ハイスクールD×D 蒼き凶鳥
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原作前
第一章 大戦期
第一話
戦争が始まり一か月ほどがたち戦局は膠着状態になっているといえるだろう。
悪魔、天使、堕天使の三勢力は互いに同盟を組むことはなく、それぞれ自分たち以外の勢力と戦争をしているので、一つの勢力に集中して戦うことができないからだ。
そのため、悪魔勢も天使、堕天使にたいし二方面作戦をとらざるをえない状況だ。
う~む、俺のなかで二方面作戦は必ず失敗する気がするんだが。
第二次のドイツとか日本とか、いやまぁ日本の場合海軍と陸軍の仲の悪さがいけなかったんだけど。
三勢力といえばエゥーゴとティターンズ、アクシズを思い出すがこの戦争はそれよりもやっかいだぞ、どの勢力も攻めに攻めれないからだらだらと長引くぞこの戦争。
長引けば長引くほど戦後の被害が増えるんだがな。
俺たち五人は同年代の悪魔のなかでも群を抜いて強かったためかなり前線のほうに派遣されている。
俺とセラは堕天使方面、ゼクスとアジュカ、ファルビウムは天使方面に派遣されている。
現在俺とセラは最前線から少し離れた場所を偵察している。
いわゆる偵察部隊というやつだ。
「なにも無いね☆ 鏡君」
「前線だからな、この辺りも戦闘があったみたいだし、だいたいが焼け野原になってる」
「うん、どこもかしこも焼け野原だね。こんなところ偵察して意味あるのかな?」
「レラィエ卿が大規模殲滅魔法使ったらしいし、それに残存兵の可能性も否定できないから、こうして偵察しているんだろう」
「そうだね☆ じゃあ鏡君とのデートだと思おう!!」
「待て、こんな物騒なデートがあってたまるか!!」
「あっ、そろそろ予定ポイントだよ☆」
「ここの確認が終われば偵察完了だな。……?」
「ねぇ、鏡君……」
「ああ、堕天使だな。数は……十人以上、しかも中級以上だぞこれ」
「どうする?気づかれる前に本隊に連絡する?」
「いや、一人ヤバイのがいるな、マズイぞもう気づかれてる!? セラっ散開!!」
俺たちがその場を離れた瞬間、そこには巨大な光の槍が突き刺さっていた。
「さすがにあれは、くらったらシャレにならんな」
「まさか、こんなところに悪魔がいるとはな。ここは既に偵察からはずれていると思ったが」
見上げるとそこには一人の堕天使がいた。
いや、ただの堕天使じゃない。翼が十枚、だと!?
「ここで本隊に報告されると厄介だ、貴様らには死んでもらおう。このコカビエルによってな」
「鏡君、コカビエルって!?」
「ああ、堕天使の幹部の中でも特にヤバイ奴だ。ここで逃がしてはもらえなさそうだな」
いつの間にか、周りには十人以上の堕天使に囲まれていた。
「このまま戦うしかないな、セラ、バックアップ頼む」
「わかった」
俺は大剣を創りだし構え、セラは得意な氷結魔法を唱える。
「ほう、戦う気かね?」
「だって、このまま逃がしてはくれないんでしょう? だったら戦うしかないじゃん」
「その心意気は好感がもてるが、ここで死ねっ!!」
その言葉とともに堕天使たちが一斉に攻撃をしかけてくる。
俺は近くの堕天使三人と応戦する。
「その大剣ではわれら三人の攻撃はさばけまい」
堕天使の攻撃を受け流しながらいると一人が挑発してきたので、
「甘いなこの大剣は分離して双剣になる!!」
俺は大剣を分離させ、そのまま堕天使の首を切り落とす。
ズバッという音ともに挑発してきた堕天使の首が宙を舞う。
「マ、マッシューーーー!!!!」
「バカな!?われらのジェットストリーム・アタックがやぶられただと!?」
マッシュ?ジェットストリーム・アタック?まさか残りの二人はガイアとオルテガじゃないだろうな。
「どうする、ガイア?」
「落ち着けオルテガ」
あ、やっぱりそうなんだ。
「キャーーーー」
「セラっ!?」
セラの悲鳴が聞こえたので、俺はセラのほうに視線をむけると今まさにセラにむけて光の槍をはなとうとするコカビエルがいた。
俺は出せる限りの速さでセラとコカビエルの間に入り、はなたれたコカビエルの槍をくらった。
「鏡、君?」
凄まじい爆音と、煙が当たりにばらまかれ、その場にいた誰もが鏡夜の死を疑わなかった。
しかし煙が晴れてくると、その中には盾を構えた人影のようなものが見える。
だが、その姿は人型ではあるが人ではない。
鏡夜は180cmほどであったが、その人影は2mほどもあり頭部にはV字のブレードアンテナ。
煙が完全に晴れると、トリコロールのカラーに彩られツインアイを光らせている、[たった一機で戦局を変えた][連邦の白い悪魔]と恐れられた、<RX-78-2 ガンダム>がそこにいた。
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