一気に引き寄せてそのうえで。そのグラビティブラストを放ったのである。
それで戦局が一気に動いた。ロンド=ベルに勢いがついた。
「次はです」
「攻勢ですね」
「そうです、それです」
今度はメグミに応えるのだった。
「それで御願いします」
「攻勢ですか」
メグミはそれを聞いて考える顔になっていた。
「ここで」
「刻印まで押しやるつもりで攻めます」
それがユリカの考えだった。
「それで御願いします」
「わかりました」
こうしてだった。ロンド=ベルは一気に攻めにかかる。その中には。
「よし、これで!」
綾人は照準を定めて弓矢をまとめて放ってだ。敵をまとめて倒した。
「バルマーとの戦いも慣れてきたな」
「そうね」
遥もその彼に言ってきた。
「かなりの数をこなしてきたし」
「遥さん」
綾人はその遥にさらに言う。
「気になることがあるんですけれど」
「どうしたの?」
「バルマー軍ですけれど」
彼が今言うのはバルマー軍についてだった。
「何か後ろにいるんじゃ」
「後ろに?」
「はい、そんな気がします」
それを感じるというのだ。
「この世界の地球にはイルイ=ガンエデンがいましたね」
「話を聞くとね」
遥もそれは聞いていた。
「そうらしいわね」
「僕達の世界もそうだったし」
彼等の世界もだというのだ。
「あのアル=イー=クイスも」
「あの三人の女神達ね」
「ああした存在がいるんじゃないですかね」
綾人はそれを察していた。
「はっきりとはわかりませんけれど」
「そうなの」
「そしていたら」
言葉が怪訝なものになっていた。
「何なのでしょうか」
「バルマーは専制主義国家で」
これは既に彼等もわかっていることだった。バルマーはそうしたシステムの国家なのである。
「そしてその頂点には霊帝がいるけれど」
「その霊帝でしょうか」
「そうじゃないかしら」
こう綾人に答える。
「綾人君が今感じているのは」
「そうですか」
「そう思うわ」
また綾人に話す。
「まだバルマー軍の全貌はよくわからないけれど」
「これからそのバルマーの全面対決ですね」
「ええ、それも」
戦局についても話される。
「そうなのよね」
「じゃあまずは」
また弓を放って敵を貫く。今度は戦艦を沈めた。
「こうして戦いに勝って」
「ええ、そうね」
「そうして少しずつ」
進み見極めようというのである。彼等もだ。
ロンド=ベルはそのまま敵を退けようとした。しかしである。
ここで刻印からまた。バルマーの軍勢が出て来た。それを見たロンド=ベルの面々が口々に言った。
「!?一機だと」
「一機だけ!?」
「あの赤い何か蛾みたいなマシンは」
そのマシンを見て言うのだった。
「一体」
「何なんだ?」
「どうやら」
そのマシンから声がしてきた。
「間に合ったか」
「貴殿か」
「ここで来るとはな」
「うむ、御前達も生き残っていたか」
キャリコとスペクトラに話してきた。
「それは何よりだ」
「おや、君も来たんだ」
孫はキャリコやスペクトラとは違っていた。
「これはまた勤勉だねえ」
「孫光龍か」
彼は孫を見て一言述べてきた。その言葉に感情は見られない。
「御前は今はこの軍にいるのだな」
「そうだよ。興味が尽きなくてね」
彼にはこう言うのだった。
「それでなんだ」
「そうか」
「そしてだけれど」
また言ってきた孫だった。
「君がここに来たってことは」
「そうだ」
また一言での返答だった。
「もうすぐ司令が来られる」
「そうだね。その為にだね」
「二人共」
今度はキャリコとスペクトラに言ってきた。
「この作戦のことはだ」
「覚悟はしている」
「司令からの処罰だな」
「それは不問になる」
そうだというのである。
「俺から言っておく」
「そうか」
「済まない」
「そしてだ」
彼はさらに言うのだった。
「下がっているのか」
「あれを使うのか」
「ここで」
「見たところだ」
今はロンド=ベルの部隊を見ての言葉だ。既にその刻印まで僅かの場所にまで迫ってきている。
