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久遠の神話

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第二十一話 聡美と高代その三


「待っていてくれ」
「わかったわ。それじゃあね」
「そういうことでな」
「それじゃあね」
 こうした軽いやり取りをしてだ。広瀬は相手の場所に向かった。彼にも交流があった。
 だがその交流については誰にも言わずにだ。そのうえでだ。彼は日々を過ごしていた。
 その日常を過ごしているのは高代も同じだった。彼は教師としてだ。この日もだ。
 授業を行いだ。職員室で生徒達の質問を受けていた。女生徒達が彼に英語のことを尋ねていた。
「じゃあ過去形はなんですね」
「そうした風に覚えればいいんですか」
「はい、こうした風にすれば覚えやすいですね」
 暗記の仕方をだ。彼は生徒達に教えていたのだ。
 彼は自分の席に座ってだ。周りの彼女達に話していた。
 その中でだ。彼は言うのだった。
「覚え方にはコツがありまして」
「過去形はこうですか」
「確かに普通に覚えるよりインパクトがあって」
「覚えやすいです」
「インパクトは大事です」
 それこそがだとだ。高代は笑って述べた。
 そしてだ。彼はこうも話すのだった。
「一番いいことは自分の興味のあるものと関連付けて覚えることです」
「自分の興味のあるものとですか」
「そうすればいいんですか」
「そうです。例えばです」 
 その例としてだ。高代はあるものを出した。
「好きな歌手の歌の詞に出ていたりとか」
「あっ、それ結構ありますよね」
「そうしたのは」
「洋楽なら特にいいです」
 自然とだ。高代は顔を笑顔にさせていた。
 そのうえでだ。こう話すのだった。
「僕もマイケル=ジャクソン等で覚えましたし」
「へえ、先生洋楽派だったんですか」
「それもマイケルお好きなんですね」
「他にはスティービ=ワンダーも好きです」
 その笑顔で話す彼だった。
「それに後はプレスリーも」
「ああ、エルビス=プレスリーですね」
「あの歌手もなんですか」
「プレスリーは実にいいです」
 特に彼に関してはだ。笑顔で話すのだった。
「彼はアメリカの音楽史に永遠に残るでしょう。マイケルもそうですが」
「プレスリーですか。ううん」
「何かプレスリーは私達はちょっと」
「年代が違って」
「あまり知らないんですけれど」
「プレスリーは年代ではありませんよ」
 そうしたものを超えているというのだ。
「彼の音楽は何時誰が聴いてもいいものです」
「そういえば先生プレスリーは直接は」
「はい、知りません」
 そうだとだ。生徒の一人に述べるのだった。
 そしてそのうえでだ。また言うのだった。
「ですがそれでも。彼の曲をたまたまレコード店で聴いてです」
「ファンになってですか」
「英語の先生にもなったんですね」
「そうです。中学一年の時でした」
 その時にプレスリーに出会ったというのだ。尚先生が生まれたのはプレスリーの死後だ。もっともアメリカではプレスリーはまだ生きていると主張するファンがまだいる。
「彼の音楽を聴き。その歌詞を見ているうちにそれが勉強になりまして」
「それで、なんですか」
「英語の先生になれたんですね」
「そうだったんですね」
「プレスリーは僕の人生も決めてくれました」
 英語の先生にもなれたというのだ。そのうえだった。
 彼はだ。こうも言ったのだった。
「そしてです。これからは」
「これから?」
「これからっていいますと」
「より教育者としてですね」
 その立場からの言葉だった。そして考えでもあった。 
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