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モンスターハンター 転生先でのお仕事はハンターです。

作者:紅い狐
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第一話 訓練所での風景

 
前書き
一気に行きます。 

 
 第一話 訓練場での風景

 村の訓練所に今日から一年間訓練所で暮らすことになった。
 同期は3人うち二人は女だ。
 まぁ、同じ村の人間だから仲もいい。 

 とりあえず、ここにいる人間の紹介をしておこう。
 まずは教官のベイガー。43歳むさ苦しいおっさんだ。
 好きなものは酒と訓練生の頑張る姿らしい。
 後、独身(嫁募集中)
 好きなタイプの女性は?と聞くと巨乳ならだれでもいいと言い切るぐらいのおっぱい星人。

 次にもう一人の男バウアー18歳かなり体格がよく身長は180cm体重85kgの巨漢だ。
 子供のころ村では力自慢の猪突猛進なガキ大将で有名だった。
 因みにこの世界では15歳で成人と認められる。
 こいつの両親は武具屋をやっていて何気に素材については詳しい。
 好きなものは肉、何時か飛竜の肉を使った料理で食堂を開こうとしている。
 ハンターになった理由は現地調達と資金稼ぎだそうだ。
 嫌いなものは12歳以上の女性。
 好みのタイプ女性は?と聞くと12歳以下の女の子と即答するぐらいのロリコン。
 偶に俺の事を義兄と呼んでくるがアリサは絶対お前にはやらない。

 後の二人はルイセとミーシャの双子の姉妹だ。
 見た目がそっくりな事で有名だ。
 歳は俺と同じく15歳。
 バウアーとは犬猿の仲。
 見分け方は髪型と胸の大きさだ。
 ルイセがチアジャギィで胸がミーシャより小さい、ミーシャがケルビテールでルイセより胸が少し大きい。
 性格は二人とも肉食系女子と言うかサディストと言うかよくえげつない攻撃をしてくる。

 そういえば俺の紹介がまだだったな。
 元の名前は浅木洋介しがいない学生で、抜け毛を気にしていた人間だった。
 チクショウ、決まった就職先は銀行だったのに……。
 で、現在の名前はスレインだ。
 転生?して良かったことは精々容姿が生前より美形になったことだ。
 後、動物を殺す事に特に忌避感が無くなっていることに驚いた。
 食事用に鳥を絞めた時に何も思わなかった。

 さて初日から問題が発生した。
 部屋が男女相部屋だったことだ。
 これには全員で教官に文句を言ったのだが『これから異性とパーティーを組むことは珍しいことではないその時の予行演習だ』とのことだ。
 
 「嫌だー。こんなBBA共と一緒に一年間なんて耐えられないぞ」

 「「こっちだってお断りよ。あんたみたいなデリカシーの欠片もないバウアーと一緒なんて」」

 さすが双子なだけあって息がぴったりだ。

 三人が一斉にこっちを見てくる。面倒だ。

 「「「スレイン、何とかいって(くれ)」」」
 
 お前たちね。これも訓練だろ?初対面じゃないんだからまだましだろ

 「そ、それはそうだが、知っている分余計に嫌なんだよ」

 「「そうよそうよ」」

 なら、カーテンか何かで仕切りでも作ればいいだろ?

 「ちっ、しょうがないな」

 「「そうね。ここでこれ以上揉めても仕方がないわね」」

 何とか三人も納得したようだし訓練所のグラウンドに入る。
 ここでは、武器の使い方や、教官が用意した大型モンスターを指定の武器で倒したりするところだ。
 今日は一日目とのことで武器の特性について教えてもらうことになったがゲームをやった身から大体の事は理解している。
 因みに昔はライトボウガンをメイン武器で双剣をサブにしていた。
 偶にスラッシュアックスやランス、ガンランスも使っていた。

 訓練開始二週間

 バウアーの鼾が五月蠅いが最近では慣れた。
 今日は調合練習だ。
 今までは武器の使い方や調合のレシピを覚えるのがメインであった。
 実際にフィールドに出て素材を採って調合することだ。
 探索範囲も限られており肉食系のモンスターはいなかった。
 
 バウアーの奴は一体何回失敗するんだ。
 素材を探すのは一番早かったが、調合が下手すぎた。

 「こ、これは素材が悪かったに違いない。もう一回探してくる」

 やれやれあきれて物が言えないな。

 「やーい、バーカバーカ」
 「ミーシャ、しょうがないわよ。だってバウアーはバは馬鹿で、ウはウザいで、アは阿呆なんだから」

 「何だと!五月蠅いぞBBAども」

 「「キャー、バウアーが怒った」」

 バウアーも大人げない。さっさと素材を採ってこいよ

 「お、おう」

 で、二人ともできたのか?

