対決!!天本博士対クラウン
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第二百四十一話
第二百四十一話 小田切君の疑念
いよいよそのガメオとクラウンの戦いがはじまろうとしていた。その時小田切君は戦いの流れを冷静に見ようと務めて努力していた。
気持ちを落ち着けてだ。そうして博士に問うたのだった。
「それでですが」
「何じゃ?」
「いえ、あのガメオですよね」
「そうじゃ。それじゃ」
そのガメオの話に応える博士であった。
「それがどうかしたのか?」
「あのマシンって量産できるんですか?」
小田切君はそのことを博士に問うのだった。
「エンペライザーみたいに」
「ああ、それは考えておらん」
このガメオについてはそうなのであった。別にであった。
「それはのう」
「それじゃああれ一体だけですか」
「とりあえずはそうじゃ」
とりあえずはというのが博士らしい。何しろ極端に気紛れな博士である。気が向けば何体でも製造したり量産もする。それが博士なのである。
そうして今も。あくまでとりあえずはというのであった。
「それはのう」
「そうですか。ガメオは一体だけですか」
「究極最終兵器の一つじゃ」
「あの、博士」
今の博士の言葉に思わず突っ込みを入れた小田切君だった。
「究極最終兵器が幾つもあるんですか?」
「そうじゃ、あるのじゃ」
そうだとまた言う博士だった。
「それはじゃ」
「何か日本語がおかしくないですか?」
「おかしくはない。何故ならじゃ」
「何故なら?」
「わしが造るものは全てそうだからじゃ」
実に強引に言い切ってしまった。
「全てのう。だからじゃ」
「だからですか」
「うむ、カイザージョーもエンペライザーも」
そうした世を大いに騒がしてきたマシン達のことも話すのだった。
「究極最終兵器じゃ」
「それでガメオもですか」
「左様。よいか」
博士の胸を張った言葉は続く。
「わしの造ったものに抜かりはない」
「どれもですね」
「例えばじゃ」
何故かここで猿にそっくりの如何にも頭の悪そうな人間型ロボットが出て来たのだった。両手にグローブをはめてトランクスをはいている。
「この猿ボクサーロボじゃ」
「何か見てるだけでむかつくロボットですね」
そのロボットを見てこう言った小田切君だった。何故かこのロボットの話にもなった。
第二百四十一話 完
2009・11・29
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