万華鏡
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第八話 それぞれの家でその十二
「離婚も浮気発覚もあれば」
「他もあるだろ」
「子供ができたり」
それもあった。そしてだった。
「その子供もね」
「順調に進学したり就職したりもあるけれどな」
いいイベントもある。しかしだった。
「ぐれたりとか病気になったりとかな」
「あっ、これは」
ルーレットを回している里香がここでしまったと漏らした。
「自分が痛風になって子供もはしかになったわ」
「なっ、色々あるだろ」
「はしかもあるのね」
「あとおたふくとかな」
子供がかかる病気だった。
「水疱瘡とかもあるからな」
「子供の病気とか事故もあるわね」
「自分だってそうだしな」
「今里香ちゃん痛風になったし」
「私自身はなってないけれどね」
里香自身がそれはだという。
「それでもね」
「なるわよね。生きてると病気に」
琴乃は今は里香に応えた。そこで美優がまた言う。
「だろ?生きてれば病気だってなるからな」
「平穏無事とは中々いかないのね」
「父ちゃんいつも言ってるんだよ。油断するとすぐに病気になるってな」
「この痛風とか?」
「糖尿病とか高血圧とかな」
こうした病気は生きていれば本当につきまとってくる。まだ高校生の美優達もそれは例外ではないというのだ。
「ビールも飲み過ぎたらな」
「痛風よね」
「ビールは怖いんだよ」
最も痛風の原因となるものだ。アルコール度は決して高くはないがそれでもそうした怖いものがあるのだ。
「日本酒もそうだけれどな」
「あっちは糖尿病よね」
「そうだよ。父ちゃん酒と食い物には注意しろってよく言うよ」
「そうそう。それでなのよ」
里香もここで言ってくる。
「お母さん味付けとか食材に五月蝿くて」
「それで薄味だったんだな」
「私もそうなったのよ」
「里香ちゃんの家ってヘルシー志向なんだな」
「かなりそうだと思うわ」
実際にそうだと言う里香だった。
「身体にいいものを食べなさいって言われてきたの」
「まあそれはそうだけれどな」
「それでも今思うと極端だったけれど」
琴乃達と付き合ってわかったことである。
「それでも食べること、飲むことは」
「そのまま健康につながるからな」
「ゲームでも痛風になったらね」
里香は今やっている痛風の話もした。
「嫌な気持ちになるわよね」
「だよな。それわかるよ」
「危なかったわ」
今度は景子がルーレットを回していた。その目を見てほっとなっていた。
「あと一つでね」
「どうなってたの?」
「交通事故だったわ」
それになっていたというのだ。見れば景子の駒の一つ前に交通事故になって二回休みとある。これも人生ゲームの恒例イベントだ。
「危なかったわよ」
「ううん、本当に人生よね」
琴乃はその駒の流れを見て言う。
「運よね」
「そうね、運よね」
「運ってあるんだよな」
美優はしみじみとした口調になっていた。今度は彼女の番だ。
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