 「「まぁね」」

 二人は自慢げに胸を張る。
 今はインナーしか着ていないので多少の差はあれ本来よりは大きく見えた。
 その様子をベイガー教官がガン見していた。と言うか鼻息が荒い。

 課題は回復薬と回復薬グレートの調合だ。
 確かにゲーム中ではこのアイテムにはお世話になった。
 あまりゲーム中に調合はしなかったが、買うお金がないときは必要かも。

 バウアーが課題に成功したのはそれから3時間後だった。
 
 大丈夫か?

 「お、おう。何とか出来たぜ。頭が痛い」

 知恵熱かよ。これからもっと覚えることがあるけど大丈夫か?

 「大丈夫だ、問題ない」(キリッ

 果てし無くウザかったので今日夕食に失敗作の回復薬を奴の飯に混ぜてやった。
 食事中に奇声を発して床を転がり始めたので今日は外に放置して寝た。

 翌日、何故か俺のベットにルイセとミーシャがいた。
 どうやら俺の食事にも何か仕込まれていたらしい。
 二人の気配を全く感じていなかった。
 勘弁してくれ。


 訓練開始一ヶ月

 今日は雪山でポポを狩って、こんがり肉作りだ。
 
 俺たちの武器は、バウアーがボーンブレイド。
 ルイセがボーンククリ、ミーシャが骨塊。
 俺がショットボウガン碧だ。

 バウアー達が一斉に走っていく。
 俺は支給されたボウガンの弾として通常弾Lv1とLv2を30発程を持っていく。
 後、走って行った、馬鹿どものために砥石と携帯肉焼きセットも回収しておく。

 狩場の近くに来たので初めに通常弾1をセットしておく。

 狩場に入ると走って行った三人が暴れている。
 バウアーが一人でやっているが威力はあるが、切れ味が悪いので一撃で倒すのには程遠い。
 ある種の拷問だな。
 ポポもダメージを無視して逃げ出しているし。

 一方ルイセとミーシャは二人とも上手く立ち回っている。
 ミーシャが正面から骨塊で頭を殴りに行きルイセが片足を攻撃している。
 おっポポがバランスを崩した。
 ……ここから先は見せられないよの状態になりそうだ。

 とりあえず俺は、バウアーの援護に回ることにした。

 ボウガンでの注意点は敵との距離だ。
 近すぎても遠すぎてもだめでその距離を上手く把握しなければならない。
 さて周りに邪魔になるランゴスタがいないし狙い撃ちにしますか。

 狙うは左後ろ脚の関節部分。

 弾は目標通りに命中したがやはり一撃では無理か。
 なら倒れるまで撃ち続けるのみ。

 それから5発撃ちこんでやっとポポのバランスが崩れた。
 倒れたポポにバウアーの溜め攻撃が頭に当たりポポは完全に息絶えた。

 ルイセ達も終わったようでポポの剥ぎ取りをしている。

 「助かったぜスレイン」

 気にするなバウアー。さっさと剥ぎ取ろう

 「おう、そうだな。これで取れたての上手い肉が食える」
 
 バウアーらしいな 

 「得意なのは食べるだけじゃないぜ!作るのも得意だ」

 それは頼もしいな。だが肉焼きセットはどうした?

