霧の向こうのハーレム
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ハーレム生活
プロジェクトM
前書き
あの事のお話。
無事に保護された俺と理沙は鈴音とアヤメに連れられて村に向かっている。
「わたくしがもっと早く気付いていたらこんなことには。」
アヤメはさっきから俺とはぐれたことを誤り続けていた。
「いやもう謝らないで欲しい。お互いに悪かった、それでいいじゃないか。」
「でも……。」
「アヤメももう謝り疲れたでしょ。だったらいいじゃない。」
「そういうことだ。」
「はい……。わかりました。」
アヤメは急にしゅんとなった。まだ自分に否があると思っているのかな。もういいのに。
アヤメがしゅんとなってからの道中は極めて静かなものになってしまった。
「おう、遼・理沙。よく戻った。」
村の入り口では村長が俺たちを迎えてくれた。
「すみません。迷惑をかけてしまって。」
「いやいや、迷惑になんて誰も思っとらん。むしろおぬしがいなくてやり易かった。」
「やり易かった?」
まさか俺っていらない子?村を救ってくれって頼んだの村長ですよね。
「それでは皆の者、始めるぞい。」
「「「はいっ!」」」
村長の掛け声で村中の人という人が一斉に動き出す。
「さ、遼を連れて行け。」
「はい。行こ、遼。」
「へ?」
いつの間にか俺の後ろに回り込んでいた鈴音に背中を押され村の真ん中に連れて行かれた。
そこには何か巨大な木組みが建っていた。今朝もここを通ったが何もなかったぞ。
「はい、ここに座って。」
俺は鈴音に木組みの前の高台の椅子に座らされた。
「おい、鈴音。いったい何が。」
「ふふん。」
笑ってごまかされた。その鈴音は俺の隣に座り、それでもなお笑い続けた。
「見てのお楽しみですよ。」
「どういうことだ?」
「ふふん。」
反対側にアヤメも座って来た。そしてこちらにも笑ってごまかされた。
「なにが起こるんだ。」
「すぐわかるわい。」
「村長。」
「これ、理沙も交ざらんか。」
「ハーイ。」
今頃気がついたのだが、村長の服装がいつもと違って華やかな着物を着ていた。
そして理沙が鈴音の隣に座った。
「よーし、始めーい!」
再び村長の掛け声が走り、木組みの近くにいた人が篝火から火のついた薪を取り、それを木組みに差し込んだ。
すると木組みが威勢良く燃え始めた。
「皆の者、今宵は宴じゃ!」
「「「おおおおぉぉ!」」」
木組みの前に建つ高台から村長が宴の開催を宣言した。
しかし突然のことが重なり俺の頭は混乱している。わけがわからない。
「遼様、今日はぐれたのは遼様を少しだけ村から遠ざけるためにわざとやったことなのです。本当に申し訳ありません。」
「私があんたと森で会ったのも半分は計算したモノだったの。シロウーサに遭ったのは偶然だけど。」
「理沙ちゃん、シロウーサに遭ったってホント?いいなぁ。」
「さあ遼。お主のための宴じゃ。ささっ、飲め飲め。」
なるほど、そういうわけか。サプライズのつもりか。俺のための宴、いい響きだ。ただの高校生だった俺には身に余る光栄だ。
けど村長。俺酒は飲めないです。
その後呑めや歌えやのドンチャン騒ぎで村は一晩中騒ぎ回った。そしてどういうわけか翌朝、俺は自分に充てられた家のベッドで目を覚ました。
「ううん……、頭が痛い。」
昨日のことを何も覚えていない。森の中で理沙と会ったことしか覚えていない。
「何があったんだ?」
そこで俺は気づくべきだった。俺の他にベッドに人がいることに。
それは布団を被っていたが明らかに人の形をしている。
俺はそーっと布団を捲ってみた。そして、
「よう、おはようさん。遼。」
「Nooooooo!?」
中にいたのは村長さんでした。なぜだ、なぜ村長なんだ!?なぜ彼女たちでない。はっ、まさか俺村長に………。
「いやー、昨日はすごかったのー。」
昨日はすごかった?何が?HQ何があったんだ?
「さて、ワシは帰るとするかの。」
村長は何事もなかったかのように家から出て行った。
そして俺は昼に鈴音が訪ねてくるまでベッドでフリーズしていた。
後書き
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