ヘタリア大帝国
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TURN55 ドロシー失踪その四
「まさかそう来るとはね
「ここでも機動力を活用してきましたね」
「そのうえで来ましたか」
「自分達の持ち味をフルに活用する」
クリスはまた言う。
「それは戦術の基本にしても」
「しても?」
「してもとは」
「それは出来るのは相手の実力もわかってのことよ」
「つまり我々の力もですか」
「わかっているというのですか」
「だからこそよ」
今こうしてグラマンを倒しているというのだ。損害は無視できないまでになっている。
そしてそれを見てまた言うクリスだった。もう艦載機の数はかなり減ってしまっている。
「これ以上の戦闘は無意味よ」
「では、ですか」
「ここで」
「ええ、艦載機を下がらせるわ」
そうしてだというのだ。
「後は艦隊の護衛に回しましょう」
「防空の援護を受けさせつつ」
「そのうえで、ですね」
「そうするわ。いいわね」
「わかりました」
「それでは」
こうしてグラマン達は一旦下がらせられて後は艦隊との共同作戦に入ろうとする。しかしそれは東郷も読んでいた。
ガメリカ軍機動部隊のその動きを見て今度はこう命じた。
「今だ」
「水雷攻撃ですね」
「艦載機だけの攻撃で勝てるものじゃない」
戦闘は一種類の兵器が突出しているだけでは勝てないというのだ。
「だから今度はだ」
「水雷攻撃ですね」
「それで敵の機動部隊を仕留める」
「艦載機はこの場合見せる戦力ですね」
秋山は東郷の横で言う。
「艦隊に留めを刺すという意味では」
「そうだ。ここはだ」
「水雷攻撃ですね」
「敵機動部隊に接近する。残っている艦載機はだ」
それもどうするかと言う。
「こちらの艦載機で引き付ける」
「そうして艦隊への攻撃を防ぎ」
「一気に倒す」
こう秋山に話す。
「それでいいな」
「わかりました。それでは」
「機動部隊を倒せば後は楽になるからな」
「はい、それもかなり」
「艦載機だけで戦いには勝てない」
またこう言う東郷だった。
「だからこそだ」
「ましてガメリカ軍の魚雷は」
「威力はそこそこだがな」
当たれば痛い。だがだった。
「命中率が悪い」
「しかも信管の性能が悪く爆発しにくいです」
「そこを衝く」
こう話してそうしてだった。
今度は駆逐艦がガメリカ軍の機動部隊に向かう。グラマンは零戦に引き付けられ駆逐艦にまで手が回らない。
その隙を衝いて一瞬にだった。太平洋軍の駆逐艦隊はガメリカ軍に接近したうえで一気に酸素魚雷を放った。
「撃て!」
「撃て!」
攻撃が復唱され最初の魚雷が放たれる、
無数の魚雷が蛇の群れの様に敵に向かい命中していく。攻撃を受けた空母に駆逐艦が次々に動きを止める。
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