 「し、しまった。忘れていた。先にポポを狩ることに意識が行き過ぎてた。急いで取りに行ってくる」

 だろうな、俺が持ってきたからそれを使え

 「いいのか!サンキュー。いやースレインがいるとこういう時に安心だな」

 肉焼きセットを使って早速肉を焼き始めるバウアー。
 こいつの中での俺の評価は一体何なんだ? 
 だが、言うこともあってあっさりとこんがり肉を焼きあげ…
 
 「上手に焼けました!」

 と、叫びながら片腕を上げて喜んでいる。
 しかしこの世界の肉焼きセットの火力は異常だ。
 ほんの数十秒でしっかりと肉が焼けるのだから。
 と肉焼きセットについて考えていたら早速食べ始めた。
 うまそうだ。

 後ろから視線を感じたので振り返ると、淑女にあるまじき姿の女が二人。
 二人とも返り血を浴びているのにもかかわらずいい笑顔だ。
 むしろ何故か色気があるというか。欲情している感じだ。
 彼女たちの後ろには頭が潰され足の腱がズタズタにされたポポの死体が一つ。
 この光景を見たら百年の恋も覚めそうだ。
 
 で、そこのミンチマシーン達は何してんだ?

 「「えっ、スレイン何か言った?」」

 笑顔で近づいてくる二人に腰が引けた。
 あれは逆らってはいけないタイプの顔だ。
 下手したら俺もあのポポと同じ道を歩むかもしれない。

 いや何も。とりあえず俺は今から肉を焼くから二人は砥石で切れ味を戻しておけよ

 「あっサンキュー。うわー刃がボロボロだ。通りで切れ味が悪いと思った」

 「私もハンマーだから元々切れ味が関係ないと言っても叩いた時のインパクトが悪いなーと思っていたんだよねー」

 あーあー聞こえない。
 あんな武器でここまでやるなんてどこのアークデーモンだよ。
 ロンダルキアに帰れ。

 「ん?スレイン。何か失礼なこと考えなかった?」

 「顔色が悪いよ。添い寝してあげようか?」

 別になんでもないよ
 あと添い寝もいらないと、言うか集中できないからこっちに来ないでくれ!

 「「酷い言い草ね。こんなに可愛い女の子が話しかけているのに」」

 「ははは、どこに可愛い女の子がいるんだ?ここにいるのはただの鬼婆だろ」

 「「バウアー殺す!」」

 後ろからすごい音と悲鳴が聞こえた気がするが俺のログには何も残っていない。
 俺の分も焼けたが、少し焼き過ぎたみたいだ。
 個人的にはレアの方が好きなんだが…まぁ失敗ではないからいいだろう。

 この日の訓練はまさに血煙ぶらり首の旅と言うべき惨状だった。
 ポポとバウアーにとって。

 さらに時間がたって半年

 夜間訓練が始まった。
 夜になったら何を目標にして方角を決めるとか、仲間の武器のリーチ。
 周囲の警戒の仕方を学んだ。
 
 他には特に問題がなかったが、段々寒くなってきた。
 ルイセ達が寝床に入ってくることが多くなってきた。
 ベイガー教官の目が怖い。
 訓練量が三人に比べて明らかに多い。
 なのでルイセ達が寝床に入ってきても気付かない。

 うん問題無いな。

 後狩りでの連携が少しは取れるようになってきたと思う。
 
 今は夜の渓谷でジャギィを五匹とジャギノスを二匹を狩ることだ。

 それぞれの武器はバウアーが笛でルイセがガンランス、ミーシャがヘビィボーガン、俺が双剣だ。

 バウアー笛なのに何も吹かないで一人で突っ込むな。
 ルイセ寝ているジャギノスに竜撃砲は勿体無いからやめろ。
 ミーシャ何でさっきからバウアーの尻にばかり狙いを定めているんだ。

