真剣に私に恋しなさい! ~ 転生者は天下無双な血統種 ~
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第五話 小学校ですか。
前書き
ただいま深夜のおねがいランキングで川越シェフの抜き打ち発掘レストランを見ながらこれを書いてます。
これって面白いんですけどあれ川越シェフ以上の経歴を持つシェフが出てきたらどうすんだろ?ていうかあれのせいで川越シェフ大分業界で嫌われてるでしょ絶対。……まあ俺には関係ないけど(じゃあなぜ言ったし)
今回はとりあえず小学校入学の場面です。暇つぶしにでもどうぞ。
どうも、シャオエンだ。
母さんとの地獄の修行を乗り越え…嘘です。現在も継続中です。特に何も乗り越えてません。
で、でもまぁおかげでかなり強くなったと思うよ?素手で大地を砕けるようになったし、ひとっ飛びで木のてっぺんまで登れるようになった。蹴りで突風も出せるようになったし、か○はめ波もどきも出せるようになったしな。
……なんかどんどん人外の領域に足を突っ込みはじめてる気がするんだが気のせいだろうか?(※たぶん気のせいじゃないです)
ただ、強くなったはいいがそれと同時にある悩みも生まれた。
なんというかその、自分の今の実力がどのくらいなのか気になり始めたのだ。
……いや俺が同年代にしては常識はずれなまでに強いのは理解している。それこそ前世での世界の武術の達人たちにも勝てるであろうぐらいには。
だが母さんの言葉が正しければその程度の力をもつ武術家はこの世界にはぞろぞろいるのだろう。母さん自身、俺が全く歯が立たないほどの達人だし。ということは俺と同年代で俺と同じくらいの、いやそれ以上の力量を持つ武術家がいても不思議じゃない。なのでそんな武術家たちの中で俺はどのくらいの強さなのか気になったのだ。
それを母さんに告げると母さんはしばし呆然とした顔をした後大声で笑い出した。
そんな母さんの反応に少しカチンときながらも、俺はなぜ笑うのか聞いてみるとなんでも俺の悩みは武を志す者なら一度は持つ悩みで、それが懐かしく思わず笑ってしまったんだそうな。
結局俺の悩みについては口で言っても実感できるものではないということで教えてはもらえなかったが、その代わり近いうちに対戦相手を用意してくれることを約束してくれた。なんか「川神院で確か次期後継者の対戦相手を募集していたはずだからそれに応募してみましょうか。まあ死にはしないでしょう♪」とか言っていたが。
(言わなきゃよかったかなあ?)
なんか変なフラグが立った気がしたんだが。それも死亡的な意味で。
(……まあいいか。悩んでもなにがわかるわけでなし)
さて!突然だが俺は六歳になり、小学校に入学することになった。……まさか二回も小学生生活を経験することになるとは(涙)
現在俺とタツ。そして京の三人はこの川神北小学校でピッカピッカー!の一年生として(ちょっと違う気がするが)体育館らしき場所で開かれている入学式で校長(本当にバーコードにそっくりな禿げ方してるやつなんて初めて見た)のありがたい(笑)話を聞いているのだが、
(なげぇ…。そしてくそつまんねぇ……)
教育機関を統べる人間の話というのは、大体が(少なくともそこに在籍する学生にとっては)長くつまらないものだと相場が決まっているものだが、どうやらこの学校の校長もその例に漏れない人間らしい。
(タツや京もつまんなそうな顔してんなぁ……)
そういえば最近京の様子がなんかおかしい気がする。
いや、いつも通り話してはくれるし、一緒に遊んだりはするのだが公園や河川敷みたいに人が大勢いる場所にはなぜか行こうとしなくなったし、外で遊ぼうとはしなくなり俺やタツの家に遊びには来るが、自分の家にはかたくなに行かせようとしない。
(なにか隠している…?でもなにを?)
