インフィニット・ストラトス~IS学園に技術者を放り込んでみた~
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本編
第04話「二人の千冬」 ※9/2 IFストーリー修正
<1年1組>
非常に聞きなれた声が教室に響いた。
そう、さっきまで俺やクラスの皆が聞いていた声がだ。
全員がそっとクラスの前入口に視線を向ける。
するとそこには姉である織斑千冬の姿があった。
一夏
「は?」
女生徒A
「え、千冬様が二人いる!?」
女生徒B
「まさか分身の術!?」
俺の記憶が正しかったら、千冬姉は忍者の修業は積んでいない、ましてそんな芸当はできない…ハズだよな?
女生徒C
「そ、そんないきなり3Pだなんて…///」
そして君はさっきから本当に何を言っているんだ?
真耶
「そ、そう言うことですか……」
???
「わ~そっくり~♪」
山田先生、何を納得顔をしているんですか。
そして妙に間延びした君はなんか楽しそうだな。
千冬A
「おや、織斑先生。会議は終わったんですか?」
千冬B
「ああ、さっきな。それで、お前はここで何をしている?」
そう答えたのは女生徒の近くにいた千冬姉(A)で、やや苛立ち気味に返したのは入り口がこちらに歩み寄る千冬姉(B)だ。
千冬A
「いや~、織斑先生が会議でHRに出れないと聞いたので、織斑先生の代理をやってみました♪」
その瞬間、千冬姉(B)の右手がうねりをあげた。
[ブォンッ!]
[ひょいっ]
千冬A
「わお♪」
千冬姉(B)の右手にはいつの間にか出席簿が握られており、それを目に見えない速さで攻撃したのに千冬姉(A)はそれを必要最低限の動きで難なく躱した。
千冬B
「っ避けるな!!」
千冬A
「避けますよ~。あたったら痛いじゃないですか」
千冬B
「痛めるためにあてようとしたんだ。だから避けるなっ!」
[ブォンッ!]
[ひょいっ]
千冬A
「そんな理不尽な! 私にMの属性なんてないですよ! あるとしたらSかドSです!」
千冬B
「私の姿かたちをしてそのような発言をするなっ!!」
[ブォンッ!]
[ひょいっ]
え、えっと千冬姉は千冬姉を痛めつけるために攻撃して、千冬姉はそれをよけて、そんでもって千冬姉はMじゃなくてSで、え~と……だ、駄目だ頭の中が混乱して考えが纏まらない。
というかSとMってなんだ?
女生徒D
「ち、千冬様はSなのね…///」
女生徒C
「千冬様! どうか鞭で私をぶってください!!」
女生徒E
「私、お姉さまとならどんなプレイでも耐えてみせます!」
周りの女子から何か聞こえた気がするが、とりあえずおいておこう。
なんか嫌な予感がする…。
千冬姉(B)の高速ラッシュを難なく交わす千冬姉(A)。
ひたすら避け続ける千冬姉(A)の動きがだんだんマト○ックスに見えてきたのは俺だけだろうか…。
二人の激しい攻防戦は永遠に続くかと思われたが、それもついに終わりを迎える。
[パシィッ]
千冬B
「クッ…」
千冬A
「秘義・真剣白羽取り…」
女子一同
「「「お~~~~!!!」」」
[パチパチパチ!!]
出席簿を振り回していた攻撃していた千冬姉(B)だったけど、垂直に顔面めがけて振り下ろした際、その出席簿を両手で押さえつけられてしまった。
ぞくに言う真剣白羽取りだ。
両手で押さえつけた出席簿からは摩擦のせいか白い煙が上がり、その見事な手際にクラスから拍手喝采があがっている。
けど、そんなことをしたら…
千冬B
「だが、これでお前の動きは封じた…」
千冬A
「はっ、しまった!?」
そう、身動きが取れなくなってしまうのだ。
片や片手で獲物を振るい、片や両手で獲物を捕え身動きが取れない構図の出来あがりだ。
今気付いたかのように驚愕の顔を浮かべる千冬姉(A)。
というかこっちの千冬姉(A)は表情豊かだな…
千冬A
「クッ…!」
千冬B
「今さら遅いッ!!!」
急いで逃げようとした千冬姉(A)だったが時すでに遅し、千冬姉(B)の黄金の左腕が千冬姉(A)の腹にめがけて進んでいく。
[バコンッ!!]
勝負はついた。
千冬姉(B)の勝利だと誰しもが思っていたが…
千冬B
「ッチィ、はずした…」
悔しそうな声を漏らす千冬姉(B)。
千冬姉(B)の目の前には、千冬姉と同じ黒のスーツを着た丸太の姿が…。
女生徒A
「か、変わり身の術!?」
女生徒B
「ち、千冬様は忍者だったの!?」
女生徒F
「バカね、女性の場合はくのいちよ」
いや、だから千冬姉は忍者じゃないって…。
でも、千冬姉ならできそうな気がするのは気のせいだろうか…
忍者がどうかという議論が浮かんでいる人物…、千冬姉は忌々しそうに丸太を見つめた後、懐から携帯電話を取り出しどこかへ電話をかけ始めた。
真耶
「お、織斑先生。今はSH…」
千冬B
「非常時だ…もしもし、鏑木先生ですか。SHR中にすみません。そこに近衛はいますか?」
鏑木先生(?)
『えっ、近衛君ですか?彼ならいますけど…』
千冬B
「…ならフローラーとバスカークは?」
鏑木先生(?)
『ええ、全員いますが…』
千冬B
「クッ…どういうことだ…」
鏑木先生(?)
