対決!!天本博士対クラウン
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第二百十九話
第二百十九話 意味がわかれば
華奈子も皆も美奈子の言いたいことはわかった。そしてそれを踏まえたうえで早速行動に移るのだった。動かなくては何にもならないからである。
六人はそれぞれの使い魔達と共に出発した。目指す場所はもう決まっていた。
「まずは行ってからね」
「そうよ」
美奈子が華奈子の言葉に答える。
「それからはじまるのよ」
「それであそこに入って」
華奈子は美奈子の言葉を受けながら考える顔になっていた。
「それからはじめてね」
「そういうことよね。けれど」
「けれど。どうしたの?」
「博士だからね」
ここで華奈子が言うのは天本博士のことだった。最早言うまでもない彼女達のその相手のことである。博士のことは念頭から離れないのだった。
「何かしてきたら」
「だからあの場所なのよ」
美奈子の返答はこうであった。
「あの場所に入るのが一番いいのよ」
「ええ、それはね」
そのこともよくわかる華奈子だった。だからこそ今も共に進んでいるのである。
「わかってるけれど」
「不安?やっぱり」
「否定はしないわ」
何かにつけて積極的な彼女にとっては珍しい言葉であった。
「正直なところね」
「そう。やっぱり」
「美奈子はどうなの?」
今度はその美奈子に対して問うてみせた華奈子だった。
「やっぱり不安なの?あそこに行くのは」
「不安なのは確かよ」
それは否定しない美奈子だった。
「けれどね。考えたけれどね」
「あそこが一番だっていうのね」
「そう。だから」
美奈子は自分のその言葉を続ける。華奈子に向けて。
「私は行くわ。考えた結果の結論を信じてね」
「そう。信じてなのね」
「ええ。失敗しても次があるようにもしてあるし」
この辺りは抜かりがなかった。慎重派の美奈子らしかった。彼女はもういざという時のことも考えていたのである。
「もうね」
「そうよね。じゃあここは勇気を出してなのね」
「勇気がないと何もできないわよ」
美奈子にしては珍しい、勇気という言葉を出した時だった。
「だからね」
「ええ、それなら行くわ」
華奈子はその勇気をここで出した。そしてであった。
「博士と戦いにね」
「そうしましょう」
今皆の先頭に出た華奈子であった。彼女はその心に勇気を宿らせたのだった。
第二百十九話 完
2009・9・15
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