IX+V=....
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5th 洞窟、そして仲間
前書き
前もって言っておきます。
途中から文章ひどいです。
でも、読んでくださると嬉しいです。
あと、更新遅れてすみません
5th 洞窟
《サンタローズ パパス、リュカ邸》
パパスSide
今朝私が起きると、子供達、リュカとナインがもう起きていた。
「おはよう。リュカ、ナイン。」
私が声をかけると、何やら秘密の相談事をしていたらしく、驚いた顔をしてこっちを見た。
世からぬことを企んでいないといいが...
「お、おはよう。お父さん。」
「おはようございます。パパスさん。」
ナインは私に対して丁寧な言葉を使っている。昨日言ったことが原因だろうか?
「朝から一体何を話し合っているんだ?」
「な、なんでもないよ!お父さん!」
私はナインをじっと見る。
「えっ。何もないぞ...です。」
「なら良い。」
まあ何かあったとしても、対したことでもないだろう。
「えーっと、お父さん?」
リュカが遠慮がちに聞いてくる。
「ん、どうした、リュカ?」
「これからナインと出かけてきたいんだけど、いい?お昼頃には帰ってくるから。」
「別に構わないが... 朝ごはんはいいのか?」
「大丈夫!サンチョが昨日お弁当作ってくれといたから。じゃあ、行ってきまーす。」
「あ、おい。リュカ!」
もう走り去っていた....
「いってきます、パパスさん。」
「あ、待ってくれ、ナイン。」
私は今にも出かけようとしているナインに声を掛ける。
「なんだ... ですか?」
「私たちはもう家族なんだ。だから、そんなにかたくならなくていいぞ。丁寧な言葉を使うのも良いことだが、せめて私のことは’お父さん'と呼んでくれ。昨日ああは言ったが、家族に対してはもっとゆるくしていいんだぞ。」
「わかりました。いや、わかったよ。お父さん。じゃあいってきます。」
そう言ってナインは走り去って行った。彼は嬉しかったのか、笑顔だった。
「さて、私は今日の仕事に取り掛かるか。」
調べ物をするべく、本棚に向かいながらそう呟いた。
パパスSide end
《サンタローズ 教会前》
シスター・ミラside
リュカ君が教会まで走ってきた。
遊びにきてくれたのかと思ったがどうやら違うらしい。
人を待っているようだ。
「リュカ君、おはよう。何してるの?」
「あ、おはよう、シスター・ミラ!」
リュカ君って可愛い。この前の2年に及ぶ度の前、リュカ君とはよく遊んでいた。私は8歳、リュカ君は4歳だった。あの頃はまだ小さかったのに、旅を経て大きくなり、少したくましくなったように見える。私の方が年上だけれど、リュカ君にはかなわないだろうな。
「ナインを待ってるの。家から早く走り過ぎてきちゃったみたい
。」
「リュカ君足早いものね。あと、2年前にも言ったけど、私のことは呼び捨てでいいよ。」
4歳しか離れてないのにシスターと呼ばれると歯がゆい。
「えー... でも... あーっ!ナイン!遅いよ!」
どうやらナイン君がきたらしい。
ナイン君とはリュカ君の同い年くらいの男の子で、数日前にこの村に落ちてきた。詳しいことはよくわからないが、そんな不思議な子だ。
「お、おい... リュカ、お前速すぎるぞ...」
「こんにちは、ナイン君。」
「あ、こんにちは。先日はどうもありがとう。」
敬語を少し使うようになったみたい。
「じゃあナインもきたし、もういくね。ばいばーい、ミラ!」
私は驚いて思わず転びそうになった。
リュカ君が初めて呼び捨てしてくれた...
「ミラ?大丈夫?」
「え、あ、大丈夫よ。またね、リュカ君、ナイン君。」
「ばいばーい。」
「じゃあn... さようなら。」
そう言って走り去って行く二人...
私は二人の背中を見ながら思った。
どこにいくんだろう...?
シスター・ミラside end
《サンタローズ 洞窟》
リュカSide
洞窟の前で見張りをしている人がいたから、ナインと後ろからポコっとやって寝てもらった。
洞窟の中には初めて入る。中はジメジメして寒い。だけど、ないんはもう何度か入ったことがあるらしく、慣れた手つきで松明を作って洞窟を照らした。
寒いのにも慣れてきて入り口からもだいぶ遠ざかってきた頃、余裕が出来て僕は鼻歌を歌った。
それが原因となったのか、モンスターが出てきた!
スライムに... これはトンネラー?
まだ戦ったことのない魔物だ...
ぼくがみがまえていると、隣にいたないんが松明を押し付けてきたと思ったら、勇ましい掛け声と共にモンスターたちに突っ込んだ。
「うりゃああああぁぁぁ。」
「うわっ...!!」
僕は思わず叫んじゃった。しかし、ナインは強かった。
振りかぶった剣の一撃でスライムを葬ると、横にいたモンスター達をなぐ。少し遠くにいるモンスターに剣を... 投げた!剣は当たったけれど、武器がない!
そうしている間にも、残ったスライムがないんに近づく。
どうしよう...
