俺が魔王の息子ってマジですか!?
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
6話 黒龍編始まりました。
ー紅蓮視点ー
ヨルダ狂乱事件以降、特に何もなく平凡な日々が続いて2年が経過したが、
最近は少しめでたいことがあった。
母が妊娠したらしい。
本当に今回は教えてもらえてよかった。
焔王の時のように、俺だけ知らないとか嫌だしね。
おかげでいつ生まれても大丈夫なように、防災袋を準備することができたし、
避難経路もばっちりだ。
雷、地震、火事親父、バッチこい!な状態である。
さて、そんな俺がだが・・・。
現在、自室のイスに座って考え事をしている。
その考え事とは・・・。
コンコン
「紅蓮様。ヒルダです。お飲み物をお持ちしました。」
「入れ」
ガチャ
「失礼します」
そう、今ジュースを持って、部屋に入室したヒルダの事なのだ。
別に不満があるわけではない。
むしろよく働いてくれるし、よくやってくれている。
問題は彼女の容姿だ。
胸部辺りを大きく空けたゴスロリ服を着ていて、美しい金髪の巨乳美女。
それが、現在の彼女だ。
昔から美少女であった彼女は誰もが予想した通りのとんでもない美女へと現在進行形で成長をしているのだ。
いくら精神が大人でも、とてもじゃないが理性が耐えられないわけで・・・。
「どうぞ、紅蓮様」
「ああ」
笑顔で部屋の机にジュースを置いてくれるヒルダ。
彼女の胸元を見ないように、必死に耐える俺。
このままだと、いつか襲って、ヒルダに殺される。
そうならないうちに、何とかしないと・・・。
俺はいつか、侍女悪魔を襲った変態魔王と言われ、
名誉と命を同時に、落とす事になるだろう。
コンコン
「紅蓮様。今よろしいですか?」
「入れ」
おや?最悪な未来を想像していると、誰か来たようだ。
何のようだろうか?
ガチャ
「失礼します、紅蓮様。」
「何のようだ?」
入ってきたのは、父の側近さん。
この人が来る時は必ず何かある。
正直とても怖いが、何の用か尋ねる。
「大魔王様がお呼びです。」
「そうか」
どうやら、父が呼んでいるようだ。
どうせ、また適当な事を思いついたんだろう。
そんな事を考えながら、父の居る所に向かった。
10分後。
「紅蓮。お前ちょっと、黒龍を封印して来い!封印が解けてたら、ぶっ殺せ!
よろしく!」
「わかりました」
父の用件は、黒龍の封印もしくは討伐命令。
まあ、今回もヒルダが殺して終わるんだろうけど、あれが使えそうだな。
そう、昨日の夜遅くにひそかに特訓したなんちゃって魔法。
まあ、特訓ていうか日ごろのストレスとかやな事を忘れる気分転換?みたいなものだ。
それに、あれは見た目は派手だから囮に使えるだろう。
こうして、俺の黒龍の封印もしくは討伐が決まった。
ー焔王視点ー
「む~!ラミアの奴は何処に行ったんじゃ!
全然、見つからないではないか!」
「坊ちゃま。今日は諦めて明日にしたらどうですか?」
「そうっスよ!今日のところは眠くなるまで私達とゲームしましょう」
「ささ、坊ちゃま。風邪を引きますので部屋に戻りましょう」
今日は、ラミアとゲームをしようと一日中ラミアを探していたのじゃが見つからない。
正直イライラするが、嫁に自由時間をやるのも夫の務めじゃ。
ここはサテュラの案を採用し、眠くなるまで4人でゲームじゃ。
そんな事を、考えながら余の部屋に向かうため、城の廊下を歩く。
後もう少しで、余の部屋に辿り着くと思った所で・・・。
ゾワ!
『!?』
突如、とんでもない魔力を感じたのじゃ。
もしかすると父上かの?それともベヘモット・・・ッ!?
余はヨルダ達と、魔力の溢れる外の様子を見る。
外には一人の悪魔が居た。
その悪魔は・・・。
「兄上・・・?」
「「「・・・・」」」
余の実の兄であった。
じゃが、その様子は普段目にはしない雰囲気と表情で城の広場に立っていた。
余が生まれる前から付き合いのある、侍女悪魔の三人は何故か頬を染めながら
見ておる。
よくわからんが、何か知っておるのか?
