ソードアート・オンライン~ニ人目の双剣使い~
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最強と最速
「よう」
集合場所に到着するとちょうど時間がよかったようで、俺以外の全員が集まっていた
「遅かったな。おまえのことだから一番早く来てそうだったが」
「ちょっとな。俺が遅れた理由について話がある」
声色を真剣なものに変えるとキリトたちも真剣な顔になる
「実はな。さっきプレイヤーと戦った」
「はぁ!?このゲームはクローズドじゃ無かったのかよ!?」
驚きの声を上げるクライン。それは他の三人の心情を代弁するものだった
「そうなんだが……」
「リンの親父さん、か……」
「その通り」
シオンの呟きを肯定する。ここに人を送り込める人物で俺たちに敵対しそうな人物で最も可能性が高いのは俺の親父だからな
「「「「「「……」」」」」」
全員が黙り込む。何人のプレイヤーがここに入りこんでいるのか、わからない。正体がわからない敵ほど恐ろしいものは無いからな
しばらく沈黙した後、やはりというか沈黙を破ったのはクラインだった
「へっ、誰が来ようとこの俺がぶっ飛ばしてやらぁ」
「無」
「理」
「だ」
上から俺、キリト、エギル。このメンバーは最高だ。乗りが良すぎる
「……はぁ……。俺って何なんだろうな……」
黄昏始めたクライン。そんなことをしているとあちらから近寄る影があった
「久しぶりだな。元気そうで何よりだ」
「「「「誰?」」」」
「それよりも剣を構えろ!」
キリト、ミユ、シオン、エギルは完全に気が抜けてしまっている。俺の親父のことだから俺たちだけここでもダメージを受ける。とかやっていそうだ。クライン?地面に這いつくばっているけど?
「それは賢明な判断だな。あと俺はユージーン、と言えばわかるか?」
自分がALOの時とは違う容姿をしているのに気付いたのか、顔を微妙にしかめるユージーン。っていうか……
「「女!?」」
叫んだのは俺、キリト
「……!?」
無言で驚いているミユ
「「「……?」」」
わけのわかってないシオン、エギル、クライン
今日もこいつらはカオスだった
「落ち着いたか?」
「ああ……何とかな。しかし……」
ユージーンの顔を見る。完全に女っぽい。胸の膨らみは無いが。だがALOでいかつい顔だったユージーンとのギャップが凄まじく笑いが込み上げてくるが、今はそれは置いておいて
「なんでこの世界に来た?」
「おまえの親の依頼だ。ALO最強と言われた俺におまえを倒して欲しいとな」
やはりそういうことか……
「金……か?」
「いや、違う」
きっぱりと否定し、その後好戦的な笑みを浮かべてユージーンは言った
「おまえと戦いたかっただけだ」
へえ……
「もう一度だけでいい。おまえと死力を最後まで絞り尽くすような戦いをしたかった。おまえの名が討伐対象だったのを見た瞬間二つ返事で受けてしまったよ」
自嘲気味に笑うユージーン
「おまえの立場も置かれている状況も知っている。だが……」
ユージーンは背中にあった大剣を抜く
「俺はおまえと戦いたい。そして必ず、俺とこのグラムが打ち砕く!」
そこまで言われたら断れないよな?俺は口角が上がるのを押さえられなかった
「わかった……。相手になる。キリト!剣を貸せ!」
「まったく……」
ため息をついてこちらに自分の剣を投げてくる。俺はそれをキャッチするといつものように構える。対してユージーンは大剣を上段に
「行くぞ、リン!」
「来い、ユージーン!」
ユージーンは一度大きく足を曲げ、それを伸ばすことによって発生した推進力を使い、一気にトップスピードにもっていきそれを維持しつつ大剣を振りかぶる
対する俺は前に突き出していた剣を少し引き迎撃体勢に