 お前らいい加減にしてくれ

 「いやーこれぐらいなら問題ないだろ」

 「バウアーにしてはいいことを言うわね」

 「本当にスレインは心配症なんだから」

 頼むから真面目に訓練させてくれ

 「何を言うのよ。一番暴れていた人がそれを言う?」

 何のことだかさっぱり分からないな

 「ファンゴがいたら先に狩り、ジャギィを見つけたら横に張り付きながら斬り付け、跳びかかってきたら鬼人化してカウンターをするような人が何言っているんだか」
 
 「まぁ、何にせよそろそろ帰ろうぜ」

 バウアーの一言で素材を剥ぎ取り帰る準備をしているとどこからともなく殺気を感じた。
 バウアー達も同じなのか直ぐに武器を構えた。

 耳が痛くなるような静寂が場を包む。
 程無くして右側の茂みから何かが飛び出してきた。
 影は複数、大きいのが一つと小さいのが三つ。 

 月明かりが照らし影の正体が見えた。
 
 ドスジャギィ
 
 ジャギィの群れのボスだ。
 その大きさと強さはジャギィを遥かに上回る。
 そして俺たちが初めて遭遇するボスモンスターと言ってもいいだろう。
 
 ドスジャギィ達はこちらを睨みつけて威嚇しくる。

 「おいおい、聞いてないぜ。ここでドスジャギィが出てくるなんて」

 「まぁ、ジャギィがいてるんだからいても可笑しくないわね」

 「で、どうする?あちらさんかなりのご立腹みたいよ」

 どうするもこうするも無いと思うがな。
 幸い回復薬と砥石にまだ余裕がある。
 
 ミーシャは残弾は後どのぐらいだ?

 「あー通常弾LV1とLv2が10発。貫通弾Lv1が10発かな」

 なら、俺が囮になる
 バウアーとミーシャは後方から援護してくれ
 バウアーは演奏が終わり次第こっちに来て援護してくれ
 ルイセは、初めは俺と一緒に前衛だ
 よし行くぞ
 
 「「「おう」」」

 俺は脇目も振らずにドスジャギィに突っ込んでいく。
 正直怖い。
 自分よりデカい肉食の相手だ。
 緊張で指先が冷たい、鳩尾から丹田にかけて何か冷たいものが通った感じがする。
 
 だが、この程度でビビッていたら飛竜系に出会ったらどうするんだと言い聞かせながら距離を詰める。
 後ろからミーシャの援護が飛んできた。
 ミーシャは周りにいたジャギィを始末してくれるみたいだ。

 射程内にドスジャギイに斬りに掛るがその巨体から想像できないスピードでバックステップで避けられた。

 「はあぁぁぁ」

 しかしドスジャギィの後ろに回っていたルイセが納刀した状態から抜刀突きを足に当てた。
 さすがに後ろからの攻撃にはとっさに反応できなかったみたいだ。
 しかし攻撃を受けても一撃では怯みもしない。

 ドスジャギィは直ぐに後ろにいるルイセに向かって尻尾を振り回した。
 だがルイセは既に盾を突き出して防御の姿勢に入っていた。
 ドスジャギィの攻撃を受け少し下がったがダメージはほとんどなさそうだ。
 ルイセは攻撃を防ぎながらも隙を見ては斬撃と砲撃を仕掛けている。

 これならルイセに少し任せて周りのジャギィを先に仕留める。

 ミーシャもこちらの意図に気付いたのか俺の近くのジャギィを狙撃してくれいている。
 ヘービィボーガンはやはり威力があるのか頭部に当たれば動きが一瞬止まる。
 その隙のついて首を刈り取る。

 ミーシャは既に他のジャギィに射撃を加えている。
 バウアーも演奏が終わりドスジャギィに攻撃をし始めている。
 どうやら最低限の演奏でこちらの援護に来たようだ。

 俺も急いでミーシャが狙っていない方のジャギィに攻撃を仕掛ける。

 

 ジャギィを仕留めて残るはドスだけになった。
 ドスジャギィは自分の子分が倒されたことにより興奮状態になっていた。

 俺は一端ミーシャの傍まで離れて双剣を研いだ。

 しかしタフだな。まだ、倒れないか。ルイセもそろそろ一端下がった方がいいか。
 
 ミーシャ残弾は?

 「後は通常弾Lv1と貫通弾だけ」

 そうかルイセを下げる。前衛はバウアーと俺でやる
 貫通弾で胴体を狙ってくれ
 後は通常弾は任せる

 「分かったわ」

 俺は再びドスジャギィに攻撃を仕掛けに行く。

 バウアーに体当たりをしようとするのが見えたので死角に潜り込み右足に斬撃を仕掛ける。

 ルイセはミーシャの所まで下がって回復してくれ
 バウアーは頭を狙え!
 
