| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

いろいろおかしい第四次聖杯戦争

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

本編
  2話~戦闘開始!~アーチャー陣営

 
前書き
一話が短めだったので、二話は長めにしました。
タイトルのみ編集しました 

 
――― ランサー陣営 ―――





「ねーねーランサー。戦いにいかないのー?」


のんきな声でこのようなことを聞いているのはランサーのマスター、雨竜龍之介である。


「うるせーな、少し静かにしてろりゅーのすけ!」


ランサーは林檎をかじりながら気だるそうに答えた。
しかし、この会話はとんでもない場所で行われているのだ。
冬木大橋の鉄骨の上である。
雨竜龍之介は人間なら落ちたら即死という高さにいてもマイペースだった。


「さぁーて、どうすっかなぁ?」


ランサーは不敵に微笑んでいた。





――― ライダー陣営 ―――





(ライダー、そいつのクラスはわかるか?)
(得物はナイフ、それとは別に何かを持っているみたいだ。)
(ならばそれを使われる前に片付けろ。)
(りょーかい!ようやくマスターも速さがいかに素晴らしいかわかってきたみたいだな!戦いにおける速さは相手に本来の力を出させずこちらの優位に戦闘を進める上で最も重要です。素早い攻撃は相手を翻弄することもダメージを蓄積させることもできます。そして速さは一点に集中させれば強力な一撃を……)
(やかましいぞライダー!令呪で早口を禁じてやろうか?)
(それだけはご勘弁~)


ライダーは今日もグットスピードである。





――― アサシン陣営 ―――





「オマエがオレの相手をするのか?」


アサシンは目の前の男に問いただした。


「デートの相手が俺では不満かい?お嬢さん。」
「軽い男はキライだ。でも、アンタを殺すのは悪くない気がするな。」
「そーかい!なら……ラディカルグットスピード脚部限定!」


男が叫ぶと、周りのアスファルトが次々に欠けていった。そして男の足には薄紫の装甲が装備されていた。


「へぇ………それがアンタの力か。だがオレはどんな能力(ちから)だって殺してみせる!」
「受けろよ、俺の速さを!衝撃のぉー!ファーストブリットぉー!」


男は一瞬でアサシンに詰め寄り、蹴りを放ってきた。
アサシンは咄嗟に防御するが、


「(かなりの威力だな。義手(左腕)じゃなきゃ止めきれてなかったな。さすが人形師(トウコ)といったところか。)」


今の一撃で焦っていた。彼女のマスターに宝具の使用はしないように厳命されてい
るからである。


「(おい、キレイ。こいつはかなりのもんだ。宝具(直死の魔眼)使わないとこっちも相当もらっちまうぜ。)」
「(お前の仕事は倒すことではない。時間をかけ、ほかのサーヴァントが来るまで粘るのだ。)」
「(わかったよ。そのかわり………)」
「(ハーゲンダッツならすでに冷凍庫の中だ。)」
「(相変わらず準備がいいな!)」


ちなみに味はストロベリーである。





――― ライダー陣営 ―――





「(おーいマスター、このお嬢さんかなりのやり手だ。本気でやってもいいかい?)」
「(少し待て、ライダー。戦場にネズミが入り込んだようだ。感知結界に反応がある。
………こいつは………そうか、やはり奴か。ライダー、標的変更だ。先にネズミをかたずけろ。)」
「(減らせるうちに敵は減らすってやつってやつだな。了解!)」





――― アーチャー陣営 ―――





アーチャーとウェイバーは端のほうの倉庫の影からアサシンとライダーを見ていた。


「アーチャー、あの二人のクラスはわかるか?」
「着物のほうはナイフ使い、対してグラサンの奴は蹴り、か。
着物のほうは獲物から判断するにセイバーかアサシンだろう。
グラサンはバーサーカー以外に徒手格闘できるクラス………まぁ十中八九ライダーだろう。」
「お前すごいなぁ」
「一応探偵科(インケスタ)だからな。」


と、その時だった。
いきなりライダーが反転し、こちらに向かってきたのだ。
咄嗟にスクラマ・サクスを背中から抜き、ライダーの蹴りを受け止めるアーチャー。
しかし、簡単に弾き飛ばされてしまった。


「ぐっ………」
「もうおしまいかーい?」
「んなわけ…………あるか!」


言葉とともに制服のホルスターからベレッタM92Fを引き抜くが、


「うーん、まだまだ速さが足りないぞ」


次の瞬間にはベレッタはライダーの手の中で遊ばれていた。
(こいつは、ヤバい!)
咄嗟の判断でマスターとともに逃走しようと後ろを向くと、
気絶したマスターを抱えたライダーが立っていた。


