とある星の力を使いし者
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第14話
麻生は帰りながら後悔していた。
あの「幻想猛獣」との戦いの後、白井や警備員などに色々事情を聞かれると時間もかかる。
何より麻生自身がめんどくさいと思っているので、早々に帰る事にした。
だが、あの場所から学生寮に戻るまでかなりの距離がありやっと見慣れた街並みに戻る頃には、日も落ちてすっかり夜になっていた。
麻生はこんな事ならめんどくさくても白井達に送ってもらった方が早く着いていた、と後悔しながら道を歩いていると裏路地から突然、人が現れ麻生とぶつかる。
ぶつかった人は麻生より背が低く、何より服装に見覚えがあった。
(確かあの時上条が助けた女・・・インデックスだったな。)
最初インデックスは驚いた顔をしていたが、麻生の顔を見るとほっ、とした表情になる。
しかし、インデックスが出てきた裏路地からインデックスと麻生に向かって炎が襲いかかってくる。
インデックスは麻生だけでも助けようと思ったのか自分を盾にするように前に出る。
だが、それよりも早く麻生の手が前に出た。
炎は麻生の掌の直前でその勢いが止まり麻生は何かを唱える。
「炎は御身に返る。」
そう唱えると炎は時間を巻き戻すかのように、先ほどと同じ勢いで裏路地の奥へと戻っていく。
炎が戻っても爆発音一つしないので麻生は上手い事退けたのだと考えて、次の炎が来るのを待つが一向にやってこない。
すると、インデックスは麻生の黒シャツを掴み大きな声で叫んだ。
「お願い、とうまを助けて!!!!」
いきなり上条を助けろと言われ麻生は唖然とする。
インデックスも色々事情を説明したいのだが、自分も追われているのでそう長く此処にいられない。
インデックスはかすかに覚えている。
あの炎の魔術師が自分を回収しに来た時に上条と一緒に麻生が自分を助けてくれた事を、インデックスは知っている。
上条は何かあれば麻生に助けを求めろ、と彼が言っていた。
それは彼が心から信頼している事を意味していた。
インデックスは正直な所、麻生も巻き込みたくなかったが今の自分では上条を救うことが出来ない。
麻生は事情も聞かずインデックスの頭に手を置き、目を瞑り再び目を開けると大きくため息を吐いた。
「帰ってきて早々また面倒な事に巻き込まれるとはな。」
すると麻生は後ろを振り向き来た道を戻っていき、少し歩いた所で振り返らずインデックスに聞いた。
「お前、一人で大丈夫か?」
「えっ?」
突然の麻生の言葉にインデックスは戸惑う。
麻生は面倒くさそうな顔をして行った。
「これから上条を助けに行くがお前は一人であの魔術師から逃げ切れるか?」
インデックスはその言葉を聞いて思わず笑みを浮かべる。
「私は一人でも大丈夫!!!
だからとうまをお願い。」
それを聞いた麻生はインデックスに返事を返さず上条の元に向かって行き、インデックスも麻生とは別の方角に走って行った。
「なぜ、貴方が此処に。
人払いの刻印が刻んであったはずです。」
神裂は七天七刀を構え、麻生に問いかける。
「残念だったな、ああいった俺自身に干渉してくる奴は自動補正がかかって俺には通じないんだよ。」
だが探すのに苦労した、と少し疲れた表情をする。
神裂は麻生の行動を観察していて、こちらから仕掛けなければ麻生は自分から向かっては来ないと判断していた。
(誰かが彼に少年を助けるように頼んだのか?