『どうかなさいましたか?』
千冬B
「いえ、なんでもありません。SHR中に失礼しました」
[ピッ]
山田先生の制止を振り切ってどこかへ電話をかけた千冬姉だったが、望んだ結果を得られなかったのか先ほど以上に不機嫌になる。
千冬B⇒千冬
「…さて、私が本物の織斑千冬だ。アレの事については忘れろ。いいな」
全員
『は、はいっ!!』
そんな恐ろしい眼で見られたら誰しもがそう答えるって…
千冬
「何か言いたそうだな織斑」
一夏
「な、なんでもありません!!」
鋭い眼光がこちらに向いた。
正直、かなり怖い…。
千冬
「フン、まぁいい。諸君、私の仕事はお前ら新人をこの一年間で使い物にするのが仕事だ。別に逆らってもいい…、だがその時は……わかるな?」
全員
『サーイエッサー!!』
思わずクラスの全員が敬礼をとってしまった。
だけどなぜだろう、千冬姉から是非とも逆らってほしい。
そして、ストレス発散口になれといってる気がしたのは俺だけだろうか…。
―――
――
―
<学園内の廊下>
時間は少しばかり戻る。
[ピッ]
千冬A
「フフッ、ツメが甘いですよ織斑先生♪」
IS学園のどこかの廊下…、先ほどまで1年1組にいた表情豊かなほうの織斑千冬の姿がそこにあった。
片手には携帯電話を握っており、声のトーンはさっきと全く違うもの…先ほど教室で織斑千冬(B)が電話をかけた相手の声になっている。
千冬A
「……あれが織斑一夏ね。なるほど姉に似て真っ直ぐな瞳をしてるよ」
一人納得顔をし、携帯電話をポケットにしまう。
そのとき、ふと窓ガラスに映る自分の姿を見た。
千冬A
「おっと、もうコレはいらないな…」
そう呟いたあと、自身の右手を左肩に伸ばし服を掴む。
そして、その手を思いっきり反対側へ伸ばした瞬間、織斑千冬(A)だった者は消え、そこにはIS学園の制服を身にまとった茶髪の男が現れた。
千冬A⇒茶髪の男
「ふむ、肉親にも気付かれないとは…やっぱオラクルの技術は世界一~♪」
[ザザッ……]
一人満足そうに頷いていると、彼の耳につけているイヤリングからノイズが走り、そこから別の男性の声が聞こえてきた。
???
『お~い、終わったか?』
茶髪の男
「ああ、予定通りに終わったよ」
???
『そっか、うちのSHRはもう終わって鏑木先生も教室を出て行ったから、戻るなら今だぞ』
茶髪の男
「りょ~かい♪」
茶髪の男の言葉を最後にイヤリングから音が消える。
彼は、一度さっきまでいた教室の方に視線を向けるが、すぐにそれを止め、自分の教室に向けてゆっくりと歩み始めるのであった。
【どうでもいい捕捉】
近衛
「俺が、“白衣の男”と“織斑千冬(A)”で」
バスカーク
「俺が“部下C”と無線機の相手!」
フローラー
「私が“部下B”よ」
【IFストーリー】
<1年1組>
視線を感じる…
この視線は一夏からのモノだ。
フフ、一夏め随分と困っているようだな。
ここは幼馴染として助けてあげるところなのだが…。
それはダメだ!!
なぜならば、あの一夏の捨てられた子犬の様な表情…正直たまらんっ!!
なんて可愛い顔をするんだ一夏///
ハァ、ハァ、これだけでご飯が三杯はイケるぞ!!
あぁ、写真に収めたい。
引きのばして部屋に飾りたい。
携帯の待ち受けにしていつでも見れるようにしたい。
やっていいかな、いいよね?
茶髪の悪魔
「へへ、んなもん良いに決まってるだろう。自分の本性を曝け出して思う存分暴れちまいな!」
紫髪の天使
「だめだよ箒ちゃん! そんなことしたら今まで培ってきたキャラが崩れちゃうよ! やるならこっそりとやるんだよ!!」
よし、見覚えのない“茶色で長髪の悪魔”と凄く見覚えのある“紫に近い赤髪の天使”から許しが出た。
さあ、篠ノ之箒。
鞄に手を伸ばすのだ。
そして、自分の携帯を開いて可愛い一夏の写真を収めるだ!!
[ゾクッ]
一夏
「っ!?(な、なんだ急に悪寒が…)」
窓側の前から2列目の女生徒
(目の前の人、急に顔を赤く染めたと思ったら、呼吸が荒くなったり、危ない顔をしたりしてなんだか恐いんだけど……。席替えしないかな……)
千冬(偽)
「(なにあの子? 野良兎から聞いてたのと全然キャラが違うんだけど…。帰りてぇ)」
千冬(真)
「さっさと中に入って私の代わりにアレに突っ込みをいれろ(そこで何をしているSHRはどうした)」
千冬(偽)
「……本音ダダ漏れですよ織斑先生」
本音
「呼んだ~?」
千冬(偽)&(真)
「「呼んでない(ぞ)」」
千冬(?)が教室に入る数秒前にもしかしたらこんなことがあったのかもしれない…。
【かなりどうでもいい補足】
●茶色で長髪の悪魔
IS学園整備科3年に在籍するとある男子生徒の姿をした悪魔。
“剣の英霊”もしくは、“騎士王”の様な容姿。
●紫に近い赤髪の天使
とある神社の長女にして初代戦乙女の幼馴染の姿をした天使。
普段は“アリス”のような服装をしてそう。
オワレ
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