対決!!天本博士対クラウン
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第百九十三話
第百九十三話 お金の稼ぎ方
「しかしまあ一人だと小田切君も忙しいじゃろ」
「はあ」
実際のところあまり働いてはいない気もするが一応頷きはする。
「まあ人が多い方がいいでしょうね」
「雇うお金はあるのじゃよ」
博士はお金に困ったことはないのだ。
「この前そこいらの不良が因縁つけてきたんでそいつ等を解剖して内臓を売ってやった」
「相変わらず物凄い非人道的ですね」
実に今更な言葉である。
「それで何人位そうしたんですか?」
「その連中が五人か六人じゃったな」
つまり少なくともそれだけの人命が失われたのである。
「わしを知らぬと見えて親父狩りとかしようとしてきたから懲らしめてやったのじゃよ」
「懲らしめたんですか」
「わしの懲罰は命を代償にするのじゃよ」
やはり平然と言うのだった。
「まあ内臓を売った程度で勘弁してやったのじゃ。生きていても何の役にも立たんのじゃからせめて内臓を売ってわしの研究費用になるのじゃ」
「はあ。何か言葉が矛盾している気もしますが」
内臓を売った程度で、ということである。それだけで人間として実に恐ろしい悪事であるのだが博士は全く意識してはいないのである。
「まあ他に犠牲者は?」
「ついでにその連中の学校まで行ってやったら何か全員碌でもないのばかりじゃったからその連中をゴッキローチで捕まえたうえで校舎はエンペライザーで完全に更地にしてやって跡は底なし沼にしてやったのじゃ」
彼の悪事は実に徹底している。これはいつものことだ。
「それでその生徒も全員内臓を売ってやった。生きたまま解剖すると一番いいのじゃよ」
「生きたままですか」
「しかも麻酔なしじゃ」
博士の趣味の一つに解剖がある。彼は気に入らない人間を捕まえて気が向けば拉致し拘束した後で麻酔も何もせずに解剖するのである。そして内臓を全て売りさばくのだ。
「それが叫び声も聞こえるしイキがよくてのう」
「はあ。イキもいいんですか」
「のべ三百人は解剖して内臓を売ってやった」
つまり三百人も殺したのである。
「どうせ世の役に立たん不良達じゃ。悲しむことはないぞ」
「そういう問題じゃないと思うのですが」
「とにかくそれで手に入ったのは二十億じゃ」
「多いですね」
「内臓はよく売れるのじゃよ」
まるで農家の人が人参や大根を売るような何でもない口調である。
「研究費用にもなるしのう」
「二十億もありますからね」
「他には兵器を売ったりして金は稼いでおる」
これも犯罪である。言うまでもなく。
「さて、今月の収入は百億じゃよ」
文句なしに大金持ちである。
「あとは錬金術で金やダイヤでも造るかのう」
「お金は簡単に稼げるんですね」
「そんなものはどうとでもなる」
錬金術まで極めている博士ならばだ。
「わかればほれ。バイト君を探すぞ」
「わかりました」
お金が入ったところでアルバイトを募集するのだった。これがまた騒ぎの元になる。
第百九十三話 完
2009・5・17
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