「この者達の力はかなりのものだな」
「知っているとは思うがだ」
「銀河辺境方面軍が消滅した」
二人は先の戦いのことを彼に話した。
「用心が必要だ」
「少なくとも弱くはない」
「わかった。やはりそうか」
それを聞いて静かに頷くのだった。
そうしてだった。一気に前に出た。そのままロンド=ベルの中に入り。
「何だ、こいつ」
「突っ込んで来た!?」
「一体何を」
「我が名を言っておこう」
こうロンド=ベルの面々に告げるのだった。
「我が名はエイス=ゴッツォ」
「エイス=ゴッツォだと!?」
「まさかと思ったが」
それを聞いたヴィレッタとマーグがそれぞれ声をあげた。
「ではそのマシンが」
「あの伝説の」
「そうだ、ディバリウム」
まさにそれだというのだった。
「これがそのマシンだ」
「いかん!」
それを聞いたマーグがまた言った。
「このマシンは危険だ!」
「何っ、マーグそれは一体どういうことだ!?」
ケンジがマーグに対してすぐに問うた。
「あのマシンに何かあるのか」
「あのマシンはただのマシンではない」
こうケンジに答えた。
「一機で一度に多量の敵を相手にする為のマシンだ」
「ってことはだ」
それを聞いたマサキが言う。
「魔装機神と同じものか」
「そうだ」
今度はヴィレッタが言う。
「話には聞いていた」
「そうですね」
ロゼが彼女のその言葉に頷く。
「そうしたマシンが開発中だとは」
「だがそれでもここで出て来るとはな」
「はい、予想外でした」
「バルマーも本気だということか」
その本気を悟ったのだ。
「つまりは」
「来る」
レビも言ってきた。
「攻撃が来るぞ」
「なっ、何!?」
「ここでか!?」
「一体どんな攻撃が」
「ゲルーシュ=シュロシャー」
エイスが言うとだった。四方八方に雷が放たれた。それで攻撃が仕掛けられたのだ。
「くっ、回避だ!」
「急げ!」
「各機で避けろ!」
こう言ってそれでかわすのだった。何とか全機致命傷は避けられた。
しかしである。ダメージを受けた機は多かった。たった一機にだ。
「な、これだけの敵が」
「いきなり出て来るなんて」
「まさか」
「これでよし」
エイスは攻撃を放ってから言った。
「ロンド=ベルは今はこれ以上攻めて来れない」
「しかしだ」
「貴殿もそれ以上の攻撃は」
「わかっている」
今はキャリコとスペクトラに答えるのだった。
「それではだ」
「一時撤収か」
「そして然る場所にか」
「何も太陽系で戦うことはない」
こうも言うエイスだった。
「ここに拠点を置くこともだ」
「ではどうするというjのだ?」
「それでは」
「ハザル司令の判断次第だ」
それ次第だというのだ。
「しかし今はここに留まる」
「ハザル司令が来られるまで」
「それまで」
「そうだ。それではまずは七隻のヘルモーズを呼ぶ」
「それを基地として」
「そのうえで」
「ハザル司令をお迎えする」
こう言うのだった。
「今はだ。いいな」
「よし、わかった」
「それではだ」
こうして彼等はここは撤収した。戦いは引き分けとなった。しかしである。
ロンド=ベルにとってはショックであった。全てはあのディバリウムのせいだった。
「あの蛾みたいなマシン一機で」
「ここまでダメージを受けるなんて」
「何てことだ」
そのマシンの強さに衝撃を感じていたのだ。
「このままでは」
「どうしようか」
「また来たら」
「心配することはない」
だがここで言ったのはカイだった。
「今度あれが出て来てもだ」
「心配することはないんですか」
「何故ですか?それは」
「一機だからだ」
それが根拠だった。
「一機でも数機でもだ」
「一機ならですか」
「それだとなんですね」
「集中攻撃を浴びせればそれで済む」
まさにそれだけだというのだ。
「向こうが攻撃を仕掛ける前にだ」
「そういえばあのマシンは」
「まず私達の中に飛び込んで」
「そのうえで来るから」
「それだったら」
「そうだ」
カイの言葉は続く。
「今はだ。一気に攻める」
「わかりました。それじゃあ」
