IS インフィニット・ストラトス~転生者の想いは復讐とともに…………~
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number-13 be in a bad mood
前書き
機嫌が悪い。
この場合は、夜神鳥麗矢。
麗矢はラウラとのいざこざから機嫌が悪かった。
機嫌なんて直る気配がない。ずっとムスッとしている。
ムスッとしているのは分かるが、何分無表情である。それが拍車をかけてすごく怖い。
「お、おい……麗矢。いい加減機嫌を直せよ。」
「……あ? ちっ。」
話しかければ、答えてはくれるのだが如何せん態度が悪い。
そこに一夏が話しかけるとさらに態度が悪化する。直りようがない。
「れ、麗矢君。いい加減機嫌を直してくれませんか?」
「……うるせぇ、黙ってくれないか。」
真耶は泣きそうである。
教師に対してもこんな調子なのだ。
千冬に対しても態度は変わらず、武力制裁をしようとしても止められてしまうのだ。
あの出席簿を止めてしまう。千冬は何もできない。
ある程度の自由を契約しているため、その契約は守らなければならない。
千冬が依頼して、麗矢が依頼を承諾している。その際の合意の時の条件を守らないといけないからだ。
ちなみに麗矢の機嫌が悪い原因、それは楯無にあった。
前に生徒会への勧誘をしつこくやっていたことがある。
いつしかそれも無くなっていたのだが、また最近勧誘され始めたのだ。
いくら言われてもやりたくないものはやらない。そう決めているのに。
しつこい楯無に切れている。
人に八つ当たりをしているだけなのかもしれない。
それはやってはいけないことなのだが、こうでもしないと暴走して学園を壊しそうになる。
何度言ってもやめない楯無。それで溜まった鬱憤を八つ当たりで解消。
自己嫌悪していた。
◯
それでも何とか一日の授業を受け終え、放課後になった時間を麗矢は適当に潰していた。
「――――?」
いきなりあたりが騒がしくなる。
第一アリーナからだろうか。
放課後のアリーナ開放は第一アリーナだったから、そこで何かが起こっていると予測するのが妥当であろう。
何か嫌な予感がして、麗矢は急いで向かった。
第一アリーナではラウラがセシリアと鈴を痛め付けていた。
痛め付けられている二人のISはダメージレベルCを警告していた。
あれを見ていると、麗矢の中に何かが込み上げてくる。麗矢はその何かを必死で抑えた。
「えっ? あれってやばくない?」
「あのままだと二人が死んじゃうよ!」
周りで話していた女子たちは、何もすることが出来ない。ただ、アリーナの観客席で見ていた。
女子の周りには一夏もいる。あいつなら、シールドを破って出てきそうだ。
麗矢がA-ピット側から姿を現すが、ISを展開しなかった。
それを見かねていてもたってもいられずに、一夏はISを展開し、アリーナバリアを破りラウラに飛び掛かった。
ラウラは飛び掛かってきた一夏を一瞥すると、興味がなくなったかのように視線を鈴に戻した。
鈴にとどめを刺そうとしていた。
一夏はそれを止めようとしたが、いきなり飛んできたミサイルに当たり吹き飛ばされる。
咄嗟にラウラを見たが、麗矢が鈴から引き離していた。ひとまず安堵する。
「貴様ぁ! 何故邪魔をする!」
「お前を見ていると、胸糞が悪くなるから。」
ISを展開していた麗矢がラウラと対峙する。
先に動いたのはラウラだった。
――ガキィン!
接近したラウラがプラズマブレードを振り下ろす。
麗矢はそれに合わせるようにして《デストラクター》で切り上げた。
だが、その間にほかのもう一本のブレードがあった。
「まったく、問題を起こしてくれるなよ。」
千冬が生身でIS用のブレードを持ち、二人の戦いに割り込んだ。
今は三本のブレードが切り結ばれている状態になっている。
「戦うのは構わんが、シールドまで破られてはかなわない。よって、学年別トーナメントまで私闘を禁ずる。――――解散!!」
千冬が手を打ち、音を響かせて解散を促した。
「いっ……もうちょっと優しく運んでくれませんか?」
「一夏、運び方が荒くて痛い!!」
セシリアと鈴はいつの間に戻っていた一夏とシャルルに運ばれた。
ラウラはさっさとどこかへ行った。
麗矢は部屋へと戻った。
楯無への怒りは楯無にぶつけるのが結局は一番であると気づいて。
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