「ナイン!」
たまらず僕は叫んだ。すると...
「武器なんて必要ない!最後は拳で決めるもんだ!」
と言うと、スライムを殴り飛ばした。
スライムは動かなくなる... と思ったけど起き上がった!
僕とナインは身構えるが、スライムは近づいてきた。
「ぴきーぴきー!」
近づいてきたけど、襲おうとしているわけではないみたいだ。というか、友好的に見える。
「ピキキーぴきー、ぴきーぴーぴー」
「ナイン、このスライム敵意があるようには見えないよ。どうしよう。」
「放っておけばいいんじゃないか?」
しかし、僕たちが歩き出しても、ついてくる。
「もしかして、友達になりたいんじゃないかな?」
「え、そんなこと..「ぴききー!!」」
突然スライムが飛びついてきた。いや、抱きついてきたつもりなんだろう。
「当たりなの?」
「ぴきー!」
「そうみたいだな。この世界ではモンスターとも友達になれるのか...」
「ナインの世界ではなれなかったの?」
「ああ...」
ナインが寂しそうな顔をしていたので話はそこまでにした。
新しい仲間、スライムを加え僕たちは洞窟を進んで行く。
リュカSide end
《サンタローズ 洞窟 B2F》
ナインSide
「そういえばこのこの名前どうしたらいいと思う?いつまでもスライムじゃ呼びにくくない?」
「ぴきー」
リュカが明るい声で聞いてくる。
この洞窟に入って、もう結構経っただろう。松明がわりに使っていた枝ももう交換した方が良さそうだ。
リュカとこのスライムは仲がよい。まるで友達のように。
そんな二人(一人と一匹)を見ていると羨ましくなる。
.
.
.
俺にも以前スライムナイトの仲間がいた。スライムナイトは、下のスライムのみがモンスターで上が小人族... いや、もっとちゃんとした名前があるはずだが... まあとりあえず、何とか族という人間によく似た種族の人という、二つに別れているモンスターだ。だから街に入っても上の部分だけなら気づかれることもなかった。
そのスライムナイトの名前はピエールと言った。利害の一致という形で一緒に旅をするというのが始まりだったが、目的を達成する頃にはかけがえのない仲間となっていた。
しかし、周りは残酷だった。
俺たちがモンスターと一緒にいることがいつの間にか知れ渡っていて、いつの間にか人々は俺たちを忌諱するようになった。まあ世界中を旅していたのだから当然かもしれないが。俺たちは一時期世界中から避けられた。原因が自分にあると知っていたピエールはその性格ゆえか、ある時俺に決闘を申し込んできた。
木刀ではなく、本物の剣を使う手加減なしの真剣勝負。どちらかかが勝ち、どちらかが生きる。そんな勝負だった。俺とピエールの実力は互角。決着はなかなかつかなかった。そんな中、俺の最後の一太刀をピエールはよけることも守ることもせずに自分からくらった。
俺は今でもよく覚えている。ピエールのあの笑顔と涙、そして彼からふき出した血の色を...
彼は俺達のために死んだ。自分が仲間に殺されれば、敵同士だったということができるから。一緒にいたのは罠だと言い訳ができるから...
俺はそれからしばらく世界に幻滅した。仲間たちの支えでなんとか立ち直ることはできたが、モンスターを仲間として見ることはできなくなった。仲間にすれば、友達になれば、あとが辛いからと堅い殻に閉じこもった。
幸い、それから後は敵意を持ったものしかいなかったため、このできごとは心の奥に封印された。だが、今目の前にいるのリュカ達を見ていたら、急に記憶が蘇った。
記憶の鎖が俺を縛り始めた。抵抗しようとするも、思い出されて行く記憶は容赦無く俺を縛る。足元がふらつく。
「うぅぅ...」
「大丈夫!?ナイン!どうしたの?」
「ぴきー!?」
心配してかけよってくる一人と一匹。
俺は二人にすべてを話した。
.
.
.
「ナイン、元の世界がどうであれ、この世界は違う。モンスターと仲間になれないなんてことはない!周りが忌諱することなんてないはずだよ!」
「何を証拠に「証拠なんてないよ!」」
「それでも、まずは周りを信じて見なきゃ。お父さんを、ミラを、ビアンカを、村の人達を見たでしょう?そんなことする人たちじゃない。しかもナインの話では、ナインは否定したりしなかったみたいじゃないか。周りもいえばわかってくれるよ。きっと。」
「リュカ...」
リュカの言葉は。俺の意識を変えたかもしれない。
「ぴきーぴきー」
このスライムは、仲間として見れそうな気がしてきた。
周りを信じる... あの時はどうせみんな同じだと、知り合いにも話さなかった。
信じて見るのもいいかもしれない
「リュカ... ありがとう。」
「そんな、お礼なんていいよ。言いたいこと言っただけだもん。それより、このスライムの名前なんにする?」
スライム...
「スラりんなんてどうだ?」
「ぴっききー!」
「嬉しそうだね。じゃあ、これにしようよ。」
こうして、スラりんと名付けられたスライムを仲間に加え、俺達は薬師を探すべく洞窟を進む。
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