「鬼ごっこはおしまいだ、さあ受けろよ!俺の速さを!」
「………来い!」





――― セイバー陣営 ―――





セイバーとアイリスフィールが倉庫街についたとき、
白と紫の服を着て、足に装甲をつけた男が、
学生服の少年をいたぶっているように二人には見えた。


「彼からはかなりの魔力を感じるわ。きっとサーヴァントね。
あっちの少年はマスター、かしら?
おそらくサーヴァントがやられてしまったのね。」
「あの男、マスターを殺す気なのか!
サーヴァントがいなければ勝負は決まっているのに……」
「それが聖杯戦争よ。敗れたマスターは殺す……それが普通なのよ、クレス。
………って、あら?クレス?どこへ行ったの?クレス―?」


すでにそこにセイバーの姿はなかった。





――― アーチャー ―――





アーチャーは死を覚悟した。
しかし、彼は死ななかった。


「マスターまで手にかけるのはやめるんだ。」


ライダーの一撃を防いでくれた男がいたからだ。
彼は斧槍(ハルバード)を片手に持ち、ライダーに語りかけた。


「おいおい、人の戦いに手ぇ出すのは感心しないぜぇ?」
「とる必要のない命まで取ろうとするな!」
「は?何言って………」


と、目の前の男はいきなりライダーに突きを放った。
製錬された動き、おそらくランサーだろう男はライダーを中央に追いやっていく。
と、突然やわらかい感触が頭にあった。


「大丈夫?」


と、目の前には銀髪の美女が。


「もう大丈夫よ、あとは聖堂教会に保護してもらえばいいわ。」


何をされていたのかとおもえば、膝枕をされていた。膝枕を。
アーチャーの顔が引きつる。


「まだ不安?大丈夫よ、大丈夫………」


その様子を見た美女はあろうことかアーチャーの頭をを自分の胸に抱き寄せてきた。胸に。
さらに頭まで撫でてくる。
アーチャーは思った。
(ああ、これはアウトだ(来た)………な)
そこで意識が切り替わった。


――― アイリスフィール ―――

抱きかかえていた男の子の魔力が急に膨れ上がった。
(なんて魔力、まさかこの子、サーヴァント?)


「ありがとう、麗しきレディー。しかし俺は大丈夫だ。マスターも返してもらわなきゃいけないしな。」
「あなたやっぱり………」
「ああ、サーヴァントさ。」


そういって彼はライダーに向かっていった。
(それにしても麗しきレディーって…………
面白いサーヴァントもいたものね。)






――― アーチャー ―――






(まさかこんな形でなる(・・)とはな)
俺は今、自身の宝具により強化されている。
その宝具とはヒステリア・サヴァン・シンドローム………俺はヒステリアモードと呼んでいる。
こいつの発動条件は、俺が………性的興奮をすること、というものなのだ。
だが発動すれば普段の30倍近くの戦闘能力を有する代物である。
しかし弱点はある。
女性に甘く、キザになるという弱点が。


「俺のことを放っておくなよ、ライダー。」
「君!生身でサーヴァントと戦おうなんて無茶だ!」
「俺もサーヴァントだよ、セイバー(・・・・)。」
「………どうしてわかった?」
「アンタの動きは剣術のそれだ。それも相当の腕。
扱いはごまかせてもしみついた足の動きまでは変えられない。」
「見事だ。マスターの策もこれでは意味がない。僕も本気を出そう。」
「そうか、ならあちらのレディーの相手をしてあげてくれ。
女性を退屈させてはいけないだろう?ライダーは俺が相手をしよう。
やられた分はやり返さないとな。」
「わかった。ライダーの相手は君に譲ろう。」
「おいおい、こりゃどういうことだ?さっきまでとは別人じゃねーか。」
「生憎と本気を出すのに条件のいる体質でね。」
「いいだろう、相手してやる。受けろよ!俺の速さを!」
「(相手は速さが売り………銃はおそらく効かないだろう………ならば!)」


アーチャーは彼の一族のもつ最強のカウンター技で対応する。
――――『絶牢』重心を体の中央にし、目の前の見えない誰かを押しのけるような構えのそれは『相手の技の威力をそのまま相手に返す』技である。
ライダーは速い。だからこそ一撃にもかなりの威力がある。ならばそれを利用するまで……。

「壊滅のぉ!セカンドブリットぉぉ!」
「(………もらった!)」





――― アサシン、セイバー ―――





「サングラスの次はバンダナの色男か、とことんつまんない相手ばっかだな。」
「女性とはいえ、サーヴァント相手なら手加減はしないよ!」


アサシンにしてみれば、結構な予想外の連続である。
最初に戦っていた男は、いきなりいなくなったかと思えばサーヴァントと呼ぶにも怪しいような魔力の奴のところに行ってしまった。
そうしたらいきなりそいつのことをかばう二人組が現れるし、そいつはそいつでいきなり魔力が増加する始末。
そうしてしばらくしたらこのバンダナ男かこっちへ来て今に至る、というわけである。