だが、一体誰が・・・・)
そこまで考えてようやく気付く、この一件に絡んでいる人間はごくわずかだからだ。
「お前が考えている通りだ。
俺はインデックスに上条を助けてほしいと頼まれたから此処に来たんだ。
そうじゃなかったら自分からは絶対に来ないよ。」
「インデックスは無事なのか!?」
地面に倒れながらも自分ではなく他人を心配する上条を見て麻生はため息を吐く。
「まぁ元気ではあったな。
上条、お前はその弦の結界からは出るなよ。
それは内側からなら簡単に崩れるように仕込んであるからな。
お前の右手とか関係なく触れるだけで結界が解けてしまう。
できれば、お前を連れてさっさと帰りたいのだがあの女性は簡単に通してくれなさそうだ。」
カツン、とブーツの音がこちらに一歩だけ迫ってくる音がして上条は神裂を見る。
さっきの表情とは違い真剣な面持ちでこちらに一歩ずつ歩いて来ている。
麻生も一歩ずつ神裂に向かって一歩一歩近づいていき、お互いの距離が約八メートルあたりで足が止まる。
「先ほどの七閃を防いだ技、お見事でした。」
「そりゃあどうも。」
「できれば貴方の方からあの少年を説得してもらえませんか?」
「俺もそうしたい所だけどあいつは俺なんかの説得で聞くような男じゃないぞ。
それはあんたが一番わかっていると思ったんだが。」
「そうですね、でしたら貴方を倒し、少年を倒し彼女を保護するまで。」
そして二人の間に言葉がなくなる。
「七閃。」
轟!!と七つの斬撃が麻生に襲いかかる。
先ほどとは違い加減なしの斬撃だったが、麻生は手に持っていた弦を口にくわえて引っ張り弦の束を空中に投げ捨てる。
「弦術、魔鏡。」
麻生が唱えると一本であった弦が七本に増え、さらに神裂の七閃と全く同じ軌道と勢いで神裂に襲いかかる。
同じ軌道と勢い通しがぶつかればその勢いは相殺される。
鋼糸と弦がぶつかり合いそのまま持ち主の所に戻る。
再び神裂は七閃を、麻生は魔境と呟き、先ほどと同じ様にぶつかり合いそれぞれの糸は持ち主にまた戻る。
神裂はその光景を見て麻生の術を観察していた。
「七閃と全く同じ軌道で同じ威力、相手が使う技をそのまま写し相殺する技ですね。」
「ご名答。
正確には同系統の技でしか使えないが、どうやらあんたとは相性が良さそうだ。」
神裂は七閃は封じられたと考え、今度は刀に持ち鞘から刀身を抜く。
すると、麻生の手にも神裂ほどではないが150センチくらいの長さを誇る日本刀が左手の手の中にあった。
神裂はすう~、と少し息を吸って一気に八メートルという距離を詰めて横一文字に斬り払う。
麻生はその斬撃を上に弾き右手で柄を持ち神裂の首を狙い斬る。
弾かれたのに神裂はすぐに自分の刀を手元まで戻し首を狙う一撃を防ぐ。
麻生はそのまま素早い突きを三連、突き出すが神裂はそれを見切り全て避けてカウンターの様に麻生の右側面に七天七刀を振う。
しかし、麻生の脇腹に当たる直前、何かにその刀の軌道を遮られる。
(これは糸!?)
神裂が気づいた瞬間、麻生の右足が神裂の顔面に向かってきていた。
神裂は七天七刀の鞘を持っている方の手で、その蹴りを何とか防ぎそのまま後ろに下がる。
「先ほどの七閃との打ち合いの時に張り巡らせていた、という訳ですか。」
「ご名答、さすがに分かるか。
それにしてもあんたは強いな、これじゃあ上条が手も足も出ないはずだ。」
麻生は自分を守っている弦の結界を解く。
同じ手は二度通じない相手だと分かっているから解いたのだ。
下手に結界に頼ってしまいそれが破られた時、それは麻生の負けが確定する。
それなら初めから解いておき警戒した方がまだましだ。
今度は神裂と麻生の純粋な刀の打ち合いが始まる。
神裂は二メートルの刀を振り回して攻め続け、麻生はその攻めをいなし、軌道をずらし、カウンターで攻めるといった戦法だ。
上条はその激しい攻防を見続けぎゅ、と感覚のない右手を握りしめると呟いた。
「なんでだよ。」
上条の小さな呟きに麻生と神裂の耳に届かない。
「何でだよ!!!!」
上条の叫びに二人の動きが止まる。
そのまま上条は震える足で立ち上がり前に進む、揺り篭の結界を内側から破壊するが上条は全く気にしない。
「何であんたはそんな力があるのにインデックスを傷つけるんだよ!!
