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万華鏡

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第八話 それぞれの家でその五


「皆スタイルいいじゃない」
「だといいんですけれど」
「それなら」
「まあそれでもね」
 先輩はとりわけ美優を見て言う。
「やっぱり貴女がね」
「あたしがですか」
「ええ、一番スタイルがいいわ」
 こう微笑んで言うのだった。
「モデルみたいじゃない。私なんてあれよ」
「えっ、先輩だってかなり」
「そうですよ」
 五人はその先輩の胸を見ている。胸は西瓜の様に前に出ていて形もそうした感じだ。それが二つ青いジャージを押している。
 その見事な胸を見て五人は言う。
「凄いですから」
「羨ましいですよ」
「そう言ってくれるのね」
「私達胸はあまり」
「ですから」 
 一応彩夏の胸は結構ある。だが先輩と比べるとだった。
「全然勝てないですから」
「正直羨ましいです」
「そう言ってくれると嬉しいわ。けれどね」
「けれど?」
「けれどっていいますと」
「これで結構大変なのよ」 
 先輩は苦笑いと共に己の胸を見て五人に話す。
「胸が大きいとね」
「えっ、大きいとですか?」
「大変なんですか?」
「動く時に邪魔になって」
 そしてだというのだ。
「それに肩も凝るし」
「胸があって肩が凝るんですか?」
「そうなるんですか」
「そうよ。胸があるとね」
 先輩が少し動くだけで胸が動く。かなり揺れる。 
 その揺れる胸でこう言うのだった。
「かえってね」
「揺れてですか」
「そうして」
「大変だからね」
 先輩は苦笑いと共に話すのだった。そして先輩に景子が必死な感じの顔になってこう尋ねたのだった。切実なものさえ見せて。
「あの、いいですか?」
「何かしら」
「胸ってどうしたらそこまで大きくなるんですか?」
 その胸を見ながらの言葉だった。
「あの、本当に」
「どうしたらって」
「そこまで大きな胸って」 
 今も胸を見ている。二つの西瓜の如き胸を。
「凄いですから」
「どうしたらって言われてもね」
「やっぱり牛乳ですか?」
 景子が話に出したのはまずはこれだった。
「牛乳をよく飲んだら」
「それで大きくなるって言われてるわよね」
「はい、ですから」
「後はね」
 それに加えてだった。
「キャベツがいいっていうわね」
「はい、そう言われてますね」
「大豆がいいともね」
 胸にいいという食べ物は色々だった。
「言われてるわよね」
「はい、それじゃあ」
「とはいっても。私は特に」
 先輩は首を捻ってこう述べた。
「そういうのを特に食べたってことは」
「ないんですか」
「どれも嫌いじゃないけれどね」
 牛乳もキャベツも大豆もだというのだ。 
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