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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜

作者:カエサル
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BFO編ーダブルファイター編ー
  40.終わらぬ事件

 
前書き
第40話投稿!!!

BFOから帰還したシュウ。
そして再び発生する事件!! 

 


「ふぅ〜.......終わったんだな」

アミュスフィアを外しベッドの上に置くと今までの疲れがドッと襲いかかってくる。

「この二日間.......無駄に疲れたな」

ベットに横たわりながら誰に言うでもなく愚痴を漏らしていると机の上に置かれているスマホが鳴り響く。

「誰だ?」

体を起こしスマホを手に取り、画面を見ると"桐ヶ谷直葉"と表示されている。

「スグ?」

現在の時刻は、四時をちょっとすぎ、今頃スグは、電車に乗ってこちらに帰ってる時刻だ。

「そんな急なようでもあるのか?」

少し違和感を覚えながらスグの電話に出る。

「もしもし。どうした、スグ?」

『............』

「もしもし?」

『...........』

返事がない。

「なんだよ.......悪戯か?」

電話を切ろうとした瞬間、少女の叫び声がスピーカーから響く。

『助けて!!』

「スグ!!おい、スグ!!」

『ハハハハッ!!』

するとスピーカーから聞き覚えのある男の笑い声が聞こえてくる。

「テメェは.......ルート!!」

『よくわかったじゃねぇか.....如月よぉ』

「テメェ!スグに何をした!!」

『まだ何もしてねぇよ。するのはこれからだ。.......じゃあな.......如月』

「ルート!!テメェ!!」

そこで電話が切れる。

「クソッ!!」

怒りのあまりスマホを床に叩きつける。

(早くしないとスグが.........でも、居場所が.......)

怒る頭を抑え、何か方法を考える。どうすればいいんだ。

すると一筋の答えが降りる。

「.........そうか」

床に投げつけたスマホを拾いあげ、急いでとある場所へと電話をかける。コール音が異様なまでに長く感じる。

ワンコール、ツーコール、スリーコール.......繋がった!

「キリトか!!」

『ど、どうした。そんなに慌てて』

「今すぐに俺の端末にユイを送ってくれないか!頼む!!」

「........わかった」

キリトは何も聞かずに俺の頼みを聞いてくれる。

「......ありがとう......キリト」

電話を切り、ダウンのジャケットを羽織り、スマホと自転車の鍵と家の鍵を握りしめ家から飛び出す。

『シュウさん、どうしました?』

俺のスマホ画面に妖精姿のユイが現れる。

「ユイ、頼む!スグの居場所を逆探知してくれ!!」

『えっ?は、はい!わかりました』

ユイは少し戸惑ったような表情をするが、調べ出す。

『探知できました!』

「どこだ!」

『ここから十km先の距離にある倉庫の一角にリーファさんはいます』

「........十km」

チャリで最低でも三十分はかかる距離だ。

でも.........

「ユイ!案内してくれ!!」

『はい!わかりました!』

自転車をかっ飛ばす。

(待ってろよ、スグ!!)




どうしてこんなことになっているのだろう。

あたしはいつもように帰り道を帰ってる最中に背後から誰かに襲われて.......気がついたらどこか知らない倉庫の中で手足を縛られている。

「ようぅ!お目覚めかい.......直葉」

目の前に大きな体格の男の人が現れる。

「立凪くん?どうしてここに?」

立凪.......あたしと同じクラスで集也くんと決闘を行った人だ。

「だいたい察しがつくだろ......直葉」

「集也くんに負けたんだ」

「だからお前をここで犯す.......そしてそのビデオを録画してあいつに見せてやるよ.......ハハハハッ!!」

「えっ?」

恐怖のあまり体が動かない。

(助けて.......集也くん......)




『シュウさん、そこ右に曲がってください』

「おう!」

息を切らしながらも自転車を全速力で漕ぎ、スグがいる倉庫へと向かう。

(待ってろよ、スグ!!)

『シュウさん、前!!』

「.......えっ!?」

スグのことで頭がいっぱいで俺は前方から来ていたトラックの存在に全く気づいていなかった。

ハンドルを思いっきり横にきる。......がトラックは回避したが俺は外壁へと激突する。

「.......す....ぐ.......」

そのまま俺は意識を失っていく。




「はぁ〜、まさかだったな〜」

まさかシュウに彼女がいたなんてな.........はぁ〜

気分がてらにいく宛もなくバイクを走らせる。すると遠くの方に地面の上に横たわる大きな何かがある。

「何、あれ?」

恐る恐るスピードを徐々落とし近づいていくとそれは...........道路に倒れる人だ。

慌ててバイクから降り、身体中から血を流す、あたしと同じくらいの歳の少年が......

「大丈夫、キミ?」

道路に倒れる少年の近くには前輪が大破した自転車。

『シュウさん!シュウさん!』

そして少年の前に落ちるスマホからは少女の声が聞こえる。

『お願いです!シュウさんを助けてください!』

「.......シュウ」

その名前を聞くと胸が痛くなる。

「わかったよ」

あたしは倒れる少年を抱きかかえ、動こうとすると男の子があたしの腕を掴む。

「ま......待って......くれ......」

かすれる声で少年は喋る。

「えっ?」

「俺を......連れてって.....くれ....」

「わかったよ。病院に連れて行けば.......」

「違う.......」

あたしの言葉を終わる前にかすれる声で遮る。

「倉庫.......に.......」

「倉庫?」

少年は、体を無理やり動かしながら地面に落下するスマホを指差す。

「ゆ.....イ.......案内......を.....」

『無茶ですよ!その体じゃ!』

スマホの中の少女が少年の身体を心配する。

「それ.....でも......いかなきゃ......いかなきゃいけねぇんだよ!!スグを.......」

「えっ?.......今.....スグって言った?」

そんなことあるわけがない......ありえない。........でも。

「まさか......シュウ?シュウなの........」

少年は、立ち上がりながらこちらを驚いたような顔で見る。

「な、なんで俺のプレーヤーネームを.........もしかして.....レイナ?」

「会えた........シュウ!」

あたしはシュウの体を抱きしめる。

「レイナ!痛ぇよ!」

「あっ!ゴメンね!」

シュウから慌てて離れる。

「とりあえず行こっか?」

「いや.......俺は......」

「スグちゃんを助けに行くんでしょ?」

「.........レイナ」

「さぁ、早く乗って」

ヘルメットをシュウに投げる。

「頼むよ!レイナ!」

「了解!しっかり掴まっててね!」 
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