八条学園怪異譚
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第十八話 トイレの花子さんその四
「私コンタクトはちょっと置いてね」
「眼鏡にしたのね」
「これからは部活の時も授業の時もこれでいこうって思ってるけれど」
「いいんじゃない?やっぱり目は大事だからね」
「そうよね。じゃあやっぱり」
「眼鏡も似合ってるから」
愛実は聖花のその眼鏡姿を見てにこりとして答えた。
「いいと思うわ。眼鏡っ娘ね」
「何かマニアックな言葉が出て来たわね」
「この前お店で大学生、多分八条大学の先輩の人達が来てそれでそんなことをお話してたのよ」
「ふうん、眼鏡萌えとか?」
「そう、まさにそう言ってたのよ」
「眼鏡って人気があるのね」
「そうみたいね。他にもどういう萌えか色々お話してたわ」
愛実は聖花に対して話す。二人で廊下を歩きながらそうしている。
「セーラー服とかブレザーとかね」
「制服?」
「あとルーズソックスだのハイソックスだの」
「ルーズソックスは古いわね」
「そう思うけれどね。他にはポニーテールとか男装とか」
「ポニーテールはわかるけれど」
聖花は男装についてはこう言った。
「男装はわからないわね」
「宝塚がいいとかいうお話だったわ」
「濃いわね、宝塚って」
「聞いてて思ったわ。宝塚ってね」
「お化粧に歌に踊りに」
「何でも派手でね」
「お花はお花でも極彩色だから」
そうしたものはだとだ、愛実も言い聖花も頷きながら応える。
「抵抗があるわよね」
「私達にしてみたらね」
「というか宝塚って確かに奇麗だけれど」
「独特の世界よね」
「ラストで誰か死ぬこと多いけれど死ぬまでにやたら時間がかかるし」
これは歌舞伎でもそうである。日本の舞台では死ぬまでに時間がかかるという傾向があるのかも知れない。
「本当jに独特よね」
「男装の執事とかもお話してたわ」
「余計にマニアックね」
「そう思ったわ。メイド喫茶がどうとかも」
これはオーソドックスな萌えだった。そう言えるものだった。
「何かそんなお話をあれこれ食べて飲みながらお話してたわ」
「お昼から?」
「休日のね」
「食堂で飲んで食べてそんな話題するって」
「ちょっと、よね」
「変なお客さんもいるわよね」
「お話聞いてて何お話してるのかなって思ったわ。他にもね」
愛実はさらに言う。
「ブルマとか競泳水着とかも」
「ブルマって。もうないじゃない」
「あれを復活させろとかお話してたわ」
食堂の中で昼からそんなことを言っていたというのだ。
「どう思う?これって」
「まずブルマに反対するわ」
聖花が答えたのはここからだった。
「それにね」
「ブルマって正直言って」
「あれショーツじゃない」
「下着そのものよね」
愛実も眉を曇らせて言う。
「あれは」
「色は色々だけれど」
黒や青、緑に赤といった色が多かった。それに紺だ。
「どちらにしてもね」
「あれはいて体育の授業よ」
「性犯罪起こるでしょ」
聖花は真顔で言い切った。
「確実に」
「私もそう思うわ」
「そうよね。興奮した男子生徒なり先生がって」
「よくそんなことにならなかったわね、昔は」
「小学生でも危ないけれど中学生や高校生になったら」
「三年の先輩の中には凄いスタイルの人も多いからね」
成長すればそれだけスタイルもよくなる、それでだ。
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