「あのマシンが今度出て来たら」
「そうします」
これで話は決まった。そのディバリウムに対してだ。戦術としては決まったのだ。
そのうえで今はセダンに戻る。だが刻印には監視役としてSRXチームが残ることになった。
「それじゃあな」
「頼んだわよ」
「宜しく頼むぜ」
「ああ、わかったぜ」
リュウセイが彼等に笑顔で応える。
「もう一度あの蛾野郎が出て来てもな」
「その時も頼むな」
「そういうことでね」
「それにしてもだ」
ここでライがふと言った。
「敵の司令官が来るそうだな」
「そういえばそんなこと言ってたわね」
アヤも言う。
「ハザルとか何とか」
「あの男はだ」
マーグがまた応えてきた。
「気をつけることだ」
「そいつは一体」
「どういう奴なんだ?」
アキラとナオトが彼に問うた。
「前から名前を聞いた記憶があるけれど」
「バルマーの中でもかなり偉い奴のようだな」
「私も一士官として見ただけだが」
ヴィレッタがここでまた言ってきた。
「宰相シヴァー=ゴッツォの嫡男でだ」
「宰相の」
「じゃあかなりの」
「そうだ、ゴッツォ家の次期当主でもある」
そうだというのである。
「しかしその人格はだ」
「そこから先はわかったぜ」
「私もね」
アラドとゼオラがすぐに応えた。
「最悪なんだな」
「人格は」
「お世辞にも褒められたものではない」
またマーグが言ってきた。
「傲慢で偏見が強く謀略を好む」
「本当に最悪な奴みたいだね」
「そうね」
それを聞いたアイビスとツグミの言葉だ。
「そんな奴が今度の相手か」
「厄介なことになるわね」
「そうだな。そうした男か」
スレイもそれを聞いて眉を顰めさせていた。
「あまり相手にしたくないな」
「へっ、そんな野郎だったらな」
だがここで忍は言うのだった。
「後腐れなくぶっ潰すことができるぜ」
「そうだね、相手は悪い奴の方がいいね」
沙羅も忍に同意して頷いた。
「容赦する必要はないしね」
「そういうことだね。それじゃあ」
「ハザル=ゴッツォだな」
雅人と亮も続く。
「そいつが出て来たらね」
「倒すとしよう」
「結論としてはそうなるな」
シナプスも言う。
「例え相手が誰でも戦う。それだけだ」
「はい、それでは今は」
「セダンに」
ジャクリーンとパサロフが話す。
「戻ってですね」
「そのうえで」
「それではだ」
最後にヴィレッタが言った。
「私達五人はここに残る」
「何かあればすぐに連絡する」
レビも言う。
「その時はまただ」
「ああ、すぐに飛んで来るからな」
「それまで持ち堪えてくれよ」
「もっともだ」
リーは安心した顔と声で述べた。
「SRXもまた一機で多くの敵を相手にできる。合体すればだがな」
「ああ、だから相当な相手でも倒せるからよ」
リュウセイも明るい声で話す。
「ここは任せておいてくれよ」
「そうさせてもらうぜ。それじゃあな」
「ああ、またな」
最後にカズマに応える。こうしてロンド=ベルはSRXチームを監視役に置いてそのうえでセダンに戻った。しかしそれは大きな間違いだった。
セダンに戻って次の日だった。すぐに敵襲の報告が届いた。
「刻印か!?」
「もう来たのね」
「いや、違う」
言ってきたのは不動だった。
「ネオエジプト近辺だ」
「ネオエジプトの?」
「刻印じゃなくてですか」
「あの巨大戦艦が来た」
それがだというのだ。
「七隻だ」
「七隻っていうと」
「ヘルモーズがですか」
「来たんですね」
「そうだ」
まさにそれだというのだ。
「あの戦艦を基地として来たようだ」
「あの戦艦を」
「それでなんですか」
「そうだ。そしてだ」
不動の言葉は続く。
「我々はそれに対してすぐに迎撃に向かう」
「わかりました。それじゃあ」
「俺達はそっちに」
こうして彼等は戦いの場に向かった。また新たな惨劇がはじまろうとしていた。

第一話完

2010・2・5


 
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