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八条学園怪異譚

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第十三話 理科室のマネキンその一


                第十三話  理科室のマネキン
 愛実と聖花早行さんと共に夜の学園を見回ったことを思い出していた。今二人は学校の授業が終わり部活に向かっている。
 その途中に廊下を歩きながら愛実はこう聖花に言った。
「ねえ、夜行さんが行ってた普通科のね」
「理科室のマネキンのことね」
「そう、動くマネキンだけれど」 
 愛実も聖花に言う。
「今度はそれ見に行かない?」
「そうね。ありきたりだけれどね」
「他にも色々学園の怪談のことをお話してくれたけれど」
「まずはね」
「うん、今度はそこに行こう」
 普通科の理科室にだというのだ。
「そうしよう」
「そうね。他にも気になる場所はあるけれど」
「普通科の理科室ね」
「普通科ね。そういえばね」
「そういえばって?」
「普通科と私達の商業科の仲ってどうなのかしら」
 聖花はふと考える感じになって愛実にこう言った。
「両方の関係って」
「特に悪くないんじゃないの?」
「仲悪くないの?」
「うん、商業科と工業科もね」
 愛実は聖花に対して述べた。
「悪くないと思うけれど」
「だったらいいけれど」
「何かあったの?」
「普通科の男の子達が商業科の女の子について色々言ってるらしいの」
「何て?」
「可愛い娘が多いとか少ないとか」
「それ何処の男の子でも言うと思うけれど」
 愛実は少し考えてから聖花に答えた。
「そういうことはね」
「そうなのね」
「こっちの男の子も言ってるでしょ」
 商業科の男子もだというのだ。
「普通にね」
「言ってるのかしら」
「そういう話聞いたことあるわよ」
 愛実は聞いたことがあるというのだ。
「結構ね。普通科の誰が可愛かったとか」
「そういうのお話いてるのね」
「そうよ。私達だってしてるじゃない」
「言われてみればそうかしら」
「アイドルの話だってするでしょ」
「あっ、私日本ハムの選手だとね」
「大リーグに行ったけれどダルビッシュ投手よね」
「あの人凄く格好いいじゃない」
 聖花は目を輝かせて愛実に話す。
「だから好きなのよ」
「それも大好きよね」
「うん」
 聖花は満面の笑みで愛実に答えた。
「本当に大好きよ」
「そうよね」
「愛実ちゃんは特撮俳優の人とか」
「うん、ジャニーズも好きだけれど」
「どっちかっていうと特撮系よね」
「背が高くて格好いいとね」
 愛実の好みだというのだ。
「ついつい見ちゃうのよ」
「昔から特撮系の人好きよね」
「藤岡さんとかね」
 その特撮俳優のはしりとも言っていい廃油運名前も出た。
「子供の頃から大好きよ」
「そうよね。まあ私も嫌いじゃないけれど」
「私小さいからね」
 愛実は少し苦笑いになって自分の背のことを話した。愛実は他の部分は大きい場所もあるが背は低いのである。 
「大きい人が好きなのよ」
「それでよね」
「そう。子供の頃からね」
「そういえばダルビッシュさんも」
「野球選手だから背が高いわよね」
「うん、結構ね」
 聖花もそうだと愛実に返す。 
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