 「「了解」」

 二人は俺の指示に何も言わずに従ってくれた。

 ドスジャギィは細々と攻撃してくる俺に気を取られているうちにルイセが離れる。
 
 「どっせい!」

 頭にバウアーの一撃が決まり一瞬怯む。
 その隙にミーシャの貫通弾が連続で撃ち込まれる。
 しゃがみ撃ちは機動力を犠牲にするがその分弾の連射が可能になり火力が上がる。

 ここまでダメージを受けるとさすがに動きも悪くなってくる。
 疲労も溜まったのか呼吸も荒くなり、バックステップして威嚇する回数が増えてきた。

 「うらぁぁ!」

 再びバウアーの笛が頭部を捉えた。
 今の攻撃でどうやら眩暈を起こしたようで動きが止まり頭をフラフラさせている。

 今がチャンスだな。
 鬼人化してさらに押し込む。
 鬼人化状態からさらに斬り付けることでさらに強化される。
 ただしこの状態はかなりスタミナを消費する。
 感覚的に言えば息を止めて全力疾走している感じだ。
 
 その甲斐あってかドスジャギィに体に無数の傷が出来ていく。
 スタミナ的にこれが最後の動きなので乱舞でフィニッシュ。
 ドスジャギィがその場から吹き飛んで倒れる。

 起き上がろうともがくが俺の攻撃で右足が傷だらけで思うように立てないようだ。
 だが、それは俺も同じくスタミナを使いすぎて動けなくなってしまった。

 「二人とも離れて!」

 ルイセの声とともにバウアーが俺を引っ張ってその場から離れてくれた。
 その直後轟音が響いた。
 その場にはドスジャギィの死体と妖艶な笑みを浮かべたルイセだった。

 「うーん、この感触イ・イ・わ・ね☆カ・イ・カ・ン」 

 ルイセが何をしたかと言うとガンランスの切り札と言える竜撃砲を放ったのだ。
 訓練中の初めに遊びで撃っていたのだが、どうやら間に合ったようだ。

 ふぅー疲れた。バウアーのおかげで助かった
 危うくルイセにドスジャギィと一緒に処分されるところだった

 「いいってことよ。それにお前が指揮を執ってくれなかったらさすがになキツイものがあったしな」
 
 しかしとっさにだが俺が指揮を執ったことは良かったのかね?

 「ああ?そらお前以外このメンバーで指揮が執れんだよ」

 いやこの場合年上のバウアーの方が適任だろ?

 「あははは、少なくとも俺は気にしないぜ。昔からお前の冷静さは当てにしていたしな。それに……」

 それに?

 「あいつ等が俺の命令を聞くとは思えん」

 ははは、確かに

 「さて、俺たちも剥ぎ取りに行くか」
 
 そうだな

 こうしてサプライズありの訓練が終わった。

 因みにドスジャギィがいることはベイガー教官は知っていたが黙っていたらしい。
 突然他の大型モンスターが乱入してくることはあるからその予行演習だったようだ。
 そのために少し離れた所でこっちを見張っていたし、なりより支給品をいつもより多めにしていたらしい。
 だから俺たちが遊びながら戦っていたときは少しハラハラしたらしい。

 まだ、自分が甘いことを認識した瞬間だった。

 その後も砂漠や水没林といったところで訓練したが結局大型モンスターを狩ることは無かった。
 せめてクック先生かアオアシラとは一度戦っておきたがったが訓練は小型ばかりだった。
 なんでも初めはハンターになっても茸集めや素材集めが中心で徐々に小型のボスや大型飛竜系を相手にしていくことになるらしい。

 そして卒業式が行われた。

 ベイガー教官から全員に訓練所卒業資格として証書を渡された。
 これを街や村のハンターギルドに見せるとハンターとして登録されるらしい。
 初めは大した依頼も受けられないためにお金もないが、そこはギルドが新人用の宿舎を用意してくれるらしい。

 ある程度ランクが上がると個人宅や農場を提供してくれるところもある。
 まぁ、その分の費用も必要だが……。

 因みに俺は村から離れたどこかの街か村に派遣されるらしい。
 未だ決まっていないのは俺の親父の装備や素材をどこまで使用許可を出すかでギルドからの返事待ちだ。
 バウアーは隣のクレイン村に行くことに。 
 ルイセとミーシャはこの村在住のハンターに登録だそうだ。

 後は派遣されたギルドから準備金が用意される。
 これで装備を整えるもよし回復薬を買うもよし、少ないながら上手いことやりくりする必要がある。

 まぁ、何はともあれ派遣先が決まるまでは自宅で準備だな。

 卒業までの間にルイセとミーシャに性的な意味で何度か襲われたが何とかいなすことが出来た。
 すべては、バウアーの協力とベイガー教官の嫉妬のおかげだ。

  
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