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対決!!天本博士対クラウン

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第百二十二話


                 第百二十二話  まずは六人で
 先生のお家を出るともうそこには。ゴッキローチ達が大群でうろついていた。六人の姿を見つけると早速物凄い勢いで群って来た。
「さあさあ来たわよ!」
「ゴキブリ達がね!」
 華奈子と赤音がまず楽しそうに言った。
「いい、皆」
「ええ」
 梨花に対して美奈子が応える。
「フォーメーションね」
「迷宮で身に着けたあれをやりましょう」
 春奈と美樹はもう身構えている。既に他の四人と使い魔達も一緒だ。
「まずは音ね」
「美奈子」
 美奈子が前に出るとすぐに他の五人が彼女の後ろについた。そして使い魔達もそれぞれの主の側について主が動くと共にそれに合わせて動いた。
「行くわよ」
「ええ!」
 美奈子に応えて早速攻撃を開始した。
 美奈子の笛が鳴り響き五人が動く。まずは美奈子の攻撃がゴッキローチ達を撃ち続いて華奈子がメインになる。それが順番に繰り返される。
 六人の攻撃が終わるともうその場にいたゴッキローチ達は皆倒れていた。暫く経つとそのゴッキローチ達が人間の姿になっていた。
「あれっ、人間に!?」
「あっ、そうか」
 ここで六人はあることを思い出したのだった。
「あの博士そこいらのチンピラとかヤクザ屋さんをゴッキローチにしていたんだ」
「とことん非道な博士ね」
 美樹と赤音が呆れていた。そもそも天本博士にはモラルという言葉が頭の中にインプットされていないのだからこれを言ってもはじまらないのだった。馬の耳に念仏ということだ。
「その割には数が」
「それは増えた分が消えたのよ」
 いぶかしむ華奈子に春奈が答えた。
「そういえばゴッキローチって自然増殖もしたわね」
「何処までも迷惑な怪人ね」
 梨花の話に美奈子が突っ込みを入れる。そうした悪意の塊の様なものを作るのが博士なのであった。
「とにかく。こうしてゴキブリ達は消していきましょう」
「大本は消さないと駄目だけれどね」
「大本っていうとやっぱり」
「そう、あの人」
「あの人しかいないか」
「やっぱり」
 美奈子、梨花、赤音、春奈、美樹、そして華奈子の順番であった。
「天本博士ねえ」
「口で言うのは簡単だけれど」
 今度は華奈子と美奈子で話をしていた。
「行くのだけでも大変なのよね、実際」
「行くしかないのだけれどね」
「皆さん、大丈夫です」
 しかしここで六人に今田先生が言ってきた。
「今田先生」
「小百合ちゃん、それじゃあ」
「ええ、香ちゃん」
 また二人は顔を見合わせて笑い合っていた。いよいよ何かが起ころうとしていた。


第百二十二話   完


                   2008・8・11 
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