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真・恋姫†無双    これはひとりの仙人無双

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刃を懐かしむ

6歳になった紅龍だ。
また時間が飛んでる?気にすることじゃないだろう?
特に何も無かったしな。強いて言うなら、前以上に本妻がでしゃばるようになったと言うことぐらいだ。
華琳はあまり母親に依存していなかったらしく、3歳ごろから俺や父上について来るようになった。
あとは・・・・・・・・、そうだ。
親戚とか言うことで夏候姉妹がやってきたんだった。兄弟じゃないぞ?
一ヶ月ぐらい前、俺が父上から武術を習い始めると言うことで、それにあわせて華琳も武術をはじめることになった。
そして、未来の従者として姉妹は送られてきたわけなんだが・・・・・・、片方は猪突猛進でもう片方も性格に難がある。所謂シスコンだ。
まあ、そんなことはどうでもいいとして、俺は父上から習い始める前からこっそりと鍛錬をしていた。
城内を歩き回ったり、炊事場からナイフに似た形状の包丁を数本こっそりと失敬して素振りをしたりしていた。
たいした量をやった覚えは無いが、神の言っていたとおり、神界での感覚が戻り始めている。
神界ではメインが刀と十字槍だったものの、他の武器も扱っていた。
だから、その武器を手にとって鍛錬しなおせば、すぐに神界でのスペックに追いつくだろう。
「父上、今日はどのようなことをするのですか?」
「何するのかしら」
ということで俺たち4人は今城の中庭にいる。
中庭とは言っても、みんなが実質的には決闘したり、鍛錬したりしているから訓練場とでも言うのが正しいのだろうけどな。
「うむ、今日はそれぞれの武器を決めようかと思ってな」
なるほど、これまでやっていたものは持久走とかいった基礎だったから何時から本格的な鍛錬に入るのだろうかとは思っていたけど、今日武器を決めて明日からと言った流れか?
「紅龍と華琳はまだ決めていなかっただろ、春蘭と秋蘭はどうなんだい?」
「私たちもまだです」
「そうだったか秋蘭?」
「そうですよ姉者」
・・・・・・・・、なんで自分の武器を決めたかどうかも分からないんだ。
いつも持久走で最初に飛ばしすぎて後で疲れている姿をよく見るが、まさかここまでバカだったとはな。
「紅龍さま、何かひどいことを思いませんでしたか?」
「何も考えてないよ」
まったく、これだから女性は怖いのだ。むだに人の思考を読み取るところがある。綿月の姉妹も、妖夢も、華扇もそうだったな。
「じゃあお前たち四人で好きな武器を選ぶといい。ただ、見た目とかで決めるのはダメだ。使ってみて自分に一番会うものを使うんだ。さっき武器庫まで取りに行かせたからそろそろ来るはずだ」
父上、武器庫の武器を全部持ってくる、とかじゃないことを俺は信じていますよ?
うちの武器庫無駄に数だけは多いんだから・・・・・・。
「「「「「指示されたとおり全部持ってまいりました」」」」」
「お、そうかありがとう。当番に戻ってくれ」
「「「「「はっ」」」」」
・・・・・・・・・、どうやら俺の考え事はフラグだったらしい・・・・。
「じゃ、頑張って自分の武器の種類を決めろ。後で特注品をそれぞれに作るから」
「「分かりました」」
「「ありがとうございます」」
上から俺と華琳。
春蘭と秋蘭の夏候姉妹だ。
にしても相変わらず数は本当にたくさんあるなぁ・・・・・・。
さっきの10人の衛兵さんたちも頑張ったものだと思うよ。
中庭の一角が、武器武器武器武器武器武器武器・・・・・・・・・・といった感じで山が出来上がっているんだからな。
「怪我はするなよー、わしは政務に戻っておるからな」
はいはい、分かりましたよ。
じゃあゆっくりと武器の山を解体していきましょうかね。







4人の中で真っ先に動き出したのは紅龍だった。
武器の山へ歩み寄ると、適当に突き出ていた一つの剣を掴み取る。
その剣は分厚く幅が広く、鈍い輝きを放っていた。
これは斬れないな・・・・。
斬ると言うよりもたたッ斬るといった感じだ。
特注品とやらになればよく斬れるかもしれないけど、ここまで分厚く幅の広くて重い剣は俺の求めているものとはかけ離れてるな。
剣みたいなものなら、日本刀。槍なら十字槍がいい。弓は、長弓かな。
別に他の武器が扱えないわけではないし、平均以上には扱えるようになるだろうが、やっぱりこの三つは欲しい。
ま、とりあえず近しいものを探すしかないか。
今度はこの槍かな・・・・・・・、これも無いな。
槍と言うよりも矛だった。
矛はあんまりうまく使えた覚えが無い。盾と一緒に使うのが主流かもしれないが、両手持ちできる武器の方が使いやすかった。もしくは日本刀の二刀流や、槍を二本持つ二槍流。片手剣と盾だとうまく使えたのにな。
次・・・・・、薙刀。微妙だな。これなら堰月刀を渡されるもしれないな。
次は・・・・、戦斧か。これは動きが単純になるから優れた武将との闘いでは不利になる。だからはずすか。戦鎚も一緒に選択肢からはずしておくか。
鉄球も、対抗策がいくらでもあるから却下。と言うよりも使いにくい。
大鎌は多分あそこで鎌をいじってる華琳が使いそうだから却下しておくか。
他にも斧槍(ハルバート)・細剣(レイピア)・刺剣(エストック)・鞭・突撃槍(ランス)・棍棒などなどいろんな種類があったものの、俺の求めていたものは無かった。
とはいえ、これらの武器もためし振りをしているふりをして鍛錬の一部をしてみたので、感覚が少し戻っている。だから新兵には勝てるんじゃないかと思う。
とりあえず、最後まで手元に残ったのが槍と弓なんだが、槍はこの一般兵用のものをもらって、弓を多少いいのをもらおうかと思う。
さて、せっかくだから弓で色々とためそうか。

紅龍は適当に長弓を選ぶと、矢を集めて、ゆっくりと1本ずつ丁寧に的に向かって放った。
そして、その横では秋蘭も別の的に向かって矢を放っており、2人の後ろで華琳と春蘭が大鎌と大剣で打ち合っていた。


下手に目立たないためにわざとはずしたりもしているんだが、これは何度かやっていればすぐに感覚が戻るな。
最高の状態にもっていくにはまだ時間がかかりそうだが、狙った場所の周囲には放てるようになってきた。
ところで、となりで黙々と矢を放っている秋蘭は凄いものだ。最初はばらつきがあったものの、だんだんと的の中央に近づいていっている。
真中が狙えるようになるまでそう時間はかからないだろう。
そして、もっと凄いのが後ろで打ち合いをしている華琳と春蘭だ。
四歳と言う幼さでありながらも、しっかりとした打ち合いになっている。
まだ武器を握って数時間だろうに、すでに武器の特徴を抑えているみたいだ。
攻撃は体にあたる直前にしっかりと寸止めができているし、相手の攻撃の受け流しや弾き返しもしっかりとできている。近接武器を極めるためには少なからず本能的なものと天賦の才が必要だ。
あの二人はしっかりとそれを持っているように見える。
春蘭は本能の割合が理性に対して多い気もするがな・・・・・・・・・。
まあ、結果として何が言いたいのかと言うと、3人は天然のチートだと言うことだ。
ただ自惚れではないが一つだけ言うならば、3人にとっての最盛期でも、俺の感覚が完全に戻れば負けることは無いだろう。
たとえ同時に斬りかかられても、だ。 
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