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久遠の神話

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第八話 二人の剣士その四


「その人達は」
「それは」
「それを知りたいんですけれど」
「確か」
「確か?」
「どちらも二十代の方です」
 まずは歳から話す聡美だった。
「そしてです」
「そしてですか」
「かなり真面目で責任感のある方々です」
「真面目」
「そうした方なので」
「どうなるんでしょうか」
 とりあえずその二人の人間性は悪くないらしいことはわかった。しかしだ。
 それだけで納得できるにだ。上城は聡美にさらに尋ねた。
「その人達とは」
「わかりません。まずはです」
「御会いするしかないでしょうか」
「そうですね」
 聡美はハンバーグを箸で切りながら話す。
「結論から言いますと」
「まずはそこからですか」
「ではどうされますか」
「会います」
 すぐにだ。上城は答えた。
「その人達と」
「そうですか。それではです」
「今日にでもですね」
「今日は早いですよね」
「テストが終わりまして」
 それでだ。早いとだ。上城は素直に答えた。
「部活もありませんんし」
「では好都合ですね」
「そうなりますね。それじゃあ」
「では」
 聡美が言ってだ。それでだった。
 上城はその二人の剣士とだ。会うことにした。それを決めてだ。
 昼食を終えてすぐにだった。彼等は。
 聡美の案内する場所に向かった。そこはというと。
 港だ。コンクリートの波止場の向こうに青い海と船達が見える。周りには倉庫が林立しており遠くから船の汽笛が聞こえてきている。
 その中にだ。上城は来た。
 その彼の傍には聡美と樹里がいる。その中でだ。
 彼はだ。右にいる聡美に話した。
「ここですか」
「はい、その二人の剣士もです」
「ここに来るんですね」
「そうです。ですから少し待っていれば」
 いいとだ。聡美が言うとだ。
 そこにだ。右手の道、倉庫に挟まれたその道にだ。
 ワルキューレが出て来た。それに乗っているのは。
 やはり中田だ。彼はワルキューレに乗って出て来てだ。
 それからだ。三人のところにそのワルキューレを止めてだ。
 バイクから降りてヘルメットを脱いでから言ってきた。
「ここに二人来るんだってな」
「中田さん、どうして」
「ああ、俺がここに来た理由か?」
「そうです。それにどうして」
 二人の剣士のことを知っているかとだ。
 上城は怪訝な顔で中田に尋ねた。するとだ。彼は笑ってこう答えた。
「勘だよ」
「勘?」
「ああ、勘だよ」
 上城と樹里に気付かれない様にして聡美をちらりと見てからの言葉だ。 
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