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八条学園怪異譚

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第十五話 足元にはその四


「大丈夫よ」
「だといいけれど」
「やっぱり寝ないとね」
 聖花も健康管理には気をつけている。
「次の日もたないじゃない」
「そうそう。よく寝てよく食べる」
 愛実は食べることにも注意を入れた。
「お酒は飲んでもいいけれどね」
「飲むお酒を考えてよね」
「ビールは痛風、日本酒は糖尿病になるから」
 愛実は今度は奥さんみたいなことを言う。
「出来ればワインか焼酎」
「愛実ちゃんそっち派よね」
「一番駄目な飲み方は朝にビールに生卵を入れて飲む飲み方よ」
「それって何?」
「ドイツ人って朝食欲がないとこの飲み方なのよ」
 これは実際にそうしている。ドイツ人といえばビールだが彼等は朝食欲がない時にはこれを朝食にしているのだ。
「これってやっぱり」
「ビールに生卵よね」
「これでわかるわよね」
「痛風よね」
 聖花にもすぐにわかることだった。
「確実にそれになるよね」
「なるわよ」
 まさにその通りだというのだ。
「だからドイツ人って痛風多いらしいのよ」
「それはなるわね。ただでさえソーセージにベーコンにジャガイモにベーコンで」
「沢ークラフトもあるけれどね」
「基本お肉が多くてバターにビール」
「ドイツは痛風が国民病になってるのよ」
 ドイツといってもいいことばかりではない。やはり国民病というものがあるのだ、この辺りは日本と同じである。
「肥満と禿もね」
「禿もなの」
「日本より多いみたいよ」
「ドイツ人って格好いいイメージあったけれど」
「だからお肉とビールばかりだから」
 痛風だけでなく肥満も付きまといそしてこれもあった。
「食生活って大事よね」
「難しいわね」
 こうした話も二人でした。愛実はここで話を元に戻した。
「それでね」
「それでって?」
「私もしっかり寝てるから」
 愛実自身もそうしているというのだ。
「潜り込む日はね」
「そうしてるのね」
「そう、大丈夫だから」
「やっぱり学校から帰って一旦寝るのね」
「そうしてるの。部活もあるけれどね」
 こちらも忘れてはいない。
「ちゃんとしてるつもりよ」
「お勉強は?」
「そっちもね」
 ちゃんとしているというのだ。
「毎日少しずつでも勉強してるわ」
「そうそう。お勉強の方は毎日ちゃんとしてるとね」
 今度は聖花が愛実に対して言う。聖花も聖花で何処かお姉さんめいている。
「結構いい点数になるのよ」
「聖花ちゃんは結構どころかじゃないじゃない」
 愛実は少し苦笑いになって聖花に返した。
「中間でも学年トップでしょ」
「まあ成績のことは言わないでね」
 聖花自身も恥ずかしいというのだ。表情にもそれが出ている。
「そうしてね」
「そう。それじゃあ」
「とにかく今回は早いから」
 これまでと比べて比較的だというのだ。 
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