「それでは校長先生のお話を終わりにします」
っと!どうやら考え事をしている間に校長の話は終わったらしいな。この後は確か自分のクラスへの移動のはず。
(考えるのは後でもいいか…)
なんなら後で直接聞けばいいし。
俺はその時気づかなかった。
俺の初めての友人が、理不尽な悪意に晒されていることに……。
☆
☆
side:京
「この淫売!なんでお前ここにいんだよ!!」
「そうだそうだ!!」
「お前なんか来るんじゃねえよ!!」
「…………」
めんどうなのに見つかった。まさかこいつらがこの学校にいたなんて。
私の名前は椎名京。
今年で六歳になるのでこの川神北小学校に入学した。
少し家から遠い距離だったがここにある人物たちが入学すると聞いたからだ。
その人物とは“ガオ・シャオエン”と“源忠勝”の二人である。
この二人は私にできたたった二人の友達で、私がこの学校に入学することを決めたのは彼らがこの学校に入ると聞いたから。
彼らと離れたくないから本当は下げたくなかったけれど母親―――あいつを自分の母親とは絶対に認めたくないけど―――にも頭を下げた。
『淫売の子』に『椎名菌』。気づいたら近所の私と同年代の子供から私はそう呼ばれていた。
その原因は、私の母親であるあの女のせい。
あいつは家にいないことが多い。男を漁っているのだ。
たまに家に連れ込むことがあり、そういうときはそいつが帰るまで、図書館などに行って時間を潰したりする。
なんで父さんがこんなやつと結婚したのかがわからない。あいつが浮気していることなんて父さんもわかっているはずなのに。
そんなあいつのことは近所に住んでいる人も知っており、まるで汚い物をみるように、あいつと………あいつの子供である私のことを見る。
―――なんで?なんでそんな目で私を見るの?
そんな大人を見て、近所の子供たちも私にはなにをしても大丈夫だと思ったのだろう。私に対して、イジメがはじまった。
―――なんで私をいじめるの?
私も最初は抵抗した。
でも抵抗するたびにあいつらはそんな私を面白がる。
―――私がなにをしたっていうの?
そのうち疲れてしまった私はせめてもの抵抗として、そいつらが飽きるまで、そいつらのことを無視するのが精いっぱいになっていた。
そんな時だ。
彼、ガオ・シャオエンに出会ったのは。
☆
☆
彼と初めてであったのは私が五歳の時、いつものように時間を潰すために図書館を訪れていた時のことだった。
図書館は私の数少ない憩いの場所だ。本は好きだしあいつらもここまでは来ないし。
私はその日は最近お気に入りの児童書の最新刊がいくつか入っていたので、早速それを読もうとそれを持って読書コーナーに向かったのだが、すこしうかれていたためか一人の男の子とぶつかってしまったのだ。
それがガオ・シャオエンだった。
シャオ(本人にそう呼べと言われた)は浅黒い肌に赤い髪という変わった容姿をしていて、名前も変わった名前だと思ったが、中国出身だと聞いてそこでは普通の名前なんだと納得することにした。
彼は私と同じで本を読むのが好きらしく、私が持っていた指輪の使い魔という本を見ると笑顔で私に話しかけてきた。
…その久しぶりに自分に向けられたネガティブじゃない、好意的な笑顔が嬉しくて、気づいたら彼と夢中で読書談義に興じている自分がいた。自分ではわからなかったが会話に飢えていたんだろう。
久しぶりの暖かい時間は、思わず涙が出そうになるほど楽しかった。シャオがもう帰る時間だと言った時には、思わず落胆してしまったほどだ。
☆
☆
それからシャオとはちょくちょく会い読書談義をするようになったが、やがて自分の友達だという、源忠勝を連れてきて、三人で遊ぶようになっていった。
夢のようだと思った。
あいつの娘である自分に二人だけとはいえ友達ができるなんて。
夢みたいだと思った。
あいつの娘である自分が、こうして普通の子みたいに友達と遊ぶなんてことができるなんて。
――――――だからこそ知られたくなかった。私が『淫売の娘』だということを。
怖かったのだ。彼らがそれを知ってこいつらと同じ目で私を見てくるんじゃないかって。
だから私は必死でそれを隠した。
私があいつの娘であることを知っている相手に遭遇しないために人が多い場所に行くのは避けたし、遊ぶ時はなるべく家で遊ぶようにした。
彼らが家に来たがってた時も、悪いとは思ったけど必死で言い訳を考えて引き留めたっけ。
(だけどこいつらがいたんじゃすぐシャオたちにもバレちゃう。どうにか、どうにかしないと……ッ!!)
私は必死で考えを巡らす。
なので気づかなかった。
どんな声にも反応しない私に苛立ったこいつらが、私に向かって拳を振り上げてたことに。
「なんとか…言えよ!!」
ぶん!
(殴られる!?)
そう思った私は痛みに耐える前に咄嗟に目を瞑る。
しかし、
パシ!
覚悟していた痛みはやって来ず、代わりに一人の男の子の声が聞こえてきた。
「お前ら。俺のダチに何してやがる」
いつの間にか聞き慣れてしまった、私の初めての友達の声が……。
後書き
次回京救出?です。本当はこれの前に小雪救出も書いた方がいいかなと思ったんですけど、順番を変えてみました。
それでは感想や誤字脱字の報告などお待ちしております。
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