そんな力があれば誰だって何だって守れるのに、何だって誰だって救えるのに。」
上条は悔しかった。
麻生に助けてもらわなければ今頃、インデックスは連れ去らわれてたかもしれない自分の無力が。
そんなにも強い力を持っているのに女の子一人を追い詰める事にしか使えない事が。
神裂は今、戦いである事を忘れたかのように刀の下げてしまう。
そして神裂は血を吐くような声で言った。
「私だって、好きでこんな事をしている訳ではありません。
けど、こうしないと彼女は生きていけないのです・・・死んで、しまうんですよ。
私の所属する組織の名前は、あの子と同じ、イギリス教会の中にある必要悪の教会。
彼女は、私の同僚にして大切な親友なんですよ。」
上条は神裂の言っている言葉の意味が分からなかった、対する麻生はその話を冷静に聞いている。
どうやら訳があると思い一旦、刀を下げている。
「完全記憶能力、という言葉に聞き覚えがありますか?」
その問いに麻生が答える。
「視覚、聴覚で捉えた映像や音などを完璧に覚えそれを忘れることが出来ない、だったな。」
その答えに神裂は頷く。
「その完全記憶能力のおかげで彼女は一〇万三〇〇〇冊の魔道書を記憶する事が出来ました。
ですが、その完全記憶能力が彼女を苦しめているのです。」
「どういう事だ?」
その先の言葉を聞きたくなかったがそれでも聞かなければと上条は疑問を口にする。
「彼女の脳の八五%以上は禁書目録の一〇万三〇〇〇冊に埋め尽くされてしまっているんですよ。
残る十五%をかろうじて動かしている状態でさえ、凡人とほぼ変わらないんです。」
そこで、麻生は神裂の説明を受けて一つ疑問に思ったが最後まで話を聞く。
「だから、何だよ。
必要悪の教会ってインデックスの所属している教会なんだろう。
だったら何で必要悪の教会がインデックスを追い回しているんだよ。
インデックスはお前達を魔術結社の悪い魔術師だって呼んでいるんだよ!!」
神裂は一度言葉を躊躇ったが答えた。
「何も、覚えていないんです。
私達が同じ必要悪の教会の人間だという事も、自分が追われている本当の理由も覚えていない。
だから、自分の中の知識から判断するしかなくなった。
禁書目録を追う魔術師は、一〇万三〇〇〇冊を狙う魔術結社の人間だと思うのが妥当だ、と。」
上条はさっきのインデックスの言葉を思い出す。
インデックスは一年ほど前から記憶を失っているらしい、という話を。
「でも、おかしいだろう。
インデックスには完全記憶能力があるんだろ?
だったら何で忘れたんだ。
そもそもアイツは何で記憶を失っちまってんだ?」
上条の問いは神裂ではなく麻生が言い当てる。
「お前達が記憶を消したのか。」
麻生の答えに神裂は頷くが上条は麻生みたいに冷静にはいられなかった。
「どうして!
アンタはインデックスの仲間なんだろ!!
大切な仲間なんだろ!!
