対決!!天本博士対クラウン
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第八十二話
第八十二話 風切り
「仕掛けるわ!」
「まずは!」
梨花と赤音が動いた。それぞれ石と光を左、上からそれぞれ放つ。
赤音の光はフランケンの目を狙っていた。目晦ましを狙ってのことであるのは言うまでもない。
「これで動きを鈍くするか止めて」
赤音は言う。
「次御願い春奈ちゃん!」
「うん!」
今度は春奈が仕掛ける。フランケンの後ろに回り込んでシャボンを放ちダメージを与えるのであった。
だがそれは微々たるダメージである。しかしそれによりフランケンの注意がそちらに行く。実はそれこそが六人の狙いなのである。
「これでいいわね」
「次は私達が」
華奈子と美奈子は前に飛ぶ。華奈子は左、美奈子が右だった。そこからそれぞれ魔法を放ちさらにフランケンの注意を削ぐのであった。
「よし、いい感じね」
美樹は視力を奪われたフランケンが必死に辺りを見回しているのを見て会心の笑みを浮かべていた。見事に策が的中しているからだ。
「これで後は」
「御主人」
「どうするの?」
ビルガーとファルケンが主に問うてきた。
「足元よ」
「足元!?」
「フランケンの?」
「そうよ、そこを狙うわ」
自分の頭のところを飛んでいる二羽に対して告げた。
「それでいいわね」
「足元かあ」
「狙いはそこだったんだ」
「大きい相手にはこれよ」
美樹は鋭利な目になっていた。その目でフランケンを見続けている。
「足元を狙えば効果があるから」
「それはいいけれど」
「上手くいくかな」
二羽が思うのはそこであった。幾ら理論がそうであっても成功しなければ何の意味もないからである。これはもう言うまでもないことである。
「いくかな、じゃないわよ」
しかしここで美樹は言うのだった。
「いかせるのよ。いいわね」
「何かそれって」
「強気だね」
「強気じゃないと勝てないわよ」
美樹はまた二羽に答えた。
「あの博士にはね」
「博士なの?」
「フランケンじゃなくて」
「だってそうじゃない」
美樹の言葉は変わらない。
「あの博士に勝つ為にここに来ているんだから」
身構えながらの言葉であった。今まさにフランケンに対して攻撃を仕掛けようとしていた。
第八十二話 完
2008・1・20
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