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対決!!天本博士対クラウン

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第四百十六話


                第四百十六話  胸はどうなるか
 華奈子はだ。難しい顔になってだ。
 自分の隣の席で音楽の勉強している美奈子に尋ねた。華奈子は体操の本を読んでいる。
「あのね」
「何?」
 二人共それぞれの本を読みながらやり取りをする。
「あたし胸小さいわよね」
「そうかしら」
 美奈子はこう双子の相棒に返した。
「私と同じ位じゃない」
「美奈子は自分の胸についてどう思ってるの?」
「普通じゃないかしら」
 こう答える美奈子だった。やはり本を読んだままだ。
「年齢的には」
「年齢的には?」
「十一歳よ、私達」
 美奈子が言うのはこのことからだった。
「それで大きいも小さいもないわよ」
「そうなるの」
「まあ。成長しないかもね」
 美奈子はこの現実も口にした。
「下手をしたらね」
「それは困るけれど」
「けれど胸が大きくても小さくてもね」
 それでもだとだ。美奈子は華奈子に言う。
「男の子にもてるもてないとは関係ないみたいよ」
「別にそこまで考えてないけれど」
 華奈子はそうしたことには疎い。だからだ。
 そのことについては特に言わずだった。そうしてだ。
「ただね」
「胸は大きい方がいいっていうのね」
「そう。大きいとやっぱりよくない?」
「だから。大きくても小さくてもいいじゃない
 あくまでこう言う美奈子だった。
「どちらにしても胸は宝だから」
「宝なの」
「そう、巨乳でも貧乳でも」
 言葉が直接的なものになる。
「いいじゃない」
「貧乳でも宝なの?」
「それがいいっていう男の人も多いみたいよ」
「それ、全然理解できないけれど」
「ヨーグルトの飲み方は人それぞれよ」
 首を捻る華奈子にだ。美奈子は今度はこう告げた。
「それはね」
「それどういう意味?」
「十人十色っていうこと」
「つまり人それぞれっていうことね」
「そうよ。トルコの諺よ」
 そこから取ってだ。美奈子は華奈子に話すのだった。華奈子は胸が大きい方がいいと考えていた。そしてそれは今は止まらなかった。


第四百十六話   完


                   2011・8・24 
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