そして、俺とユージーンの距離は0になった。まずユージーンの上からの振り下ろし。それを肩に担いでいた剣で軌道をずらすことで対処する。この技術は力の足りない俺はよく使う。言うのは簡単だが、実行するのはすごく難しい。相手の剣のスピード、軌道を完全に読みきり、その上でその剣に同速であわせながら少しずつ力をかけてずらすのである。この技術は科学と魔術が交錯する世界の警備員が使っている自分よりも質量を持った車両を止めるための技術の応用なのだが……
閑話休題
「シッ……!」
反撃の右手の剣での突き攻撃。体勢の崩れているユージーンにかわすことは不可能
だがそれはかわされる。反らした剣の勢いそのままにユージーンが転がったからだ
「やっぱり決まらない……か」
「俺は嬉しいぞ。相変わらずおまえは高い壁となって俺の前に立ちはだかってくれている!」
体勢を立て直したユージーンを見据え俺は今ので決められなかったことに驚いていた
「行くぞ、リン!今からが本番だ!」
再び同じように剣を振りかぶって向かってくるユージーン
「何度やっても同じだ!」
向かってくる剣を同じように反らそうとした。だが、頬に微かな風と背中に走る悪寒を感じた瞬間、ユージーンの剣のスピードがいきなり上がった
「がはっ!!」
悪寒を感じたとに少しでも下がっていたことが幸いし、一撃死は免れた。だがHPは半分を下回りイエローになっている
「くっ……」
「おまえの力をそんなものではないだろう?」
俺の方を見据えユージーンが言う
俺はそれには答えず、二刀を振るう。だが、ユージーンはそれに対処し逆に攻めてくる。そして、また頬に風を感じたとたん動きが変わりとっさに重ねた二本の剣を叩いた。そして、俺は剣ごと弾き飛ばされ地面に叩きつけられた
たが、ユージーンの能力がわかった
「おまえの能力は風力操作。それも自身の周りに付与するタイプか……」
超能力には大きく分けて二つある。自身の肉体、武器に付与するタイプ。または自身以外を操る能力。例えば風力操作ならば風を使って相手のバランスを崩させることも可能
「……正解だ。よくわかったな」
「剣を受けた時、わずかだが風を感じた。あとは……かまをかけただけだ」
「そうか……。俺はおまえの策略にはまってしまった、というわけか……」
ユージーンは苦笑いをする
「だが、知られたところで何も変わらない。おまえを倒すだけだ!」
三度こちらに向かってくるユージーン。もちろん大剣を振りかぶっている。先程のように反らそうとしてもやられるのが落ちだ。だったら、真っ正面から受けとめるのみ
「諦めたのか?」
剣をクロスしたままの俺を見てユージーンが言った。いかに二本あるとはいえ大剣を受けとめるのは不可能だしな。ユージーンは一瞬戸惑ったがそれでも剣の動きは止められない
「はぁ!」
俺は触れた瞬間、ユージーンの剣を弾き飛ばした
「なっ!?」
そしてあり得ない現実を前にして現れる致命的な隙。それは上級者だけあって一秒に満たなかった。だが、リンという高速アタッカーの前に一秒は長すぎた
ユージーンが斬られたと思った瞬間にはもうすでに勝負はついていた。ユージーンの体は砕け、消えた
後書き
蕾姫「というわけでユージーン再登場と能力初使用。ユージーンは最初から出す予定でした」
リン「ユージーンはいつから戦闘狂になったんだ?」
蕾姫「俺の手にかかればすべてのキャラが戦闘狂とかす!(キリッ」
リン「……被害を受けるのは俺だけどな……」
蕾姫「早くGGO編に行きたい俺がいる」
リン「ならさっさと書け」
蕾姫「了ー解ー」
この小説を生暖かい目で読んでいただいてありがとうございます。コラボがしたくなってきた作者ですw蕾姫?あれはバカです、ゴミです、アホなんです。決して作者自身ではありませんw
コラボなんですけど、俺が知ってるのだったら何でも構いません。キャラを貸してくれる、俺の拙い腕で書かれても我慢できるって人は感想にて名乗り出てください。お願いします!
では、次回もよろしくお願いします!
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