「アンタ、セイバーらしいな。斧槍(ハルバード)持ってたのは偽装ってわけか。で、本物の得物は出さないのか?」
「あの剣はマスターの命でまだ出せないのさ。」
「なら………使うことなく脱落させてやるよ!!」


言ってアサシンは駆けた。一瞬でセイバーに迫り、


「その武器『殺させて』もらうぜ!」


セイバーはアサシンのナイフを防いだ………と思ったのだが斧槍は真っ二つになっていた。



「「!?」」


驚きはセイバーとアイリスフィールのもの。
アインツベルンの財力で用意した特注のハルバードがナイフひとつでたやすく切られたのである。驚くのも無理はない。


「さあ、本気出す気になったか?」


アサシンが挑発する、が次の瞬間、


「(アサシンよ、宝具を使うなとあれほど釘を刺しておいたはずだ、罰としてハーゲンダッツではなく私特製の麻婆を食べてもらおうか。)」
「うげえええええ、つい熱くなっちまったんだ、『アレ(・・)』だけはよせええええ!!」
「(吼えてないでとりあえず撤退しろ、時臣師のサーヴァントがそちらに向かった。)」
「(あいつが来るのか、そりゃ逃げとくに越したことないな、こっちまで巻き添えくらう。)」


アサシンの咆哮を聞き、セイバーは(マスターのいる方向に咆哮………いい出来だ!)とかどーでもいいことを考えていた。


「悪いが俺は帰るぜ、じゃあな、セイバー。」


セイバーが返事をする間もなく、アサシンは消えていた。






――― キャスター陣営 ―――




「(綺礼からの連絡でかなりの数のサーヴァントが集まっていることが確認できている。まだ序盤だ、くれぐれも宝具は使わずにダメージを与えてくれるかな?なのは。)」
「(まかせてください!!)」


キャスター、高町なのははほかのサーヴァントに比べ、圧倒的に有利な能力がある。それが『空を自由に飛べること』である。
最初はキャスターのクラスを引いた時臣は自分が最弱のクラスを引くとは思っていなかった。しかし、彼女の能力の説明を聞き、彼は自分の勝利を確信した。
普通のサーヴァントは空中にいるとしても、身体能力による跳躍か、魔術による浮遊が限度である。しかし彼女は『飛行』が行えるのだ。
これがどうして負けようか、とそのことを聞いてから時臣は終始どや顔だったそうだ。と、弟子のK,Kさんは語った。


「じゃあいきます!ディバイン、バスター―!!」


しかし、彼女の放った閃光は戦場にはとどかない。
邪魔をする者がいるから。





――― ライダー ―――





ライダーはなぜ自分が跳ね飛ばされたのか理解できなかった。
確実に一撃が決まった、と思ったらいきなり跳ね飛ばされたのだ。


「………何を仕掛けた。」
「まだ動けるのか………頑丈だな。」



と、若干アーチャーに戦局が傾いたころ、


「何をしているライダー!さっさと片付けろと言ったはず、早く蹴散らせ!!」


ライダーのマスター、ケイネス・エルメロイ・アーチボルトは痺れを切らし魔術による声の拡散でライダーに叱咤する。


「宝具を使用し、速やかにかたづけろ。」
「………わかった。」


ライダーが言うと周囲のものがどんどん欠けていき、そこには全身を流線形の装甲で覆ったライダーがいた。


「こっからは本気だ、よけれるものなら、よけてみろ!」





――― バーサーカー ―――




バーサーカー、もといカズマは雁夜の状況を聞き、「その桜って子に聖杯が必要なんだな」と、微妙に勘違いしたまま戦場に向かった。
その途中で、


「かなりの魔力だ、遠距離型のサーヴァントだろうな。相手が悪い、先を急ぐぞカズマ。」


といった雁夜を無視してその魔力へ向かっていくカズマ(バカ)がいた。


「さあ、ケンカだケンカ!!とことんやるぞおおおぉ!!シェルブリットぉぉぉぉ!!!!」


今、たった一つしか持たない男が戦場へと駆けていく。





――― ランサー ―――




「さて、そろそろあたしも混ざるとするか。りゅーのすけ、ここにいな。あんたはあたしとの視界共有で戦場を見てりゃいいよ。」
「えー、なんだかつまらなそーう。」
「いいから見てな、期待にくらいは応えてやるよ!!」


(さあ、戦闘開始だ!!)



 
 

 
後書き
戦闘シーンうまく表現できてないです。

なのはも次回は直接戦闘させます………たぶん。

次はおそらく来週です 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