「イザベラ。兄上は何をしているのじゃ?」
「わかりません。私もあのような紅蓮様は初めて見ます。」
知っているのかと、聞いてみたがどうやら知らんらしい。
イザベラが知らないとなると、他の二人も知らないのじゃろう。
すると兄上が赤黒い魔力が右手に集中させる。
一体、何をする気じゃ・・・?
不思議に思いながら見ていると、赤黒い魔力は一振りの巨大な片刃剣になった。
巨大な片刃剣の刀身には赤黒い、電気のようなものがバチバチとしている。
あれはヤバイ。
父上の息子でとても強く、超絶カッコイイ余でもそう感じる。
4人で黙って兄上を見ていると、兄上は巨大な片刃剣に魔力を流し、
片刃剣の刀身から赤黒い大量の魔力がうねりながら放出している。
そして、兄上はそのまま・・・。
下から上へ切り上げる。
ただ、それだけの動作なのだが、兄上が切り上げた瞬間。
膨大な魔力は巨大な斬撃となって、空へと飛んで行った。
もし、あれが余に向けられたらと思うと・・・。
・・・。
フ、余は平和主義者じゃ、争いは好まん。
だから今後は兄上を怒らせないようにするのじゃ。
平和が一番じゃからの!!
ー次の日ー
あの出来事から、すぐに部屋に戻りゲームをせずに寝た余は
今日こそラミアとゲームをするため、イザベラ達と城の中を探す。
かなり探しているのだが見つからない。
あーー!つまらん!何か面白い事は無いか!!
そう思って父上の部屋の前の廊下を歩いていると、兄上と父上の話が
聞こえてくる。
「紅蓮。お前ちょっと、黒龍を封印して来い!封印が解けてたら、ぶっ殺せ!
よろしく!」
「わかりました」
黒龍?封印?どういうことじゃ?
余は、超絶頭がよくてカッコイイのじゃが、それだけでは理解が出来なかった。
だから、余よりも少し頭のいいイザベラに聞く事にする。
「イザベラ、黒龍とは何じゃ?」
「坊ちゃま。おそらく伝説の『紅き瞳の黒龍』の事では?」
「おお!あの伝説の・・・」
余がイザベラに聞くと、なんと内容は伝説の黒龍の事じゃった。
あの伝説は児童書として今でも語り継がれている伝説じゃ。
それにしても父上よ、相変わらず説明が適当でわからんかったぞ。
ッ!?
いつも通り、適当な父上に呆れいていると余はナイスアイディアを思いついた。
もし、兄上の代わりに黒龍を封印もしくはブチ殺せば・・・。
『すごいわ、焔王様!さすがです!!結婚して!!』
『フ、ようやく余の魅力に気がついたか・・・。ラミアよ』
こうなるに違いない!
グフフフフフ。
それに、もし怪鳥アクババのように黒龍を従え、家来にすれば余の株は急上昇!
『あーん!焔王様』
『きゃー!焔王様!彼女にしてー!』
『フ、すまんの。余の嫁はラミア一人と決めておるのじゃ』
『ステキ!私、あなたと結婚するわ!むしろして!!』
こんな感じに、なるに違いない!!
未来を想像するのはやめ、兄上が余に気づかないうちに、イザベラ達と共に余の部屋に戻って宣言する。
余は・・・。
「余がその黒龍を兄上の代わりに倒し、家来にする!
余の無双っぷりをラミアに見せ付けるのじゃ!」
「「「坊ちゃまーーーー!!!?」」」
一方その頃。
ゾワワ!
「ん?どうした、ラミア」
「す、すみません。急に怖気が・・・」
紅蓮の役に立とうと、医者のフォルカス先生に弟子入りしたラミアが
女の勘で身の危険を察知したようだ・・・。
おまけ・・・。
「見た目だけで威力が無い囮魔法の魔剣スパーダ作成(笑)と月牙天衝(笑)以外も逃走魔法を考えておくかな?」
自分の魔法の凄さに気づく事はなく、自分はスライムにすら負けると自負している男と・・・。
「ほほう。あれが紅蓮様の力・・・。いつか手合わせをしたいものだ・・・」
チキンな男に目をつけた、魔界最強の一角である男。
ゾワワ!!
「あれ?なんだろ?寒気が・・・。風邪か?」
ページ上へ戻る