だったらどうして!?」
「そうしなければインデックスが死んでしまうからですよ。」
上条の呼吸が死んだ。
神裂は肩を震わせながら言った。
「言ったでしょう、彼女の脳の八五%は一〇万三〇〇〇冊の記憶に使われている、と。
ただでさえ、彼女は常人の十五%しか脳を使えません。
並みの人間と同じように「記憶」していけば、すぐに脳がパンクしてしまうんですよ。」
「そ、んな・・・だって、おかしい。
お前、だって、残る十五%でも、俺達と同じだって・・・・」
「ですが、彼女には完全記憶能力があります。
完全記憶能力は先ほど彼が言ったように見た事、聞いた事を全て記憶して忘れる事が出来ない症状です。
街路樹の葉っぱの数から、ラッシュアワーで溢れる一人一人の顔、空から降ってくる雨粒の一滴一滴まで「忘れる」事の出来ない彼女の頭は、そんなどうでも良いゴミ記憶であっという間に埋め尽くされる。
元々、残る十五%しか脳を使えない彼女にとって、それが致命的なんです。
自分で「忘れる」事の出来ない彼女が生きていくには誰かの力を借りて「忘れる」以外に道はないんです。」
「いつまで、だ?・・・・アイツの脳がパンクするまで、あとどれくらい保つんだ?」
上条は聞いてしまう、否定ではなく質問してしまった時点で心のどこかが認めてしまっていた。
「記憶の消去はきっかり一年周期に行います。
あと三日が限界です。
早すぎても遅すぎても話になりません、ちょうどその時でなければ記憶の消すことが出来ないんです。
あの子の方も、予兆となる強烈な頭痛が現れていなければ良いのですが。」
神裂は明らかに顔色が悪くなっている上条を見て一瞬悲しい表情になる。
だが、すぐに魔術師のインデックスの仲間としての顔に戻る。
「私達に彼女を傷つける意思はありません、むしろ私達でなければ彼女を救う事は出来ない。
引き渡してくれませんか、私が魔法名を名乗る前に。」
上条は目の前にインデックスの顔が浮かんだような気がして奥歯を噛むように目を閉じる。
「それに記憶を消してしまえば彼女は貴方の事も覚えていませんよ。
今の私達を射抜く目を見れば分かるでしょう?
貴方がどれだけ彼女を想った所で、目覚めた彼女にはあなたの事は「一〇万三〇〇〇冊を追う天敵」にしか映らないはずです。」
神裂の言葉を聞いた上条はわずかな違和感を捉え、その違和感が一瞬で爆発する。
「ふざけんな!アイツが覚えているか覚えてないかなんて関係あるか!!
俺はインデックスの仲間なんだ、今でもこれからもアイツの味方であり続けるって決めたんだ!!
それに何か変だと思ったぜ、アイツが「忘れてる」だけなら、全部説明して誤解を解きゃ良いだけの話だろ?
何で誤解のままにしてんだよ、何で敵として追いましてんだよ!
テメェらなに勝手に見限ってんだよ!!
アイツの気持ちを何だと・・・・」
「うるっせえんだよ、ど素人が!!!」
「「!?」」
上条の言葉に神裂は感情を剥き出しにして叫ぶとそのまま上条に突っ込んでいく。
上条を守っていた弦結界は上条の手で破壊されている、麻生はすぐに弦を口にくわえてもう一度結界を張ろうとした。
しかし、神裂の動きが止まり突然麻生の方に振り返る。
「七閃!!」
先ほどとは比べ物にならないくらいの七つの斬撃の勢いが麻生に向かってくる。
麻生は神裂は上条を狙っている、と思い上条に結界を張ろうとしてたので完璧に不意をつかれる。
(まずい、結界が間に合わん。)
何とか刀で七閃を受け止めることが出来たが、その威力は凄まじく刀で受け止めているにも関わらず、そのまま後ろのビルの壁まで吹き飛んでしまう。
「麻生!!!」
壁にぶつかり砂煙は舞い上がり麻生の安否が分からないでいる。
その一瞬で神裂は上条に近づき容赦なく上条の脇腹を蹴り飛ばされ、そのまま二、三メートル吹き飛んでしまう。
腹の中から口の外へ、一気に血の味が溢れ、神裂は脚力だけで真上に三メートルも飛びあがりそのまま七天七刀の鞘で上条の腕を潰す。
「私達だって頑張ったよ、頑張ったんですよ!
春を過ごし夏を過ごし秋を過ごし冬を過ごし!
