| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ハイスクールD×D 紅い神喰狼と赤龍帝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

いつも通りの朝

~真紅狼side~
俺の一日の最初は………必ず父さんの奇襲から始まる。


バッ!
ズンッ!


げっ、左耳を多少掠ってやがる!


「毎朝毎朝、奇襲するの止めてくんない? 父さん」
「それなら、オレを止めて見せるんだな!」
「父さんのせいで、毎度毎度枕、買い直してるの分かってんの?」
「それは、お前が避けるからいけないんだ………」


ちょ、この父親、暴論過ぎる!!
だいたい、(ばち)持って奇襲掛けらたら、誰でも避けるわっ!
狭い部屋の中で父さんと対峙してから10分が経ち、父さんが………


「言っておくが、母さんは未だに寝てるから、助けを待つなんてことは無駄だぞ!」
「チクショウ! 僅かな希望さえ奪うんじゃねぇ!!」
「なにはともあれ、これで………終わりだ!!」


そう言って父さんは飛びかかって来たが、寸でのところで俺の前で父さんの頭を掴む者が居た。


「あらあら………厳嗣狼さんは何やってんですかぁ?(超ニコニコ)」
「か、楓?! こ、これはだな………!!」
「………真紅狼、顔を洗って来なさい。もう学校行く時間ですよ」
「分かったよ、母さん」
「テーブルに珈琲と味噌汁があるから、好きな方を飲んで学校に行きなさい。………それと」
「それと?」
「玄関の前で朱乃ちゃんが待ってるみたいだから、急ぎなさいよ?」
「それは、急がねぇと」


母さんは現状況を詳しく知らせてくれた。
俺は、急いで支度して、味噌汁を飲む。
父さんは母さん最強のアイアンクローを食らったまま、動いていない。
母さんのアイアンクローを食らったら、二度と抜け出すことは出来ず、そのままお仕置き部屋に直行である。
その部屋は、衝撃吸収材に防音と近所迷惑にならないため、非常に恐ろしい部屋だ。
ちなみに俺も何度も体験している。
そして、支度が出来たので玄関に向かうと、母さんが奥からやってきた。


「朱乃、おはよう」
「おはよう、真ちゃん♪」
「真ちゃんって言うな、恥ずかしい」
「いいじゃない、私は好きよ?」
「俺は恥ずかしいんだよ」


なんで、この呼び名で呼ぶ事許しちまったんだろうな。
本当に過去の自分が恨めしい。


「お母様もお早うございます」
「はい、おはよう、朱乃ちゃん。ゴメンネ、待たせちゃって」
「いえ、大丈夫ですわ」
「それと、何度も言ってるけど私の事は“お義母さま”って呼んでいいのよ?」
「母さん。度々なんだが、時折、違うニュアンスで聞こえてくるのは、俺の聞き間違いか?」
「聞き間違えじゃないわよ」


そうだった………
母さんは普通に認めるんだった。
忘れてた。


「お、お義母さまなんて………///」
「いいのよ? 朱璃とこの前、一緒に買い物言った時にこういう話になったんだけど………朱璃も『朱乃は真紅狼くんに貰って欲しいわ~』って言ってたのよ?」


えぇ~。
俺達の知らない所で話を進められても困るんだが………
その時、母さんのお仕置き部屋から戸の開く音が微かに聞こえた。
すると、母さんは………


「厳嗣狼さん~~~、逃げだしたら五倍ですよ~~~?」


バタン………!!


再び閉まる音が聞こえた、しかもかなり強く。


「じゃあ、真紅狼、朱乃ちゃん、学校に遅れるからもう行きなさい」
「分かったよ。………母さん」
「何かしら、真紅狼?」
「………ほ、程々にね?」


母さんは手を頬に当て微笑しながら………


「ええ、“程々”にしますよ………フフッ♪」


こりゃ、終わったな。
そして俺達は学校に向かっていった。
向かっている最中、断末魔が聞こえた様な気がした。
~真紅狼side out~


~楓side~
真紅狼が朱乃ちゃんと学校に向かったのを確認した後、お仕置き部屋に向かった。


「さて、あなた………覚悟はいいですか?」
「………朱乃ちゃんが来てたのか?」
「ええ。来ていましたよ」
「真紅狼に告げなくて、良かったのか?」
「朱乃ちゃんが“人ならざる者”だと言う事ですか? 真紅狼も薄々気が付いていますよ。何せ、私達の子ですよ?」
「そうだったな………。これは余計な心配だったな」


その時、厳嗣狼さんの手元に木箱があった。
まさか………


「厳嗣狼さん。真紅狼に、『七ツ夜』を渡しましたか?」
「えっ………あっ!!」


どうやら、忘れていたらしい。
この人はどうして、こう………たまにやらかすのかしら。
まぁ、帰って来てから渡すとしましょう。
取り敢えず、するべき事をしないと!


「厳嗣狼さん、これを見てください」


厳嗣狼さんの前に置いたのは、厳嗣狼さんが切り裂いた真紅狼の枕だった。


「これが、どうかしたのか?」
「これは、私が真紅狼の為に買って来てあげた物なんですよ? それをこんなに切り裂いちゃって………………覚悟はよろしいですね?」
「あ、ちょ、ちょっと待ってくれ! し、しらなk…………アッーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」


私はいつも通りに弾幕を放った。
~楓side out~


~朱乃side~
真紅狼と共に歩いて学園に向かっているが、未だに先程の話のせいで顔が若干赤い。


「………お…」


母様もそんな話をしていたなんて………、帰ったらどこまで話したのか聞きださないと!


「おい、朱乃!」
「ひゃう! な、なに、真ちゃん?!」
「先程から呼んでいたのに、気が付いていなかったから強く呼んだんだが………」
「ごめんなさい、考えことを少ししてたのよ………」


さっきの事は聞かれていないわよね?
聞かれていたら恥ずかしいわ///


「もう学園着いたぞ?」
「え、あ、有難う。じゃあ、またお昼に逢いましょ」
「おう」


真紅狼は二年生の為、二年の教室に向かっていく。
そう言えば、部長が目を付けている“彼(・)”も、真紅狼と同じクラスだったわね。
何事も無ければいいけど………
そんなことを考えながら、私も自分の教室に向かった。
~朱乃side out~


まぁ、真ちゃんだから無い筈ないわね。 
 

 
後書き
この世界では、朱璃さんは死んでないのだ!
<な、なんだってーー?!

すみません、独り芝居やってました。
とまぁ、朱璃さんが死んでいない理由は後々語りますのでお待ちください。  
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