思い出を作っても忘れないようにたった一つの約束をして日記や写真を胸に抱かせて!!」
叫びながら電気ミシンの針のように鞘の先端が連続して降り注ぎ、腕、脚、胸に顔に次々と降り注ぐ鈍器が身体のあちこちを潰していく。
「それでもダメだったんですよ。
日記を見ても、アルバムの写真を眺めても・・・あの子はね、ゴメンなさいって言うんですよ。
それでも、一から思い出を作り直しても、何度繰り返しても、家族も、親友も、恋人も、全てゼロに還る。
私達は・・・もう耐えられません。
これ以上、彼女の笑顔を見続けるなんて、不可能です。」
何度も何度も味わっていく地獄のような在り方。
死ぬほどの不幸と、直後にそれを忘れて再び決められた不幸へ走っていく無残な姿。
だから神裂達は残酷な幸運を与えるよりできうる限り不幸を軽減する方法を選んだ。
初めからインデックスが失うべき「思い出」を持たなければ記憶を失う時のショックも減る、だから親友を捨てて「敵」である事を認めた。
しかし上条は奥歯を噛み締めて言った。
「ふ、ざけんな・・・・」
それに続かのように別の声も聞こえた。
「ああ、本当にふざけるな。」
その瞬間、神裂に向かって衝撃波が地面を抉りながら向かってくる。
神裂はそれを後ろに下がる事で避けるが、地面を抉った衝撃波はまるで上条を守るかのように境界線を引く。
衝撃波を放たれた所を見ると麻生が神裂を睨みながら歩いていた。
「何が彼女の笑顔を見続けるなんて不可能です、だ。
お前達は自分の無力さをインデックスの完全記憶能力のせいにして、その無力をインデックスに押し付けているだけだ。
結局はインデックスの事を考えていない、自分の事しか考えていない。」
麻生はそう言いながら神裂に近づき、神裂は麻生が近づくとそれに合わせるように後ろに下がっていく。
「何より辛かったのはインデックスだったはずだ。
自分達の思い出を見せられそれでも何も覚えてなくて、それを見て悲しむお前達を見てインデックスはもっと辛かった筈だ。」
麻生はあの時、インデックスの記憶の覗いた時に確かに見えた。
インデックスは覚えてなくても神裂達の悲しむ顔を見て辛い思いを感じている事を。
「あなたに・・・あなたに私達の気持ちが分かるっていうのですか!!!」
神裂の悲痛な叫びに麻生は正直に答える。
「分かる訳ないだろう。
俺はお前達みたいにそんな経験は一度もない。
けど、これだけは言える。
自分達に力が無いからってインデックスのせいにするな。
お前達は敵になる事を選んだわけじゃない、敵になる事でインデックスから逃げたんだ。
そんな小さな友情で親友なんて言葉を口にするな。」
「だまれぇ!!!!」
神裂は納刀の七天七刀を一気に抜刀して麻生に斬りかかる。
唯閃。
彼女が持つ技の中で間違いなく最強の威力を誇る、抜刀術。
麻生は刀を斜めに傾けそれを前に出し、右手で刀身を支え刀で道を作り神裂の唯閃を上に受け流す。
そして、神裂の懐に大きな隙が生まれる。
「ッ!?」
「そんな乱れた剣で俺を殺せると思ったか?」
そして、両手で刀を持ち右下から左上に斬りつけようとするが、神裂の身体に触れる直前に刀身が砕け散る。
刀が唯閃の威力に耐えられなかったのだ。
だが、二人の勝敗は今ので決まった。
神裂はそのまま後ろに尻餅をついて麻生は折れた刀を一瞬見て、そのまま上条の所に行って肩を担ぐ。
先ほどの神裂に身体を鞘で殴られたのか既に意識は無くなっていた。
そのまま小萌先生のアパートまで送る。
「私達は・・・私はどうすればよかったのですか。」
自分に聞いたのか麻生に聞いたのかどちらか分からない、だが麻生は答えた。
「自分でその答えを探せ。
俺からもらった答えを聞いた所で何の意味もないからな。」
麻生は振り返らずに神裂に言い、刻印の結界から出るのだった。
後書き
感想や意見、主人公の技の募集や敵の技の募集など随時募集しています。
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